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韓国-障害者差別禁止及び権利救済等に関する法律

崔 栄繁仮訳(2008年4月22日版)

第2章 差別禁止

第1節 雇用

第10条(差別禁止)

  • 1) 使用者は、募集・採用・賃金及び福利厚生、教育・配置・昇進・転勤、定年・退職・解雇において、障害者を差別してはならない。
  • 2) 「労働組合及び労働関係調整法」第2条第4項による労働組合は、障害者労働者の組合加入を拒否したり組合員の権利及び活動に差別をしてはならない。

第11条(正当な便宜供与義務)

  • 1) 使用者は、障害者が該当職務を遂行することにおいて、障害者ではない人と同等の労働条件で仕事することができるよう、次の各号の正当な便宜を供与しなければならない。
    1. 施設・装備の設置又は改造
    2. リハビリテーション、機能評価、治療等のための労働時間の変更又は調整
    3. 訓練の提供又は訓練における正当な便宜供与
    4. 指導マニュアル又は参考資料の変更
    5. 試験又は評価過程の改善
    6. 画面朗読・拡大、プログラム、携帯用点字ディスプレイ、拡大読書器、印刷物音声変換出力機等、障害者の補助器具の設置・運営と朗読者、手話通訳者等の補助人の配置
  • 2) 使用者は、正当な事由なしに、障害を理由に障害者の意思に反し、他の職務に配置してはならない。
  • 3) 使用者が第1項によって提供しなければならない正当な便宜供与の具体的な内容及び適用対象の事業場の段階的範囲等に関しては、大統領令で定める。

第12条(医学的検査の禁止)

  • 1) 使用者は、採用以前に障害者であるかを調査するための医学的検査を実施してはならない。但し、採用以後に職務の本質上要求されたり職務配置等のために必要な場合にはその限りではない。
  • 2) 第1項の但し書きの規定により医学的検査を実施する場合、その費用は原則的に使用者が負担する。使用者の費用負担方式及びその支援等に関して必要な事項は、大統領で定める。
  • 3) 使用者は、第1項の但し書きの規定により取得した障害者の健康状態や、障害又は過去の障害の経歴等に関する個人情報を漏洩してはならない。

第2節 教育

第13条(差別禁止)

  • 1) 教育責任者は、障害者の入学支援及び入学を拒否することができず、転校を強要することはできず、「嬰幼児保育法」による保育施設、「幼児教育法」及び「初中等教育法」による各級学校は、当該教育機関に転校することを拒絶してはならない。
  • 2) 第1項の規定による教育機関の長は「特殊教育振興法」第11条の規定を遵守しなければならない。
  • 3) 教育責任者は、当該教育機関に在学中である障害者及びその保護者が第14条第1項各号の便宜供与を要請するとき、正当な事由無しにこれを拒絶してはならない。
  • 4) 教育責任者は、特定の授業や実験・実習、現場見学、修学旅行等の学習を含むすべての校内の活動で、障害を理由に障害者の参加を制限、排除、拒否してはならない。
  • 5) 教育責任者は、就業及び進路教育、情報提供において、障害者の能力と特性に合った進路教育及び情報を提供しなければならない。
  • 6) 教育責任者及び教職員は、教育機関に在学中である障害者及び障害者関連者、特殊教育教員、特殊教育補助員、障害者関連業務の担当者を冒涜したりさげすんではならない。
  • 7) 教育責任者は、障害者の入学支援時、障害者ではない志願者と異なる追加書類、別途の様式による志願書類等を要求したり、障害者のみを対象にした別途の面接や身体検査、追加試験等(以下“追加書類等”とする)を要求してはならない。但し、追加書類等の要求が、障害者の特性を考慮した教育施行を目的にすることが明白な場合には、この限りではない。
  • 8) 国家及び地方自治体は、障害者に「特殊教育振興法」第5条第1項による教育を実施する場合、正当な事由無しに該当教育課程に定めた学業時数を違反してはならない。

第14条(正当な便宜供与義務)

