福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律
項目 | 内容 |
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備考 | 平成5年5月6日 法律第38号 *平成14年法律第166号まで反映 |
平成5・5・6・法律 38号
改正平成11・12・22・法律160号--
改正平成14・12・11・法律145号--
改正平成14・12・13・法律166号--
第1章 総 則
第1条(目的)
この法律は、心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人及び心身障害者の自立の促進並びにこれらの者の介護を行う者の負担の軽減を図るため、福祉用具の研究開発及び普及を促進し、もってこれらの者の福祉の増進に寄与し、あわせて産業技術の向上に資することを目的とする。
(定義)第2条
この法律において「福祉用具」とは、心身の、機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人(以下単に「老人」という。)又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう。
第2章 基本方針等
第3条 (基本方針)
厚生労働大臣及び経済産業大臣は、福祉用具の研究開発及び普及を促進するための措置に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
- 福祉用具の研究開発及び普及の動向に関する事項
- 福祉用具の研究開発及び普及の目標に関する事項
- 福祉用具の研究開発及び普及を促進するため講じようとする施策の基本となるべき事項
- 福祉用具の研究開発及び普及を促進するため第5条各項に規定する事業者及び施設の開設者が講ずべき措置に関する事項
- 前各号に掲げるもののほか、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する重要事項
3 厚生労働大臣及び経済産業大臣は、基本方針を定めるに当たっては、老人及び心身障害者の心身の特性並びにこれらの者の置かれている環境並びに福祉用具に係る技術の動向を十分に踏まえるとともに、福祉用具の研究開発と普及が相互に連携して行われるように留意しなければならない。
4 厚生労働大臣及び経済産業大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第4条(国及び地方公共団体の責務)
国は、この法律の目的を達成するために必要な福祉用具の研究開発及び普及の促進を図るための財政上及び金融上の措置その他の措置を講ずるように努めなければならない。
2 地方公共団体は、福祉用具の普及の促進を図るために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
3 国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、福祉用具に対する国民の関心と理解を深めるように努めなければならない。
第5条(事業者等の責務)
福祉用具の製造の事業を行う者は、常に、老人及び心身障害者の心身の特性並びにこれらの者の置かれている環境を踏まえ、その製造する福祉用具の品質の向上及び利用者等からの苦情の適切な処理に努めなければならない。
2 福祉用具の販売又は賃貸の事業を行う者は、常に、老人及び心身障害者の心身の特性並びにこれらの者の置かれている環境を踏まえ、その管理に係る福祉用具を衛生的に取り扱うとともに、福祉用具の利用者の相談に応じて、当該利用者がその心身の状況及びその置かれている環境に応じた福祉用具を適切に利用できるように努めなければならない。
3 老人福祉施設、身体障害者更生施設その他の厚生労働省令で定める施設の開設者は、常に、老人及び心身障害者の心身の特性並びに当該施設の入所者等の心身の状況を踏まえ、必要な福祉用具の導入に努めなければならない。
第6条(国有施設の使用)
国は、政令の定めるところにより、福祉用具の研究開発を行う者に国有の試験研究施設を使用させる場合において、福祉用具の研究開発を促進するため特に必要があると認めるときは、その使用の対価を時価よりも低く定めることができる。
第3章 指定法人
第7条(指定等)
厚生労働大臣は、社会福祉の増進を図ることを目的として設立された民法(明治29年法律第89号)第34条の規定による法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一に限り、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
2. 厚生労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者(以下「指定法人」という。)の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3. 指定法人は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4. 厚生労働大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
第8条(業務)
指定法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
- 次条第1項に規定する業務を行うこと。
- 福祉用具に係る情報であって老人及び心身障害者の福祉の増進に関するものの収集並びに次条第1項に規定する業務の対象となる者に対する当該情報の提供その他の援助を行うこと。
- 第5条第3項に規定する施設等における福祉用具の利用が老人及び心身障害者の心身の状況又はこれらの者の介護を行う者の負担に及ぼす効果に関する評価を行うこと。
- 都道府県の第23条に規定する措置の実施に関し、第2号の規定により収集した情報の提供その他の協力を行うこと。
- 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
第9条(指定法人による助成業務の実施)
独立行政法人福祉医療機構は、第7条第1項の規定による指定がされたときは、独立行政法人福祉医療機構法(平成14年法律第166号)第12条第1項第7号の規定による助成の業務のうち、福祉用具の研究開発及び普及に係るもの(以下「助成業務」という。)の全部又は一部を指定法人に行わせるものとする。
