本県が、平成10年10月実施した「岡山県障害児(者)施設入所・通所状況調査」では、障害者が自立し地域社会で生活を送るニーズは高く、そのための生活の場の確保が必要です。このため
- 知的障害者、精神障害者については、特に地域社会の中で共同生活できるグループホーム等へのニーズが高いことから、グループホーム、生活ホーム等の整備を図るとともに、公営住宅のグループホームとしての活用を促進します。
なお、生活ホームについては、精神障害者の利用が出来るよう制度の拡充について検討します。 - 身体障害者については、個人住宅の個々の住宅事情や障害状況等に応した住宅改造への助成や公営住宅における身体障害者にも配慮した住宅の整備を図るとともに、福祉ホームの整備を促進します。
- 身体障害者グループホームについては、現在、制度化されていませんが、施設調査の結果(表5-9を参照)でも、利用希望が多くあり、今後、身体障害者福祉ホームや身体障害者に配慮された公営住宅の整備・利用状況を勘案し、制度のあり方について検討を進め作ます。
表5-7:障害者の地域居住施設の概要
施設区分 | 目的 | 実施主体 | 利用定員 |
---|---|---|---|
グループホーム (国制度) |
●自立を助長することを目的としてしいます。 ●地域で生活する人に対して、食事の提供、健康管理、金銭管理、その他日常生活における援助等を行います。(知的障害者グループホームは給食付き、精神障害者グループホームは、食事管理のみ) |
県及び市 | 4名以上 7名以内 |
生活ホーム (県制度) |
●就労自立を促進することを目的としています。 ●日常生活における健康管理、食事管理、金銭管理等の指導を行います。(自炊が原則) |
市町村 | 概ね 4名以上 9名以内 |
福祉ホーム (国制度) |
●社会参加の助長を図ることを目的としています。 ●就労している人で家庭環境、住宅事情等の理由により、現に住居を求めているものが利用し、就労に必要な日常生活の安定を確保します。(自炊が原則) |
県 | 概ね 10名 |
通勤寮 (国制度) |
●社会復帰を図ることを目的としています。 ●就労している人が職場に通勤しながら一定期間入所し、対人関係の調整、余暇の活用、健康管理等、独立自活に必要な指導を受けます。(給食付き) |
県及び市 | 概ね 20名 |
表5-8:グループホーム・生活ホーム等の整備状況
(平成10年3月31日現在) | ||||
---|---|---|---|---|
障害区分 | グループホーム | 生活ホーム | 福祉ホーム | 通勤寮 |
身体障害 | - | - | 0人分(0ヵ所) | - |
知的障害 | 127人分(30ヵ所) | 62人分(14ヵ所) | 10人分(1ヵ所) | 90人分(4ヵ所) |
精神障害 | 53人分( 9ヵ所) | - | 61人分(6ヵ所) | - |
計 | 180人分(39ヵ所) | 62人分(14ヵ所) | 71人分(7ヵ所) | 90人分(4ヵ所) |
(障害福祉課調べ) |
(注) -は制度がないことを示します。
表5-9:身体障害者療護施設の入所者(506人)が地域で生活するために利用したい居住施設
(単位:人)(複数回答) | |||
---|---|---|---|
介護区分 | 構成比 | グループホーム※ | 福祉ホーム |
要介護 (項目=1,2,3) |
241 81.4% |
31 12.9% |
28 11.6% |
助言・指導等必要 (項目:4) |
35 11.8% |
10 28.6% |
8 22.9% |
ほぼ自立 (項目=5) |
20 6.8% |
8 40.0% |
0 0.0% |
計 | 296 100.0% |
49 16.6% |
36 12.1% |
(障害福祉課調べ) |
※身体障害者用グループホームについては、現在、制度化されていませんが、今回の調査の項目に掲載し、調査しました。
(注)
- 「岡山県障害児(者)施設入所・通所状況調査」(平成10年10月実施)結果によります。
- 身体障害者療護施設入所者のうち「退所したくない」を除いた296人について、地域で生活する場合に利用したい居住施設です。
- 「介護区分」の「項目」数字の内容は、つぎのとおりです。
- 常に全ての面で介護が必要
- 常時、多くの面で介護が必要
- 時々または一時的に、あるいは一部介護が必要
- 助言、指導、注意、点検または配慮が必要
- ほとんど配慮を要せず、問題も少なく、ほぼ自立
- 構成比は、296人に対する介護区分別人数の割合です。
表5-10:知的障害者施設の入所者(1,846人)が地域で生活するために利用したい居住施設