  • 1) 教育責任者は、当該教育機関に在学中である障害者の教育活動に不利益が無いよう、次の各号の手段を積極的に講じ、提供しなければならない。
    1. 障害者の通学及び教育機関内での児童及びアクセスに不利益が無いようにするための各種移動用舗装具の貸与及び修理
    2. 障害者及び障害者関連者が必要とする場合、教育補助人員の配置
    3. 障害による学習参加の不利益を解消するための拡大読書器、補聴機器、高さ調節用机、各種補完・代替意思疎通道具等の貸与及び補助犬の配置は車いすのアクセスのための余裕空間の確保
    4. 視・聴覚障害者の教育に必要な手話通訳、文字通訳(速記)、点字資料、字幕、拡大文字資料、画面朗読・拡大プログラム、補聴機器、携帯用点字ディスプレイ、印刷物音声変換出力器を含む各種障害者補助器具等、意思疎通手段
    5. 教育課程を適用することにおいて、学習診断を通じた適切な教育及び評価方法の提供
    6. その他、障害者の教育活動に不利益がないようにするにあたり、必要な事項として大統領令が定める事項
  • 2) 教育責任者は、第1項の各号の手段を提供するにあたり、必要な業務を遂行するために障害学生支援部署又は担当者を置かなければならない。
  • 3) 第1項を適用することにおいて、その適用対象の教育機関の段階的範囲と第2項による障害学生支援部署及び担当者の設置及び配置、管理監督等に必要な事項は大統領令で定める。

第3節 財と領域の提供及び移動

第15条(財・領域等の提供における差別禁止)

  • 1) 財・領域等の提供者は、障害者に対して、障害を理由に障害者ではない人に提供することと実質的に同等ではない水準の便益をもたらす物、サービス、利益、便宜等を提供・供与してはならない。
  • 2) 財・領域等の提供者は、障害者が該当財・領域等を利用することにより、利益を得る機会を剥奪してはならない。

第16条(土地及び建物の売買・賃貸等における差別禁止)

土地及び建物の所有・管理者は、当該土地及び建物の売買、賃貸、入居、使用等において、正当な事由無しに障害者を制限・分離・排除したり拒否してはならない。

第17条(金融商品及びサービス提供における差別禁止)

金融商品及びサービスの提供者は、金銭貸し出し、信用カード発給、保険加入等、各種金融商品とサービスの提供において、正当な事由無しに障害者を制限・排除・分離・拒否してはならない。

第18条(施設物アクセス・利用の差別禁止)

  • 1) 施設物の所有・管理者は、障害者が当該施設物にアクセス・利用し、非常時退避することにおいて、障害者を制限・排除・分離・拒否してはならない。
  • 2) 施設物の所有・管理者は、補助犬及び障害者補助器具等を施設物に持ち込み、利用することを制限・排除・分離・拒否してはならない。
  • 3) 施設物の所有・管理者は、障害者が当該施設物にアクセス・利用し、非常時に退避することにおいて、避難及び退避施設の設置等、正当な便宜の供与を正当な事由無しに拒否してはならない。
  • 4) 第3項を適用することにおいて、その適用をうける施設物の段階的範囲及び正当な便宜の内容等の必要な事項は、関係法令等に規定した内容を考慮し大統領令で定める。

第19条(移動及び交通手段等における差別禁止)

  • 1) 「交通弱者の移動便宜増進法」第2条第5項及び第6項に伴う交通事業者及び交通行政機関(以下、この条と同じ)は、移動及び交通手段等にアクセスし利用することにおいて、障害者を制限・排除・分離・拒否してはならない。
  • 2) 交通事業者及び交通行政機関は、移動及び交通手段等の利用において、補助犬及び障害者補助器具等の同乗又は搬入及び使用を拒否してはならない。
  • 3) 交通事業者及び交通行政機関は、移動及び交通手段等の利用において、障害者及び障害者関連者に、障害又は障害者が同行・同伴した補助犬又は障害者補助器具等を理由に、障害者ではない人より不利な料金制度を適用してはならない。
  • 4) 交通事業者及び交通行政機関は、障害者が移動及び交通手段等を障害者ではない人と同等に利用し、安全で便利に歩行及び移動をすることができるようにするために必要な正当な便宜を供与しなければならない。
  • 5) 交通行政機関は、交通事業者が障害者に対しこの法に定めた差別行為を行わないように広報・教育・支援・監督しなければならない。
  • 6) 国家及び地方自治体は、運転免許試験の申請、受験、合格の全ての過程で、正当な事由無しに障害者を制限・排除・分離・拒否してはならない。
  • 7) 国家及び地方自治体は、障害者が運転免許試験のすべての過程を、障害者ではない人と同等に経ることができるように正当な便宜を供与しなければならない。
  • 8) 第4項及び第7項を適用することにおいて、その適用対象の段階的範囲及び正当な便宜の内容等必要な事項は大統領令で定める。

