平成24年12月5日
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課
通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について
1.調査の目的
特別支援教育が本格的に開始されてから5年が経過し、その実施状況について把握することが重要である。また、障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムを今後構築していくに当たり、障害のある子どもの現在の状況を把握することが重要である。そのため、本調査により、通常の学級に在籍する知的発達に遅れはないものの発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態を明らかにし、今後の施策の在り方や教育の在り方の検討の基礎資料とする。
2.調査の方法
(1)協力者会議
以下のメンバーから成る協力者会議において、調査事項等、調査の実施方法等について検討した。
協力者
座長 大南 英明 全国特別支援教育推進連盟理事長
副座長 太田 裕子 全国連合小学校長会特別支援教育委員長、品川区立鈴ヶ森小学校長
副座長 滝澤 雅彦 全日本中学校長会生徒指導部長、八王子市立松木中学校長
市川 宏伸 日本発達障害ネットワーク理事長、児童精神科医
上野 一彦 大学入試センター特任教授
土屋 隆裕 統計数理研究所准教授
宮本 信也 筑波大学人間系長、小児科医
特別協力者
渥美 義賢 国立特別支援教育総合研究所客員研究員
柘植 雅義 国立特別支援教育総合研究所上席総括研究員
廣瀬 由美子 国立特別支援教育総合研究所上席総括研究員
笹森 洋樹 国立特別支援教育総合研究所総括研究員
海津 亜希子 国立特別支援教育総合研究所主任研究員
(2)質問項目
Ⅰ.児童生徒の困難の状況
①学習面(「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」)
「LDI-R -LD診断のための調査票-」(日本文化科学社)を参考にして作成。
②行動面(「不注意」「多動性-衝動性」)
「ADHD評価スケール」(株式会社明石書店)を使用。
③行動面(「対人関係やこだわり等」)
スウェーデンの研究者によって作成された、高機能自閉症に関するスクリーニング質問紙(ASSQ)を参考にして作成。
※質問項目は別添。
Ⅱ.児童生徒の受けている支援の状況
協力者会議における議論を踏まえ作成。
※質問項目は別添。
(3)調査時期
平成24年2月から3月にかけて実施。
(4)調査対象
全国(岩手、宮城、福島の3県を除く)の公立の小・中学校の通常の学級に在籍する児童生徒を母集団とする。
(5)標本抽出方法及び標本児童生徒数
①標本抽出方法
層化三段確率比例抽出法とする。
- 学校を市郡規模と学校規模で層化する。
- 標本学校数は、小・中学校のそれぞれ600校とし、各層への標本学校数の割り当ては、児童生徒数に比例割当とする。
- 各層における標本学校の抽出は、児童生徒数による確率比例抽出とする。(第一段抽出)
- 抽出された学校の各学年において、1学級を単純無作為抽出し標本とする。(第二段抽出)
- 抽出された学級において、原則、男女それぞれ5名の児童生徒を単純無作為抽出し標本児童生徒とする。(第三段抽出)
②標本児童生徒数
53,882人(小学校:35,892人、中学校:17,990人)
(6)回収数及び回収率
標本児童生徒数のうち、52,272人について回答が得られ、回収率は97.0%。標本学校数のうち、1,164校について回答が得られ、回収率は97.0%。
(7)「Ⅰ.児童生徒の困難の状況」の基準
①学習面(「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」)
「聞く」「話す」等の6つの領域(各5つの設問)の内、少なくとも一つの領域で該当項目が12ポイント以上をカウント。
②行動面(「不注意」「多動性-衝動性」)
奇数番目の設問群(不注意)又は偶数番目の設問群(「多動性-衝動性」)の少なくとも一つの群で該当する項目が6ポイント以上をカウント。ただし、回答の0、1点を0ポイントに、2、3点を1ポイントにして計算。
③行動面(「対人関係やこだわり等」)
該当する項目が22ポイント以上をカウント。
(8)留意事項
- 本調査における「Ⅰ.児童生徒の困難の状況」については、担任教員が記入し、特別支援教育コーディネーターまたは教頭(副校長)による確認を経て提出した回答に基づくもので、発達障害の専門家チームによる判断や、医師による診断によるものではない。従って、本調査の結果は、発達障害のある児童生徒数の割合を示すものではなく、発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合を示すことに留意する必要がある。
- 調査結果に示す児童生徒数の割合は、標本児童生徒の集計結果を基に、母集団における児童生徒数の割合を推計した結果である。そのため、「Ⅰ.児童生徒の困難の状況」の推定値については±0.1~1.1ポイント程度、「Ⅱ.児童生徒の受けている支援の状況」の推定値については±0.3~5.6ポイント程度の誤差があり得ることに留意する必要がある。
- 本調査の結果においては、推定値を示しているが、推定値の95%信頼区間※の数値や児童生徒全体の分布の状況に留意する必要がある。
※95%信頼区間…95%の確率で、悉皆調査の場合の集計結果が含まれる範囲。
3.「Ⅰ.児童生徒の困難の状況」の調査結果
質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の困難の状況は、以下の表1~表6のとおり。
表1 質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
学習面又は行動面で著しい困難を示す | 6.5%(6.2%~6.8%) |
