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総合福祉部会 第6回
H22.8.31 資料1―4

「障害者総合福祉法」(仮称)の論点についての意見 (分野D 支援(サービス)体系) その4

(分野D 支援(サービス)体系)
<項目D-4 就労>

論点D-4-1) 「福祉から雇用へ」の移行はどこまで進んだのか?これまでの就労政策の問題点をどう考えるのか? ・・・2

論点D-4-2) 福祉的就労のとらえ直しを含む、これからの就労の制度設計をどう考えるのか? ・・・11

論点D-4-3) 既存の労働行政における取り組みとあわせて、福祉と労働にまたがるような法制度については、どこで議論していくべきか? ・・・20

<項目D-5 地域での住まいの確保・居住サポートについて>
論点D-5-1) これまで地域移行の障壁になってきた住宅問題を解決するために、具体的にどのような方策が考えられるか? ・・・26

論点D-5-2) 地域での住まいの確保の方策として公営住宅への優先枠を広げる方向で考えるべきか? ・・・37

論点D-5-3) また、公営住宅が質量共に不足する現実がある中で、障害がある人のアパートなどの一般住宅の確保の為にどのような対応が必要か?(家賃等の軽減策や借り上げ型賃貸住宅等) ・・・47

論点D-5-4) 居住サポート事業の評価とさらに必要とされる機能・役割にどのようなことがあるか? ・・・57

論点D-5-5) グループホームとケアホームについて、現状の問題点は何か?また今後のあり方をどう考えるか? ・・・65

(分野D 支援(サービス)体系)
<項目D-4 就労>

論点D-4-1)「福祉から雇用へ」の移行はどこまで進んだのか?これまでの就労政策の問題点をどう考えるのか?

【荒井委員】
○結論

  • 障害者の雇用については、国(労働局)、県(福祉部局、雇用部局、教育委員会)、市町村と責任主体が不明確
  • 関係分野がバラバラに対応
  • 企業の理解が不十分といった根本的な問題があり、これらについてまずは総合福祉部会の中でしっかり議論すべき

○理由
一般就労に向けた支援を行っているものの、結果として福祉的就労の分野に滞留せざる を得ない障害者が多く存在するのが現状である。現状の障害者への就労支援は、就労移行支援等を行う福祉施設とそれをバックアップするハローワークや障害者職業センター等の連携が十分でなく、一般就労への移行への福祉部門と労働部門の一体的な推進体制がとれていないことが問題である。

【伊澤委員】
○結論
福祉の枠で考える限界はある。

○理由
障害者だけという特別な考えでいくと溝が縮まらない。

【石橋委員】
○結論
ほとんど移行は進んでいないと考える。就労に関して、ハローワークの活用をうたって いるが、ハローワーク職員に障害を理解する者が少ない。 事業所運営費が削減されたため、職員の身分が不安定(契約・アルバイト等)になって いる。
7時間/日の仕事をすることができないので短時間就労(3時間)の制度化を図る。 ジョブコーチも短期の関与で、障害者の就労継続に役立っているとは言えない。企業も 障害者雇用の求める意味を理解していない。単なる賃金補助としての利用ではないか。時 間短縮やノルマ軽減などの措置をとる企業は少ない。 就労で生じる二次障害防止への対策も必要。関わる人は誰でも良いではない。 ○理由 福祉施設が「福祉から雇用へ」に挑戦できていない。

【氏田委員】
○結論 知的や発達障害の特性に応じた就労の制度設計が必要である。2 年間のトレーニング (就労移行事業)で就職するのは不可能である。本人の状態に合わせて多様な就労形態があ ってよいのではないか。障害者雇用率の達成を促すだけでなく、障害を持つ人が働きやす い職場環境の工夫などを実現することに対する助成の拡充・利用の柔軟化が必要である。 現行制度においても「障害者作業施設等設置助成金」はあるが、一定程度の規模での作業 施設の設置・整備が想定されており、かつそのような設置・整備を行わなければ障害者の 雇い入れや雇用継続が難しい業種に限られている。そうではなく、発達障害の人の認知特 性に応じた職場環境を実現するための小さな助成などの枠組みが必要と思われる。

○理由
軽微な環境改善によって、発達障害をはじめ、障害者を雇用できる事業所は多くあると 思われるが、どのようにしてよいか、またそれほど多額ではないが環境改善のための支出 が難しい場合があると思われる。障害者職業センターや発達障害者支援センターが守って いる職場環境デザインのアイデアを具体化するための小規模な助成制度が必要である。ま た、日本の失業率は5%。若者年代でみると11~12%という現状を踏まえ、「地域」そして「小 規模」を共通理念とし、知的障害者の授産施設の分場化なども含め、町の中で障害のある 人と健常者がともに働く場を創出していくことも必要なのではないか。一方で特例子会社 も増えつつあるので、企業サイドの実践の広がりなど様々な形で地域における働く場の創 設が必要である。

【大久保委員】
○結論 雇用から職場定着に至るまで、雇用支援策に留まらず、継続的な就労と生活への支援体 制が併せて重要と考える。就業・生活支援センターも障害福祉圏域に1 か所を目標にして いるだけであり、安定した職業生活の支援体制としては不十分である。職場における就労 支援はもちろんのこと、生活全般をサポートする体制整備を推進する必要があると考える。

【小野委員】
○結論 自立支援法によって、「福祉から雇用へ」が進んだとは評価できない。就労支援は、労 働権保障の観点から就労支援に関する独自の法制度を確立すべきである。 ○理由 自立支援法によって、一般就労が格段にすすんだという評価はできない。また就労支援 をするために福祉行政と就労行政の連携が密になったかというと、まったくそうではない。 「工賃倍増計画」は失策であったといわざるを得ない。 労働行政の就労施策との連携のないままに、自立支援法は、福祉法の範疇に就労施策を押 し込んでしまったことに、この問題の欠陥がある。労働行政及び法制度の抜本的拡充と連 携は不可欠である。

