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障がい者制度改革推進会議

DINFのお知らせ

シンポジウム 「もっと知ろう、デイジー教科書を!」
日時:2013年02月03日(10:30~16:00)
場所:戸山サンライズ 大研修室
 

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障がい者制度改革推進会議総合福祉部会 第3回 H22.6.1 資料1

障がい者制度改革推進会議
議長 小川 榮一 殿

平成22年6月7日
障がい者制度改革推進会議総合福祉部会
部会長 佐藤 久夫

障がい者総合福祉法(仮称)の実施以前に早急に対応を要する課題の整理(当面の課題)(素案)

 障がい者制度改革推進会議総合福祉部会は「障害者に係る総合的な福祉法制に向けた検討(障害者自立支援法をめぐる論点に関する検討を含む。)を効果的に行う」ために2010年4月12日、「障がい者制度改革推進会議」により設置された。ここに( )で付記されているように、新しい法制が実施されるまでには3年程度の期日を要すると見込まれることから、それ以前に早急に対応すべき課題を検討することも本部会の役割とされた。

 そこで本部会は新法のあり方の議論に先駆けて「当面の課題」についての委員の意見を 文書で収集し、さらに口頭発表を行ったうえで総合的な議論をし、次のように整理したも のである。(なお、文書・口頭意見の中で、当面の課題として述べたのではなく、新法のあ るべき姿として述べたものは、ここでの整理に含めていない。また、当該意見については、 部会の委員意見を早急に取りまとめたものであり、意見の中には、さらに議論を深めるべ き論点も含まれていることから、総合福祉部会における意見の総意ではないことを申し添 える。)

 ここに述べられているように、多くの障害者が利用者負担問題の解決や、ニーズに応じ たサービスの確保を求めており、他方サービス提供サイドでも、事業種別によっては運営 困難を解消し、見通しを持った障害者支援ができるようにしてほしいとの訴えもある。自 治体間格差の解消を求める声も強い。

 政府は、部会の55人の委員の切実な訴えを受け止め、この実現に全力で当たっていた だきたい。

<当面の課題の構成>

A 新法の実施まで待てず、早急に対応すべき課題

<障害者福祉領域>

2
A-1 利用者負担の軽減
1)応益負担の廃止
2)実費負担の軽減
3)補足給付の改善
A-2 法の対象となる障害者の範囲の見直し
1)法律改正
2)障害者手帳がなくても申請ができる手続きに
3)相談支援の対象の拡大
4)障害種別等による利用制限の見直し
A-3 サービス支給決定プロセスの改善
1)障害程度区分による制限の廃止
2)国庫負担基準額の廃止
3)その他の認定基準の見直し
4)プロセス全体に関すること
A-4 サービス体系・内容について
1)介護給付について
2)日中活動の体系の再検討
3)地域生活支援事業の見直し
4)補装具・福祉機器について
5)入所施設について
6)グループホーム、ケアホームについて
7)短期入所
8)障害特性に応じたニーズ評価、支援計画、支援技法、報酬のあり方の設定
9)家族支援の位置づけがまったくない現状を変える
A-5 地域移行対策
1)調査・モデル事業の実施
2)地域資源の拡充
3)地域移行支援事業、退院促進事業の法定化
A-6 障害児サービスについて
A-7 サービス基盤整備について
1)相談支援体制の強化
2)自立支援協議会について
3)障害福祉計画基本指針のあり方の検討
4)人材育成と研修強化
A-8 国・自治体の財政負担
A-9 サービス報酬について
A-10 障害者福祉を壊しかねない地方分権化への懸念
A-11 その他
<関連領域>