学習面で著しい困難を示す | 4.5%(4.2%~4.7%) |
行動面で著しい困難を示す | 3.6%(3.4%~3.9%) |
学習面と行動面ともに著しい困難を示す | 1.6%(1.5%~1.7%) |
※「学習面で著しい困難を示す」とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」の一つあるいは複数で著しい困難を示す場合を指し、一方、「行動面で著しい困難を示す」とは、「不注意」、「多動性-衝動性」、あるいは「対人関係やこだわり等」について一つか複数で問題を著しく示す場合を指す。
表2 質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
A:学習面で著しい困難を示す | 4.5%(4.2%~4.7%) |
B:「不注意」又は「多動性-衝動性」の問題を著しく示す | 3.1%(2.9%~3.3%) |
C:「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す | 1.1%(1.0%~1.3%) |
※A、B、C別の児童生徒全体の分布状況は図1~3のとおり。なお、黒で示した部分が表2に該当した児童生徒の状況。
図1 学習面における児童生徒全体の分布状況
*図1は、学習面における児童生徒全体の分布状況を表した棒グラフ。文部科学省のサイトの「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について(PDF版)」 のp.4を参照のこと。
図2 「不注意」又は「多動性-衝動性」における児童生徒全体の分布状況
*図2は、「不注意」又は「多動性-衝動性」における児童生徒全体の分布状況を表した棒グラフ。文部科学省のサイトの「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について(PDF版)」 のp.4を参照のこと。
図3 「対人関係やこだわり等」における児童生徒全体の分布状況
*図3は、「対人関係やこだわり等」における児童生徒全体の分布状況を表した棒グラフ。文部科学省のサイトの「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について(PDF版)」 のp.4を参照のこと。
表3 A・B・Cの関連
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
A かつ B | 1.5%(1.3%~1.6%) |
B かつ C | 0.7%(0.6%~0.8%) |
C かつ A | 0.5%(0.5%~0.6%) |
A かつ B かつ C | 0.4%(0.3%~0.5%) |
表4 質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面、行動面の各領域で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
「聞く」又は「話す」に著しい困難を示す | 1.7%(1.5%~1.8%) |
「読む」又は「書く」に著しい困難を示す | 2.4%(2.3%~2.6%) |
「計算する」又は「推論する」に著しい困難を示す | 2.3%(2.1%~2.5%) |
「不注意」の問題を著しく示す | 2.7%(2.5%~2.9%) |
「多動性-衝動性」の問題を著しく示す | 1.4%(1.2%~1.5%) |
「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す | 1.1%(1.0%~1.3%) |
表5 質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の男女別集計
推定値 (95%信頼区間) |
||||
---|---|---|---|---|
学習面又は行動面で 著しい困難を示す |
A | B | C | |
男子 | 9.3% (8.9%~9.8%) |
5.9% (5.6%~6.3%) |
5.2% (4.8%~5.5%) |
1.8% (1.7%~2.1%) |
女子 | 3.6% (3.3%~3.8%) |
2.9% (2.7%~3.2%) |
1.0% (0.9%~1.1%) |
0.4% (0.3%~0.5%) |
表6 質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の学校種、学年別集計
<小学校>
推定値 (95%信頼区間) |
||||
---|---|---|---|---|
学習面又は行動面で 著しい困難を示す |
A | B | C | |
小学校 | 7.7% (7.3%~8.1%) |
5.7% (5.3%~6.0%) |
3.5% (3.2%~3.7%) |
1.3% (1.1%~1.4%) |
第1学年 | 9.8% (8.7%~10.9%) |
7.3% (6.5%~8.3%) |
4.5% (3.9%~5.3%) |
1.5% (1.1%~1.9%) |
第2学年 | 8.2% (7.3%~9.2%) |
6.3% (5.6%~7.1%) |
3.8% (3.2%~4.5%) |
1.5% (1.1%~2.0%) |
第3学年 | 7.5% (6.6%~8.4%) |
5.5% (4.8%~6.3%) |
3.3% (2.8%~3.9%) |
1.0% (0.7%~1.3%) |
第4学年 | 7.8% (6.9%~8.8%) |
5.8% (5.0%~6.6%) |
3.5% (2.9%~4.2%) |
1.2% (0.9%~1.7%) |
第5学年 | 6.7% (5.9%~7.7%) |
4.9% (4.2%~5.7%) |
3.1% (2.6%~3.7%) |
1.1% (0.9%~1.5%) |
