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仙台市障害者保健福祉計画

2.分野別の現状と課題、施策の方向と具体的内容

1 地域生活の支援

―現状と課題―

 障害者と家族が安心して充実した地域生活を送るためには、介護支援や家族支援など各種サービスの拡充と日常生活に必要な諸条件の整備が必要です。これまでのホームヘルプサービスやショートステイなどに加え、適切な生活環境の整備や様々な在宅福祉サービスを必要に応じて、いつでもどこでも適切に受けられる生活支援体制の整備により、地域における障害者の自立した日常生活の可能性が広がります。
 また、女性の社会参加のニーズも高まっていることから、障害のある児童の養育や障害者の介護を担ってきた母親をはじめとする家族の負担を軽減することが望まれており、在宅福祉サービスの必要性はますます大きくなっています。

―施策の方向と具体的内容―

(1)生活支援の充実

 障害者一人ひとりの障害の特性と各年代における生活場面に適切に対応し、地域において生活情報や福祉情報を提供するとともに、継続的に日常生活上の相談やサービスの調整・提供を行う生活支援体制の整備に努めます。

1)地域生活支援

ア 障害者の地域生活を支援するために、身近なところで日常的な相談、援助、交流などを行うことができるよう必要な体制を整備します。精神障害者については24時間対応の相談体制を整備します。
イ 重度身体障害者などに福祉電話の貸与、通話料の助成を行います。
ウ 福祉機器リサイクル事業、福祉機器相談事業を推進します。

(2)生活の場の整備

 障害者が必要な支援を得ながら自立した地域生活を送ることのできる生活の場の整備促進に努めます。

1)生活の場

ア 障害者どうしが地域において共同で生活するグループホームの設置を促進します。
イ 市営住宅などを活用したグループホームの設置を促進します。
ウ 介助付き住宅として市営住宅などを活用した身体障害者自立支援事業を実施します。

(3)介護及び家族支援サービスの充実

 在宅の障害者と家族が地域のなかで安心して生活できるよう、ホームヘルプサービスやレスパイトサービスなど、日常生活に必要なサービスを身近なところで受けることのできる体制の整備に努めます。

1) 介護支援

ア ホームヘルプサービス、訪問入浴サービスなど介護サービス事業を推進します。
イ 難病患者などを対象としたホームヘルプサービスやショートステイ、日常生活用具の給付を行う難病患者療養支援事業を推進します。ホームヘルプサービスについては24時間対応で実施します。
ウ 精神障害者を対象としたホームヘルプサービス事業を実施します。
エ 全身性の重度障害者が自ら介護人を指名してサービスを受ける全身性障害者指名制介護助成事業を推進します。
オ 保健・福祉・医療の連携により、在宅療養者の病状や実態に応じたサービスを提供する在宅療養支援推進事業を行います。

2)レスパイトサービス(家族介護の一時的代行)

ア 介護を要する障害者の家族を支援するため、身近なところでニーズに沿った方法により一時的な介護の代行や通所施設への送迎などのレスパイトサービスを支援する、障害者家族支援等推進事業を実施します。

3)家族支援

ア 家族に代わって障害者を一時的に施設で介護する短期入所事業(ショートステイ)を推進します。
イ 在宅で人工呼吸器装着の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の家族介護支援サービスを促進します。
ウ 子育て支援などを充実するため、身近な地域施設での支援機能の充実及び連携などを行う子ども家庭支援ネットワークの整備を推進します。
エ 精神障害者家族教室の開催や精神障害者家族会、難病の子どもを持つ家族会の支援を推進します。
オ 障害保健福祉やその制度について理解を深めてもらうための講演会や講座を開催します。

(4)地域リハビリテーションの実施

 関係機関との充分な連携の下に、日常生活に対応した生活訓練や機能訓練を身近な地域で実施し、円滑な地域生活を継続的に送ることができるよう支援に努めます。

1)生活訓練等

ア 聴覚障害者親子ふれあい教室、音声機能障害者発声訓練、中途失明者に対する緊急生活訓練、オストメイト社会適応訓練など、障害の状況に合わせた各種訓練事業を推進します。

2)地域における機能訓練等

ア 老人保健法に基づく機能訓練事業を推進します。
イ 障害者福祉センターなどの機能を活用し、身近な地域で日常生活訓練や機能訓練などの事業を推進します。

3)デイサービス事業

ア 機能訓練、スポーツ、レクリエーション、食事、入浴サービスなどを提供する障害者デイサービス事業を推進します。
イ 障害者の老人福祉施設におけるデイサービスなどの利用を推進します。
ウ 在宅障害者の福祉増進を目的として障害者の交流の場や日中活動の場を提供するなどの障害者支援を継続的に実施する民間活動を支援します。
エ 精神障害者の生活指導、作業指導、レクリエーション活動、就労援助などを行う民間医療機関の精神科デイケアを支援します。
オ 精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)において困難なケースに対する精神科デイケアを推進します。

(5)地域づくりの推進

 障害者が自立した生活を送れるよう、障害者自身も参加できる地域住民による地域支援ネットワークづくりに努めます。

1)地域づくり

ア 全ての市民が主体的に心の健康づくりを行えるよう、相談体制の整備や情報・学習機会の提供を行う心の健康づくり推進事業を実施します。
イ 身近な地域における見守り活動及び生活支援活動を促進するため、地区社会福祉協議会を実施主体とした小地域福祉ネットワーク推進事業を支援します。

(6)経済的支援の充実

 各種手当や助成制度及び貸付制度を見直し、障害者の生活基盤の確保に努めます。

1)年金・手当等支給

ア 障害基礎年金、特別児童扶養手当、特別障害者手当、難病見舞金などの支給や心身障害者扶養共済制度の運営を行います。
イ 国籍要件等により障害基礎年金など障害を理由とした年金を受給できない外国人重度障害者などに対して福祉手当を支給します。
ウ 各種手当について必要な見直しを行います。

2)医療費等助成

ア 重度心身障害者の医療費助成を行います。
イ 精神障害者の通院医療費助成を行います。
ウ 更生医療給付、育成医療給付、在宅酸素療法者酸素濃縮器使用にかかる電気料助成、住宅改造に要する経費の助成などを行います。

3)資金貸付

ア 身体障害者福祉資金貸付や住宅資金貸付などを行います。

「将来、家族と一緒にくらしたいと考えている人の割合」グラフ画像

[ホームページ編集者補注:上に掲載されているグラフ画像の代替表]

将来、家族と一緒にくらしたいと考えている人の割合 (※現在くらしている人も含む)
将来、家族と一緒にくらしたいと考えている人の割合(%) 回答総数(人)
身体障害者 77.1 1,557
知的障害者 60.8 494
精神障害者 50.2 436

(平成9年2月 仙台市障害者施策推進基礎調査より)
[補注:終了]


主題:
仙台市障害者保健福祉計画
第2章 各論 2-1地域生活の支援
10~13頁

発行者:
仙台市健康福祉局障害保健福祉課

発行年月:
1998年3月

文献に関する問い合わせ先:
仙台市健康福祉局障害保健福祉課
仙台市青葉区国分町三丁目7番1号
TEL 022-214-8163