B 新法の作成準備のために早急に着手すべき課題:調査、情報収集、試行事業
B-1 障害範囲の拡大にむけ法の狭間にいた人たちの実態やニーズの調査研究
B-2 その他の調査、既存情報の収集・分析
B-3 ニーズの個別評価・支給決定方式に向けて
B-4 パーソナルアシスタンスにむけての検討
B-5 社会的雇用モデル事業の実施
B-6 新体系への移行が進まない理由の実態調査
B-7 新制度の検討の視点と方法
B-8 ロードマップの明確化
B-9 苦情解決と第三者評価の機能強化

C その他
1 「総合福祉部会」と他機関との関係の明確化


A 新法の実施まで待てず、早急に対応すべき課題

<障害者福祉領域>

A-1 利用者負担の軽減

1)応益負担の廃止

  • 負担軽減措置で応能化が進んだが、制度の基本に障害自己責任論が残っており、そ のため応能化が不徹底で、かつ障害観や公的支援責任の考え方をゆがめている。
  • 自立支援医療の低所得者の自己負担を無料に。
    自立支援医療の利用者負担措置については「基本合意文書」で「当面の重要な 課題」としており、優先的に実行すべき課題である。障害福祉サービス等と同様 に低所得者(市町村民税非課税)の障害児者の無料化を図るべきである。
  • 自立支援医療は精神科入院医療にも適用。
  • 応能負担の所得区分の認定は個人単位(利用者本人)を基本とする。
    配偶者を含めないこと。障害児も本人を基本とすること。
  • 自立支援法の各種利用者負担を合算した上限とすること。
  • 「働く場」における利用者負担の解消を。 無償の職業リハビリテーションを推奨しているILO第99 号勧告等の趣旨を 踏まえ、一般所得区分を含め「働く場」における利用者負担を解消する。
  • 地域生活支援事業の利用者負担の見直し。
    応能負担の原則を徹底させる。
    聴覚障害者のコミュニケーション保障の利用者負担をなくす。
  • 法改正で現在の負担軽減措置を恒久化し、応能負担を原則とする。
  • 障害のために必要なサービスへの利用者負担は原則0とする。

2) 実費負担の軽減

  • 入所、通所を問わず、食事等実費負担をなくす。 2009 年11 月26 日の厚労省調査でも実費負担により生活が苦しくなったこと が明らかであり、対応が求められる。
  • 食費については食材費のみとする。
  • 介護保険でも食費負担は4ランクで軽減しているので障害者福祉でも検討すべき
  • グループホーム、ケアホームなどの利用者への家賃補助を
  • 所得保障がされないなかでの食材費を除く食事に係る調理員の人件費や、光熱水費、 医療費などについては利用者の負担としない。

3) 補足給付の改善

  • 障害基礎年金2 級の人の手元金、月額25000 円の大幅増額。
  • 特定障害者特別給付費制度(補足給付)の対象をアパート、グループホームにも。

A-2 法の対象となる障害者の範囲の見直し

1)法律改正

  • 暫定的に自立支援法を改正し、難治性疾患のある者を加え、対象拡大を行う。身体 障害者手帳要件を撤廃する。発達障害者支援法の対象者や高次脳機能障害のある者 がすでに対象となっていることを、市町村などに徹底する。
  • 「障害児」は「障害のある子ども」とし、その範囲を「育児や発達に対する支援が必 要な児」に拡大する。
  • 発達障害者が対象に含まれることを法律本文に明記する。 手帳は要件ではないとされているのに市町村の無理解が依然多い。

2) 障害者手帳がなくても申請ができる手続きに

・手帳を持たない難病などを有する者が、法定サービス利用を必要とする場合、その 旨を記載した医師の診断書等に基づく等の具体的手続きを定め、支給申請を可能とす る。高次脳機能障害、発達障害はすでにこれが可能であることを、関係者・市町村な どに徹底する。

3) 相談支援の対象の拡大

  • 相談支援では、手帳の有無を問わず、障害の有無も問わずに受け入れて相談する 必要がある。「軽度障害者」では日常生活は支障がなくても、社会生活での支障がお きがちである。孤立・経験不足などでトラブルに巻き込まれることがある。

