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平成20年度 国際セミナー報告書
障害者の一般就労を成功に導くパートナーシップ

Report on International Seminar
Success through partnership to promote open employment of persons with disabilities

講師プロフィール

炭谷茂氏の写真

炭谷 茂/Shigeru Sumitani

社会福祉法人恩賜財団済生会理事長
元環境事務次官
日英高齢者・障害者ケア開発協力機構副委員長
ソーシャルファームジャパン理事長

1969年東京大学法学部卒業後、厚生省(当時)に入る。厚生省国立病院部長、厚生省社会・援護局長、環境省官房長等を経て、2003年7月環境事務次官に就任、2006年9月退任。現在恩賜財団済生会理事長、(財)地球・人間環境フォーラム理事長、国立大学法人山口大学理事、学習院大学特別客員教授、創造学園大学特別客員教授、呉大学客員教授、(財)日本更生保護協会理事、損保ジャパン環境財団理事、ドナルド・マクドナルド・ハウス財団理事、朝日新聞厚生文化事業団評議員等を務める。

また国家公務員在職中から一個人として障害者、ホームレス、引きこもりの若者、刑余者などへの就労支援、貧困地域のまちづくりなど社会貢献活動に従事している。

最近の著書として「私の人権行政論」(解放出版社2007年)、「環境福祉学の理論と実践」(編著、環境新聞社、2006年)、「社会福祉の原理と課題」(社会保険研究所、2004年)、「地球環境問題の新常識」(共著、東洋経済新報社、2004年)、「高齢者看護学」(分担執筆、中央法規、2006年)

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キャシー・ベイカー/Kathy Baker

ソーシャル・ファームUK クオリティ開発部長
MBA(経営学修士)
BAOT(英国作業療法士協会会員)

ソーシャル・ファームUKのクオリティ開発部長で、2008年2月に導入されたソーシャル・ファーム初の品質基準(スター・ソーシャル・ファーム)を開発した。ソーシャル・ファームおよび第三セクター全体において、コンサルタントとしてのキャシーの役割はますます重要になってきている。2007年、新たに設けられたソーシャル・エンタープライズ・アドバイザーの資格を初めて取得した1人となり、2008年には、現在イギリスに2人しかいない、「カスタマー・ファースト基準」を満たすためのアドバイスを提供する資格を持つコンサルタントの1人となった。コンサルタント業務以外にも、ソーシャル・ファームを質の高いビジネスにするための支援や、スター・ソーシャル・ファームのステータス獲得のための支援、そしてソーシャル・ファーム・セクターのマッピングなどを中心に、ソーシャル・ファームUKで活動している。キャシーとソーシャル・ファームUKとのかかわりは2000年前後までさかのぼる。MBA論文のテーマは、ソーシャル・ファームにおけるマーケティング手段としての障害者利用の倫理であった。キャシーは、作業療法士としての過去のキャリアが、いかなる障害や年齢、あるいは不利な立場にもかかわらず、人々が充実した人生を送れるようにするという熱い信念の鍵となっていると信じている。キャシーは既婚で、成人した息子二人は、現在ロンドンで働いている。キャシー自身はイングランド南部の海岸に近いサセックスの小さな村に住み、村の生活に積極的に参加している。

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ゲーロルド・シュワルツ/Gerold Schwarz

国際移住機関(IOM)経済開発局プログラムマネージャー
前ソーシャル・エンタープライズ・パートナーシップ(SEP)所長

ソーシャル・エンタープライズ・パートナーシップ(SEP)所長を2年間務める。SEPは、英国における6つのソーシャル・エンタープライズ団体による戦略的連携機関で、ソーシャル・エンタープライズ・セクターに関する認知と啓発、業績向上、支援システムの一層の効率化、ベストプラクティスの主流化、およびソーシャルインクルージョンと社会起業に関する広範なプログラムに影響を与える革新を進めることを目的として策定された、全国的なソーシャル・エンタープライズ・プロジェクトを実施してきた。

「ソーシャル・ファーム」のコンサルタント会社であるFAF gGmbHで、社会起業に関するプロジェクトマネージャーとコンサルタントを10年間務めた。ソーシャル・ファームは、障害者の雇用を創出すると同時に、その使命を果たすための十分な売上を得るというダブルボトムラインを追求している。ゲーロルドは、この分野における数々の国際プロジェクトの運営、国際会議の企画、ソーシャル・ファームに関する論説の発表を行う。

1997年、労働社会省のために、ドイツのソーシャル・エンタープライズに関する全国調査を実施。1997年から1999年までは、ニューヨーク市のInCube社に勤務。InCube社は、自営業を始める精神障害者を支援するコンサルタント会社で、顧客自身が経営に参加。1994年から1998年までは、CEFEC(精神障がいを持つ人の就労に関する欧州会議)事務局を指揮し、その執行委員を務めた。ドイツ、シュトゥットガルトの出身。ベルリン自由大学で心理学の修士号を取得し、ベルリン経済大学および英国ケンブリッジのアングリア・ポリテクニック大学でMBAを取得。

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河村 宏/Hiroshi Kawamura

DAISYコンソーシアム会長
NPO法人 支援技術開発機構副理事長
国立障害者リハビリテーションセンター研究所特別研究員

1970年から1997年まで東京大学総合図書館に勤務。(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター長、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部長を経て現職。

