仙台市障害者保健福祉計画
9 生活環境の整備
-現状と課題-
 障害者が地域で安全に快適な生活を送るためには、地域生活の支援を行うほか住みやすい環境づくりが必要です。このため、障害者の視点を組み入れながら、建築物、道路、公園などをだれもが快適に利用できるよう整備するとともに、民間における整備促進のための指導、助言及び財政的支援や推進体制づくりを行なってきました。今後とも、仙台市ひとにやさしいまちづくり条例に基づいて、これら施策に継続的に取り組んでいくことが大切です。
               また、災害発生時に特別な配慮が必要となることが多い障害者が、安心して日常生活を送ることができるよう緊急時の安全を確保する支援体制の整備が望まれています。
-施策の方向と具体的内容-
(1)建築物などの整備
福祉的視点から建築物、道路、公園などのバリアフリー化(物理的障壁の除去)を進めるとともに、民間事業者や市民の自発的な協力の下に障害者が安全で快適な生活を送れるよう環境の整備に努めます。
1)民間施設
ア ひとにやさしいまちづくり条例に基づいて、民間事業者に対する指導、助言や補助金の交付、融資あっせん及び利子補給を行います。
              イ ひとにやさしいまちづくり推進協議会と連携・協力し、市民や事業者に対する啓発活動を推進します。
2)公共施設
ア 本市が所有・管理する建築物、道路、公園などの施設の改修を行う際には、併せて緊急性のあるものを中心に福祉的視点に立った改善事業を推進します。
(2)障害者住宅の整備
介助付き住宅の提供も含めた公営住宅の質的充実に努めるとともに、住まいに関する情報提供や相談体制、助成制度の拡充に努めます。
1)障害者向け市営住宅等
ア 市営住宅の整備・改善にあたっては段差の解消や手すりの設置などを行うとともに、障害者の優先入居に配慮します。
              イ 市営住宅を建設する際に、その一部を「車いす住宅」として整備する場合は、入居者の身体機能などに合わせて整備を行う「ハーフメイド方式」を採用します。
              ウ 介助付き住宅として市営住宅などを活用した身体障害者自立支援事業を実施します。
2)住宅改善等支援
ア 住宅改造費の助成や住宅改造資金の貸付あっせん及び利子補給事業を推進するとともに、相談体制を充実します。
(3)移動環境の整備
障害者が安全でかつ快適に円滑な移動ができるように障害物のない広い歩道などの整備を推進するとともに、公共交通機関の車両、施設、運行体系などの整備に努めます。
1)交通環境
ア 車いすがすれ違うことのできる広い歩道の整備や歩道の段差切り下げ、視覚障害者誘導用ブロックの設置、電線類地中化事業を推進します。
              イ 通行の妨げとなっている放置自転車対策を推進します。
              ウ 視覚障害者などに配慮した信号機の設置を促進します。
              エ 事業者に働きかけ、駅施設の改善を促進します。
2)交通手段
ア リフト付自動車による送迎サービス事業を充実します。
              イ 利用状況に則したリフト付路線バスの運行を行います。
              ウ 超低床バスを導入します。
(4)防災対策の充実
防災に関する知識の普及や啓発に努めるとともに、地域住民、ボランティア組織などと連携を図りながら、災害時にもっとも支援が必要となる障害者の防災対策の充実に努めます。
1)知識の普及・啓発
ア 防災に関する講演会の開催やパンフレットの配付などを行い、防災に関する知識の普及を図るとともに、地域住民の障害者に対する援助の方法・必要性について知識の普及を図ります。
              イ 病院、社会福祉施設など障害者の入居施設を対象とした夜間の防火管理指導を行います。
              ウ 「点字防災読本」を発行するとともに、防火などについて指導助言を行います。
2)支援体制
ア 災害時に手話通訳やガイドヘルパーとして活動できるボランティアを養成し、そのネットワークづくりを推進します。
              イ 総合防災システムの充実により、災害時における障害者への救助・救出体制を確保します。
(5)防犯と安全対策の充実
地域や関係機関などにおける支援ネットワークづくりを推進し、日常における障害者の犯罪被害防止と緊急時の安全を確保するための支援施策の充実に努めます。
1)知識の普及・啓発
ア 防犯に関するパンフレットの配付などを行います。
2)支援体制
ア 在宅で一人暮らしの重度身体障害者に緊急事態が発生した場合、あらかじめ定めてある協力員に通報することができる緊急通報システム事業を推進します。
              イ 犯罪による被害を防ぐため、所管警察と協力して地域安全活動を行っている地区防犯協会などを支援します。
              ウ 犯罪などによる人権侵害から障害者を保護するための障害者の権利擁護システムの整備を進めます。
              エ 聴覚障害者に対応したFAX110番や、外出先で帰宅方法がわからなくなった障害者を捜索するSOSネットワークシステムの充実を促進します。
         
      
[ホームページ編集者補注:上に掲載されているグラフ画像の代替表]
外出の際に道路の段差や建物の設備で困っている人の割合
| ― | 道路の段差や駅の階段(%) | 建物設備(スロープ、トイレ等)(%) | 回答総数(人) | 
|---|---|---|---|
| 肢体不自由者 | 45.7 | 24.4 | 844 | 
| 視覚障害者 | 48.9 | 10.8 | 139 | 
(平成9年2月 仙台市障害者施策推進基礎調査より)
[補注:終了]
主題:
              仙台市障害者保健福祉計画
              第2章 各論 2-9生活環境の整備
              36~38頁
発行者:
              仙台市健康福祉局障害保健福祉課
発行年月:
              1998年3月
文献に関する問い合わせ先:
              仙台市健康福祉局障害保健福祉課
              仙台市青葉区国分町三丁目7番1号
              TEL 022-214-8163