4) 障害種別等による利用制限の見直し

・障害種別や程度区分等級により、重度訪問介護などの地域サービスを利用できな い者に対し、市町村審査会などにより支給決定を可能とするような仕組みを当面つ くる。

A-3 サービス支給決定プロセスの改善

1) 障害程度区分による制限の廃止

  • 障害種別や程度区分等級により、重度訪問介護などの地域サービスを利用できな い者に対し、市町村審査会などにより支給決定を可能とするような仕組みを当面つ くる。
  • 障害程度区分ごとの基準額を個別の支給決定量の上限としてはならないことにつ いて、自治体への周知指導を徹底する。

2) 国庫負担基準額の廃止

  • 居宅介護等に適用されている障害程度区分ごとの国庫負担の制限を廃し、市町村 が支弁する全額を国庫負担の対象とする。

3) その他の認定基準の見直し

  • 行動援護の対象となる認定基準についての見直しが必要である。(現在の12 項 目の8 点以上は現実離れしている)

4) プロセス全体に関すること

  • 認定調査員の研修強化と審査会への知的障害者専門家の参画を促進する。
  • 当面、昨年度の自立支援法改正法案で示された「障害支援区分」を採用する。
  • ろう重複障害、盲重複障害について、その障害特性、生活実態、コミュニケー ション環境の実態などがきちんと反映されて必要なサービスが受けられるよ う抜本的な見直しを行う。
  • 就労関係事業など訓練等給付の場合、障害程度区分認定調査は意味がほとんど ないので実施しないこと。

A-4 サービス体系・内容について

1)介護給付について

1-1 重度訪問介護・居宅介護について

  • 知的、精神、障害児などを含めた利用を可能にする(重度訪問介護対象の拡大) 知的障害者が施設から出て地域で暮らすためには、長時間の支援が必要。買 い物など日常の暮らしのやりくり、郵便物の内容の確認、お金の使い方の相談 など。さらに感情や考えの整理に役立ち、自傷・他害や軽犯罪を防ぐための見 守りが必要な場合もある。こうした長時間の見守りがなければ地域移行は進ま ない。
  • 重度訪問介護の趣旨に反した
    病棟の看護力では慣れていないこともあって人工呼吸器がはずれて死亡す るなどの事故も起きている。普段の慣れた介護者が必要。
  • 通院時の院内介護をよりひろく可能にする。
  • 通勤、通学、通院への利用の検討(外出先制限の廃止)
  • 職場内、学校内での身体介護の利用を可能にする。
  • グループホーム、ケアホームでの利用を可能にする。
  • 入所施設でのヘルパー利用(日中活動の一つとして)。
  • 2 人介助体制を認めるべき(現行でも可能だが市町村によって制限がある)。
  • 自動車運転の介護を認めるべき。
  • 24 時間必要な重度障害者への介護保障(知的障害者、精神障害者も含め)。
  • 見守りケアの必要。
  • 単身者以外でも家事援助を(可能とされているが認めない市町村が多い)。
  • 障害者本人の指示の下で、同居家族の分の掃除、洗濯、調理。
  • 短時間家事援助が支給決定された場合の固定費やキャンセル補填。
  • 居宅介護計画の拘束力の緩和(報酬算定は実績ベースで)。
  • 精神障害者のヘルパー利用は地域による偏りが多く、その効果がよく知られてい ない。
  • 待機という新たな介護類型を創設する。
    しんどいとき飛んできてくれる人、駆け込める場、泊まれる場所を出来高 払いではなく十分な常勤を確保できる体制で保障する。

1-2 行動援護について

  • 利用要件の緩和が必要(認定項目や調査のあり方の問題)。
  • ヘルパーの資格要件の緩和が必要。
  • 外出先要件の緩和が必要。

1-3 重度障害者への医療的ケアについて

  • 痰の吸引、経管栄養注入などの要件緩和とヘルパー研修が必要。
  • 吸引や経管栄養など医療的ケアをともなう介護の単価を30%程度増加する。
  • 医療的ケアに対応できる「看護ヘルパー」制度の創設。
  • 医療的ケアの研修を行う当事者団体に対して助成する。