【門屋委員】
○結論
レディネスモデルからジョブコーチモデル、トレイン プレイスからプレイス トレイ ンについての就労支援の考え方は、自立支援法になって進んだように思います。就業・生 活支援センターを就労支援センターとしてコーディネーターとジョブコーチを配置し就 労支援システムの開発と支援を行う労働分野の機関とすべきです。そこで、職業前教育・ 訓練の機能も持つとよろしいかと思います(現在の就労移行)。居場所機能を持つ生活支 援センターが地域活動支援センターとしてどの地域にもあるようにすべきです。相談支援 センターを併設するなり、連携して今までの生活支援サービスを担うようにし、就労支援 と連携することができるとよいと考えます。

○理由
支援理念、方法の周知、完結主義にならないように生活支援と連携できる体制が必要と 考えます。必要に応じてケアマネジメントによる支援によってより安心、安定した包括支 援を可能とすべきです。<?p>

【河崎(建)委員】
○結論
就労を大前提とした現行制度には問題がある。

○理由
自立支援法の成果主義的精神は見直すべきである。就労せずとも精神障害者が地域の中 で安心して生活できる環境を提供する体制を確保することが重要である。

【川崎(洋)委員】
○結論
精神障害者の場合、あまり進んでいなと考える。就労移行事業で就職してもなかなか定 着できない。

○理由
特に精神疾患にたいする社会の理解が不十分。特性を理解し、そのための十分な支援体 制を組む必要がある。

【倉田委員】
○結論
自立支援法により、障害福祉サービスのなかに、就労移行支援など、企業等への就労支 援を目的とする新たな制度が設けられたが、職場での介助が必要な重度障害者、対人関係 に特に困難さを伴う者等の一般就労は相変わらず進んでいない。これまでの就労政策の問 題点の第1は就職後の支援体制の不十分さである。ジョブコーチ制度や就業・生活支援セ ンター事業もあるが、就職後の支援体制は全く足りておらず、箕面市では市単独経費で職 員加配を行っている。第2には有期限の助成金制度のあり方(継続した賃金補てん制度の 欠落)、第3には「合理的配慮」の具体例を企業に提案できるシステムの無さが挙げられ る。

○理由
法定雇用率を達成しようと思えば、現在雇用されている障害者の障害度合いよりも更に 重度と言われる人たちの雇用が必要である。そのためには、就職後のフォローを優先させ た支援体制を国の責任で制度化すべきである。また、特定求職者雇用開発助成金が有期限 であることは、障害者の実態には合っていない。賃金補てんをベースにした保護雇用制度 (社会的雇用)の創出が必要である。更に、多くの企業は、どのようにしたら、より職業 的に重度な障害者を雇用できるか、分からない状況にあると考えるので、この点も、「合 理的配慮」の宝庫である社会的雇用の制度化が必要である。

【近藤委員】
○結論
進んだとはいえない。また、この「福祉から雇用へ」の表現が雇用至上主義につながり、 障害者の選択や価値観を認めない流れがあったことは反省すべきである。 これまでの問題として、福祉施策と労働施策の分断、縦割り行政の弊害が考えられる。 また、雇用を数のみで評価し、望まない短期間労働となっていないか、依願退職の形の解 雇がないかといった質の評価がなされていないことも問題である。離職者についても、徹 底した原因の追究とその解消策の検討が必要である。

○理由
「福祉から雇用へ」推進5か年計画で掲げられた数値目標の達成は極めて困難であると 思われる。また、2006 年6月の障害者雇用率は1.52%(ダブルカウントしない場合で 1.12%)、2010 年6月では1.63%(1.21%)、2006 年3月の特別支援学校の就職率が22.7%、 2010 年3月が23.7%と、その進展は遅々としている。
福祉施策と労働施策については、職場開拓など労働施策での能動的な取り組みのもとで連 携の強化が図られる必要がある。

【齋藤委員】
○結論
就労支援強化が障害者自立支援法の重要な目的の一つがあったが、就労移行支援事業、 就労継続支援A 型事業のどちらをみても、その移行が充分に進んだとはとてもいい難い。 そのどちらのあり方にも問題が多いからに他ならない。

○理由
まずはなぜ充分に進まないのかの理由を明らかにしなければならない。就労移行支援は 受け入れ企業の容量に多くがかかっており結局は企業の側にオンブしており、継続支援A 型は大勢の障害者ばかりを集めて充分の経済活動をやろうとすることに無理があるから に他ならない。

【中西委員】
○結論
就労政策は障害者を訓練し就労の場に適用されるのではなく、就労の場を改善して障害 者が就労できるようにすべきであり、根本的な問題設定から福祉的就労政策を変える必要 がある。

○理由
福祉と就労は断絶している。もともと雇用される働ける能力を持つ者はハローワークを 使って雇用の場に組み込まれており、就労移行の場があったから雇用につながったわけで はない。根本的な国の政策の誤りである。

【中原委員】
○結論
①雇用義務の対象となる障害者の範囲の拡大に伴い法定雇用率を引き上げるとともに、障 害者雇用納付金制度の見直しをあわせて行う必要がある。
②通勤支援の制度化が必要である。また、ジョブコーチ、障害者職業生活相談員、就業・ 生活支援センターなど人的支援が不十分であることから、設置の推進と機能強化を図る べきである。