第6学年 | 6.3% (5.6%~7.2%) |
4.4% (3.8%~5.1%) |
2.7% (2.2%~3.3%) |
1.3% (1.0%~1.7%) |
<中学校>
推定値 (95%信頼区間) |
||||
---|---|---|---|---|
学習面又は行動面で 著しい困難を示す |
A | B | C | |
中学校 | 4.0% (3.7%~4.5%) |
2.0% (1.7%~2.3%) |
2.5% (2.2%~2.8%) |
0.9% (0.7%~1.1%) |
第1学年 | 4.8% (4.1%~5.7%) |
2.7% (2.2%~3.3%) |
2.9% (2.4%~3.6%) |
0.8% (0.6%~1.2%) |
第2学年 | 4.1% (3.5%~4.8%) |
1.9% (1.5%~2.3%) |
2.7% (2.2%~3.3%) |
1.0% (0.7%~1.3%) |
第3学年 | 3.2% (2.7%~3.8%) |
1.4% (1.1%~1.9%) |
1.8% (1.4%~2.3%) |
0.9% (0.6%~1.3%) |
4.「Ⅱ.児童生徒の受けている支援の状況」の調査結果
(1)質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒(推定値6.5%)の受けている支援の状況は、以下の表7~9-9のとおり。
表7 設問「校内委員会において、現在、特別な教育的支援が必要と判断されていますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
必要と判断されている | 18.4%(16.6%~20.3%) |
必要と判断されていない | 79.0%(76.9%~81.1%) |
不明 | 2.6%(1.6%~4.1%) |
表8 質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒(推定値6.5%)の受けている支援の状況の概観
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
現在、いずれかの支援がなされている | 55.1%(52.8%~57.4%) |
過去、いずれかの支援がなされていた | 3.1%(2.5%~3.9%) |
いずれの支援もなされていない | 38.6%(36.4%~40.9%) |
不明 | 3.1%(2.1%~4.7%) |
※「現在、いずれかの支援がなされている」とは、表9-1~9-9に示す各設問における各回答※1の一つあるいは複数で該当した場合を指す。
※「過去、いずれかの支援がなされていた」とは、現在、いずれかの支援がなされている児童生徒(推定値55.1%)以外のうち、表9-1~9-9に示す各設問における各回答※2の一つあるいは複数で該当した場合を指す。
表9-1 設問「現在、通級による指導を受けていますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
自校通級 ※1 | 2.4%(1.9%~3.0%) |
他校通級 ※1 | 1.5%(1.2%~2.0%) |
受けていない | 93.3%(91.8%~94.6%) |
不明 | 2.7%(1.7%~4.3%) |
表9-2 設問「過去に通級による指導を受けていたことがありますか」(現在、通級による指導を受けていないと回答した児童生徒(推定値93.3%)を対象)に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
自校通級 ※2 | 0.8%(0.5%~1.2%) |
他校通級 ※2 | 0.9%(0.6%~1.3%) |
受けていない | 97.4%(96.7%~98.0%) |
不明 | 0.9%(0.5%~1.5%) |
表9-3 設問「過去に特別支援学級に在籍していたことがありますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
在籍していたことがある ※2 | 1.9%(1.5%~2.6%) |
在籍していたことはない | 95.3%(93.7%~96.5%) |
不明 | 2.8%(1.8%~4.3%) |
表9-4 設問「「個別の教育支援計画」を作成していますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
作成している ※1 | 7.9%(6.7%~9.3%) |
現在はないが過去に作成していた ※2 | 1.3%(0.9%~1.8%) |
作成していない | 88.2%(86.2%~89.8%) |
不明 | 2.7%(1.7%~4.3%) |
表9-5 設問「「個別の指導計画」を作成していますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
作成している ※1 | 9.9%(8.5%~11.4%) |
現在はないが過去に作成していた ※2 | 1.8%(1.3%~2.3%) |
作成していない | 85.6%(83.6%~87.4%) |
不明 | 2.7%(1.7%~4.3%) |
表9-6 設問「特別支援教育支援員の支援の対象となっていますか(支援員一人が複数の児童生徒を支援している場合も含む)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
なっている ※1 | 8.5%(7.3%~9.8%) |
現在はなっていないが過去になっていた ※2 | 1.4%(1.0%~2.0%) |
なっていない | 87.2%(85.3%~88.8%) |
不明 | 3.0%(1.9%~4.5%) |
表9-7 設問「授業時間以外の個別の配慮・支援を行っていますか(補習授業の実施、宿題の工夫等)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