2) 日中活動の体系の再検討

  • 就労関係施策のあり方(就労サービスの法的位置づけの検討)。
  • 国等による障害者就労施設からの物品等の調達の推進等に関する法律の早期制定。
    小規模作業所や就労継続支援B型事業所等での平均工賃は、 現在、約12,000 円にも満たないものであり、多くの人たちが、この工賃と障害基礎 年金2級(約66,000 円)が唯一の収入となっていると思われる。これで は、経済的に自立した地域生活を送っていくことは困難である。
  • 「共同受注窓口組織」を全国ならびに各都道府県に設置し、運営費助成。
  • 就労継続支援A型では事業所との雇用契約をもって利用契約とみなすこと。
  • 就労移行支援事業の利用期間の柔軟な運用とアフターケアの充実。
  • 就労継続支援B型は就労移行支援又は就労継続支援A型の利用後でないと利用 できない仕組みの改善を。
  • 就労支援事業と障害者就業・生活支援センターとの一貫システムを。
  • 生活介護、自立訓練、地域活動支援センター、小規模作業所のあり方の検討。
  • 地域活動の場の確立(居場所の確保)。
    共生の福祉コミュニテイの拠点となり、居場所機能をそなえたセンター をどの市町村にも設ける。
  • 特別対策の「通所サービス利用促進事業」(送迎)を恒久的な助成事業とする。
  • 通所事業所にも入院時支援加算を。

3) 地域生活支援事業の見直し

  • 自立支援給付と地域生活支援事業の区分けの見直しが必要。
  • 地域生活支援事業に対して国が2 分の1の財政責任を果たす。
  • 盲ろう者向け通訳・介助者派遣事業、コミュニケーション支援事業、移動支援など の市町村格差の解消にむけて、地域生活支援事業費補助金を増額する。
  • 移動支援を自立支援給付(個別給付)とするべき。
  • 短期入所から日中活動の場への移動を移動支援で保障する。
  • 地域活動支援センターの財政保障、義務的経費化が必要。
  • 小規模作業所の新体系への移行のための特例交付金や移行促進事業の継続。
  • 地方自治体が小規模作業所補助金事業を継続すること。
  • 地域活動支援センターの定員要件の緩和(利用者5 名以下への対応等)。
  • コミュニケーション支援事業を都道府県の必須事業に組み入れる。
  • コミュニケーション支援事業の派遣要件の市町村格差をなくす。
  • コミュニケーション支援事業の派遣範囲を広域的(市区町村間、都道府県間)派遣が できるように。複数の自治体(市区町村)に居住する聴覚障害者の集まる場への広域派遣は都道府県による派遣事業とすること。
  • 要約筆記者の養成。
  • 日中一時支援事業、成年後見制度利用支援事業などの充実・強化。
  • 市町村が行うべき標準モデルの提示が必要。どこまですべきかの基準がない。

4) 補装具・福祉機器について

  • 補聴器給付対象者の認定基準の見直し(40db以上に)。
  • 視線入力装置などあらゆる種類の意思伝達装置を給付の対象に。
  • 意思伝達装置やスイッチ等の訪問サポートを評価し、介護給付の対象に。

5) 入所施設について

  • 重症心身障害児施設の充実が必要(児者一貫、医療福祉の一体提供)。
  • 精神障害者の社会的入院解消のための24時間体制の過渡的な生活訓練施設の整備。
  • 強度行動障害や医療的ケア、緊急的保護などが必要な人たちのセーフティーネットと して、障害者支援施設(入所施設)の機能を明確化する。
  • 医療型・通過型肢体不自由児入所施設の機能の存続。