(単位:人)(複数回答) | |||||
---|---|---|---|---|---|
介護区分 | 構成比 | グループホーム | 生活ホーム | 福祉ホーム | 通勤寮 |
要介護 (項目=1,2,3) |
847 46.8% |
220 26.0% |
41 4.8% |
31 3.7% |
28 3.3% |
助言・指導等必要 (項目:4) |
755 40.5% |
410 54.3% |
112 14.8% |
60 7.9% |
102 13.5% |
ほぼ自立 (項目=5) |
230 12.7% |
154 67.0% |
25 10.9% |
28 12.2% |
43 18.7% |
計 | 1,619 100.0% |
784 48.4% |
178 11.0% |
119 7.4% |
173 10.7% |
(障害福祉課調べ) |
(注)
- 「岡山県障害児(者)施設入所・通所状況調査」(平成10年10月実施)結果によります。
- この表は、知的障害者更生施設及び授産施設入所者のうち「退所したくない」を除いた1,619人について、地域で生活する場合に利用したい居住施設です。
- 「介護区分」の「項目」数字は、上記、「表5-9」の「(注)3)」と同じです。
- 構成比は、1,619人に対する介護区分別の人数割合です。
表5-11:退院可能な精神障害入院患者の生活の場として最適な居住施設
(単数回答) | |||||
---|---|---|---|---|---|
最適な施設 | グループホーム | 福祉ホーム | 民間賃貸住宅 | グループホーム以外の共同生活 | 公営住宅 |
比率 | 16.6% | 5.5% | 6.7% | 4.0% | 3.4% |
(健康対策課調べ) |
(注)
- 「岡山県精神障害者保健福祉ニーズ調査」(平成10年10月実施)結果によります。
- 精神障害により入院している患者のうち、1年以内に退院可能な者476人についての「生活の場」として最適と答えた居住施設の割合です。
表5-12:県営・市町村営住宅の身体障害者特定目的住宅の整備状況
(平成10年3月31日現在)(単位:戸数) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
区分 | 県 | 岡山市 | 倉敷市 | 津山市 | 井原市 | 加茂川町 | 市町村計 | 合計 |
戸数 | 29 | 34 | 8 | 2 | 31 | 2 | 77 | 106 |
(住宅課調べ) |
(注) 「8 生活環境」の「2住宅・生活環境の整備充実」に再掲があります。
身体障害者の失われた部位や障害のある部分を補い、日常生活や職業生活を容易にする補装具の交付・修理が、必要に応して円滑に行われるよう事業の充実を図ります。
表5-13:補装具の交付・修理事業
(平成10年3月31日現在) | ||||
---|---|---|---|---|
事業名 | 対象者 | 交付・修理品目 | 相談窓口 | 実施件数等 |
補装具の交付・修理 | 身体障害児 及び 身体障害者 |
義肢、装具(四肢の機能障害の軽減をするための補助器具) 車いす、電動車いす、歩行器、歩行補助杖、義眼、眼鏡、点字器、補聴器、人工咽頭、ストマ(人工肛門・人工膀胱)用装具 等 |
市福祉事務所及び町村 | (交付) 78市町村 12,157件 (修理) 76市町村 2,371件 |
(障害福祉課調べ) |
在宅の重度身体・知的障害児(者)の日常生活の便宜を図るため、日常生活用具の給付・貨与が必要に応して円滑に行われるよう事業の充実を図ります。
表5-14:日常生活用具の給付・貸与事業
(平成10年3月31日現在) | ||||
---|---|---|---|---|
事業名 | 対象者 | 給付・貸与 | 相談窓口 | 実施件数等 |
日常生活用具の給付・貸与 | 重度身体障害児、重度又は最重度の知的障害児及び重度身体障害者、重度又は最重度の知的障害者 | 浴槽、湯沸器、便器、手すり、特殊寝台、ワープロ、ファックス、入浴補助用具、点字図書、ネブライザー(吸入器)、火災報知器、自動消火器、歩行支援用具 等 | 市福祉事務所及び町村 | (給付・貸与) 73市町村 2,057件 |
(障害福祉課調べ) |
難病患者については、患者の家庭等にホームヘルパーを派遣して入浴等の介護、家事援助等を行う難病患者等居宅生活支援事業や、ショートステイ、日常生活用具の給付・貨与事業の充実と患者・家族への事業の周知を図ります。