行っている ※1 | 26.3%(24.3%~28.5%) |
現在は行っていないが過去に行っていた ※2 | 3.9%(3.1%~4.7%) |
行っていない | 67.1%(64.8%~69.4%) |
不明 | 2.7%(1.7%~4.3%) |
表9-8 設問「授業時間内に教室以外の場で個別の配慮・支援を行っていますか(通級による指導を除く)(個別指導等)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
行っている ※1 | 9.3%(8.2%~10.7%) |
現在は行っていないが過去に行っていた ※2 | 1.7%(1.2%~2.2%) |
行っていない | 86.3%(84.5%~87.9%) |
不明 | 2.7%(1.7%~4.3%) |
表9-9 設問「授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行っていますか(特別支援教育支援員による支援を除く)(座席位置の配慮、コミュニケーション上の配慮、習熟度別学習における配慮、個別の課題の工夫等)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
行っている ※1 | 44.6%(42.4%~46.9%) |
現在は行っていないが過去に行っていた ※2 | 2.7%(2.1%~3.5%) |
行っていない | 49.9%(47.7%~52.2%) |
不明 | 2.7%(1.7%~4.3%) |
(2)質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒(推定値6.5%)のうち、校内委員会において、現在、特別な教育的支援が必要と判断された児童生徒(推定値18.4%)の受けている支援の状況は、以下の表10~11-9のとおり。
表10 質問項目に対して担任教員が回答した内容から、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒(推定値6.5%)のうち、校内委員会において、現在、特別な教育的支援が必要と判断された児童生徒(推定値18.4%)の受けている支援の状況の概観
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
現在、いずれかの支援がなされている | 92.2%(89.4%~94.3%) |
過去、いずれかの支援がなされていた | 1.8%(1.0%~3.2%) |
いずれの支援もなされていない | 6.0%(4.2%~8.5%) |
不明 | ― |
※「現在、いずれかの支援がなされている」、「過去、いずれかの支援がなされていた」とは、表8と同様に集計。
表11-1 設問「現在、通級による指導を受けていますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
自校通級 | 10.1%(7.7%~13.2%) |
他校通級 | 6.9%(5.1%~9.3%) |
受けていない | 83.0%(79.4%~86.0%) |
不明 | ― |
表11-2 設問「過去に通級による指導を受けていたことがありますか」(現在、通級による指導を受けていないと回答した児童生徒(推定値83.0%)を対象)に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
自校通級 | 2.0%(1.1%~3.6%) |
他校通級 | 1.7%(0.8%~3.5%) |
受けていない | 95.0%(92.5%~96.7%) |
不明 | 1.4%(0.6%~3.1%) |
表11-3 設問「過去に特別支援学級に在籍していたことがありますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
在籍していたことがある | 7.8%(5.6%~10.8%) |
在籍していたことはない | 92.0%(89.0%~94.2%) |
不明 | 0.2%(0.0%~1.2%) |
表11-4 設問「「個別の教育支援計画」を作成していますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
作成している | 32.1%(27.0%~37.7%) |
現在はないが過去に作成していた | 2.4%(1.4%~4.0%) |
作成していない | 65.5%(59.9%~70.8%) |
不明 | ― |
表11-5 設問「「個別の指導計画」を作成していますか」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
作成している | 43.2%(38.0%~48.5%) |
現在はないが過去に作成していた | 2.8%(1.7%~4.6%) |
作成していない | 54.0%(48.7%~59.2%) |
不明 | ― |
表11-6 設問「特別支援教育支援員の支援の対象となっていますか(支援員一人が複数の児童生徒を支援している場合も含む)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
なっている | 32.4%(27.8%~37.4%) |
現在はなっていないが過去になっていた | 4.3%(2.7%~6.8%) |
なっていない | 62.9%(58.0%~67.6%) |
不明 | 0.3%(0.1%~1.4%) |
表11-7 設問「授業時間以外の個別の配慮・支援を行っていますか(補習授業の実施、宿題の工夫等)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
行っている | 48.7%(43.8%~53.6%) |
