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仙台市障害者保健福祉計画

5 保健・医療の充実

―現状と課題―

 少子化などの母子関係を取り巻く環境の変化や生活様式の多様化などに対応し、各々の年代や心身の状況に応じた保健・医療サービスは、障害の予防や軽減を図るうえで必要です。これまでも年代などのそれぞれの状況に応じた健康づくりや生活習慣病の予防、疾病への早期対応などに取り組んできましたが、今後とも時代のニーズに対応した取り組みが必要です。同様に障害者にとっても、健康づくりや疾病の予防、早期対応が大切です。
 また、在宅の重度障害児者や疾病を併せ持っている障害者、難病患者などが安心して地域での日常生活を送るためには、必要なときに地域において適切に提供される保健・医療サービスが必要です。

―施策の方向と具体的内容―

(1)母子保健の充実

 母子の疾病の予防や乳幼児の異常の早期発見を図るため、育児不安を持つ母親が増えている状況など新たな課題に対応した母子保健の充実に努めます。

1)健康教育

ア 健全母性育成事業、母子健康手帳交付及び保健指導、母親教室を開催します。
イ 乳幼児期における各種健康診査に基づく健康教育、乳幼児健康教室及び女性の健康教室を開催します。

2)相談・指導

ア 乳幼児の発達・発育支援、保護者の育児不安の解消などを図るための育児相談事業を推進します。
イ 遺伝相談など疾病予防のための相談事業を推進します。

3)障害発生予防対策

ア 先天性障害の発生予防、周産期医療体制の充実、小児期の事故予防対策を推進します。

4)健康診査体制

ア 乳幼児の疾病の予防、異常の早期発見と早期治療を目的とした乳幼児精密健康診査を行います。
イ 先天性代謝異常検査等事業を推進します。
ウ 妊婦一般健康診査、乳幼児健康診査、視覚・聴覚検査、神経芽細胞検査、股関節脱臼検査などの母子保健の各種健康診査、検査事業を推進します。

(2)成人保健の充実

 生活習慣病や疾病による後遺障害を予防するため、適切な生活習慣をとおして自ら健康管理ができるよう成人保健の充実に努めます。

1)健康教育

ア 生活習慣病の予防や健康増進などの知識の普及を図るため、糖尿病予防、骨粗しょう症予防、寝たきり予防など各種健康教室を開催します。
イ 仙台市健康増進センターにおける健康づくりを推進します。

2)相談・指導

ア 高血圧や高血圧症予防などの相談事業や生活習慣改善指導事業を推進します。
イ 心身機能の低下防止と健康の保持増進を目的とした訪問指導事業を推進します。

3)健康診査体制

ア 脳血管疾患や糖尿病など生活習慣病予防のために基本健康診査などを行います。

(3)療育システムの整備

 児童の発達上の障害の早期発見から相談・評価(診断)・療育を一貫性をもって継続的に行うため、地域における療育システムの充実に努めます。

1)療育システム

ア 保健福祉センターや障害児施設などとの連携を図りながら、地域において相談・評価・療育を一貫性をもって継続的に行う療育システムを整備します。
イ 保健福祉センターにおいて障害の状況に応じた療育相談指導を行います。
ウ 訪問による相談及び健康診査、外来による療育相談指導、保育所など障害のある児童を受け入れる施設に対して支援を行う障害児(者)地域療育等支援事業を推進します。

(4)リハビリテーションシステムの整備

 病院での治療とリハビリテーションを終了した障害者に対し、日常生活に即した生活訓練や機能訓練への適切な移行を図り地域での自立生活を円滑にするため、地域の関係機関、施設及びその機能、人材などを活用したリハビリテーションシステムの整備に努めます。

1)リハビリテーションシステム

ア 保健福祉センターにおける総合相談やサービス調整機能と地域における日常生活訓練・機能訓練事業との連携により、身近な地域においてリハビリテーションを受けられる体制を整備します。

「リハビリテーションの利用を希望する人の割合」グラフ画像

[ホームページ編集者補注:上に掲載されているグラフ画像の代替表]

リハビリテーションの利用を希望する人の割合

リハビリテーションの利用を希望する人の割合(%)

回答総数(人)
身体障害者
29.2
1,557
知的障害者
34.6
494

(平成9年2月 仙台市障害者施策推進基礎調査より)
[補注:終了]

(5)障害者の健康づくりの推進

 障害者の二次的障害や生活習慣病の予防を図るため、早期発見及び早期治療の体制の整備に努めるとともに、施設や在宅で必要な診療を受けることのできる体制を充実して障害者の健康づくりに努めます。また、障害者の健康教育の充実に努めます。

1)障害者の健康づくり

ア 各年代や心身の状況に応じた各種健診の受診を推進し、健康管理に対する理解を深めるとともに、障害者自身の健康づくりを支援します。
イ 障害者の心の健康づくりを推進します。
ウ 保健福祉センターの訪問歯科保健指導、障害者歯科診療施設及び歯科医師会との連携による在宅寝たきり者訪問歯科診療事業、障害児施設における歯科保健事業を推進します。
エ 車いす常用者に対する身体障害者健康診査事業を推進します。
オ 保健福祉センターにおいて障害者も参加できる健康づくり講座などの開催を推進します。

(6)在宅保健医療サービスの整備

 地域において障害者や難病患者などに対し、いつでも必要なときに、保健・医療の各々のサービスを適切に調整し総合的に提供できる体制の整備に努めます。

1)在宅保健医療サービス

ア 地域の保健・医療の関係機関による協力体制を整備します。
イ 訪問看護ステーションの設置を促進します。
ウ 在宅難病患者などに対する在宅療養支援を行うため訪問相談・医療相談などを実施するとともに、専門医療機関とのネットワークづくりを推進します。

(7)精神科医療体制の充実

 宮城県や医療機関などと連携し、夜間や休日も含めた緊急時に対応できる精神科救急医療体制の確立と、精神障害者の医療体制の整備に努めます。

1)精神科救急医療体制

ア 夜間、休日の精神障害者の急患に対応できる精神科救急医療システムの充実を促進します。

2)精神科デイケア

ア 精神科外来治療に併行して行う精神科デイケアを支援します。

「健康(医療・病気)について悩み事(相談)のある人の割合」グラフ画像

[ホームページ編集者補注:上に掲載されているグラフ画像の代替表]

健康(医療・病気)について悩み事(相談)のある人の割合
健康(医療・病気)について悩み事(相談)のある人の割合(%) 回答総数(人)
身体障害者
51.9
1,557
知的障害者
32.8
494
精神障害者の家族
50.8
242

(平成9年2月 仙台市障害者施策推進基礎調査より)
[補注:終了]


主題:
仙台市障害者保健福祉計画
第2章 各論 2-5保健・医療の充実
23~26頁

発行者:
仙台市健康福祉局障害保健福祉課

発行年月:
1998年3月

文献に関する問い合わせ先:
仙台市健康福祉局障害保健福祉課
仙台市青葉区国分町三丁目7番1号
TEL 022-214-8163