2.前項の規定により指定法人が行う助成業務に係る助成に関する基準は、厚生労働省令で定める。
3.厚生労働大臣は、前項の厚生労働省令を定めようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
第10条(業務規程の認可)
指定法人は、助成業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2. 厚生労働大臣は、前項の認可をした業務規程が助成業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3.業務規程に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。
第11条(事業計画等)
指定法人は、毎事業年度、厚生労働省令の定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
指定法人は、厚生労働省令の定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
第12条 (区分経理)
指定法人は、助成業務を行う場合には、助成業務に係る経理とその他の経理とを区分して整理しなければならない。
第13条(交付金)
独立行政法人福祉医療機構は、予算の範囲内において、指定法人に対して、助成業務に必要な資金に充てるため、独立行政法人福祉医療機構法第23条第1項の基金の運用によって得られた収益の一部を交付金として交付することができる。
第14条(厚生労働省令への委任)
この章に定めるもののほか、指定法人が助成業務を行う場合における指定法人の財務及び会計に関し、必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第15条(解任命令)
厚生労働大臣は、指定法人の役員が、この章の規定若しくは当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき、第10条第1項の認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は第8条に規定する業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定法人に対して、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
第16条(役員及び職員の公務員たる地位)
助成業務に従事する指定法人の役員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第17条 (報告及び検査)
厚生労働大臣は、第8条に規定する業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、指定法人に対して、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくはその事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2. 前項の規定による質問又は立入検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第18条(監督命令)
厚生労働大臣は、この章の規定を施行するため必要な限度において、指定法人に対して、第8条に規定する業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。
第19条(指定の取消し等)
厚生労働大臣は、指定法人が次の各号のいずれかに該当するときは、第7条第1項の規定による指定を取り消し、又は期間を定めて第8条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
- 指定に関し不正な行為があったとき。
- この章の規定又は当該規定による命令若しくは処分に違反したとき。
- 第10条第1項の認可を受けた業務規程によらないで助成業務を行ったときその他第8条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
2. 厚生労働大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は第8条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
第4章 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の業務
第20条
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「機構」という。)は、福祉用具に関する産業技術の研究開発を促進するため、次の業務を行う。
- 産業技術の実用化に関する研究開発であって、福祉用具に係る技術の向上に資するものを助成すること。
- 福祉用具に関する産業技術に係る情報の収集及び前号の業務の対象となる者に対する当該情報の提供その他の援助を行うこと。
- 前2号の業務に附帯する業務を行うこと。
第21条
削除
第5章 地方公共団体の講ずる措置等
第22条(市町村の講ずる措置)
市町村は、福祉用具の利用者がその心身の状況及びその置かれている環境に応じて、福祉用具を適切に利用できるよう、福祉用具に関する情報の提供、相談その他必要な措置を講ずるように努めなければならない。
第23条(都道府県の講ずる措置)
都道府県は、福祉用具に関する情報の提供及び相談のうち専門的な知識及び技術を必要とするものを行うとともに、前条に規定する措置の実施に関し助言その他の援助を行うように努めなければならない。
第24条(関係機関等との連携)
都道府県及び市町村は、前2条に規定する措置の実施に当たっては、関係機関及び関係団体等との連携に努めなければならない。
第6章 雑 則(指定法人及び機構の業務における配慮)
第25条
指定法人及び機構は、第8条及び第20条に規定する業務が円滑に実施されるよう、相互に連携を図らなければならない。
第26条 (罰則)
第17条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、30万円以下の罰金に処する。
第27条
法人の代表者又は法人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対しても、同条の刑を科する。