現在は行っていないが過去に行っていた | 4.0%(2.7%~5.9%) |
行っていない | 47.3%(42.5%~52.2%) |
不明 | ― |
表11-8 設問「授業時間内に教室以外の場で個別の配慮・支援を行っていますか(通級による指導を除く)(個別指導等)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
行っている | 24.4%(20.6%~28.5%) |
現在は行っていないが過去に行っていた | 4.3%(2.7%~6.7%) |
行っていない | 71.3%(67.0%~75.3%) |
不明 | ― |
表11-9 設問「授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行っていますか(特別支援教育支援員による支援を除く)(座席位置の配慮、コミュニケーション上の配慮、習熟度別学習における配慮、個別の課題の工夫等)」に対する回答
推定値(95%信頼区間) | |
---|---|
行っている | 73.7%(69.5%~77.5%) |
現在は行っていないが過去に行っていた | 3.7%(2.2%~6.0%) |
行っていない | 22.7%(18.9%~26.9%) |
不明 | ― |
5.協力者会議における本調査結果に対する考察
「今回の調査結果から考えられること」協力者会議座長 大南英明
今回の調査は、平成14年に行われた「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」と同様の内容で調査するとともに、その受けている支援の状況を調査し、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態を明らかにすることにより、今後の施策の在り方や教育の在り方を検討しようとするものである。
調査については、平成14年に行った調査は5地域を対象としていたのに対し、全国的な状況(岩手県、宮城県及び福島県を除く)をより明確に反映したことに意義がある。
さらに、平成14年に行った調査内容を「Ⅰ.児童生徒の困難の状況」とし、Ⅱとして、「児童生徒の受けている支援の状況」を追加した。これは、特別支援教育が本格的に開始されてから5年が経過し、その実施状況を把握することを目的としたものである。
結果として、今回の調査の回収率は97.0%であり、高い回収率が得られた。調査の主旨を理解いただき、協力いただいた関係者の方々に敬意を表したい。
(1)「Ⅰ.児童生徒の困難の状況」について
今回の調査は、平成14年に行った調査とは対象地域、学校や児童生徒の抽出方法が異なることから、両調査について、「増えた」、「減った」という単純な比較をすることはできないことに留意する必要がある。
表1については、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が平成14年に行った調査においては6.3%であり、今回の調査でも推定値6.5%という数値になっている。
図1~3については、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒(推定値6.5%)以外にも、何らかの困難を示していると教員が捉えている児童生徒がいることが伺える。学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒以外にも、困難があり、教育的支援を必要としている児童生徒がいる可能性がある。
表4において、学習面については、「読む」又は「書く」に著しい困難を示すとされた児童生徒の割合と「計算する」又は「推論する」に著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が同程度であるが、それらに比べて、「聞く」又は「話す」に著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は少なかった。
また、行動面(不注意、多動性-衝動性)については、「不注意」の問題を著しく示すとされた児童生徒の割合の方が「多動性-衝動性」の問題を著しく示すとされた児童生徒の割合よりも多かった。
表6について、小学校、中学校それぞれ学年が上がるにつれて、学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は小さくなる傾向にある。また、行動面(対人関係やこだわり等)、行動面(不注意、多動性-衝動性)、学習面の順に、その傾向が顕著になるが、それぞれが小さくなることの要因については、今後の調査研究に委ねる必要があると考える。
特に、学年が上がるにつれて著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が小さくなる傾向が学習面において最も顕著であることについては、使用している調査項目が学習面の困難についての本質的な困難を調べることを主眼とし、小学校3、4年生までに表面化する困難を強く意識して作成されたため、学年が上がるにつれ、該当する行動が観察されなくなってきたと考えられる。学年進行とともに学習面の困難自体が解消していくことを示してはいないことに留意する必要がある。
なお、学習面については、より正確に把握しようとすれば、各学年の学習状況に応じた質問項目を大幅に増やすとともに、学年毎に基準を設ける必要があるが、今回の調査は、学習面の本質的な困難を把握することが主目的であることから、項目数を増やして実施し、教員に著しい負担を課すことは適切ではないと考えられたため、項目を増やすことは行わなかった。
学年が上がるにつれて、学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が小さくなる傾向について、協力者会議においては、以下の指摘があった。これらについては今後の調査研究に委ねる必要がある。