○理由
①雇用率の対象となっているのは、身体障害、知的障害および精神障害であるが、精神障 害者の雇用については義務化されていないことから、対策が遅れている。今後の障害者 の定義の見直しにあわせ、雇用率の適用となる障害者を拡大するとともに、同様の制度 のある諸外国に比べ低い水準にある我が国の法定雇用率の引き上げが必要である。
また、障害者雇用納付金制度は法定雇用率に達しない企業から納付金を徴収し、法定 雇用率に達した企業に調整金を払う仕組みとなっているが、納付金の額が低いことから 障害者雇用のインセンティブとしては十分でない。
②障害のある人の就労には、就職時のみならず継続した生活全般にわたる支援が必要であ る。

【西滝委員】
○結論
福祉か雇用かの2分割による体系はなじまない。就労も介護も視点に納めた支援体系確 立する必要がある。

【野原委員】
○結論
内部障害として心臓、呼吸器などの慢性疾患患者が障害者雇用の対象にはなっているが、 現状では制度の谷間も多く、職場での病気の理解が得られていないことが大きな問題。 新たに肝機能障害が内部障害に加わり、ウイルス性肝炎など感染症のキャリアや患者に 対する就労支援を行うことは急務である。

○理由
慢性疾患を伴う障害の場合、病気に関する職場での理解と、それにあわせた対策が、就 労継続のためには不可欠。病気をもっていても働き続けられるための施策がないことが、 内部障害者の雇用継続が進まない大きな要因である。
慢性肝炎では、病気が長期化することが多く、肝炎増悪期でない限りは就労できるので すが、職場の理解がなく、就労が制限されたり解雇されることもある。また、感染症であ るための偏見差別的な対応も多く、精神的に抑圧され安心して就労できないケースもある。

【東川委員】
○結論
福祉から就労並行させるという考えに問題がある。移動支援などを必要な支援を保障し、 それぞれの就労生活を継続/保証できる考え方を取り入れるべきである・

○理由
すべての人の労働権の保障ととらえ、働きがいのある仕事の確保、賃金補填、等抜本的 な労働政策の見直しが必要。

【福井委員】
○結論
障害者の労働及び雇用は、厳しい状況にさらされている。一般就労の場での民間の1.8% という法定雇用率は、諸外国の中でも際立って低い上に、達成されたことはほとんどない。 精神障害者を雇用率算定に含めたにもかかわらず雇用率は据え置き、ダブルカウント制と いう差別的制度、特例子会社制度のデメリット、最低賃金法さえ骨抜きになっていること など、さまざまな問題の解決を急ぐべきである。

○理由
特に遅れている、てんかんを含む精神障害者雇用の抜本的改善と雇用率の引き上げ、働 く場の機会拡大を国に向けて要請しているところである。てんかんのある人は、職務経験、 労働意欲、治療上などにより、一般企業で働くことが十分可能であり、支援と理解さえあ れば働き続けられることを、周知徹底してほしいことを切望している。

【藤岡委員】
○結論
障害者自立支援法導入の際の掛け声としての障害者も可能な限り就職する方向性は、一 般就労しない障害者の自立もあり得ることが共有されるならば、間違っていないはずであ る。
しかし、関係者の努力にもかかわらず現実に自立支援法導入を期にして障害者の一般就 労、雇用の実現が格段に進展しているとはいえない。
福祉と雇用が厚生労働省の旧厚生省と旧労働省で縦割りになっていることが解消され る組織整備が不可欠。
その上で経済産業省、国土交通省等他の省庁を含めて横断的に適用出来る法規が必要。

○理由
企業側の意識が変革するように、法的な強制力と財政的支援が必要。

【増田委員】
○結論
福祉から雇用へ移行させるという考え方に問題がある.必要な福祉的な支援を受けつつ, 雇用を継続するという考え方に改めるべきである。

【光増委員】
○結論
障害者雇用促進法の特例子会社や法改正によって、企業就労はすすんだが、企業の仕組 の中に取り込むことで、企業就労エリートを生み出し、適応できない者をはじき出してい る状況がある。企業就労によって障害者のみならず企業も変わるという視点が必要である 。そのためにも、福祉は就労までを支援するのではなく、就労後のフォローも制度化すべ きである。

○理由
企業就労という、厳しい競争社会の現実を生きていくための支援はすすんでいない。

【森委員】
○結論
就業・生活支援センターの設置などにより、作業などの構造化、単純化などの取り組み については、一定の成果があがってきていると考えられるが、就労の継続に関しては課題 が多い。就労の継続を図るためには、就労場面のみにかたよらず、金銭管理、ストレス解 消、家庭生活の充実、余暇の過ごし方などを含めた生活全体を支える総合的な支援システ ムの構築が必要である。就労支援のみではなく、生活を支えるさまざまな関係機関との連 携と、その連携を図るためのキーマン的支援者の存在が求められる。

○理由
就労場面にかたよった制度が見受けられるが、就労の継続を図る上で、個々の生活全体 を捉えながら、いかに総合的な支援体制が取られているかという点が重要であることから も、その支援体制の構築が求められる。

論点D-4-2) 福祉的就労のとらえ直しを含む、これからの就労の制度設計をどう考えるのか?

