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仙台市障害者保健福祉計画

4.計画の基本理念

 国際障害者年の主要テーマであり、障害者基本法の理念とされる「すべての障害者は社会を構成する一員として社会、経済、労働、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるという『完全参加と平等』」を基本にすえ、これまでわが国の障害者施策を推進してきた「障害を特別視するのではなく一般社会のなかで普通の生活ができるような条件を整え、共に生きる社会の実現をめざす『ノーマライゼーション』」と「障害者の身体的・精神的・社会的な適応能力を回復することにとどまらず、障害者がそれぞれの年代のあらゆる生活段階において、人間らしく生きる権利の回復を図る『リハビリテーション』」の2つの理念を継承します。
 そして、これらの理念の下に障害者の自己決定権を尊重して「障害者が主体的に地域社会に参加し、自立した生活を安心して送ることのできる社会をめざす『地域社会への参加と自立』をこの計画の基本理念とします。

5.計画の基本視点

 計画の基本理念に基づき次の6つの視点を掲げます。
 「地域で共に生活するために」「社会的自立のために」は、基本理念に直接結びついた視点として、「主体的な活動のために」と併せて障害者の日常の生活や活動を支える視点であり、目標を達成するためには障害者の積極的な参加や意欲を必要とします。
 また、「人権擁護のために」「生活の質(QOL)の向上のために」及び「適切なサービスを受けるために」の3つの視点は、より安全で快適な障害者の生活を保障するための社会的な目標であり、行政の責任と全ての市民の理解と参加を必要とします。

1 地域で共に生活するために

 それぞれの地域において、障害者の住まいや生活の場、活動の場、交流の場を確保し、身近なところで必要なときに相談や介護支援、家族支援、医療などのサービスを受けることができる体制を整備します。また、だれもが地域の担い手として交流活動やボランティア活動などに参加できる社会の実現をめざします。

2 社会的自立のために

 それぞれの障害の程度や各年代におけるそれぞれの生活場面に応じた社会的活動や就労のための支援体制を整備し、だれもが社会を構成する一員として、多様な社会資源を有効に活用しながら主体的に社会活動へ参加し、自己実現のできる社会の実現をめざします。

3 主体的な活動のために

 共通の体験を持つ者どうしが対等な関係で交流できる自主的・主体的な活動を支援し、社会参加を支える基盤づくりを推進します。また、障害者を取り巻く環境の変化やニーズの多様化などによる諸問題に対して障害者が自らの意志に基づき自主的な解決を図り、行動する社会の実現をめざします。

4 人権擁護のために

 障害者の意思を尊重し安定した地域生活を支えるため、権利擁護に関する相談支援体制を整備して、障害者の権利侵害の予防と救済が図られ、権利を行使することのできる社会の実現をめざします。

5 生活の質(QOL)の向上のために

 建物や道路などの物理的な障壁の除去やコミュニケーション障害の軽減など生活環境の整備と改善を図るとともに、実用的な福祉用具や情報処理機器の普及に努め、障害の状況に関わらずそれぞれの能力や意欲に応じてスポーツやレクリエーション及び文化芸術活動を楽しむなど、一人ひとりが個性を生かして各々の生活を確立できる環境の整備をめざします。

6 適切なサービスを受けるために

 障害者の社会参加と自立をより積極的に進めるために、各々のニーズに対応した施策の形成と事業の実施を図ります。また、関係機関や関係団体相互の連携と協力の下に、障害者一人ひとりの抱えるニーズを的確に評価して、だれもが身近なところで総合的に調整された適切なサービスを受けることができる支援体制づくりをめざします。

「障害者保健福祉施策分野一覧」画像

[ホームページ編集者補注:上に掲載している一覧画像の代替え文]

障害者保健福祉施策分野一覧

 社会福祉法人・公益法人の参加・協力、市民の参加・協力、そして企業の参加・協力の基に、 障害者とその家族に対して、地域生活支援、また社会的自立支援、そして相談等による支援において様々な施策を計画すると共に、環境の整備においても各種の計画を推進しています。
  地域生活支援における施策としては、1地域生活の支援の面で、(1)生活支援の充実、(2)生活の場の整備、 (3)介護及び家族支援サービスの充実、(4)地域リハビリテーションの実施、(5)地域づくりの推進、 (6)経済的支援の充実に関して、様々な計画を策定しています。
  社会的自立支援に関する施策としては、2社会的自立の支援を図るために、(1)移動支援の充実、(2)コミュニケーション支援の充実、 (3)障害者の活動支援、(4)障害者によるボランティア活動の推進、(5)社会活動への参加促進、 (6)権利擁護体制の整備に関して、様々な計画を推進しています。
 また、同じく社会的自立支援における施策として、 3雇用と就労の充実の面で、(1)能力開発、(2)職域拡大、(3)職場定着、(4)障害者雇用支援センターの設置に関して、様々な計画を策定しています。
 地域生活支援と社会的自立支援の両面に関わる施策としては、 7文化活動とスポーツ活動の推進を図るために、 (1)文化活動の支援、(2)スポーツ活動の支援、(3)レクリエーション活動の支援、(4)指導者の養成、(5)国際交流の推進、(6)施設の整備、(7)2001年に向けて、様々な計画を推進しています。
 また、同じく地域生活支援と社会的自立支援の両面における施策として、8施設整備の促進の面で、(1)障害者のニーズに応じた施設整備、(2)地域交流の場の整備、(3)施設の地域開放、(4)地域福祉の拠点としての施設整備、(5)施設利用者の処遇向上、(6)働く場としての施設整備に関して、様々な計画を策定しています。
  相談等による支援に関わる施策としては、4相談体制の充実と人材の育成を図るために、(1)保健福祉センターの充実、(2)サービス調整機能の充実、(3)支援ネットワークの形成、(4)人材の育成、(5)ボランティアの育成と活動支援に関して、様々な計画を推進しています。
 同じく相談等による支援における施策として、5保健・医療の充実の面で、(1)母子保健の充実、(2)成人保健の充実、(3)療育システムの整備、(4)リハビリテーションシステムの整備、(5)障害者の健康づくりの推進、(6)在宅保健医療サービスの整備、(7)精神科医療体制の充実に関して、様々な計画を策定しています。
 同じく相談等による支援に関わる施策として、6発達支援と教育の充実を図るために、(1)幼児期の発達支援、(2)学齢期及び後期中等教育における支援、 (3)学習の場の充実に関して、様々な計画を推進しています。
 そして、環境の整備に関する施策としては、 9生活環境の整備の面で、(1)建築物などの整備、(2)障害者住宅の整備、(3)移動環境の整備、(4)防災対策の充実、(5)防犯と安全対策の充実に関して、様々な計画を策定しています。
 同じく環境の整備に関する施策として、10広報・啓発の推進、(1)市民啓発の推進、(2)障害者による交流・啓発活動の促進、(3)学校などにおける啓発、(4)市民の学習の場における啓発、(5)情報提供の充実に関して、 様々な計画を推進しています。
[補注:終了]


主題:
仙台市障害者保健福祉計画
第1章 総論 4.計画の基本理念,5.計画の基本視点
4~6頁

発行者:
仙台市健康福祉局障害保健福祉課

発行年月:
1998年3月

文献に関する問い合わせ先:
仙台市健康福祉局障害保健福祉課
仙台市青葉区国分町三丁目7番1号
TEL 022-214-8163