6) グループホーム、ケアホームについて

  • 共同生活援助(グループホーム)という制度名に統一すべき。
  • 利用者の家賃補助の創設。
  • 夜間支援体制の強化が必要。
  • 関係省庁との連携が必要(消防法、建築基準法の規制があるので)。
  • ろう重複障害者に配慮したグループホーム・ケアホームが絶対的に不足している。
  • グループホームの報酬の大幅改善、ホームヘルプの利用認可、家賃補助などの支援。
    自立支援法によりグループホームは、経営的に成り立たなくなり、ケアホームも 事実上利用者を選別して、採算の取れる(手のかからない)利用者を確保してなん とかやっている状況。これでは地域移行は進まない。

7) 短期入所

  • 医療的ケアもあるショートステイ増設が、親の高齢化でますます必要となっている。
  • 通所施設併設型を含む単独型の普及と設置促進。

8)障害特性に応じたニーズ評価、支援計画、支援技法、報酬のあり方の設定

発達障害の特有なニーズをふまえる等。

9) 家族支援の位置づけがまったくない現状を変える

A-5 地域移行対策

1) 調査・モデル事業の実施。

  • 地域移行にむけた実態調査の計画と実施(丁寧な入院、入所者への聞き取りなど のプロジェクト調査が必要)。
  • 入所へのニーズの明確化(「待機者」の実態調査)。
  • 自治体レベルでの地域基盤整備の検討とモデル事業の実施。

2) 地域資源の拡充

  • 地域におけるマンパワー確保と支援内容の整理。
  • ケアホーム、グループホームなどの支援の拡充。
  • 地域での重症心身障害の人たちの暮らしを実現する地域自立生活支援構造づくり をすること(モデル事業化、強化事業化、現行制度の運用拡大など)。
  • 人工呼吸器装着者などの退院促進支援を(退院時に地域のヘルパーが院内での医 療的ケア研修をうける費用助成の制度化など)。
  • 精神保健医療福祉の予算の組み換えを、病院から地域へ、医療から福祉へ。
  • 地域生活のバックアップ拠点の整備。
    グループホーム、ケアホーム、アパートでの一人暮らしで課題となる、急 な体調不良やパニックへの対応、夜間・休日の緊急支援や危機介入、世話人 の急用・急病時の代替えスタッフの派遣など、当事者はもとより、周辺住民 からの要請にも対応できるバックアップ体制を整える。
  • 退院支援施設、地域移行型グループホーム等、真の地域移行の推進・地域自立生 活の確保に逆行する制度・施策を速やかに廃止すること。

3) 地域移行支援事業、退院促進事業の法定化

A-6 障害児サービスについて

  • 児童福祉法での位置づけの明確化。
  • 通所施設の一元化。
  • 障害児通所施設の専門スタッフが保育園等を支援する仕組みを作る。
  • 放課後デイサービスの充実。I 型なみの単価を。
  • 短期入所の充実(医療的ケアが必要な児童も利用可能とする)。
  • 重症心身障害児通園事業の法定化と充実。
  • 重症心身障害児者療育の一貫支援体系の維持。
  • 肢体不自由児施設の施設給付費の見直し。

A-7 サービス基盤整備について

1)相談支援体制の強化

  • 障害程度区分認定廃止にむけた、相談支援体制の検討と充実が必要。
  • 都道府県、市町村における拠点となる相談支援機関の法定化。
  • ケアマネジメントを必要とするすべての人にサービス利用計画を作成するための 義務的経費化が必要。
  • 行政からもサービス提供組織からも独立した専門的相談支援事業の確立。
  • 障害種別を超えた相談支援体制の検討と実現(コミュニケーション障害支援も含 む)。
  • 「本人中心の計画」作りのシステムを。
  • 障害年金、障害者手帳等すべて、申請主義である現行制度を改め、障害を持つこと が明らかになった時点で、支援制度が利用できるシステムの構築。ケアマネージメ ント体制の充実が求められる。
  • 相談員の養成、研修、身分保障を含む質の向上のための財源の確保。
  • 当事者の相談支援事業への参画(ピアサポート、ピアカウンセラーなどの職業的位 置づけの明確化と育成)。
  • 精神障害者の家族同士のピアサポートの制度化(知的障害者相談員制度と同様に)。
  • 成年後見制度利用に要する費用の個別給付化。
  • 高次脳機能障害支援普及事業を政令指定都市、中核都市にも拡大実施する。

