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総合福祉部会 第11 回
H23.1.25 資料15

部会作業チーム(選択と決定・相談支援プロセス(程度区分))議事メモ(12月)

1. 日時:平成22年12月7日(金)14:00~17:00

2.場所:厚生労働省低層棟2階講堂

3.出席者
茨木座長、門屋副座長、北野副座長、朝比奈委員、小澤委員、中原委員、野原委員、 三浦委員

4.議事要旨
主に、第一期の報告書のとりまとめにむけて、「相談支援体制の在り方」「支給決定プロセス」の2点を中心に、前回に引き続き議論した。 尚、はじめに座長より、本チームの議論は2期にも引き続き実施されるので、以下の2点が提案され、了解された。

  • 部会で示された本作業チームで検討すべき事項のうち、これまで検討された項目は主に「本人中心計画」と「相談支援のあり方」、「支給決定プロセス」の大枠であること。
  • これらを中心に第1期報告書を取りまとめ、「協議調整モデル」を前提とした障害程度区分に代わるガイドラインやアセスメントなどの詳細は、第2期の課題としたいこと。主な意見や議論の概要は、以下のとおりであった。

(1) 手続き規定について
委員より、「法の対象となる障害の範囲について、相談支援プロセスと密接に関係するので、障害の範囲チームの議論の確認が必要である。特に障害者自立支援法は身障法の身体障害等が対象となっている点を、サービスの入り口でどう考えるかは重要である。」という意見が出された。これについては、法の範囲チームが手帳の保持を前提としないという方向でこれまで検討中であることを議事録で確認した。またグレーゾーンも含めて、ワンストップで相談するという推進会議の意見もあるので、相談支援の入り口では規制しない方向で議論していくこととした。(手続き規定については、障害の範囲チームの検討結果を確認する)

(2) 相談支援体制、支給決定のプロセスについての「修正たたき台案」(門屋副座長作成)の説明を行い、委員間での意見交換を行った。主な意見、議論は以下のとおりであった。

①? 相談支援に求められる役割について

  • 相談と支援の使い分け、行政直営を認めず中立とすること、相談支援機関のみがサービス利用計画を作成するという点は議論が必要である。
  • 今後、障害者でない人の相談が増えてくるが、それを受け止めることそのものが相談。相談支援に関する財源は、国・都道府県が負担し、財源に縛られた相談しかできないことのないようにすべき。

②多層的相談支援体制について

  • つなぎ法で「基幹型相談支援センター」が平成24年4月から設置とされたので、新法での相談支援体制との整合性が必要となってくる。しっかりと総合相談支援センターの役割な ど、相談支援のあるべき姿を描く必要がある。
  • 相談支援機関は4層構造(地域生活支援相談センター-総合相談支援センター-圏域総 合相談支援センター-広域的各種専門相談支援センター)とする。
  • 多層的相談支援体制は良いと思うが、4層構造は複雑すぎる。圏域総合相談支援センタ ーは必要ないのではないか。制度を作る上で、それぞれの相談支援センターが担う役割を 明確にすべき。5万人に1ヶ所設置となると、市町村でなく都道府県が設置することになる のではないか。
  • サービス事業所を経営している場合、相談支援機関を設置できないとするのは現実的に 無理があるのではないか。
  • 相談支援機関の運営について、アメリカは民間委託しているが、委託する際に理事会 の半数は当事者やその家族を入れるなど条件をかなり厳しくしている。どう中立性を 担保するかは、他国をみながら考える必要がある。
  • 千葉県の中核センターは、独立性のチェックを受けた上で、千葉県から委託を受けて いる。
  • サービス提供事業者の場所から独立するなどの条件整備が必要。本来、NPO法人を立ち 上げるなどしてサービス事業者から独立し、中立性・公平性を担保していることが望まし い。そうすると、財政基盤を整える必要があるが、センターの運営費のベースは、補助金 とサービス計画作成費という構造になるのではないか。国の財政基盤の負担が必要。
  • 就業・生活支援センターとの関係性、各センターの役割分担・設置人口規模とエリアに ついてどのように整理するのか、検討が必要である。なお、エリアについては、障害福祉 圏域との関係を整理する必要がある。生活支援とセットの相談は小規模な単位で行うべき。
  • 発達支援センターなどの児童・教育に関する相談支援をどうするのか。また難病や精神 については、専門相談機関にリファー(紹介)する仕組みにすべきではないか。
  • 多層的相談支援体制は、わかりやすく、シンプルな構造にすべきである。
  • 難病患者の場合は、各都道府県の難病相談センターとは別に、50万人に1か所を目安 に中間センターを設置する構想がある。
  • 精神障害者の場合も難病患者と同じで、保健所がない地域は身近な地域で相談ができな かったが、障害者自立支援法で3障害一元化されて少し改善された。障害の種別でわけな い身近な相談支援の場の整備が必要である。

③当事者相談、ピアサポート体制について

  • 推進会議第二次意見書案の中で、当事者相談員を育成するとの内容があるが、当事者相 談員は、この多層的相談支援体制に組み込むのか、それとも別に位置付けるのかの議論が 必要である。
  • 身近な地域で相談に行けば、ピア(仲間)がいるという場づくりが大事である。
  • ピアカウンセリングは、相談ではなく、生活支援に入るのではないか。
  • 相談支援機関にピアカウンセラーが配置されること自体は否定しないが、相談支援専門 員の研修を受けた人であるべきではないか。
  • 職域として認めるべきであり、施設に入っている障害のある方の働ける可能性がでてく る。

④支給決定プロセスについて

  • 本人中心支援計画を希望する者はケアマネジメントを希望する者か。セルフマネジメントと併せて2つの方法となるのか。
  • 何らかの支援が必要な当事者が多いので、当事者とともに、相談支援専門員が本人中心 支援計画を策定し、サービス利用につなげていく場合がほとんどであると考える。
  • ケアマネジメント体制について、現状はそれを裏付ける人がいないため、トレーニング

システムの開発が必要。

  • 行政のアセスメントツールは、まずは障害程度区分の問題の所在を明らかにすること が必要。アセスメントツールによりサービス対象者かどうか決めるのか。
  • 支給決定については、標準的な支給基準をベースにプラス・マイナスをソーシャルワ ークとガイドラインで判断するというプロセス。
  • 協議調整モデルについて、誰と誰が、どんなプロセスで、何をつかって、何を協議調 整するのかを詰めておく必要がある。
  • 市町村行政の職員は2、3年で代わるなど専門性が不足しており、支給決定は行政、 支援者、専門家、当事者等を含めた合議体で行うべきである。
  • 本人が作った計画で決定した結果、市の予算がなくなりましたという時に、誰が責任 を負うのか。決定は市町村の責任で行うべき。
  • ソーシャルワーカーが確保できない段階で行政に裁量権を持たせるのは難しい。おそ らく協議調整でもめるので、なんらかの市町村ベースの合議体は必要。
  • 支給決定にかかわる合議体の役割などについては、今ある審査会の中で平準化して越 えたものをやるのか。それを残す仕組みとするのか、より上位に上げていくのかは第 二期でさらに深く議論していきたい。

まとめ

  • 今回議論となった支給決定のプロセスのアセスメントの在り方、協議調整の仕組みに ついては、さらに座長、副座長で協議し、11 月にたたき台として示した協調性モデル 図をさらに修正した上で、委員に諮ることとなった。
  • また、次回の部会で報告する当作業チームのとりまとめ意見についても、12月末に は下案を作り、委員に12 月中に送付、意見を集約したうえで最終的に第1 期の報告 書を策定することとなった。