自閉症患者については、知的障害者福祉施策サービスや医療の必要性に応じて精神保健福祉法での対応がなされていますが、生活に適応にすることが難しい発達障害者については、今後さらに施策の充実について検討します。
今後の障害者福祉サービスの実施にあたっては、老人保健福祉サービスとの連携による効果的な推進が必要となってきています。
平成12年度から導入される介護保険制度を踏まえ、障害者に必要なサービス需要に配慮しながら、介護サービス水準の確保、サービスの公平性及び効率性を考慮した提供方法などについて整理を行い、介護保険給付と比べて遜色のない適切なサービスの利用ができるように、市町村中心のサービス体制の強化充実を促進します。
また、市町村の在宅介護支援センターとの連携強化を図り、介護相談などの障害者の地域生活支援体制の整備や、障害者に対する様々なサービス事業を適切に組み合わせ、総合的に調整のとれたサービスが提供できるように、介護支援サービス(ケアマネジメント)体制の整備のあり方について検討を進めます。
図5-1:介護保険制度と障害者施策によるサービス対象者の関係(イメージ図)
40歳未満 | 40歳以上65歳未満 | 65歳以上 |
---|---|---|
下記以外の障害者 | 65歳以上 | |
要介護障害者 | 下記以外原因による障害者 | 要介護・要支援状態の障害者等 |
初老期痴呆・脳血管障害に起因した障害者 | ||
黄色は、障害者施策サービス 朱色は、介護保険制度サービス |
(注)
- 身体障害者療護施設入所者その他特別の理由がある人については、介護保険の適用を受けないことになっています。
- 40歳以上、65歳未満で介護保険の対象となる疾病は以下のとおりです。
1 | 筋萎縮性側索硬化症 | 10 | 脳血管疾患 |
2 | 後縦靭帯骨化症 | 11 | パーキンソン病 |
3 | 骨折を伴う骨粗鬆症 | 12 | 閉塞性動脈硬化症 |
4 | シャイ・トレーガー症候群 | 13 | 慢性関節リウマチ |
5 | 初老期における痴呆 | 14 | 慢性閉塞性肺疾患 |
6 | 脊椎小脳変性症 | 15 | 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 |
7 | 脊柱管狭窄症 | ||
8 | 早老症 | ||
9 | 糖尿病性神経障害、糖尿病性 腎症及び糖尿病性網膜症 |
図5-2:障害者介護等支援サービス体制整備推進事業(身体・知的・精神障害者)全体図
【試行的事業】 | 【養成研修事業】 |
---|---|
![]() |
(数値目標)
(1)三障害共通
指標項目 | 現状 | 目標数値 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
(平成10.3.31) | 平成14(2002) | 平成22(2010) | ||
(人) | (人) | (人) | ||
ホームヘルパー (注)事業量により常勤換算し人数を計上 うち岡山市 うち倉敷市 |
45 身体・知的 45 精神 0 21 10 |
85 身体・知的 60 精神 25 |
128 身体・知的 82 精神 46 |
|
(ヵ所) | (ヵ所) | (ヵ所) | ※表5-6を参照 | |
市町村障害者社会参加促進事業 うち岡山市 うち倉敷市 |
2 1 0 |
8 | 12 |
(注)
ホームヘルパーについては、平成10.3.31現在、高齢者の事業と一体的な運用がなされており、高齢者等を含む全体のホームヘルパーは1,493人であり、うち、障害者対象のホームヘルパーは133人(実働時間:身体及び知的障害者で56,131時間)です。
また、上記以外にガイドヘルパーについて、実働時間3,943時間の実績があります。
なお、岡山市、倉敷市については、ホームヘルパーの実働時間をもとに、常勤換算した数値です。(ホームヘルパーの算出)
- 岡山県
平成10.3.31現在の県全体 常勤換算したホームヘルパー数:①56,131時間÷(222日/年×3回×2時間)=42人
平成10.3,31現在の県全体 常勤換算したガイドヘルパー数:②3,943時間÷(222日/年×3回×2時間)=3人
①+②により県全体 常勤換算したホームヘルパーは、45人 - 岡山市 常勤換算したホームヘルパー数:28,480時間÷(222日/年×3回×2時間)=21人
- 倉敷市 常勤換算したホームヘルパー数:13,506時間÷(222日/年×3回×2時間)=10人
(2)身体障害者関係
指標項目 | 現状 | 目標数値 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