2) 自立支援協議会について

  • 自立支援協議会のあり方についての検討(先進市町村の実態調査などを行う)。
  • 自立支援協議会設置の市町村への義務化。

3) 障害福祉計画基本指針のあり方の検討

  • 2011年(平成23年)夏頃に予定される基本指針のあり方の検討。

4) 人材育成と研修強化

  • サービス管理・提供責任者の研修の質の向上。定期的研修の義務づけ。
  • 新人とベテランの2 人体制でのOJT の費用に対する補助。
  • 重度訪問介護のように、2、3日で研修し利用できるヘルパー資格を継続する。
  • 介護福祉士は、従来どおり3年間の実地経験で受験資格を与えるべき。

A-8 国・自治体の財政負担

  • 国庫負担基準の撤廃。
  • 障害者が集中する市町村の財政負担への対応(出身自治体にも負担)。
  • 長時間介護(たとえば1日8時間以上)の部分の市町村負担を軽減。

A-9 サービス報酬について

  • 日額制を月額制にし、単価の大幅増を。
    とくに精神障害者の通所率は全国平均で60%である。 障害福祉サービスは生活全般にわたる継続的なもので、単なる利用実績による 報酬はなじまない。福祉サービスの提供は、その費用のほとんどが人件費である。 日払い方式の中で人件費の安定的な確保のため、各法人・事業所ではさまざまな 努力を重ねているが、職員の削減、非常勤化、待遇の低下が避けられない状況に ある。このことは利用者へのサービスの質の低下につながりかねない。
  • 日額・月額併用制度に。
    利用契約時に利用者合意の下、個別支援計画上、単一事業を継続してほぼ毎日 利用する場合は月払い報酬とし、個別支援計画上、複数の事業を組み合わせる場 合や特定の日利用の場合は日払い報酬とすること。
  • 日払い方式(日額制)の堅持。
    日払い制度は、利用者にとって暮らしの多様性に応じて必要なサービスを選択で きる方式なので、当事者主体の視点で堅持すべき。ただし日払い方式で事業運営が 可能な報酬単価に引き上げることが前提。
  • 報酬単価の見直し、検討。
  • メニュー実施によらなければ事業所運営ができない状況の改善。
  • 事務職員の報酬確保。
  • 会話に文字盤や意思伝達装置を要する場合の15%加算を全市町村で保障する。
  • 施設入所支援の職員配置が?ないので日中の職員で埋めている状況の改善を。
  • 就労継続支援の配置は10:1で、従来の授産施設の7.5:1より低い。改善を。
  • 加算は極力廃止し、報酬本体に。
  • 障害者福祉従事者が公務員と同等の賃金で働けるような仕組み(補助金等)の確立。

