基本的な質問事項
1. ICIDHの対象範囲
障害(disablements)とは、疾病や健康状態の「諸帰結(consequences)」を示すものとして解釈されており、ICIDHの概念的枠組みの基礎を形成している。健康状態とは、その人を苦悩に導いたり、日常生活に差し障りを生んだり、保健サービスを受けることになったりするような個人の健康の状態の変化や特性のことである。だとするならば、ICIDHは以下の1つあるいは複数に関連する諸帰結を取り扱うものとすべきではなかろうか。
- 疾病
- 変調
- 損傷及び外傷
- その他の健康状態
- ) 老化
- ) 妊娠
- ) 遺伝的素質
- ) ストレス
- ) 暴力
- ) その他(詳細を明記のこと)
討論会では、上記のなかで含めるべきものは何か、それを含める理由は何か、明らかにしてください。また逆に、含まれるべきでないものとして何があるのか、そして何故それが含まれないのかという理論的根拠も同時に明らかにしておくべきである。最後に、上記には含まれていないが、含まれるべきものがあれば明確し、その理由も記してください。
2. 「諸帰結(consequences)」という用語
- 「諸帰結(consequences)」という用語は、非常に重要な表現としてICIDHの序章に残すべきか、あるいはより適当な表現に置き換えられるべきか?
- 「諸帰結(consequences)」という用語が意味するものは何か?
- 「因果」関係、つまり疾病あるいは健康状態の結果。
- 「時制」関係、つまり疾病あるいは健康状態の後に生起する。
- 「関連性」。必ずしも原因や時間的経過と関連せず、疾病や健康状態の帰結の(ある期間内での)前駆症状(早期の症状)であることもある。
討論会では、「諸帰結(consequences)」という用語の意味をもっとも的確に表現するのは上記の、あるいはその組み合わせの、どれか、お答えください。
討論会では、ICIDHの内容を形成する様々な次元の定義が紹介された上で、ICIDHが分類しているものは何であるか、答えてください。(3つの定義については「基本的質問」の質問11を参照してください:日本フィールドテスト企画委員会)
「諸帰結(consequences)」という用語の扱い方の選択肢は次の通り。
- 「諸帰結(consequences)」という用語は因果関係という誤解を与えるので削除 し、特に何も説明しない。
- 「諸帰結(consequences)」という用語を他の用語に置き換えること。他の用語の例として、関連性、関連した特色、等があげられる(もし、これが討論会の 合意であれば、推奨される用語、及び用語を置き換えることによって生じる利点及び欠点を明確に記すこと)。
- 「諸帰結(consequences)」という用語を残し、おこりえる誤用及び誤解に対してあらかじめ注意を促しておくこと。
討論会の回答では、この問題の議論及び議論から導かれた勧告を記述してください。
3. 「障害(disablement)」という用語
目下、ICIDH-2素案は「障害及び機能の諸次元に関するマニュアル」として概念化されつつある。「障害(disablement)」という用語を1つの総称的な用語として残すかどうかが問題とされている(例えば、参加、活動、身体構造と機能の否定的な側面を表現する言葉である、など)。
「障害(disablement)」という用語は総称的な用語として残されるべきか、それとも他の総称的な用語に置き換えられるべきか。
討論会では、残すにしろ変えるにしろ、その利点と欠点を述べてください。もし用語を変えることが推奨されるならば、身体構造や機能、活動や参加の否定的な側面の上位概念としての代替用語の提案と、その変更の理由を述べてください。身体構造及び機能、活動や参加の次元を包括する中立的、肯定的な用語の提言もお願いします。
4. ICIDHの適用
ICIDHは多くの異なった形で適用され、障害と関連のある数多くの分野において有用性が見いだされていくであろう。あなたがICIDHの適用に対して考えているのは以下のいずれであろうか?