- 周囲の教員や児童生徒の理解が深まり、そのことが適切な対応につながり、当該児童生徒が落ち着く可能性がある
- 学年が上がるにつれ、学校においての生活経験を積む、友人関係ができる、あるいは、部活動にやりがいを見いだすなどにより、当該児童生徒が学校に適応できるようになる可能性がある
- 低学年では、学習面や行動面の問題は見えやすいが、高学年になるにつれて様々な問題が錯綜し見えにくくなる可能性がある
(2)「Ⅱ.児童生徒の受けている支援の状況」について
次に、支援の状況については、特別支援教育が本格的に開始されてから5年が経過し、その実施状況を調査したが、全体として、通常の学級においても、特別支援教育が徐々に浸透しつつある状況が伺える。
まずは、表7の見方であるが、校内委員会において、現在、特別な教育的支援が「必要と判断されていない」児童生徒については、校内委員会での検討自体がなされなかった場合も含まれることに留意する必要がある。
そうした上で、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒(推定値6.5%)の支援の状況を示した表8~9-9、また、校内委員会において、特別な支援が必要と判断された者の支援の状況を示した表10~表11-9については、各学校において、教育的な支援がある程度行われていることが見て取れる。
協力者会議においては、今回の調査結果から
- 現在、授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行われている児童生徒の割合が、校内委員会において特別な教育的支援が必要と判断された児童生徒の割合を上回っていることは、各教員が個別に工夫しつつ特別支援教育に取り組んでいると評価できる
- 校内委員会の運営については、各学校に任されていることにより、通級による指導や特別支援教育支援員による支援が必要な場合のみ、支援が必要と校内委員会で判断されている可能性がある
- 学習面又は行動面で著しい困難を示すとされ、かつ、校内委員会において特別な教育的支援が必要とされた児童生徒の割合が、約18%にとどまっていることは、各教員が個別に工夫しつつ特別支援教育に取り組んでいる一方で、個別の配慮・支援が必要なすべての児童生徒について、各学校の校内委員会が支援の必要性の判断に関与していない可能性がある
- 授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行うことについて、児童生徒の実態把握は行っているものの、指導方法については、教員が十分に理解できていない可能性がある
- 授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行うことについて、例示以外の配慮をしているにもかかわらず、特別な配慮ではないとして「行っている」とは答えなかった可能性がある
といった指摘があったが、その分析は、今後の調査研究に委ねる必要があると考える。
(3)国等に求める今後の対応について
最後に、この調査結果を受けて、国や教育委員会に求める施策、学校に求める児童生徒への支援、今後調査研究が必要と考えられる事項について協力者会議として述べたい。
①国や教育委員会に求める施策について
通常の学級においては、学級規模を小さくすることや複数教員による指導等の指導方法の工夫改善を進めることが必要である。
また、通級による指導を引き続き充実させる必要がある。特に、児童生徒がその在籍している学校で指導を受けられる機会を増やすことができるよう環境整備を進めることが望ましい。
さらに、特別支援学級、特別支援学校といった多様な学びの場による連続的な支援を提供していくことが必要である。
学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒に対しては、特に、早期からの対応が必要であり、そのための取組が求められる。各教育委員会においては、教育委員会の職員、教員、心理学の専門家、医師等から構成される「専門家チーム」の設置や巡回相談の実施により、各学校が児童生徒の実態把握や望ましい教育的支援ができるよう配慮する必要がある。このほか、医療、保健、福祉等の関係機関との連携も求められる。
教員養成において発達障害に対する知識や指導技能などを身に付けられるようにすることや教員研修において各学校の特別支援教育コーディネーターをはじめとする教員全体の専門性を向上させることがそれぞれ求められる。
②学校に求める児童生徒への支援について
特別支援教育が本格的に開始されてから5年が経過しており、一定の理解が広まっているものの、各学校として、校内委員会を効果的に機能させるなど、特別支援教育に関する校内体制を一層工夫し改善する必要がある。そのため、校長は特別支援教育実施の責任者として、自らが特別支援教育や障害に関する認識を深めるとともに、リーダーシップを発揮しつつ、各学校が組織的に取り組むことが大切である。
学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒を取り出して支援するだけでなく、それらの児童生徒も含めた学級全体に対する指導をどのように行うのかを考えていく必要がある。例えば、社会生活上の基本的な技能を身に付けるための学習を取り入れる、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒が理解しやすいよう配慮した授業改善を行うなどの対応を進めていくべきと考える。
③今後調査研究が必要と考えられる事項について
前述したように、「Ⅰ.児童生徒の困難の状況」における学年別の集計や「Ⅱ.児童生徒の受けている支援の状況」について、それぞれ調査結果が示す状況の要因は様々考えられるものの、今後、詳細な調査研究を行うことにより、それらを明らかにするよう 努めることが必要と考えられる。
