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総合福祉部会 第4回 H22.6.22 参考資料1

(第4回総合福祉部会)2010年6月22日
新法制定作業を開始するにあたって確認しておきたいこと

提出委員 藤岡 毅

① 部会のゴールの確認=条文を作り上げること

 この部会の目標は、新しい法令を作ること。もちろん、内閣提出法案として、国会で可決されて最終成立されるわけですが、ただ、「議論をしました」「提言を行いました」だけでは意味はありません。

 法律の条文を「部会法案」として作り上げること、それを明確な目標にすることが必要です。

 もちろん、厚労省法規係、内閣法制局等から細かい技術的な指摘・修正は多々あるでしょうが、初めから「提言を渡すのであとは条項は官僚で作ってください」では大切なことが骨抜きにされます。

 厚生労働省の政令、施行規則、課長通達等の守備範囲や内容も重要な点はチェックして原案を作成します。

 課長通知1本で障害福祉の現場や障害者の権利が左右されている現実は委員にも公知のことと思う。

② 「論点主義」に終わらず、しっかりとした骨格作りから

 司法試験の勉強でも、沢山の論点をタコつぼ的につぶしていっても本質的理解に至らないことが論点主義の弊害と呼ばれます(古いか)。

 法のありかた、全体像、理念、改革のメインテーマについて最初にみんなで議論をして、方向性について共有化しておくことが重要。

 政治情勢に左右されない、確固たる骨組をみんなで構築しましょう。

③ 分科会方式の提起

 55人全員で最初から最後まで議論していってもあまりにも非効率です。

 分科会方式を採用せざるを得ないのでは。

 まず、2~3回は全員で全体像の議論をします。

 次に、文書で、一応、全員、全ての事項について、おおまかな意見を提出しておきます。

 その上で、「総論検討チーム」「支給決定プロセス等検討チーム」「施策体系検討チーム」「地域移行推進プラン検討チーム」「予算試算、獲得プロジェクトチーム」「個別課題検討チーム」等に分かれて同時進行で議論と意見集約を図る。

 2か月半に1度くらい、全体で集まり、チーム検討状況を中間報告して全体でも討議・共有化する。

④ 他の委員に賛同する、共感するという意見でもいいことの確認

 委員に指名された以上、人一倍勉強して、多くの人の意見を聞いて研鑽する義務があります。とはいえ、全ての事項に精通することは困難です。無理してしったかぶりをすることなく、他の委員の意見を賛同し、付け加えることがないと判断すれば、「○○の論点については、A委員の2010年○月○日付意見書に賛同します」などとすることでも恥ずかしくないと考えます。

⑤ 予算の試算をすることと、獲得のための努力と厳しい判断を覚悟すること

 議論や骨格が一定程度出来た段階で実現するための予算を試算することが必要と考えます。

 国の税収が38兆と言われるなかで障害福祉予算だけに4兆以上等は難しい。現在の1兆円を倍以上にしたいと望みますが、簡単なことではない。

 試算の根拠も議論になろうと思いますが、全てを直ちに実現できるほど潤沢な予算がないであろうことも委員各位は承知している。したがって、予算獲得のために工夫と運動、努力を関係者が尽くすことを前提に、優先順位をつける、実現のロードマップを作る、譲り合う、要求事項の削減など、厳しい作業をこの部会が担うという覚悟が必要。

 およそ実現するわけもない予算の裏付けの見通しが欠如した法律を形だけ制定するわけにもいかない。

以上