第20条(情報アクセスでの差別禁止)

  • 1)個人・法人・公共機関(以下、この条では“個人等”という)は、障害者が電子情報と非電子情報を利用し、それにアクセスすることにおいて、障害を理由に第4条第1項第1号及び第2号で禁止した差別行為をしてはならない。
  • 2) 障害者関連者として手話通訳、点訳、点字校正、朗読、代筆、案内等のために障害者を代理・同行する等、障害者の意思疎通を支援する者に対しては、何人も正当な事由無しに、これらの活動を強制・妨害したり不当な処遇をしてはならない。

第21条(情報通信・意思疎通での正当な便宜供与義務)

  • 1) 第3条第1項第4号及び第6号、第7号、第19号に規定された行為者及び第12号、第14号ないし第16号に関連した行為者及び第10条第1項の使用者及び第2項の労働組合関係者(行為者が属する機関を含む。以下、この条で“行為者等”という)は、当該行為者等が生産・配布する電子情報及び非電子情報について、障害者が障害者ではない人と同等にアクセス・利用することができるよう、手話、文字等必要な手段を提供しなければならない。この場合、第3条第1項第8号カの後段及びナでいう自然人は、行為者等に含まれない。
  • 2) 公共機関等は、自らが主催又は主管する行事において、障害者の参加及び意思疎通のために必要な支援をしなければならない。
  • 3) 「放送法」によって放送物を送出する放送事業者等は、障害者が障害者ではない人と同等に製作物又はサービスにアクセスし利用することができるよう、字幕、手話、点字及び点字変換、補聴機器、拡大文字、画面読み・解説・拡大プログラム、印刷物音声変換出力器、音声サービス、電話等の通信中継サービスを提供しなければならない。
  • 4) 第1項に伴う必要な手段を提供しなければならない行為者等の段階的範囲及び必要な手段の具体的な内容と、第2項に伴う必要な支援の具体的な内容及び範囲とその履行等に関して必要な事項は、大統領令で定める。

第22条(個人情報保護)

  • 1) 障害者の個人情報は、必ず本人の同意の下で収集しなければならず、当該個人情報についての無断アクセスや誤・濫用から安全でなければならない。
  • 2) 第1項の規定を適用するにあたり、「公共機関の個人情報保護に関する法律」「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」等、関連法律の規定を準用する。
  • 3) 障害児童や精神障害者等、本人の同意を受けることが難しい障害者において、当該障害者の個人情報の収集・提供等に関連した同意行為を代理する者は、民法の規定を準用する。

第23条(情報アクセス・意思疎通での国家及び地方自治体の義務)

  • 1) 国家及び地方自治体は、障害者の特性を考慮した情報通信網及び情報通信機器のアクセス・利用のための道具の開発・普及及び必要な支援を講じなければならない。
  • 2) 情報通信関連製造業者は、情報通信製品を設計・製作・加工するにあたり、障害者が障害者でない人と同等にアクセス・利用することができるよう努力しなければならない。
  • 3) 国家と地方自治体は、障害者が障害の種別及び程度、特性に伴い、手話、口話、点字、拡大文字等を習得し、これを活用した学習支援サービス提供を受けることができるよう必要な措置を講じなければならず、上のサービスを提供する者は障害者の意思に反して障害者の特性を考慮しない意思疎通様式等を強要してはならない。

第24条(文化・芸術活動の差別禁止)

  • 1) 国家と地方自治体及び文化・芸術事業者は、障害者が文化・芸術活動に参加するに当たり、障害者の意思に反して特定の行動を強要してはならず、第4条第1項第1号ないし第2号及び第4号で禁止した行為をしてはならない。
  • 2) 国家と地方自治体及び文化・芸術事業者は、障害者が文化・芸術活動に参加することができるよう正当な便宜供与をしなければならない。
  • 3) 国家及び地方自治体は、障害者が文化・芸術施設を利用して文化・芸術活動に積極的に参加することができるよう、必要な施策を講じなければならない。
  • 4) 第3項の規定を適用するに当たり、その適用対象となる文化・芸術事業者の段階的範囲及び正当な便宜の具体的な内容等の必要な事項は大統領令で定める。

