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障がい者制度改革推進会議総合福祉部会 第3回 H22.6.1

追加資料

障害者自立支援法改正案に関する抗議文

障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会
委員 中西 正司
大濱 眞
岡部 耕典
橋本 操
山本 真理

 去る5 月28 日に障害者自立支援法を改正する法案が衆議院厚生労働委員会において採決され、成立 する見通しとなった。同法改正の内容は昨年3 月に旧政権が提出した改正案をほぼそのまま踏襲したも のである。折しも障がい者制度改革推進会議(以下推進会議)において総合福祉部会(以下部会)が設 置され、現在、障害者自立支援法における多くの問題点、当面の課題に関する要望のとりまとめ作業を 行っているところである。にもかかわらず推進会議、部会の議論を一切踏まえず、すべてを無視した形 で前政権が提案した法案を丸呑みにした法律が提出、可決されたことに委員として強い憤りを感じてい る。

 そもそも政府与党は昨年の政権交代以来一貫して「応益負担を基本とする障害者自立支援法を廃止し、 制度の谷間をつくらない新しい法律を当事者の意見を十分に聞いてつくる」ことを明言しており、その 具体的な実行手段として閣議決定の下首相をトップとした障がい者制度改革推進本部を立ち上げ、障害 当事者を中心とした推進会議を今年1 月に発足させたはずであり、同部会も「障害者に係る総合的な福 祉法制に向けた検討(障害者自立支援法をめぐる論点に関する検討を含む。)を効果的に行う」ために 設置されたものである。政府与党が繰り返し「当事者の意見を十分に聞いて」新しい制度を構築すると してきたのは、ただ単に意見表明の場を用意するのみではないはずである。

 しかし今回の法案の提案、通過は現政府・与党がこれまで進めてきた施策方針を自ら否定し、推進会 議の存在、ひいては障害当事者、国民を全く無視した暴挙である。まして今回の法案については、推進 会議や部会に参加する当事者、障害者団体に何ら一切の説明や意見聴取の場はなく唐突に出されたもの であり、推進会議のスローガンでもある「私たちのことを私たち抜きできめてはならない」という理念 のすべてを否定するものである。このような推進会議と部会を一切無視した今回の動きに対し、委員と して強く抗議の意を表明する。

 また、この法律の内容は従来より懸案となっており政府もその解決を明言してきた谷間の障害者の問 題の解決がさらに先送りされ、支給決定のプロセスは当事者のニーズを中心とするものではなくさらに 専門家の権限を強めようとするものである。また知的、精神障害者の移動支援・重度訪問介護の問題も ふれられておらず、自立支援医療の応益負担の廃止が盛り込まれていない等、部会での当面の課題とし てとりまとめているものとも相反する内容が多く含まれている。法にある施行期日は平成24年4月1 日とされており、部会で検討される新法施行予定の平成25 年8 月まではわずか1年あまりの短期間で ある。当事者や団体からの意見が反映されない拙速なこの法律は徒に障害者の生活や関係者を混乱させ るだけのものであると言わざるを得ない。

 このような暴挙による同法の成立を許してはならない。また、万が一同法が成立してしまった場合は 即時廃止するか最低でも付帯決議によって平成24年の総合福祉法施行までの「つなぎ改正」であるこ とを明記し恒久法化に歯止めを掛けるべきである。政府与党は「私たちのことを私たち抜きできめては ならない」という原点に立ち返り、障がい者制度改革推進会議や総合福祉部会の検討を経た後にその意 向を踏まえたものとして改めて障害者自立支援法の当面の課題の解決を図るものとすること。

以上