- 統計的適用(疫学、データベースの開発、記録道具、人口統計)
- 管理運営(保健情報システム、保健サービスの運営、ケアマネージメント)
- 研究(保健及びリハビリテーションの効果測定、QOL、等)
- 臨床的なケア(ニーズ評価、職業評価、治療の妥当性、効果)
- 社会政策(受給資格決定及び計画、障害保険、政策の策定及びその実施)
- 教育(カリキュラム設定、訓練、その他)
討論会の回答では、上記各項目について議論された問題を記述し、その見解の根拠を述べてください。
5. ICIDHモデルと諸概念の相互作用
- ICIDHは、障害のプロセスを研究するための適切な枠組みを提示しているか、それとも単にある一定の背景における、身体の構造と機能、活動、参加といった異なった次元での障害の現象を、異なった側面から描写する事を手助けするものか。
討論会では、次の二つのどちらかの立場をとってください。一つは、プロセスを研究する枠組みとしての、現行のICIDH-2の図案(図1)の長所と短所とその根拠を述べてください。もう一つは、障害プロセスの研究という目的に向けて、現行の案に比べて著しい改善となるような代替モデルか枠組み(現行案の一部修正または改正)があれば、それについて詳しく議論してください。
概念の間の相互作用は以下の通りです。
- ICIDHは、障害すなわち機能障害、活動の制約/困難、参加の制限や、それらの現象に影響するかもしれない背景因子といった枠組みの中で健康の諸帰結を吟味するモデルを提示している。これらの異なった現象が、一方では健康状態との、そしてもう片方では背景との間にどのような相互作用があるかは、さまざまな図表を用いて描くことができる。ある特定の背景において、ある健康状態が機能障害を生み出し、その機能障害は活動の制約と参加の制限と関わっている。活動の制約が今度は、さらなる機能障害を引き起こし、別の活動の制約や参加の制限を導く事もあり得る。活動の制約がないのに、機能障害が直接参加の制限に結びつくこともあろう。健康状態が、機能障害も活動の制約もないにも関わらず、参加の制限を生み出すこともある。参加の制限それ自体が、活動の制約または機能障害を引き起こすこともある。これらすべての込み入った関係は、直接的または間接的に背景状況によって影響を受ける。次の図表はこの理解をうまく把握させる でしょうか。なにか代替となる絵入りの表現や、またはこの図表に対する修正の提案がありますか。
次にあげる図表は、基本的質問の議論のために委員会に提示してください。委員会の回答は、どういった議論がなされたかを述べ、上記の質問に対する合意の回答を示し、もしあれば代替の考えやモデル(その根拠も)を提示してください。
6. 障害(disablement)に関する背景因子
現在、ICIDHは、機能障害や活動、参加に強い影響を与える可能性のある、背景因子のリストを用意しています。これらには次のものが含まれます。
- 環境因子:
- 製品、用具、消耗品
- 対人支援と援助
- 社会経済的、政治的制度
- 社会文化的構造、規範、規則
- 人工の物理的環境
- 自然環境
このリストとそれに付随する定義は、ICIDH分類と関連する背景因子として十分包括的といえるでしょうか。もしそういえるなら、どうぞ討論をしてその確証を提供してください。もしそうとはいえないなら、その根拠と環境因子に加えるべき項目を述べてください。
現在ICIDHは、活動と参加に強い影響を与える可能性のある人的因子のリストは用意していません。ICIDHは人的因子を含めるべきでしょうか。もしそうであるなら、これらの因子は次のものを含むべきでしょうか。
- 人的因子:
- 年齢
- 性
- 教育
- 個人の資産や特性
- 遺伝的リスク・素質
- ライフスタイル
- 対処のスタイル
- しつけ、過去の人生での出来事、現在の出来事
- 全体的な行動のパターンや性格の型
- その他(具体的に )
このリストは、ICIDH分類と関連する背景因子として、十分包括的といえるでしょうか。もしそういえるなら、討論をしてその確証を提供してください。そうとはいえないなら、その根拠と環境因子に加えるべき項目を述べてください。
討論会の回答には、環境因子と人的因子の両方について、討論の主な事項を記入してください。また、現在のカテゴリーをそのままにしたり、修正したり、ICIDHから削除する根拠と、どのようにしたらよいかを述べてください。
7. 分類の細分化のレベル
何を含み何を除外するかについて決定するときの、分類の目的と有効性について。例えば、機能障害の分類の場合には、外部から観察されず観察から推論することもできないような内部での機能の変化を含めるのか、それとも、身体のシステムや身体の部分に顕在する機能に分類を制限し、細胞レベルや細胞以下のレベルを除外するのか、決定することが必要でした。
