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ポスト2015年開発アジェンダに関する非公式対話ヒアリング

2015年5月26日~27日
国連本部、ニューヨーク

コンセプト・ノート (抄訳)1)

日本障害者リハビリテーション協会 仮訳

概要

マルチセクターやマルチステークホルダーによる国連の持続可能な開発アジェンダの関与は徐々に増えてきている。国連ミレニアムサミットや国連の持続可能な開発会議(リオ+20)の成果では、新しいレベルの連携を取りながら、政府がより包括的、インクルーシブな、透明性でかつ説明可能な方法で、開発の課題に向けて取り組むことの必要性を強調している。このような関与は、加盟国や関係者が、社会や、経済そして環境の側面から貧困撲滅や持続可能な開発の達成を含めたポスト2015年開発アジェンダを策定する際に非常に重要である。

国連総会決議(69/244)に従って、国連総会議長は、ポスト2015政府間交渉の共同ファシリテーターと連携して、NGOや市民社会組織、メジャーグループそして民間セクターの代表者との非公式対話ヒアリングを2日間行う。

この対話ヒアリングは、新しい開発アジェンダの策定に貢献するため、発表者の積極的な参加の強化や、地域間とジェンダーのバランス、専門知識・セクター・年齢の多様化を確保することを狙いとしている。

趣旨

この対話ヒアリングでは、政府間交渉の重要な段階において、NGO、市民社会組織、メジャーグループ、民間セクターの代表者がポスト2015年開発アジェンダに関する意見を交換し提案を行う機会を設けている。このサミットの成果文書素案(ゼロドラフト)は2015年5月末までには発行される予定である。

形式と成果

この対話ヒアリングは、開会式、4つの対話式ラウンドテーブル討議、そして閉会式の構成となっている。このヒアリングでの成果は、加盟国と関係者に渡す議長の要旨のことであり、2015年9月25日~27日にニューヨークで行われるポスト2015年開発アジェンダの採択のサミットの前に入手可能の予定である。

ラウンドテーブル討議1 宣言

ポスト2015年開発アジェンダの宣言は、持続可能な開発の画期的なビジョンを発表するために独特な機会を設けている。このラウンドテーブル討議では、どのように成果文書の宣言が簡素かつ明快な方法で新しいアジェンダの目的と優先事項、その実施について明確に言及できるか、模索していく。

問いかけ

  • 社会、経済、環境の側面から明確で画期的な持続可能な開発アジェンダが、全ての人が理解し受ける入れることができるポスト2015年開発アジェンダの宣言の中に、どのように組み込まれるべきなのか?
  • 全ての政府や関係者がポスト2015年開発アジェンダで立案された根本的な変革の実施に向けて行動をとるようにさせるためには、どのように提案するか?
  • オーナーシップやコミュニケーションを最大化するポスト2015年開発アジェンダの宣言において、どのように持続的な開発目標やターゲットを特色付けることができるのか?

ラウンドテーブル討議2 持続可能な開発目標、ターゲット、指標

持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals :SDGs)に関するオープン・ワーキング・グループは一連の画期的な17の目標と、169のターゲットに賛同した。効果的にするため、SDGsの枠組は、革新的な変化を起こす行動をし、好事例を構築し、ギャップや既存または新たな課題に対して取り組むためのイノベーションを奨励するように国やコミュニティに強く働きかけなければいけない。SDGsの枠組みを促進し理解するために、パン・ギムン国連事務総長は統合報告書(Synthesis Report)で、尊厳、人間、繁栄、地球、正義、パートナーシップの6つを必須要素として提示している。証拠に基づき、かつ測定可能なSDGsの全てのターゲットに対する質的・量的双方の指標の開発が必要である。最近では、国連統計委員会は、検討事項に関する提案された指標に取り組んでいる。

ラウンドテーブル討議2では、目標、ターゲットそして指標に対する意見を交換し、キャパシティ・ビルディングへの投資、データ集計、統計分析、実施全体の必要について考察する。様々な統計データの項目の中で、性別、年齢、民族的背景、人種、地理的な場所、そして障害にもとづいた詳細なデータを得るための戦略についても議論する。

問いかけ

  • すべての人に考慮された目標やターゲットであり、誰も取り残さないように保証し、国レベルで実施のモニタリングを促進する方法でどのように指標を開発することが出来るのだろうか?社会から取り残された集団にも届くことを確実にするためには、どんな戦略が開発されることが出来るのだろうか?
  • ミレニアム開発目標からの教訓や、最も効果が高いことに関する証拠に基づく分析を活用し、全てのレベルにおいてモニタリングと説明責任を確保するために国・地域、テーマ別の指標を関連させながら、どのようにグローバルな指標の枠組みが画期的なプログラムを推進していくことができるのだろうか?
  • あらゆるレベルにおけるステークホルダーとの透明性と効果的な協同を確保するため、データ集計・使用・分析そして共有をどのように、公的および民間セクターにおいて強化することができるのか?

