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八女市障害者基本計画

平成8年 3月

八女市

6 章

教育の充実

心身障害児の教育は、社会的に自立できるよう障害の種類・程度に応じた学習が必要であるとともに、地域をはじめ周囲の理解が欠かせません。このため、社会教育や各分野の連携が重要となります。



<施策の体系>
               ┌1.学校教育の充実 ─────────┬(1)障害者に対する教育の充実
               │                   ├(2)教育相談体制・研修の充実
               │                   └(3)障害児教育に対する地域の理解の促進
        教育の充実 ─┼2.社会教育の促進 ─────────┬(1)社会教育の機会の充実
               │                   └(2)学習内容の充実
               └3.保健・医療・福祉等との連携強化 ──(1)施策の連携強化
        




6章 教育の充実

1.学校教育の充実


【現状】
 現在、本市には特殊教育諸学校はなく、それぞれの学校区の普通学級に通学している児童・生徒もいますが、福島小学校、福島中学校の特殊学級に通学している児童・生徒もいます。柳河盲学校、久留米聾学校などに通学しています。筑後養護赤坂分校、柳河盲学校、久留米聾学校などに通学しています。
 保育所、幼稚園においては早期発見、早期療育により障害の軽減を図るため、1人ひとりの障害の状態や発達段階、特性に応じた早期教育を行っています。

特殊教育諸学校 幼児、児童、生徒
特殊教育諸学校 幼児、児童、生徒数:積み上げグラフ
市内特殊学級通学児童、生徒
市内特殊学級通学児童、生徒数:積み上げグラフ


保健所・幼稚園の障害児数
(人)
施設区分 2年度 3年度 4年度 5年度 6年度 7年度
保育所
幼稚園


【課題】
 教育は、治療や訓練と同時的に保障されなければならない大切なものです。基本的には、障害児教育の目的とするところは他の児童・生徒と何ら変わるものではなく、各人が持っている能力を最大限に伸ばし、積極的に社会に参加する人間を地域で育成することにあります。そのうえに立って、一人ひとりの種類、程度に応じた適切な教育を行うことが必要です。

【施策】
1.障害児に対する教育の充実
 ○早期教育の推進のため、教育、医療、福祉等の各関係機関の専門家が連携し、早期から適切な教育ができる体制を整備します。
 ○小・中学校の特殊学級における適切な教育を行うため、実践的研究の充実又、指導内容・方法の充実を図ります。

2.教育相談体制・研修の充実
 ○障害児の障害の種類等に応じた専門的な指導を行うため、教員に対する指導方法等の研修の充実を図ります。
 ○教員に対し障害の特性に応じた専門的な内容(障害児の心理、視覚障害児のための点字、聴覚障害児のための口話法・手話、病気の知識と理解等)の研修の充実を図ります。

3.障害児教育に対する地域の理解の促進
 ○教育は地域との関係を重視し、心身障害児及び特殊教育について正しい理解と認識を得ることができるよう、又地域ぐるみの障害児教育ができるよう地域住民及び保護者等に対して、啓発運動に努めます。
 ○学校行事等地域の人々の参加・協力を呼びかけ、障害児との自然な、ふれあいを通して、相互の理解に努めます。


2.社会教育の促進


【現状と課題】
 社会教育は、地域において住民の学習活動を促進・援助するとともに、学習活動における交流や、学習を生かした活動の中で、まちづくりへもつながる大切なものです。
 しかしながら、市民の障害者間題に関する学習機会・プログラムは、十分とはいえないのが現状です。今後は、市民を対象とした社会教育事業において、障害者問題を積極的に取り上げるとともに、障害者の意見を充分反映させ、学習内容の充実を図っていくことが必要です。地域や社会教育関係団体等の指導者に対しても、障害者間題の学習会を行うなどの取り組みを進めなければなりません。また、学習成果を生かしたさまざまなボランティア活動の基盤づくりを進めることも併せて重要です。
 さらに、近年は、いつでも、どこでも、誰でも自由に学ぶことができる生涯学習社会を築くために、すべての人々が支障なく学習の機会が得られるような生涯学習環境の整備が求められており、地域において生涯学習推進の基盤を作るため、社会教育施策・事業の充実を図ることが重要な課題となっています。

【施策】
1.社会教育の機会の充実
 ○障害者が支障なく利用できるような社会教育施設等の整備を図ります。
 ○ボランティア養成講座等、社会教育事業の充実に努めます。

2.学習容の充実
 ○社会教育、生涯学習の場に障害者間題を積極的に取り入れます。
 ○学習に際しては、当事者の意見を交えるなどして、表面のみの学習に終わることのないよう学習内容の充実を図ります。

3.保健、医療、福祉等との連携強化


【現状】
 本市における障害児の就学状況は、小・中の普通学級や特殊学級、また養護学校、ろう学校、盲学校の小学、中学、高等部にそれぞれ通学(卒業含む)している児童、生徒が9割近くを占めています。
 しかし、その後の進路については卒業あるいは中途退学した生徒(児童)の半数が就職等もできず、そのうちの大半が疾病、障害などの理由によるものです。

通学中の学校および最終学歴
通学中の学校および最終学歴:円グラフ
《資料》障害者(児)実態調査


 今後の就業については、職業訓練を希望する人が多く、4割弱を占めています。
 職業の紹介希望者は、12歳以上の比較的高い年齢の障害児に多くなっています。

就業等についての希望
就業等についての希望:円グラフ
《資料》障害者(児)実態調査

【課題】
 小学校、中学校等において、重度の障害のある児童、生徒に対し学校サイドの対応がどこまで可能かという問題に関しては、学校、医療、福祉との密な連携・協力が必要となります。
 せっかく学校を卒業しても健康の問題ゆえに就業できない生徒、児童に対する医療機関、福祉行政への対応も重要な問題となっています。
 さらに卒業(中退)後の生徒の約半数が現在求職中であること、また、就学中の障害児でも就業後の職業訓練を希望していることなどから、保健、医療のみならず雇用も含めた幅広い連携が望まれます。
 就業前の障害児については、保護者及び幼稚園や保育所の職員において子供の障害に気付かなかったり、対応に熟知していないため早期発見・早期療育に支障をきたさぬよう、適切なアドバイスを受けられる医療機関等の情報提供が必要となります。
 さらに、就学前の障害児において、幼稚園や保育園等で教育、保育訓練を実際に受けさせたり、これから受けさせたいとする保護者が8割をこえていることから、なお一層の福祉行政の財政的援助のもと、相談窓口体制をはじめ教諭や保母の研修制度等も充実していかなければならない課題となっています。

【施策】
1.施策の連携強化
 ○適切な教育や対応が行われれるよう福祉部門と教育部門、保健・医療・学校、等、そして地域との相互の連携を図り、施策の推進を図ります。
 ○就学前の障害児が幼稚園・保育園で教育、訓練を受けられるよう受け入れの要請を幼稚園・保育園に行い、教諭、保母等に障害児の医療と保健に関する研修の体制を整えます。
 ○障害医児の就学対策として、医療機関における職業リハビリテーション等の充実を図ります。


主題:
八女市障害者基本計画

発行者:
八女市

発行年月:
平成8年3月

文献に関する問い合わせ先:
〒834
 福岡県八女市大字本町647
  八女市役所市民部福祉事務所
   (TEL)0943-23-1111
   (FAX)0943-22-2186

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