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総合福祉部会 第6回
H22.8.31 追加参考資料1
山本委員提出資料

厚生労働大臣殿
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長殿
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課統計調査係
障がい者制度改革推進会議長殿
障がい者制度改革推進会議総合福祉部会長殿

緊急抗議要請文

(全国障害児・者実態調査関連)
 現在、厚生労働省は、全国障害児・者実態調査(仮称)に関するワーキンググ ループを設置し、全国障害児・者実態調査(仮称)の実施を検討しています。 2010年6月14日に開催された、第2回全国障害児・者実態調査(仮称)に 関するワーキンググループの資料1「全国障害児・者実態調査(仮称)について の基本的な考え方(素案)」で調査方法が示されました。そこには、①調査員が 調査地区内の世帯を訪問し、調査の趣旨等を説明の上、調査対象の有無を確認す る、②調査対象者がいる場合は、調査票を手渡し、記入及び郵送による返送を依 頼する自計郵送方式、③調査票は原則、調査対象者本人が記入する、というもの でした。
 突然自宅に押しかけられ、障害者かどうか追及されるという事態は、人道上、 非常に大きな問題があります。また、地域でおびえつつ毎日ひそかに生き延びて いる障害者を追い詰める行為であり、最悪の事態を引き起こしかねません。過去 に実施された精神衛生実態調査では、調査に恐怖して自殺した者がいると聞いて います。全国「精神病」者集団の組織原則のひとつには、「精神病」者の生命の 尊守があります。なので、こうした事態を許すことはできません。1973年、 1983年の精神衛生実態調査が中止され、それ以降調査がなされてこなかった 理由は、調査方法が非人道的であったからです。自殺者が出ているという歴史も 全く総括・反省されずにして、全国障害児・者実態調査(仮称)が検討されてい る現状には、怒りを禁じえません。
 これまで全国「精神病」者集団は、障害者を対象とした調査ではなく、精神科病 院等の施設を調査することを求めてきました。精神病院の実態調査が行われな かった結果、明らかにされたのが、1984年の宇都宮病院事件です。全国障害 児・者実態調査(仮称)の調査が障害者総体の利益につながるとは思えません。 施設の実態調査こそされるべきです。まず、すべき調査を後回しにしてまで、全 国障害児・者実態調査(仮称)を強行しようとしていることに、強い怒りをもち ます。
 全国「精神病」者集団は、全国障害児・者実態調査(仮称)の調査方法等に対 し、強く抗議するとともに、調査方法等の変更を要請します。

 2010年8月17日
全国「精神病」者集団