【荒井委員】
○結論
障害者雇用の推進主体や役割分担を明確化し、相互協力のもとに企業の理解を深めてい くことが必要であり、合同部会で議論することが必要。
また、働く意欲があるが、就労の機会が得られない障害者が雇用契約により働き、事業所 の経営にも参画する「労働者性」を確保した社会的事業所の創設の検討も必要。

○理由
福祉的就労では、働きたい障害者の労働者としての位置づけが不十分である。

【伊澤委員】
○結論
就労支援の中での障害特性による「働き方」の考え方の再構築が必要ではないか。

○理由
基本的人権としての働く権利

【石橋委員】
○結論
生産性のみをとらえた働きを就労とすると障害者にとってとても厳しいものとなる。働 くことは生きてゆく糧となる、ということを働くこととすることが重要であろう。福祉的 就労はそういう点ではとても重要な就労と言える。
しかし、福祉的就労の内容を整理する必要はあると考える。
就労の制度設計の基本を所得に置き、最低賃金の除外の適用を外し、最低賃金に近い金 額を税で補填する。

○理由
創作活動を主とする(Ⅲ型)福祉的就労は、「労働」として範囲が拡げすぎている。

【大久保委員】
○結論
知的障害のある人たちのニーズに応じて、工賃の多寡に拘わらず、活動や参加の視点か ら「働く」という意義と柔軟な作業時間・作業内容などを考えた場合、呼称はともかく、 福祉的就労の意義は排除しきれない。一方、現在の就労継続支援事業B型には、就労意欲 や作業能力を発揮している人たちも多いが、工賃(賃金)などにおいて企業就労との差が 顕著であり、工賃の増額のための積極的な施策が求められる。また、福祉的就労の場にお いても、一定の支援により企業就労が可能な人たちも少なくない。それらの人たちの就労 移行を積極的に図っていく仕組みも検討する必要があると考える。
なお、就労継続支援事業(A型)については、同従業員は、明確に労働者として位置づ け、雇用施策の中で同事業を取扱うことが望ましいと考える。

○理由
現在、就労継続支援事業(A型・B型)、就労移行支援事業、小規模作業所等とともに 生産活動による工賃支給という視点からすれば、生活介護を含め広く福祉的就労の場が設 けられている。工賃の多寡に拘わらず、活動や参加の視点から「働く」という意義と柔軟 な作業時間・作業内容などを考えた場合、福祉的就労の意義は排除できないと考える。 一方、現状の就労継続支援事業(A型)を除いた他の事業所の工賃は、一般企業のそれ に比べ格段の差があり、官公儒の推進も含め工賃の増額を図ることが必要である。同時に、 所得保障である障害基礎年金額の改善も検討する必要があると考える。

【小田島委員】
○結論
会社で働いている人が、体をこわしたり、首になったりした時に、福祉の方で働ける場 所が必要。

○理由
会社で無理をしながら働いている知的障害者がいるから。

【小野委員】
○結論
現行の事業体系を抜本的に改め、デイアクティビティセンターを福祉法に位置付け、障 害のある人の労働権保障の観点から新たに就労支援に関する法制度を確立し、そこに地域 就労支援センターならびに一般就労を位置付ける。

○理由
論点D-4-1)と同じ。

【門屋委員】
○結論
福祉的就労はすべて廃止すべきです。

○理由
最低賃金を満たさない活動は就労支援(労働)からはずすべきです。活動するメニュー として何らかの作業を取り入れ、結果として配分金があたることがあっても、それを工賃 と呼ぶのはやめるべきです。活動配分金(別な読み方があれば)とすべきです。
就労支援は労働分野が全て担うべきです。障害者ケアマネジャーによって本人に就労機 会と生活支援サービスが統合されることが良いと思います。職業前教育、職業前リハビリ、 就労移行プログラムについても労働分野が担うべきです。

【河崎(建)委員】
○結論
自立支援法は「働くものは喰うべからず」といった弱肉強食の発想があったように思う。 就労機会を与え「やりたい人、やれる人」が安心して過ごせるような仕組みを作る。その 機会は民間が提供するものではなく公務の中で考える。

○理由
生産性や収益性を無視して考えることができれば、就労は達成感や満足感につながるよ い機会であると考える。見守りがあれば希望する人も少なくないと思う。

【川崎(洋)委員】
○結論
最低賃金法を福祉的就労に適用し、一般就労とシームレスな関係をつくる。企業への就 労を基本として制度設計をすべきである。

○理由
障害者雇用を広めるためには、一般就労との格差をなくすことが必要。そのための財源 確保は国の役割とする。特に企業が障がい者を雇用することにもっと努力するように制度 化し進める必要がある。

【倉田委員】
○結論
平均2万円弱/月の福祉的就労の工賃と、平均15万円程度/月の一般就労の賃金の乖 離。利用料を徴収される自立支援法の就労移行支援事業と、逆に手当の出る職業能力開発 施設の矛盾。これらは、全て、旧労働省と旧厚生省が未だに独立して政策を行っているか らであり、まず、このことを1本化することから始めないと、福祉的就労への労働法規の 適用も困難である。

○理由
福祉的就労の置かれている低工賃の実態について、労働行政がきちんと把握・向き合う ことから始めないと、福祉的就労の実態を変えることには結びつかない。更に、箕面市等 で行っている社会的雇用、つまり、労働と福祉の谷間の問題を扱える部署が明確にされて いないことも問題である。箕面市や滋賀県の制度を国のモデル事業化し、福祉的就労のと らえ直しを実践的に行うべきである。

【近藤委員】
○結論
就労継続支援事業は障害者の「働く場」と位置づけ、労働法を適用する「社会支援雇用 (保護雇用)の場」とするべきである。そのためには、1事業者の責任だけを問うのでは なく、社会的責任として賃金補填制度や仕事の確保策(官公需・民需)等を導入する必要 があり、併せて、働く障害者像、自己選択・自己決定による事業選択、事業運営基準と経 営責任等についても議論がすすめられることが必要である。
一方、現行就労継続支援B型事業所では、最低賃金の3分の1は事業所が支払うことを めざすといった事業所の取り組みも不可欠である。

○理由
働きやすい環境で、必要な人的支援を受けながら「働く」場が必要である。就労支援事 業所や旧法授産施設で働く16 万人の方々が安心できる制度の確立が不可欠である。