A-10 障害者福祉を壊しかねない地方分権化への懸念

  • 事業所の指定基準その他の基準の条例化(地方裁量化)、補助金の一括交付金化など が強行されようとしており、最低基準が確保できる見込みのない分権化に反対する。

A-11 その他

  • 前政権下で出された自立支援法改正案の早期制定・実施。
  • 介護保険との関係の見直し(介護保険優先条項の撤廃など)。
  • 介護保険でも見守りができるようにする。
  • 介護保険と、移動介護や重度訪問介護との同時併給を認める。
  • 新体系移行措置(2012 年3月まで)の期限延期。
  • 移行時安定化事業の平成24 年以降の延長を求める。
  • 障害者自立支援対策臨時特例交付金事業の継続(2013 年7月まで)。
  • 報酬の改善等の措置により新体系への早期移行を。
  • 請求、更新手続きの簡素化。
  • 頻繁な制度の見直しをしない(施行後3 年程度は変更しない)。
  • 自立支援法第1 条を「障害者および障害児が、自ら選択した場で自立した日常生活 又は社会生活を営むことができるように」に修正する。
  • 来期予算にかかわる障害者施策緊急対策を立案する。
  • 安定した財源を確保し持続可能な制度にする必要がある。

<関連領域>

  • 民法の扶養義務制度の見直し。
  • リハビリテーション医療における診療報酬の見直しと、180 日制限の撤廃。
  • 訪問看護師の派遣時間などの拡充。
  • 社会的雇用の制度化に向けて、先行事例の検証を行う。
  • 就労支援の充実(特例子会社を含め、一般企業で働けるような制度づくり)。
  • 障害者就労・生活支援センターの運営と箇所数の増加。
    労働と福祉の縦割り補助金制度の見直し。障害保健福祉圏域に1 か所という位 置づけでは就職後のフォローの必要な人々の増加に対応できない。
  • 所得保障の充実の早期実現、障害者向け所得保障の整備を図る。 ⇒実態把握(生計状況、無年金障害者の原因実態)を行う。
  • 無年金障害者対策(特別障害給付金増額と対象拡大)。
  • 特別障害者手当ての支給対象の拡大(知的障害分野のニーズも公平に配慮)。
  • 障害者の「住宅手当」制度の創設。
  • 障害者の住宅政策の確立。
  • 障害者差別禁止法を早期に制定すること。
  • 障害者権利条約の早期批准。
  • 特別支援教育の見直し。
  • 「情報・コミュニケーション法(仮称)」の制定。
  • 「総合福祉法」と整合性をもつ難病・慢性疾患対策の対策推進チームを発足させる こと(当事者をしかるべき割合で含む)。
  • 難病対策の拡充(医療費公費負担対象の拡充、高額療養費制度の限度額引き下げ、 小児慢性特定疾患の公的支援の年齢の空白を埋めること、新薬の開発・早期認証、 医療型療養施設の増床、難病・慢性疾患患者の就労支援策の推進、生活実態調査の 実施、医療費助成(特定疾患治療研究事業)における地方自治体の超過負担の解消、 難病相談支援センターの運営費の充実、全国難病センターの早期設置など)。
  • 虐待防止法の早期制定。
  • 虐待防止の法制度ができるまで、障害者自立支援法第2 条の修正を行い、虐待防止 のための連携拠点、相談窓口を市町村に設置する(第77条の確実な実施)。
  • 成年後見人制度利用に要する費用の個別給付化。
  • 精神保健医療福祉の予算の組み換えを、病院から地域へ、医療から福祉へ。
  • 精神保健福祉法は福祉部分は総合福祉法に、医療部分は医療法に統合する。
  • 精神科特例の廃止。
  • 心神喪失者等医療観察法の即時廃止。
  • 精神障害者にも平等な交通運賃割引制度を。
  • 入院時個室利用助成を(障害のために個室が必要な障害者)。
  • 「人工呼吸器をつけたら長生きしてしまいますよ」などの人権無視の発言をやめ る。
  • 法令等における「障害」の表記の検討に当たっては、「障碍」を候補としてほしい。