異なる学問分野での分類に対する要求は様々です。例えば、身体の各反射作用における変化を記述するために神経学者に必要とされる項目のレベルは、コミュニティで活動するリハビリテーション従事者に必要とされるものとは、非常に異なっています。特別なニードに拡張する可能性を制約することなく、多様な実践的なニードのバランスを保つような、共通の核をみいださなくてはなりません。ベータ草案では、申し立てのあった要求を扱う手段として、次のようなやり方が考案されました。
- 各分野に「その他」を入れる。これによって利用者は目的に応じて、どのような項目が必要であっても、追加の機能障害、活動、参加の分野を具体的に現すことができる。
- 各章の最後に空きコードを残しておき、ベータテスト段階で利用者が仕事に役立つと思うようなコードを開発することを奨励する。
- ICIDH-2の決定の後、既存のコードを増やすことを可能にする手続きの仕組みを正式に設けて、専門分野別の修正版の開発を可能にする。
これらの戦略は、これから利用する可能性のある人の様々なニードに便宜を図るという課題に対して、適切といえるでしょうか。
- a)はい または b)いいえ。
もし、いいえならば、どのような戦略が適切であるか具体的に示してください。
討論会では分類全体に当てはまる項目の細分化のレベルはどうあるべきか、答えてください。つまり、普遍的な使用のために適切な細分化のレベルという点から、ICIDHの「共通の核」であるべきものについて、回答を示してください。共通の核は、部門(I、A、そしてPによって異なることもありますが、それぞれの部門の中では一貫していなくてはなりません。ベータ案で提案されているレベルが適切かどうか、他に提案できる方法があればそれについて、討論してください。
8. 現在のベータ草案の番号(コード)化システム:
ICIDHでは、i,s,a,p,cの文字で機能面の機能障害、構造面の機能障害、活動、参加、背景因子のリストの記号を表す、文字数字式システムを番号化方式として使用しています。10個の章のコードは0から9の範囲を取っており、以前分割して提案された章が統合されています。あるコードの範囲が章の下位区分を表示する場合には必ず、最初の3桁の数字の後に星印が使われています(例えば、一般的な精神機能はi010*)。小文字と大文字を組み合わせることは、データ入力を促進したり手書きのコードの間違いを最小にするため、避けました。ピリオドはコード内には設けないことにしました。これはコードの後にピリオドを付け、それ以下の部分に、活動の場合の困難及び(または)援助や、また、参加の場合の程度や環境的な障壁・促進因子などの修飾要素を示すためです。期間や開始年齢などのような他の修飾要素は、研究者達の取り決めに応じて、上記の修飾要素に続けて記すことができます。
以下では、ベーター草案での現在の番号化システムと代替案のシステムを示します。
現在のベーター草案: | 代替案: |
機能面の機能障害の分類(i) | 機能障害の分類 |
第1章 精神機能(0) | 第1章 精神機能 |
i001* 一般的な精神機能 | 1.0 一般的な精神機能 |
i00100 意識 | 1.0.01 意識 |
i00110 意識の覚醒度 | 1.0.01.01 意識の覚醒度 |
i00111 清明/覚醒 | 1.0.01.01.1 清明/覚醒 |
i00112 混濁 | 1.0.01.01.2 混濁 |
i00113 意識喪失 | 1.0.01.01.3 意識喪失 |
i00118 その他 | 1.0.01.01.8 その他 |
i00119 詳細不明 | 1.0.01.01.9 詳細不明 |
i00120 意識の持続性 | 1.0.01.02 意識の持続性 |
i00130 意識の質 | 1.0.01.03 意識の質 |
i00180 その他 | 1.0.01.08 その他 |
i00190 詳細不明 | 1.0.01.09 詳細不明 |
これらのシステムの選択肢のうち、どちらがよいと思いますか。
- ベータ草案の番号化システム
- 代替案
あなたが良いと思う理由を説明してください。
あなたが提案したいこれ以外のシステムがありますか。具体的にお願いします。
どの程度詳しい分類にすべきかという点、項目の追加の可能性、ICIDHの様々な活用法、利用者の様々なニードなどを考慮しながら、2つのシステムの利点と欠点について、討論会の考えを述べてください。また、手書きでの記入やコンピュータでのデータ入力などのデータの記録と関連した問題についても、注意を払うようお願いします。
9. 「身体機能」と「活動」の境界