【齋藤委員】
○結論
これらの就労の制度設計については、2 点の重要な課題がある。
一つはこれまでの福祉的就労から就労権保障された働き方にどう移行、転換しうるかで あり、もう一つはそのような移行、転換がすぐには、もしくは時間をかけても困難な場合 も働き方をどう位置付けるかである。

○理由
推進会議の中では、福祉的就労に労働権保障すべきという意味が多く見られるが、その ためには、どのような条件が求められるのか、そしてそのことにはどのような困難がある のかなどの議論がほとんどないといってよい。

【中西委員】
○結論
ベーシックインカムなどの所得保障制度を根幹に据えることが雇用政策をも考える根 幹になる。

○理由
障害者自身の稼得収入によって生活を維持させようというのは、どんなに重い障害者に とって無理な制度設計といえる。稼得収入が低いことが障害者の特色のひとつであるから には、その稼得収入を充足させるベーシックインカムを確保する必要がある。生活が確保 された上でどのような就労をしたいか、どのような社会参加をしたいかを余裕をもって決 定すべきことは、親元から離れて自立する若者にとっても当然のプロセスであり、障害者 にとって同じプロセスが踏めることが制度設計の根幹になければならない。尊厳ある障害 者に自立生活を保障するためにはベーシックインカムの創設は避けて通れない。

【中原委員】
○結論
一般就労支援とともに、福祉的就労の整備も進めるべきである。どちらも「働く」とい う価値観に相違はない。福祉的就労が軽視されるべきではない。
障害者雇用促進法と障害者総合福祉法(仮称)が相互に補完しあうような制度設計が必 要である。

○理由
生産活動という視点から考えると、生活介護を含め就労継続支援、小規模作業所など広 く福祉的就労の場がある。社会参加や活動としての視点やその人に応じた柔軟な作業形態 を考えた場合、福祉的就労の意義は大きい。
一方で、一般就労が可能な人については、福祉的就労の場でなく、現在の就労移行支援 の機能を強化するとともに、労働行政との連携を図りながら積極的に就労に結び付けてい く仕組みを作るべきである。

【西滝委員】
○結論
福祉的就労については、福祉分野と雇用分野にまたがった大きな課題である。所得保障、 賃金補填の問題も含め論議する必要がある。重度障害者においての労働保障について、「福 祉的就労」の視点は不可欠である。

【野原委員】
○結論
通院、入院のための休暇保障(賃金補填を含む)、短時間就労でも自立した生活を送る ことができるだけの所得保障との連動、過重な負担がかからないような労働条件の整備を 行うこと。また、障害特性に合わせた雇用の優先枠を設けるなど、障害者の働く権利を保 障する施策を。

○理由
慢性疾患をかかえながらも働きつづけていくためには、医療を受けるための条件を整え ることが不可欠。また、フルタイムでの就労が困難な場合でも、生活面での保障が得られ るよう、所得保障とのバランスを考えた制度づくりを望む。また、前提として、職場での 理解が得られる環境づくりが不可欠。

【東川委員】
○結論
権利条約第27条(a)にあらゆる形の雇用の中に、福祉的就労も含まれるべきである。 福祉的就労から脱却させるためには、障害のある人の労働に関する法制化が必要である。

○理由
低い賃金、劣悪な労働環境 長時間労働など、本来あるべきでない環境や体制の中で、 障害者が働くことはあってはならないから。

【福井委員】
○結論
福祉的就労、つまり福祉制度の下におかれている職場での労働が、原則として雇用の体 系からは除外されていることは問題である。就労移行支援事業も訓練手当が支給されるこ ともなく、利用料まで負担させられる。障害者の働く権利については、障害者権利条約に 照らして国際社会で確認されている水準をめざすこと、国はILO条約第168 号勧告に批 准している立場から、「適切な政府援助」を検討することが重要である。

○理由
障害者の権利を保障するために、就労対策は基本的な施策である。福祉的就労も労働で あるという立場に立った制度設計が必要である。その上に立って、諸制度の改善を図るこ と、適切な政府援助を確保することが焦眉の課題である。

【藤井委員】
○結論
「福祉的就労」はわが国独特の政策であり、障害者権利条約(第27 条を中心に)なら びにILO159 号条約、同99 号勧告、同168 号勧告等に照らして、就労関連事業は労働政策 の範疇で捉えるべきである。

○理由
権利条約第27 条 (a)では「あらゆる形態の雇用に係るすべての事項・・・に関し、障害 を理由とする差別を禁止すること」とされており、他の者との平等を基礎とした制度設計 が求められるため。また既に批准している(1992 年)ILO159 号条約の規定からも逸脱する ものである。

【藤岡委員】
○結論
通勤及び職場内での支援制度等を周知、確立して、可能な限り企業内一般就労を強力に 促進していく。
そのことを前提に、一般就労に準ずる社会的雇用制度により、「福祉的就労」の場を大 きく変革していく。

○理由
職場内に支援付きの障害者の同僚がいるのが当たり前の社会にすることは、障害のない 人にも社会にも企業にもメリットがある。

【増田委員】
○結論
権利条約第27 条 (a)にあるあらゆる形態の雇用のなかに,福祉的就労も含まれるべき である.福祉的就労から脱却させるためには,障害のある人を中心にした労働に関する法 制化が必要である.