(平成10.3.31) | 平成14(2002) | 平成22(2010) | ||
床(ヵ所) | 床(ヵ所) | 床(ヵ所) | ||
ショートステイ うち岡山市 うち倉敷市 |
30( 8) ( 2) ( 0) |
46(10) | 50(10) | |
デイサービス うち岡山市 うち倉敷市 |
( 6) ( 2) ( 1) |
(12) | (12) | |
人分(ヵ所) | 人分(ヵ所) | 人分(ヵ所) | ||
福祉ホーム うち岡山市 うち倉敷市 |
0( 0) 0( 0) 0( 0) |
31( 2) | 51( 4) |
(3)知的障害者関係
指標項目 | 現状 | 目標数値 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
(平成10.3.31) | 平成14(2002) | 平成22(2010) | ||
床(ヵ所) | 床(ヵ所) | 床(ヵ所) | 利用率の向上を促進します。 |
|
ショートステイ うち岡山市 うち倉敷市 |
141(24) ( 6) ( 4) |
141(24) | 141(24) | |
デイサービス うち岡山市 うち倉敷市 |
( 0) ( 0) ( 0) |
( 1) | ( 3) | |
人分(ヵ所) | 人分(ヵ所) | 人分(ヵ所) | ||
通勤療 うち岡山市 うち倉敷市 |
90( 4) 20( 1) 30( 1) |
90( 4) | 90( 4) | |
グループホーム うち岡山市 うち倉敷市 |
127(30) 45(11) 41( 9) |
215(43) | 335(67) | |
福祉ホーム うち岡山市 うち倉敷市 |
10( 1) 0( 0) 0( 0) |
10( 1) | 10( 1) | |
生活ホーム うち岡山市 うち倉敷市 |
62(14) 36( 8) 8( 2) |
75(17) | 105(22) |
(4)障害児関係
指標項目 | 現状 | 目標数値 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
(平成10.3.31) | 平成14(2002) | 平成22(2010) | ||
(ヵ所) | (ヵ所) | (ヵ所) | ||
ショートステイ うち岡山市 うち倉敷市 |
64床( 7) 59床( 6) 0床( 0) |
69床( 8) | 69床( 8) | |
デイサービス 障害児通園事業 うち岡山市 うち倉敷市 |
(12) ( 5) ( 2) ( 1) |
(16) ( 5) |
(21) ( 6) |
|
通勤療 心身障害幼児通所訓練事業 うち岡山市 うち倉敷市 |
( 6) ( 0) ( 0) |
( 8) | (10) | |
重度心身障害児(者)通園事業(AB型) A型 B型 |
( 1) ( 0) |
( 1) ( 2) |
( 1) ( 4) |
|
障害児保育事業 | 21市町村 (127) |
62市町村 (335) |
保育所のある全市町村 | 保育所は、県内78市町村のうち、71市町村にあり、399ヵ所です。 (平成10.3.31現在) |
(注) 障害児通園事業、心身障害幼児通所訓練事業、重症心身障害児(者)通園事業、障害児保育事業は、「2教育・育成」の「1療育・育成の充実」に掲載があります。
(5)精神障害者関係
指導項目 | 現状 | 目標数値 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
(平成10.3.31) | 平成14(2002) | 平成22(2010) | ||
人分(ヵ所) | 人分(ヵ所) | 人分(ヵ所) | ||
グループホーム うち岡山市 うち倉敷市 |
53( 9) 41( 7) 0( 0) |
137(31) | 311(52) | |
福祉ホーム うち岡山市 うち倉敷市 |
61( 6) 19( 2) 0( 0) |
81( 8) | 115(16) | |
デイ・ケア施設 うち岡山市 うち倉敷市 |
(13) ( 7) ( 2) |
(17) | (26) |
主題・副題:地域でともに生活するノーマライゼーション社会をめざして-岡山県障害者長期計画-
発行者:岡山県
頁数:42頁~50頁
文献に関する問い合わせ:
〒700-8570 岡山県岡山市内山下2-4-6
障害福祉課
電話:086-224-2111
FAX:
岡山県ホームページ:http://www.pref.okayama.jp/
障害福祉課(岡山県)ホームページ:http://www.pref.okayama.jp/hoken.shofuku/shofuku.htm