ラウンドテーブル討議3 持続可能な開発のための実施方法とグローバルパートナーシップ

ポスト2015年開発アジェンダの実施において、強い政治的意志とリーダーシップが全てのレベルにおいて必要である。社会、経済、環境の側面を広げることによって、財政、技術開発と技術移転およびキャパシティ・ビルディングという求められる実施方法が、発展途上国や先進国においてかなりあるだろう。必要とされるリソースの規模を結集させるためには、新たなグローバルパートナーシップが必要となるだろう。ここでの主な論題として、必要とされるリソースの活用と効果的な使用方法、政策の首尾一貫性、既存の好事例の発見とさらなる改善、能力の強化とそれを可能にさせる環境、技術移転の促進、マルチステークホルダー・パートナーシップの原則の定義、そして実施上での課題やギャップに取り組む方法が含まれる。

実施戦略はインクルーシブでなければならないと、多くの国やステークホルダーは明確に述べている。これまでこうした戦略の立案において取り残されている人々も参加し、公平で公正な利益共有を確保することが重要になるだろう。透明性、証拠に基づく意思決定プロセス、そして明確な役割責任が、ポスト2015年開発アジェンダの目的を達成するたに必要不可欠である。

問いかけ

  • ポスト2015のアジェンダの実施にあたり、課題の規模や多様化や、新しく付加的でかつ革新的な金融メカニズム選択肢を考慮しながら、公的や民間、国内外で増えている資金をどのように集め、それをそれぞれどのように補うことができるのか?
  • どんなメカニズムが、ポスト2015アジェンダの実施において、意味のあるインクルーシブなステークホルダーの参加と、ポスト2015年開発アジェンダの実施におけるマルチステークホルダー・パートナーシップを確実にすることができるのか?
  • どんな構造改革、キャパシティ・ビルディングの取組み、そして技術促進メカニズムが、特にポスト2015年開発アジェンダと持続可能な開発の目標の達成に向けて、実施する必要があるか?
  • どのように第3回開発資金国際会議の成果がポスト2015年開発アジェンダの実施に役立つのか? どのようにこの2つのプロセスの統一が達成をなされるのか?

ラウンドテーブル討議4 フォローアップとレビュー

ポスト2015年開発アジェンダの望みの達成を後押しするためには、国際的な金融機関、民間セクター、そして市民社会を含めた加盟国や他のステークホルダーによるあらゆるレベルにおける実施のフォローアップと見直しの効果的なメカニズムが必要である。モニタリングや見直しの既存のメカニズムに関する好事例は、立証され構築されることができるだろう。更に、このレビュープロセスは、不公平さ、不安定、気候変動、災害、資源の制約といった実施における既存もしくは新たな課題に対する対応を促進しうるものになるかもしれない。メジャーグループと他全てのステークホルダーの継続した関与を通して、フォローアップと見直しのメカニズムの公的な参加は、全てのレベルにおいて必要不可欠のものであると認識されている。

問いかけ

  • どのようにポスト2015年開発アジェンダに関する意識や理解が、このアジェンダのより効果的なフォローアップとレビューに役に立つために作られるのか?
  • どんなメカニズムや体系的な調整が、国際・地域・国・地方レベルにおいてインクルーシブで、権利に裏付けられ、かつ適切な時期で全てのアジェンダの実施に対する説明責任を確保するために必要なのか?
  • 持続可能な開発に関する国連ハイレベル政治フォーラムと他の国連のプロセスと組織はどのようにして効果的にアジェンダの実施に向けたプロセスの進捗状況を追っていくことができるのか?

注釈
出典
1)General Assembly of the United Nations(英語)【PDF】
(参照 2015/5/27)

関連資料(英語)

動画はこちらから
UN Webcast(英語)
http://webtv.un.org/live/
トップページから、「(1st meeting) Interactive Hearings with Civil Society and Private Sector Post-2015 Development Agenda」 を検索してご覧ください。