【光増委員】
○結論
就労継続A型について労働サイドの施策とする。同B 型については、就労の位置づけで はなく、それ以前の訓練の場として労働に対する対価という範疇から外す。
福祉的就労を、就労継続支援や地域活動支援センターなどの福祉サービスに位置づける のではなく、企業側の福祉的な取り組みに位置づけていく必要がある。企業収益を地域福 祉に還元する「福祉コミュニティービジネス」という考え方があるが、そうした中で、重 度障害者の雇用を企業側が考え、行政としても、神奈川県が取り組む「福祉的就労協力事 業所奨励金」などをモデルに、企業支援を考えていく。

○理由
労働契約を締結しての活動は、当然労働に対する対価としての賃金が発生する。福祉施 策ではなく、労働施策で捉える事が妥当。B 型については、どんなに障害の重い人でも自 覚して働くという場であり、単に賃金の多寡をもってその是非を問うことに無理がある。 対価としての賃金ではなく、訓練に対する手当的な解釈での支給が考えられる。
利用料を負担する福祉サービスであるにもかかわらず、福祉的就労として位置づけるの はおかしいし、重度障害者の就労の機会を限定することにつながっている。

【森委員】
○結論
「福祉的就労」は、日本独特の政策と言われている。障害者権利条約上からも、福祉所 管の就労関連事業は労働政策の範ちゅうと捉えて、就労の制度設計を考え直すべきである。 また、「就労」ということに配慮すれば、障害者に対する利用者負担の仕組みは撤廃すべ きである。

○理由
障害者権利条約を批准する上からも、長年の懸案事項であった福祉所管の就労関連事業 については、労働政策の範ちゅうと捉えて、就労の制度設計を考えるべき時期にきている。

論点D-4-3) 既存の労働行政における取り組みとあわせて、福祉と労働にまたがるような法 制度については、どこで議論していくべきか?

【荒井委員】
○結論
まず、先月提案されたように、合同の部会で議論したうえで、関連分野で制度改正が必 要なものについてはそれぞれの分野で対応。

【伊澤委員】
○結論
厚生労働省

○理由
何の為に、厚生省と労働省が一緒になったのかを考えてほしい。

【石橋委員】
○結論
議論する場は、新たに設けるのではなく、総合福祉部会に就労先の関係者を加えた作業 チーム会を作って議論するのが望ましい。

○理由
総合福祉部会として必要。

【大久保委員】
○結論
横断的な課題を議論する場合は、推進会議が中心となるべきであり、一定の枠組みや方 向性を示す必要がある。それにより、関連する総合福祉部会での議論も有効となると考え る。
なお、現状において、手続き的に、厚生労働省における審議会等の議論も経る必要が考 えられ、それらと十分な調整を図っていく必要があると考える。

【小澤委員】
○結論

  • 総合p福祉法の議論では、障害者雇用促進法の改正も必要になるので、このことを含めて、 福祉と労働に関する部会を、設置して議論をする。

【小野委員】
○結論
制度改革推進会議のもとに、就労支援に関する新たな部会を設置すべきである。

○理由
推進会議と総合福祉部会のもとに、作業チームとして設置する方向が検討されているが、 雇用関係法令・制度の見直しを検討するため、専門部会として設置すべきである。

【門屋委員】
○結論
推進会議で検討して、内閣府で省庁間調整を行うべきです。

○理由
またがる法律が必要かどうかわかりません。労働分野の法律に障害者就労支援サービス を掲げ、生活支援サービスなどを提供する福祉分野と連携する法文を入れることではだめ なのでしょうか。
またがるという考え方が理解できません。それぞれの得意分野を担うことが当然であっ て、労働 (就労)は生活の一部であり、生活成立基礎条件(経済基盤)でもあります。就 労支援だけではなく、生活支援サービスの必要な人は相談支援によるケアマネジメントの 対象として、生活と就労の連携の要役とすべきです。生活成立と継続支援は福祉分野が担 い、複数のニーズを満たす支援が必要であれば福祉分野の相談支援が個別支援を行い労働 分野の支援・サービスを利用する支援を行うことにより、一般国民同様の立場となれます。

【河崎(建)委員】
○結論
この分野は労働行政から切り離すべきと考える。企業に一定の障害者雇用を義務付け、 特に官公庁においての雇用促進を強化する程度で十分。

○理由
労働行政はいわゆる健常の労働者保護の視点があり、雇用主に対する監視が主眼である。 それを障害者雇用に当てはめ、雇用主(多くは作業所など福祉施設や一部医療機関)規制 に走ると多くは撤退もしくは破綻する。

【倉田委員】
○結論
福祉と労働にまたがる法制度の検討・推進にあたっては、旧労働省と旧厚生省の政策の 一本化または中間領域の創設が必要。このため、推進会議と総合福祉部会に別れてしまっ ている就労関係の実践・研究メンバーが一堂に会する「就労に関するワーキンググループ」 を作り議論を進めるべき。その際、行政外の関係者のみで検討を進めることは、その後の 現実性・実効性が疑わしいため、同WGには、当初から厚生労働省の労働行政・障害福祉 それぞれの分野を担当する副大臣・政務官の参加を必須とすべき(これに伴い、当然、両 分野の担当行政官はWGの事務局へ)。

○理由
総合福祉部会だけで議論しても、労働行政が参加しておらず、絵に描いた餅でしかない ため。現に、障害者雇用促進法の改正については、労働政策審議会での議論次第となって いることもその証左。両分野にまたがる課題を議論する以上、行政も含めた両分野すべて の関係者が集う場を設定して検討するのは、誰がどう考えても当然のこと。仮に「どこで 議論していくべきか?」という問いに対して、それ以外の結論を主張する者がいるなら、 それは「福祉と労働にまたがる法制度」を“検討したくない”意図を積極的にもっている 者だと捉えるべき。

【近藤委員】
○結論
推進会議の重要課題として、部会を設置して専門的に議論すべき。その際、厚生労働省 障害保健福祉部だけでなく、職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課、労働 基準局、職業能力開発局といった行政、関係学識関係者もメンバーとする必要がある。