すべての人が共有する知識と情報のデザインを通じて、情報アクセス権と著作権の調和を目指す。また、ソーシャルインクルージョンの立場に立ち、DAISYを活用した高齢者・障害者の安全確保、HIV/AIDS対策、先住民族の情報アクセス権擁護等の国際協力に関わる。

フィリーダ・パービス氏の写真

フィリーダ・パービス/Phillida Purvis

リンクス・ジャパン会長
MBE(大英勲章第五位)

ダーラム大学神学部を卒業。ロンドン大学東洋・アフリカ学科で日本語を学ぶ。

英国大使館職員としてシンガポールで政治を、また東京で経済を担当した後、退職。東京大学大学院で日本の外交政策を研究。大和日英基金の副事務局長を5年間務める。1998年、社会参加、地域再生、国際開発協力問題を中心に取り組んでいる日英の市民社会団体の交流を促進するリンクス・ジャパンを設立、会長に就任。1998年10月から1999年7月まで、日英21世紀グループの事務局長。難民や強制移住者のために活動しているNGO、国際難民トラスト(IRT)の理事。世界各地へ青年ボランティアを派遣しているラティテュードの理事。

世界の地域団体とソーシャル・エンタープライズが、共同プログラムとITの利用を通じて経験を共有することを推進しているグローバル・リンクス・イニシアティブの国際諮問委員会委員。

ロンドンに拠点を置く、日本文化、スポーツおよびレクリエーションに関するセンターの設立企画プロジェクトである、日本アリーナの理事兼事務局長。墨田区のセツルメント、興望館の諮問委員会委員。国際友好和解基金幹事。ボランティア組織最高責任者協会の日本に関するアドバイザー。ケニア・ウガンダと日本のコミュニティとの関係を促進する世界アフリカン・ディアスポラ連合およびメンディング・ザ・ギャップのアジア太平洋地域に関するアドバイザー。

寺島彰氏の写真

寺島 彰/Akira Terashima

浦和大学総合福祉学部 学部長・教授

大学で障害児教育について学んだ後、障害者更生施設のソーシャルワーカーとして16年間勤務した後、厚生省(現厚生労働省)障害福祉専門官、国立身体障害者リハビリテーションセンター国際協力専門官、同センター研究所障害福祉研究部社会適応システム開発室長、同障害福祉研究部長を経て現職。研究テーマは、障害者福祉政策と福祉機器を活用したソーシャルワーク。

社会福祉学会、経済政策学会、地域経済学会会員。国際協力機構(JICA)障害者専門家コース企画委員、総合リハビリテーション研究大会常任委員を務める。

著書に、『障害者差別禁止法とソーシャルワーク』,翻訳監修,中央法規出版,2003
『障害者福祉論』,福祉士養成講座編集委員会編集,共著,中央法規出版,2003
『支援費制度辞典』,京極高宣・初山泰弘監修,共著,社会保険研究所,2003などがある。

上野容子氏の写真

上野 容子/Yoko Ueno

東京家政大学文学部心理教育学科教授
学校法人渡辺学園保健センター副所長
駒澤大学、立教大学非常勤講師
精神保健福祉士

昭和46年日本社会事業大学卒業後、東京都内の精神科病院に精神科ソーシャルワーカーとして5年間勤務。精神障害者の地域生活を支援する活動を希望し、昭和53年、東京都豊島区にて、穂積登精神科医(現:(医)慶竹会 ホズミクリニック院長)が創設した精神障害者の「居場所づくり」(みのりの家)にかかわる。

その後、作業所、グループホーム、ショートステイ、授産施設、地域生活支援センター等の精神障害者の社会資源づくり、施設の開設、事業運営、活動に携わり、平成12年まで民間団体「ハートランド」事務局長、平成8年から12年まで(福)豊芯会副理事長(現:理事)の役職を務める。平成10年から、(福)豊芯会に勤務しながら、法政大学(平成17年退職)、立教大学、駒澤大学、日本社会事業大学(平成18年退職)、東京家政大学にて精神保健福祉担当の非常勤講師。

平成13年4月から、東京家政大学専任教員(現:教授)として、精神保健福祉分野を担当。同年、(福)豊芯会を退職し、以来、理事の立場やスタッフのスーパーバイザーの立場で関わりを続けている。埼玉県内の狭山市、入間市、飯能市の関係委員会や関係団体の理事、監査等の役を担い、精神障害者の地域生活支援事業の発展のために活動している。

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山内 繁/Shigeru Yamauchi

早稲田大学人間科学学術院特任教授

東京大学大学院工学系研究科博士課程応用科学専修科課程修了。工学博士。

東京大学工学部助手、講師、助教授として電気化学、エネルギー化学の研究教育に従事した後、1985年国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所に移り、障害工学研究部長として福祉機器の研究開発に従事。

1992年同研究所長に就任。2005年より早稲田大学人間科学学術院特任教授、現在に至る。福祉機器が機能障害の補償に留まらず利用者のQOL向上に役立つために、従来の工学のパラダイムを転換し、あらたな工学ディシプリンとして支援工学の構築に努めている。国際アクセス・技術委員会委員。