また、学校における発達障害への対応のため、社会生活上の基本的な技能を身に付けるための学習、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒が理解しやすいよう配慮した授業改善などについて実践による優良事例を収集していくことが必要と考えられる。
さらに、大学の教員養成課程における発達障害についての理解を深める工夫や研究機関における発達障害に係る研究が一層進められることを期待したい。
〔参考〕「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」調査結果(平成14年2月実施)
1.調査対象
全国5地域の公立小学校(1~6年)及び公立中学校(1~3年)の通常の学級に在籍する児童生徒約40,000人を対象として、学級担任と教務主任等の複数の教員で判断の上で回答するよう依頼。対象学校は約400学校で回収率は98.9%、対象学級では約4,000学級で回収率は98.6%。
2.集計結果
表1 知的発達に遅れはないものの学習面や行動面で著しい困難を示すと担任教師が回答した児童生徒の割合
学習面か行動面で著しい困難を示す | 6.3% |
---|---|
学習面で著しい困難を示す | 4.5% |
行動面で著しい困難を示す | 2.9% |
学習面と行動面ともに著しい困難を示す | 1.2% |
表2 知的発達に遅れはないものの学習面や行動面の各領域で著しい困難を示すと担任教師が回答した児童生徒の割合
A:「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」に著しい困難を示す | 4.5% |
---|---|
B:「不注意」又は「多動性-衝動性」の問題を著しく示す | 2.5% |
C:「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す | 0.8% |
表3 A・B・Cの関連
A かつ B | 1.1% |
---|---|
B かつ C | 0.4% |
C かつ A | 0.3% |
A かつ B かつ C | 0.2% |
表4 領域別集計
「聞く」又は「話す」に著しい困難を示す | 1.1% |
---|---|
「読む」又は「書く」に著しい困難を示す | 2.5% |
「計算する」又は「推論する」に著しい困難を示す | 2.8% |
「不注意」の問題を著しく示す | 1.1% |
「多動性-衝動性」の問題を著しく示す | 2.3% |
「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す | 0.8% |
表5 男女別集計
男 | 8.9% |
---|---|
女 | 3.7% |
別添 質問項目
Ⅰ 児童生徒の困難の状況
<学習面(「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」)> ※1
- 聞き間違いがある(「知った」を「行った」と聞き違える)
- 聞きもらしがある
- 個別に言われると聞き取れるが、集団場面では難しい
- 指示の理解が難しい
- 話し合いが難しい(話し合いの流れが理解できず、ついていけない)
- 適切な速さで話すことが難しい(たどたどしく話す。とても早口である)
- ことばにつまったりする
- 単語を羅列したり、短い文で内容的に乏しい話をする
- 思いつくままに話すなど、筋道の通った話をするのが難しい
- 内容をわかりやすく伝えることが難しい
- 初めて出てきた語や、普段あまり使わない語などを読み間違える
- 文中の語句や行を抜かしたり、または繰り返し読んだりする
- 音読が遅い
- 勝手読みがある(「いきました」を「いました」と読む)
- 文章の要点を正しく読みとることが難しい
- 読みにくい字を書く(字の形や大きさが整っていない。まっすぐに書けない)
- 独特の筆順で書く
- 漢字の細かい部分を書き間違える
- 句読点が抜けたり、正しく打つことができない
- 限られた量の作文や、決まったパターンの文章しか書かない
- 学年相応の数の意味や表し方についての理解が難しい(三千四十七を300047や347と書く。分母の大きい方が分数の値として大きいと思っている)
- 簡単な計算が暗算でできない
- 計算をするのにとても時間がかかる
- 答えを得るのにいくつかの手続きを要する問題を解くのが難しい(四則混合の計算。2つの立式を必要とする計算)
- 学年相応の文章題を解くのが難しい
- 学年相応の量を比較することや、量を表す単位を理解することが難しい(長さやかさの比較。「15cmは150mm」ということ)
- 学年相応の図形を描くことが難しい(丸やひし形などの図形の模写。見取り図や展開図)
- 事物の因果関係を理解することが難しい
- 目的に沿って行動を計画し、必要に応じてそれを修正することが難しい
- 早合点や、飛躍した考えをする
(0:ない、1:まれにある、2:ときどきある、3:よくある、の4段階で回答)
<行動面(「不注意」「多動性-衝動性」)> ※2
- 学業において、綿密に注意することができない、または不注意な間違いをする。
- 手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする。
- 課題または遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい。
- 教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる。
- 直接話しかけられたときに聞いてないように見える。
- 不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ上ったりする。
- 指示に従えず、課題や任務をやり遂げることができない。
- 静かに遊んだり余暇活動につくことができない。
- 課題や活動を順序だてることが難しい。