第25条(体育活動の差別禁止)

  • 1) 体育活動を主催・主管する機関や団体、体育活動を目的とする体育施設の所有・管理者は、体育活動の参加を望む障害者を、障害を理由に制限・排除・分離・拒否してはならない。
  • 2) 国家及び地方自治体は、自らの運営又は支援する体育プログラムが障害者の性別、障害の種別及び程度、特性等を考慮して運営されるようにするものとし、障害者の参加のために必要な正当な便宜を供与しなければならない。
  • 3) 国家及び地方自治体は、障害者が体育活動に参加することができるよう、必要な施策を講じなければならない。
  • 4) 第2項の規定を施行することにおいて必要な事項は大統領令で定める。

第4節 司法・行政手続及びサービスと参政権

第26条(司法・行政手続及びサービス提供における差別禁止)

  • 1) 公共機関等は、障害者が生命、身体又は財産権の保護を含む自己の権利を保護・保障を受けるために必要な司法・行政手続及びサービス提供において、障害者を差別してはならない。
  • 2) 公共機関及びその所属員は、司法・行政手続及びサービスの提供において、障害者に対し第4条第1項第1号・第2号及び第4号ないし第6号に定めた行為をしてはならない。
  • 3) 公共機関及びその所属員は、職務を遂行したり権限を行使するに当たり、次の各号に該当する差別行為をしてはならない。
    1. 許可、申告、認可等において、障害者を正当な事由無しに障害を理由に制限・排除・拒否する場合。
    2. 公共事業の受恵者の選定基準を定めるに当たり、正当な事由無しに障害者を制限・排除・分離・拒否したり障害を考慮しない基準を適用することにより、障害者に不利な結果を招く場合。
  • 4) 公共機関及びその所属員は、障害者が司法・行政手続及びサービスを障害者が障害者ではない人と実質的に同等の水準で利用することができるよう提供しなければならず、このために正当な便宜を供与しなければならない。
  • 5) 公共機関及びその所属員は、障害者が司法・行政手続及びサービスに参加するために障害者が自分で認識し作成することができる書式の製作及び提供等、正当な便宜を要求する場合、これを拒否したり任意で執行することにより障害者に不利益を与えてはならない。
  • 6) 司法機関は、障害者が刑事司法手続きで保護者、弁護人、通訳者、陳述補助人等の助力を受けることを申請する場合、正当な事由無しにこれを拒否してはならず、助力を受ける権利が保障されない状況での陳述により形而上の不利益を受けないよう必要な措置をしなければならない。
  • 7) 司法機関は、障害者が人身拘禁・拘束状態において障害者ではない人と実質的に同等な水準の生活を営むことができるよう正当な便宜及び積極的措置を供与・提供しなければならない。
  • 8) 第4項ないし第7項に関して必要な事項は大統領令で定める。

第27条(参政権)

  • 1) 国家及び地方自治体と公職選挙の候補者及び政党は、障害者が選挙権、被選挙権、請願権等を含む参政権を行使するに当たり差別をしてならない。
  • 2) 国家及び地方自治体は、障害者の参政権を保障するために必要な施設及び設備、参政権の行使に関する広報及び情報伝達、障害の種別及び程度に適合した投票方法等、選挙用補助器具の開発及び普及、補助員の配置等、正当な便宜を供与しなければならない。
  • 3) 公職選挙の候補者及び政党は、障害者に候補者及び正当に関する情報を障害者ではない人と同等の程度の水準で伝達しなければならない。

第5節 母・父性権・性等

第28条(母・父性権の差別禁止)

  • 1) 何人も障害者の妊娠、出産、養育等、母・父性権において、障害を理由に制限・排除・分離・拒否してはならない。
  • 2) 養子斡旋機関は、障害者が養子縁組を行おうとする際、障害を理由に養子縁組を行う資格を制限してはならない。
  • 3) 教育責任者及び「嬰幼児保育法」による保育施設及びその従事者と「児童福祉法」による児童福祉施設及びその従事者等は、父母が障害者であるという理由でその子女を区分したり不利益を与えてはならない。
  • 4) 国家及び地方自治体で直接運営したりそこから委託或いは支援を受けて運営する機関は、障害者の避妊及び妊娠・出産・養育等における実質的な平等を保障するため、関係法令が定めるところにより障害種別及び程度に適合した情報・活動補助サービス等の提供及び補助機器・道具等の開発等、必要な支援策を準備しなければならない。
  • 5) 国家及び地方自治体は、妊娠・出産・養育等のサービス提供と関連して、この法に定めた差別行為をしないように広報・教育・支援・監督しなければならない。