○理由
福祉と労働に分割せずに、障害者の働く支援を1つにしていくことで、きめの細かい必 要に応じた施策が検討できると思われる。

【齋藤委員】
○結論
これからつくられる推進会議と総合福祉部会のメンバーの合同作業チームにおいてし っかりとした議論を行うべきであるが、同時にこの総合福祉部会においても、これまでの 福祉政策の中で位置付けられてきた障害者の就労をどう位置付け直すかを充分に議論す べきである

○理由
障害者の就労をどうするかは、この総合福祉部会の重要な課題の一つであり、いくら雇 用・労働の視点から議論すべきといっても限られて作業チームのメンバーの議論のみに任 せるべきではなく、双方で議論を重ね合わせて考えていくことが大切である。

【中西委員】
○結論
新たな制度設計のための委員会を当事者過半数で構成すべきである。

○理由
まず、諸外国の情報収集から始め、モデル事業を行い、制度設計の糸口を探るべきであ る。この問題は日本人の労働観の根本に関わる問題であり、日本人の福祉と労働に関わる 意識を変えていく必要がある。社会参加の場合はNGO での支援活動などを労働と同等さら にはそれを超える価値と位置づけられる必要がある。それらを労働以下の活動とみている 限り、障害者の所得保障問題や正当な労働と福祉の関係は築けない。国家が率先してNGO 活動や社会参加活動を評価し、補助金を投入して、生活できるような給与保障として位置 づけるべきである。ボランティア活動は無給に近くしてやるべきだとか、国家が補助がす べきではないという立場に立っている限り、この問題は解決しない。国民の意識の向上と 国家の国民に対する信頼が、不可欠な課題であり、これまでの政府では取り組むことがき なかった新たな課題なので充分に学習し障害当事者の意見をきいて制度設計すべきであ る。

【中原委員】
○結論
推進会議において一定の方向性を示したのち、総合福祉部会の作業チーム等で検討する べきと考える。

【西滝委員】
○結論
総合福祉部会内に労働についての議論ができる場を設けるべきである。

【野原委員】
○結論
「福祉と医療」と同じように「福祉と労働」についても、関係行政機関、専門家、現場 の担当者、当事者などが入って議論するテーブルを準備すべきである。

【東川委員】
○結論
まずは推進会議のメンバーが福祉的就労の場を見に行くべきである。勿論官僚や議員も。 そのうえで推進会議に福祉と労働を結び付ける部会を設置し、障害者の雇用に関する法 制度を整備していく。

○理由
机上の空論にならない、労働法規を作るために。

【福井委員】
○結論
推進会議の「第一次意見」で指摘されているように、「福祉的就労に従事する障害者に 対する支援」などについては、この総合福祉部会で議論していくべきと考える。

○理由
新しい制度をつくるに当たっての障害の範囲や、これまでの制度との関係など広く検証 する必要があるため。

【藤岡委員】
○結論
障害者の憲法上の労働基本権保障を基本とする、雇用促進法等と統合した障害者就労支 援法の制定作業での議論。

○理由
総合福祉部会でも議論することは不可欠と考えるが、雇用、産業育成等を担当する官署 も巻き込んで議論していくことが必要。

【増田委員】
○結論
推進会議の中に福祉と労働にまたがる検討を行う部会を設けるべきである.障害のある 人の働く権利を中心とした考え方を基本として,障害者の雇用に関する法制度を構築して いく.

【森委員】
○結論
労働に関しては、一般企業との関わりと一般企業関係者の関わりが重要な意義を持つた め、総合福祉部会のほかに分科会などを設けて、当事者代表、一般企業関係者を加えた労 働関係者、福祉関係者、教育関係者などを含めて十分な議論をする必要がある。また、論 点には、ソーシャルファーム、社会的事業所などについても検討を加える必要がある。

○理由
障害者権利条約を批准する上からも、長年の懸案事項であった福祉所管の就労関連事業 については、労働政策の範ちゅうと捉えて、就労の制度設計を考えるべき時期にきている。

【山本委員】
○結論
統合された労働行政の中に障害をメインストリーミングすべき

○理由
分離は差別だから

<項目D-5 地域での住まいの確保・居住サポートについて>
論点D-5-1) これまで地域移行の障壁になってきた住宅問題を解決するために、具体的にど のような方策が考えられるか?

【朝比奈委員】
○結論
地域の中で「障害者の生活支援」という存在が定着し、日常的な生活支援と、家賃滞納 等のリスクが発生した際の事後対応支援を確実に行うことができれば、地域の信頼を得て 賃貸借契約をスムーズに行うことが可能になってきた。日常的な生活支援は相談支援や通 所サービス、訪問系サービスの活用によってカバーしていくことができる。一方、家賃滞 納や家屋・設備等の破壊、近隣とのトラブル等については、一部、損害の補填や賠償等が 発生する場合があり、基金的な事業を実施することでそれをカバーするような仕組みをつ くることができれば、具体的なセーフティネットとなり得る。

【荒井委員】
○結論
①グループホーム・ケアホームの整備促進
整備しやすく運営しやすくなるよう、補助制度、報酬など制度自体を見直す必要
②公共賃貸住宅における障害者枠の拡大
公営住宅におけるGH・CHの促進や優先枠の増大など
③民間賃貸受託における障害者入居の促進
安心賃貸住宅の登録を増やす、居住サポート事業を充実するなど、住宅施策と福祉施 策の緊密な連携が不可欠

○理由
住宅問題の解決のためには、グループホーム・ケアホーム、公共賃貸、民間賃貸のそれ ぞれが、障害者の受け入れを拡大していくことが必要。

【伊澤委員】
○結論
地域移行の障壁のみならず、地域生活の継続における問題 (排除、賃貸契約継続困難等) としても顕在化している。個別具体的問題として、基盤整備の補助を受けて新規で精神の GH/CH を始める際に近隣住民からの署名捺印を必要とするというおかしな手法がまかり通 っている県もある。署名捺印なんて、おかしな差別行為を県が行っており、これは住宅問 題以前の問題である。