- 「じっとしていない」、またはまるで「エンジンで動かされているように」行動する。
- (学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題を避ける。
- しゃべりすぎる。
- 課題や活動に必要なものをなくしてしまう。
- 質問が終わる前に出し抜けに答え始めてしまう。
- 気が散りやすい。
- 順番を待つことが難しい。
- 日々の活動で忘れっぽい。
- 他人を妨害したり、邪魔をする。
(0:ない、もしくはほとんどない、1:ときどきある、2:しばしばある、3:非常にしばしばある、の4段階で回答)
<行動面(「対人関係やこだわり等」)> ※3
- 大人びている。ませている
- みんなから、「○○博士」「○○教授」と思われている(例:カレンダー博士)
- 他の子どもは興味を持たないようなことに興味があり、「自分だけの知識世界」を持っている
- 特定の分野の知識を蓄えているが、丸暗記であり、意味をきちんと理解していない
- 含みのある言葉や嫌みを言われても分からず、言葉通りに受けとめてしまうことがある
- 会話の仕方が形式的であり、抑揚なく話したり、間合いが取れなかったりすることがある
- 言葉を組み合わせて、自分だけにしか分からないような造語を作る
- 独特な声で話すことがある
- 誰かに何かを伝える目的がなくても、場面に関係なく声を出す(例:唇を鳴らす、咳払い、喉を鳴らす、叫ぶ)
- とても得意なことがある一方で、極端に不得手なものがある
- いろいろな事を話すが、その時の場面や相手の感情や立場を理解しない
- 共感性が乏しい
- 周りの人が困惑するようなことも、配慮しないで言ってしまう
- 独特な目つきをすることがある
- 友達と仲良くしたいという気持ちはあるけれど、友達関係をうまく築けない
- 友達のそばにはいるが、一人で遊んでいる
- 仲の良い友人がいない
- 常識が乏しい
- 球技やゲームをする時、仲間と協力することに考えが及ばない
- 動作やジェスチャーが不器用で、ぎこちないことがある
- 意図的でなく、顔や体を動かすことがある
- ある行動や考えに強くこだわることによって、簡単な日常の活動ができなくなることがある
- 自分なりの独特な日課や手順があり、変更や変化を嫌がる
- 特定の物に執着がある
- 他の子どもたちから、いじめられることがある
- 独特な表情をしていることがある
- 独特な姿勢をしていることがある
(0:いいえ、1:多少、2,はい、の3段階で回答)
※1 <学習面(「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」)>の質問項目については、「LDI-R-LD診断のための調査票-」(日本文化科学社)を参考に作成。
※2 <行動面(「不注意」「多動性-衝動性」)>の質問項目については、株式会社明石書店の著作物である「ADHD評価スケール」を使用。よって、同社に無断で転載、複製、翻案、頒布、公衆送信を行うことはできない。
※3 <行動面(「対人関係やこだわり等」)>の質問項目については、スウェーデンの研究者によって作成された、高機能自閉症に関するスクリーニング質問紙(ASSQ)を参考に作成。
Ⅱ 児童生徒の受けている支援の状況
- 校内委員会において、現在、特別な教育的支援が必要と判断されているか
(0:必要と判断されている 1:必要と判断されていない) - 現在、通級による指導を受けているか
(0:受けていない、1:自校通級、2:他校通級) - 過去に通級による指導を受けていたことはあるか
(0:受けていない、1:自校通級、2:他校通級) - 過去に特別支援学級に在籍していたことがあるか
(0:在籍していたことがある、1:在籍していたことはない) - 「個別の教育支援計画」を作成しているか
(0:作成している、1:作成していない、2:現在はないが過去に作成していた) - 「個別の指導計画」を作成しているか
(0:作成している、1:作成していない、2:現在はないが過去に作成していた) - 特別支援教育支援員の支援の対象となっているか(支援員一人が複数の児童生徒を支援している場合も含む)
(0:なっている、1:なっていない、2:現在はなっていないが過去なっていた) - 授業時間以外の個別の配慮・支援を行っているか(補習授業の実施、宿題の工夫 等)
(0:行っている、1:行っていない、2:現在は行っていないが過去行っていた) - 授業時間内に教室以外の場で個別の配慮・支援を行っているか(通級による指導を除く)(個別指導 等)
(0:行っている、1:行っていない、2:現在は行っていないが過去行っていた) - 授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行っているか(特別支援教育支援員による支援を除く)(座席位置の配慮、コミュニケーション上の配慮、習熟度別学習における配慮、個別の課題の工夫 等)
(0:行っている、1:行っていない、2:現在は行っていないが過去行っていた)
当協会では、「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」のお問い合わせ先である、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課より許可をいただき、公表資料をHTML化して掲載しています。 元のPDFの公表資料はこちらをご参照ください。
文部科学省―特別支援教育
通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1328729.htm
通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について(PDF版)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afieldfile/2012/12/10/1328729_01.pdf