ICIDH-2のベータ1草案の現在の枠組みでは、見る、聞く、認知する、つかむ、伸ばす、引くなどは、個人レベルでの基礎的な活動として分類されています。なぜなら、これらの活動の制約からは、身体レベルでの機能障害について直接的に推論することができないためです。基本的な感覚といくつかの機能は、身体レベルと個人レベルの両方で捉えられます。身体レベルでは、それらは複雑な機能障害として理解されます。個人レベルでは、基本的な活動や行動として理解されます(例えば、視覚-見る能力-は、身体機能としての機能障害のことであるが、見るという活動は、Aコードの中である人の遂行の指標として記録される。同様に、実行機能として計画するということは機能障害のコードを指しているが、一方で、複雑な課題を計画するという活動は、活動コードを意味している)。
- このような定義づけに賛成ですか
- はい
- いいえ
もし賛成でないならば、説明してください。
- 見る、聞く、認知する、つかむ、伸ばす、引くといった単純な行動は、身体レベルでの機能障害としてのみ分類されるべきだと思いますか。
- はい
- いいえ
もし賛成ならば、それらを個人レベルでの活動とは考えず、身体の機能とすることの利点を、説明してください。
討論会は、ある現象を身体機能ではなく個人レベルの活動として分類するためのルールを回答してください。このようなルールで問題となるのは、「複雑な機能障害」と「単純な活動」の関連の理解などです。またIとAの2つのレベルに区分することの実践的な意義についても検討してください。
10. 「活動」 と 「参加」 の境界
ICIDH-2のベータ1草案の現在の枠組みでは、関係の維持、仕事を得てそれを続ける技能、芸術的な追求に従うことなどの複雑な活動は、多数の基礎的な活動の組み合わせを含み、環境との相互作用を必要とするものと考えられています。それにもかかわらず、それらは個人レベルでの活動として分類されています。なぜなら、このような活動からは、実際的な参加の程度について、推論することができないためです。
- このような定義づけに賛成ですか
- はい
- いいえ
もし賛成でないならば、説明してください。
- あなたは関係の維持、仕事を得てそれを続ける技能、芸術的な追求に従うことなどの複雑な活動を、社会レベルでの参加の問題としてのみ分類すべきだと思いますか。
- はい
- いいえ
もし賛成ならば、それらを個人レベルでの活動ではなく参加の問題と考える理由とその利点を、説明してください。
討論会では、ある現象を参加の領域ではなく個人レベルでの活動として分類するためのルールを回答してください。このようなルールで問題となるのは、「複雑な活動」の取り扱いであり、ここでは参加の領域と同じように本来的に環境との相互作用がみられます。またAとPとの2つのレベルに区分することの実践的な意義についても検討してください。
11. 全体構想と定義
ICIDHの全部の側面を議論するのに適切な方法とおもわれる構想は次のとおりである。
中立的 | 否定的 | |
全体像 | 機能(働き)の次元 | 障害の次元 |
第1の次元 | 生理的・心理的機能または身体の構造 | 機能障害 |
第2の次元 | 活動 | 活動の制限 |
第3の次元 | 参加 | 参加の制約 |
中立的/記述 | 否定的/定義 | |
分類のタイトル:機能障害、活動参加の国際分類障害と機能の諸次元の分類マニュアル | 機能(働き)の次元 | 障害の次元 |
第1の次元 | 生理的または心理的機能と身体の構造 オプション:生理的・心理的機能と身体の構造とは、それぞれ身体の一部または身体全体の特殊な働きと、外観や構成のことである。 |
機能障害ベータ1草案の定義:機能障害とは、身体の構造または生理的・心理的機能の喪失または異常である。 オプションの定義:(異常の代わりに)著しい変差または変更。 オプション:身体の一部または身体全体の外観や構成または特殊な働きのことである。 |
第2の次元 | 活動 ベータ-1素案定義:活動とは、個人のレベルにおける機能の種類と程度のことである。 オプションの記述:活動とは、非常に初歩的で単純なものから非常に複雑なものへと広い範囲にわたる個人の認知的または生理的な方法での行いのことである。 |
活動の制約 ベータ-1素案定義:活動はその種類、持続性、質の面で制約されることがある。 ベータ-1素案の追加記述:活動を行うことの困難さは、質的・量的に、その活動をする方法において変更が起こったときに生じる。活動の制約は以前には能力障害とよばれた。 オプションの定義:活動の制約は、個人が実行に移す場合の認知的生理的な活動のやり方の上に起こる質的・量的な喪失もしくは異常(著しい変差もしくは変更)である。 |
第3の次元 | 参加 ベータ定義:参加とは、機能障害、活動、健康状態および背景因子との関係の下での、個人の生活状況への関与の種類と程度である。 オプションの記述:上記定義の中の「活動」を「活動(の制約)」へと変える。 |