第29条(性での差別禁止)

  • 1) すべての障害者の性に関する権利は尊重されなければならず、障害者はこれを主体的に表現し享有することができる性的自己決定権を持つ。
  • 2) 家族・家庭及び福祉施設等の構成員は、障害者に対し障害を理由に性生活を享有する空間及びその他の道具の使用を制限する等、障害者が性生活を共有する機会を制限したり剥奪してはならない。
  • 3) 国家及び地方自治体は、障害者が性を享有する権利を保障するために、関係法令で定めるところにより必要な支援策を講じ、障害を理由にした性に対する偏見・慣習その他のすべての差別的慣行をなくすための広報・教育をしなければならない。

第6節 家族・家庭・福祉施設・健康権等

第30条(家族・家庭・福祉施設等での差別禁止)

  • 1) 家族・家庭及び福祉施設等の構成員は、障害者の意思に反して過重な役割を強要したり、障害を理由に正当な事由無しに意思決定過程で障害者を排除してはならない。
  • 2) 家族・家庭及び福祉施設等の構成員は、正当な事由無しに障害者の意思に反して障害者の外見又は身体を公開してはならない。
  • 3) 家族・家庭及び福祉施設等の構成員は、障害を理由に障害者の就学又は進学等、教育を受ける権利と財産権の行使、社会活動参加、移動及び居住の自由(以下、この項で“権利等”という)を制限・剥奪・拘束したり権利等の行使から排除してはならない。
  • 4) 家族・家庭の構成員である者又は構成員であった者は、子女養育権と親権の指定及び面接交渉権において障害者に障害を理由に不利な合意を強要したり、その権利を制限・剥奪してはならない。
  • 5) 福祉施設等の長は、障害者の施設入所を条件に親権放棄覚書を要求したり、施設での生活中に家族等の面接権を及び外部との疎通権を制限してはならない。

第31条(差別禁止)

  • 1) 医療機関及び医療従事者は、障害者に対し医療行為において障害者を制限・排除・分離・拒否してはならない。
  • 2) 医療機関及び医療従事者は、障害者の医療行為と医学研究等において、障害者の性別、障害の種別及び程度、特性等を積極的に考慮しなければならず、医療行為においては、障害者の性別等に適合した医療情報等必要な事項を障害者等に提供しなければならない。
  • 3) 公共機関は、健康と関連した教育課程を施行するに当たり、必要であると判断される場合、障害者の性別等を反映する内容を含まなければならない。
  • 4) 国家及び地方自治体は、先天的・後天的障害発生の予防及び治療等のために必要な施策を推進しなければならず、保健・医療施策の決定と執行過程で障害者の性別等を考慮しなければならない。

第32条(いじめ等の禁止)

  • 1) 障害者は、性別、年齢、障害の種別及び程度、特性等に関係無しに、すべての暴力から自由である権利を持つ。
  • 2) いじめ等の被害を受けた障害者は、相談及び治療、法律構造その他適切な措置を受ける権利を持ち、いじめ等の被害を申告したという理由で不利益な処遇を受けてはならない。
  • 3) 何人も、障害を理由に、学校、施設、職場、地域社会等で障害者又は障害者関連者に集団仲間はずれをしたり、冒涜したり、さげすみを誘発する言語的表現や行動をしてはならない。
  • 4) 何人も、障害を理由に、私的な空間、家庭、施設、地域社会等で、障害者又は障害者関連者に遺棄、虐待、金銭的搾取をしてはならない。
  • 5) 何人も、障害者の性的自己決定権を侵害したり羞恥心を刺激する言語表現、嫌がらせ、障害の状態を利用した醜行及び強姦等を行ってはならない。
  • 6) 国家及び地方自治体は、障害者に対するいじめ等を根絶するための認識改善及びいじめ等の防止教育を実施し、適切な施策を講じなければならない。