B 新法の作成準備のために早急に着手すべき課題:調査、情報収集、試行事業等

B-1 障害範囲の拡大にむけ法の狭間にいた人たちの実態やニーズの調査研究

  • 身体、知的、精神という三つのカテゴリーによる分類の妥当性を検討すべき。とりわ け難病、発達障害、軽度障害、さらに従来「障害」とは認定されていないものの、「さ まざまな心身のファクターの複合で実質的に社会生活上の不都合を被っている人」な どを広く網羅する障害の定義を検討する。
  • 当面、行政が名簿の掌握できるすべての特定疾患患者の生活実態調査を行う。
  • 難病、慢性疾患について特別な体制を組み、集中的に実態調査や支援の検討を行う。
  • 制度の狭間、谷間にいる人たちのニーズ調査を早急に行う。

B-2 その他の調査、既存情報の収集・分析

  • 入所施設待機者の調査、地域移行した人の調査、入所者・入院者の調査を。
  • 療養型ベッド、刑務所、ホームレス、引きこもりなどの人々の調査も必要。
  • 国が保有している調査結果の再作成、行政資料の開示・整理、自治体や団体が行って いる調査の集約、海外の関係資料など。
  • 部会に入っていない団体等とのヒアリング(地方の団体や自治体なども含む)。

B-3 ニーズの個別評価・支給決定方式に向けて

  • 新たな支給決定プロセスの構築にむけて、1 次審査、障害程度区分についての現状 分析と評価を行い、客観的指標(ガイドライン)のあり方を検討する。
  • 法改正にむけての障害程度区分に代わる支給決定のガイドラインの検討。 諸外国の仕組みの調査、市町村の独自の取り組みの調査を含む。
  • 本人のニーズを中心とした支援計画策定に基づく支給決定プロセスの検討。

B-4 パーソナルアシスタンスにむけての検討

  • 介護給付のあり方を見直し、新法のパーソナルアシスタンス化に向けて検討する。

B-5 社会的雇用モデル事業の実施

制度創設のために不可欠な「社会的雇用事業所の規定(条件)」、「賃金補填の対象 とする障害者の基準」、「労働へのインセンティブが働く賃金補填システムのあり 方」の3 点を検証。

B-6 新体系への移行が進まない理由の実態調査

B-7 新制度の検討の視点と方法

  • 理想とする制度を視野に置きつつ、これまでの諸制度の経緯や検討内容、従来の 制度の継続性や安定性、社会全体からの理解、財政面も含めた多角的検討を行い、 理想とする制度に、段階的、計画的に前進させていく等、裏付けと現実感のある 検討が必要。
  • 障害者権利条約、「基本合意文書」、および推進会議で示された方向性を基本に。
  • 障害者権利条約が掲げる障害の社会モデル、自立生活と地域社会へのインクルー ジョン等に基づく制度設計。
  • そもそも障害とは何か、権利条約やICF の視点も含めて基本議論を。
  • 「障害児支援の見直しに関する検討会」報告書(2009 年7月)をふまえる。
  • 就労も重要だが地域で安寧な生活を送ることも価値ある社会参加である。
  • 拙速は避け、十分な議論と検討期間を。
  • わかりやすい文章で意見を出そう。
  • 難病分野の多様性を反映して部会の当事者委員の追加を。
  • くるくる変わる制度に振り回されて、利用者・家族、福祉現場、行政が疲弊して いる。今後の改革は見通しがもてるものでなければならない。
  • 施設や事業者が無理なく事業を継続でき、新たな事業者の参入にインセンティブ が働く制度でありたい。

B-8 ロードマップの明確化

  • 新法制定・実施時期、それまでの現行法・障害程度区分・特別対策基金事業の助 成措置等の取り扱い、既存審議会との関係など。

B-9 苦情解決と第三者評価の機能強化

  • 十分機能しているとは思われないので、再度現状を把握しその課題を検討すべき。

C その他

1 「総合福祉部会」と他機関との関係の明確化
1)「障がい者制度改革推進本部」、同「推進会議」との関係の明確化。
2)社会保障審議会障害者部会との関係整理が必要。
3)本部会で議論された緊急課題を予算に反映させていく手続きの明確化。
4)障がい者制度改革推進会議の設置法を制定すること。