参加の制限 ベータ定義:参加はその種類、持続性、質の面で制限されることがある。 ベータ素案の追加記述:参加の制限は以前は社会的不利とよばれていた。 オプションの定義:機能障害、活動の制約そして背景因子との関係の下での、その個人の生活状況への関与の質的または量的な喪失または異常である。 |
背景因子とは、個人的因子と環境的因子からなり、また障害の過程の全体、そして特に参加を理解する上で非常に重要なものである。ICIDH-2 ベータ-1 素案では、環境因子しかリストにのせていないが、もう一方の個人因子も重要なものであると認識している。
背景とは、人々が生存し生活を営む上での物理的、社会的、そして態度面の環境の特徴、側面、属性を含み、またそれらの環境の中の対象物、構造、人工の組織、サービス供給そして団体を含む。
上記の表の中のオプションの定義は、 ICIDH に組み込まれるべきか、それとも現在の素案のように、定義はそのままにしておいて本文の中で説明するのでよいか?
- オプション定義を ICIDH に加える。
- 定義はそのままにしておいて、本文で説明する。(現在の素案のように)
討論会では、現在の構想のよい点を討議し、もしあれば代案を検討するべきである。もしオプションの定義をICIDHに組込むことを提案するのであればその利点を明確に述べるべきである。
討論会では、定義のことば使い、おこりえる混乱や誤訳の要素、付け加えることや修正すること、または実践における操作化(定義を使いやすいように表現しなおすこと)に関してコメントするべきである。また、機能障害の定義で「異常」ということばが使われていることについて議論をし、このことばを、身体の構造と機能の統計的標準からの著しい変異として限定して用いることが受け入れられるかどうか、論じてください。もし、受け入れられないとしたら、そのほかの提案を述べてください。参加分類の項目はすべて「…における参加」となっている。討論会では、これが活動分類の対応する項目とは異なっているということを強調する正しい方法であるのか、または他の方法が使われるべきなのかを述べてください。
12. 本分類のタイトル
この分類のタイトルは、「国際障害分類」(ICIDH:International Classification of Impairments, Disabilities, and Handicaps-A manual of classification relating to the consequences of disease=機能障害、能力障害(能力低下)、社会的不利の国際分類-疾病の諸帰結に関する分類マニュアル)から、「国際障害分類2」(ICIDH-2:International Classification of Impairments, Activities and Participation: A Manual of Dimensions of Disablement and Functioning=機能障害、活動、参加の国際分類:障害と機能の諸次元のマニュアル)へとかわった。
機能障害(Impairment)という用語は、身体の構造と身体の機能の問題をさす。能力障害(Disability)という用語は、活動(Activity)という中立的な言葉に置き換わり、その否定的な側面は活動の制約とよばれる。社会的不利(Handicap)という用語は、参加(Participation)という中立的な言葉に置き換わり、その否定的な側面は参加の制限とよばれる。障害(Disablement)という用語は、健康状態の諸帰結の否定的な側面をとらえるも包括的な用語として用いられている。機能(働き)(Functioning )という用語は、身体レベル、個人レベル、社会レベルの全体の側面をとらえる包括的な用語として用いられている。
- あなたはこのタイトルの変更に賛成ですか?
- 1)はい。
- 2)いいえ。代わりの提案がありますか。具体的に書いてください。
討論会では、タイトルが分類の内容を適切にとらえているかどうか討論してください。現在のタイトルの弱点は何でしょうか。(もし代案があれば、)そのタイトルの長所は何でしょうか。
主題:
ICIDH-2 International Classification of Impairments, Activities,
and Participation
-A Manual of Dimensions of Disablement and Functioning
国際障害分類第2版
機能障害、活動、参加の国際分類
-障害と機能(働き)の諸次元に関するマニュアル
Beta-1 Draft for Field Trials, June 1997 (18-7-97版)
フィールドテスト用草案(ベータ1草案)
発行者:
World Health Organization, GENEVA, 1997
発行年月日:
1997年7月18日