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総合福祉部会 第13回 H23.4.26 資料4

第1回 利用者負担チーム 議事要旨

1.応益負担の問題点(G-1-1)

(1)現状の評価(東京都区市町村の所得階層別支給決定者数による検討)

●表1.東京都区市町村における所得階層別負担上限額の状況

所得階層「特別対策」「緊急措置」「緊急措置」見直し
負担上限2008年4月負担上限2008年7月2009年4月2009年7月
人数人数人数人数
課税世帯37,200円9,57838.037,200円3,79315.14,14312.82,8138.5
9,300円4,92319.59,300円74810.51,01710.81,49825.3
4,600円1,8962,5183,586
低所得224,600円1,5826.324,600円1,9277.72,5707.97392.2
6,150円1,96214.43,000円3,77535.54,41434.95,51340.9
3,750円1,6541,500円5,1766,9228,059
低所得115,000円4871.915,000円4751.99032.82800.8
3,750円1,1974.71,500円3,41513.64,66114.45,23115.7
生保0円3,82515.20円3,96115.75,31816.45,51416.6
合計25,208100.0 25,166100.032,466100.033,233100.0

●表2.厚労省作成「障害福祉サービスの利用者数、構成比」より(障害児を除く)

所得階層「特別対策」「緊急措置」「緊急措置」見直し
負担上限2007年11月負担上限2008年7月2009年7月
人数人数人数
課税世帯37,200円39,7968.937,200円13,6162.010,2762.0
9,300円97,56921.89,300円51,58610.959,31511.5
4,600円
低所得224,600円176,06739.324,600円228,08248.0240,51046.4
6,150円3,000円
3,750円1,500円
低所得115,000円90,69420.215,000円133,69828.2152,94829.5
3,750円1,500円
生保0円43,7659.80円47,90510.154,83910.6
合計447,891100.0 474,887100.0517,888100.0

○応益負担ならびに負担軽減策の評価をおこなうために、東京都区市町村の所得階層別支給決定者数の推移を検討した。

○自立支援法実施段階では、約60%以上の人が課税世帯とされ応益負担満額の負担を強いられた。その要因は、収入認定の対象に同居世帯の収入・資産が含まれたためであった。

○また特別対策では、課税世帯で負担上限額37,200円の世帯が38%残っていたが、緊急措置によって15%になり、資産要件調査を撤廃した緊急措置の見直しによって8.5%まで減少した。このように負担軽減策の効果は、収入認定ならびに資産要件の基準とその対象(同居家族の除外)の見直しによって、ようやくその対象が増えた。

○グループホーム入居者は、個別減免が優先され、負担軽減策の対象外とされてしまったため、在宅者との間で負担の格差が生じてしまった。

○厚労省の作成した資料では、負担軽減者数の実数把握ができないため、検討が困難である。

(2)応益負担の評価

○人が生きるうえで必要な最低限の営みへの支援に対して、負担が課せられるべきではない。

○障害は自ら望んで負ったわけではないため、障害に伴う支援は社会が負うべき責任である。

○「ある程度の負担があった方が、遠慮せずに支援を求めやすい」という声もあるが、必要十分な支給量や報酬が得られれば、「支援をお願いしている」という遠慮は解消される。

○人として生活する権利を保障する支援と、いまの生活をさらにゆたかにする支援は分けられるべきであり、そのため負担のあり方も異なる。

○ガイドヘルパーの利用の際、ヘルパーの必要な経費(入場料、交通費等)の負担を利用者本人に課せられているが、これについても障害に伴う必要な支援として公的に保障されるべきである。

2.2010年4月からの軽減措置の評価(G-1-2)

○2010年4月から障害福祉サービスについては、非課税世帯の負担の上限額はゼロ円となったため、非課税世帯の人の負担は大幅に軽減された。

○ただし、自立支援医療や補装具には適用されていないため、早急な検討が必要であるが、そのために現状の負担の実態を把握する必要がある。

○地域生活支援事業には非課税世帯でありながら、未だに利用料負担が課せられている現状があるため、早急に改善する必要がある。

3.自立支援医療の軽減措置の課題(G-1-3)

○国の資料をもとに検討を予定

4.食事や高熱水費の実費負担の評価(G-1-4)

○自立支援法施行当時、給食の食材費だけでなく人件費を含めて大幅な削減が実施されたため、通所施設等では大幅な自己負担が生じたじた。

○食事にかかわる食材費等は、障害のない人も自ら負担していると考えるならば自己負担にしてもよいと思うが、それを支払うことを含めた自立生活に必要十分な所得保障がなければならない。また自己負担の基本的な考え方を示す必要もある(インスタントラーメンのお湯代を徴収するなどへの対応)。

○欠席した場合の給食費のキャンセル料が課している事業所が多くあるが、事業者との契約事項であるため、それは事業者の経営判断に委ねられるが、少なくない事業者は、食材費だけでなく人件費も含めたキャンセル料を徴収している事業者がいるため、適切な基準を設ける必要がある。

○送迎利用料の徴収については、合理的配慮の視点から送迎は障害に伴う支援であり、利用料を徴収すべきではなく、むしろ公的に支援すべきである。また送迎利用料のキャンセル料を徴収している事業者がいるが、これは論外である。

○グループホーム、ケアホームの食費・光熱水費の自己負担は必要となると思われるが、家賃負担に加え、応益負担が生じてしまうことで、一般就労者や離職直後の人などで入居が必要な人が利用しにくい問題が生じている。

○グループホーム・ケアホーム等の応益負担もあってはならないが、実費負担の軽減策や本人に対する所得保障の充実が必要である。

5.応益負担廃止後の負担のあり方(G-2-1)

○障害に伴う必要な支援は無料とすべきである。

○家族の扶養にある障害のある子どもについても、障害に伴う必要な支援は無料とすべきである。

○障害に伴う支援には、直接支援、移動支援、労働支援、見守り、相談などが含まれる。

○実費負担は、障害のない人と同等の立場を確保する観点から自己負担とするが、不当なキャンセル料や過重な負担は実施してはならない。また支援者に必要な実費負担は公的制度で支援する。さらに、実費負担を払ううえでは、その負担を支払うことを含めた自立生活に必要十分な所得保障がなければならない。

6.負担を求める場合の範囲(G-2-2)

○負担を求める際の所得認定の範囲は本人の収入・資産を認定対象とすべきである。配偶者も含めるべきではない。

○障害のある子どもについても、障害に伴う必要な支援は無料とすべきである。それを前提とすると、保護者の収入は所得調査の対象にはならないことになる。

7.結論

(今後、検討)