○理由
施設・事業コンフリクト問題へのきちんとした対応や規定がないとおかしなことがまか り通る。「差別禁止法」等によるしっかりとした基準の提示が大事。

【石橋委員】
○結論
一番は住民理解。迷惑施設、住宅と考える住民は少なくない。二番は賃貸ならその家賃。 生活共同住宅なら法人負担の軽減策が必要。
詳細として、大規模の共同住宅に最低1割の戸数を併設することを努力規定とする。公 営住宅建設に一定の建設の法的義務を課す。公営住宅への優先枠拡大。家賃補助、住宅手 当の創設。

○理由
大規模住宅の定義が必要となる。

【氏田委員】
○結論
家賃補助や住宅手当が必要と考える。地域移行を進めるために、ベーシック・インカム (年金額を2 万5 千円~3 万円程度増額)を増やす必要がある。また、住宅の改築や新築に あたっては、発達障害に限らず、「(合理的配慮としての)暮らしたい場所に住める」条件 を整えるために、既存のアパートメントなどに対するユニバーサルデザイン化の助成制度 などを一室のレベルから準備することが必要である。また、障害児を持つ家庭が居住する 場合にも上記の改修のための助成が使えるようにすべきである。新築をする場合などにつ いても、障害特性に応じた建築構造のための助成金を発達障害も含めてさらに拡充すべき であると考える。

○理由
横浜市ではグループホームの家賃補助(家賃の1/2 を補助)を実施しているが、家賃補 助は不可欠である。都市部なので家賃が高いこともあり、この1/2 の家賃補助があっても、 グループホームで暮らすためには、親からの仕送りが毎月3~5万円程度必要となってい るので、地域によって補助率を変更するか、自立支援法での補足給付のように「その他の 生活費25,000 円」が残るようなベーシック・インカム(年金)の増額が必要である。年 金+作業工賃 (地域作業所などは作業工賃が月に3,000 円程度あるいはそれ以下のところ が多く、親からの仕送りがなければ生活が成り立たない)で、どんなに重い障害があって も20 歳になったら親から自立した生活が可能となるようにするべきである。

【大久保委員】
○結論
知的障害のある人たちにとっては、グループホーム・ケアホームは地域における重要な 住まいのひとつであり、一層の設置推進施策が求められる。同時に、公営住宅や民間住宅 の活用を促進し、公営住宅については、バリアフリー住居やグループホームなどの優先枠 を制度化する必要があると考える。
また、民間の土地や住宅提供者については、固定資産税などの税制優遇策を講じる必要 もあると考える。なお、民間住宅の活用にあたっては建築基準法の規制を緩和すべきと考 える。

【大濱委員】
○結論

  • これから建設される賃貸住宅へのバリアフリー義務化(エレベーターがない建物は1階 のみ対象に)。車椅子用にバストイレ等を広くした場合、容積率・建ぺい率の優遇など。
  • 障害者の暮らす賃貸住宅への住宅改造と現状回復工事への助成制度
  • 共用部分のスロープ化等改造の助成
  • 家賃保障(万が一滞納した時、大家に賃料を支払う保証人を国が行う(障害者に貸付と して処理))
  • 騒音・ゴミ等近隣トラブルには大家に変わって近隣ヘルパー事業所が駆けつける仕組み (訪問系サービスとは別途予算化)

○理由
家賃滞納・車椅子で傷をつける、近隣トラブル、孤独死、火事などが大家の不安である。 家賃滞納(保証人制度で対応)・車椅子で傷をつける(原状回復費用助成で対応)、近隣ト ラブル(トラブル駆けつけサービス)、孤独死、火事(訪問系サービスや電磁調理器・自 動消化器の給付)それぞれに対応可能。
これを解決すれば、民間の賃貸を借りることが可能。
この他、1 階なのに道路から玄関までに段差があるなどが障害者が家を借りにくい大き な理由。

【岡部委員】
○結論
現在施設入所をしている、または申請すれば入所施設の支給決定を受けることのできる 障害者が施設を退所して、あるいは施設入所ではなく地域生活を選択した場合、個別給付 としてホテルコストに相当する給付(住宅手当)を支給する制度の創設が必要。(グルー プホーム・ケアホームへの家賃補助制度も統合するべき)

【小澤委員】
○結論

  • 公営住宅法の見直し・検討
  • 民間住宅に関しては、あんしん賃貸支援事業、の見直し・検討。家賃補助の拡充。
  • 都市計画の中に、障害者住宅の整備目標を組み込む。

○理由

  • 公営住宅、民間住宅、行政における都市計画、の3つの観点から総合的に進める。

【門屋委員】
○結論
住宅確保が困難との事ですが、実際に取り組んでみると意外と確保できると考えていま す。地域移行の障壁という認識が正しいかどうか少々疑問です。私はパーソナルアシスタ ントのような個別支援マンパワーがいないことと住居費用の確保が障壁と考えています。

○理由
賃貸住居を借りるときの保証人確保だけではなく、保証人がいなくとも支援がはっきり していること、家賃支払いが間違いないなどの条件を保障することによって、住居確保は ある程度可能という実感を持っています。いろいろな住居資源を開発してきた経験からす ると、現在は新たにグループホームを作らずとも住宅確保は可能になってきています。

【河崎(建)委員】
○結論
国家的プロジェクトとして国の責任で住宅問題を解決すべきである。

○理由
精神障害者の地域移行を進めるためには、まず地域の受け皿を確保すべきである。住宅 問題は①家賃負担能など経済的障壁②貸し主との身元保証③地域住民との軋轢④閉じこ もらずに昼間の居場所の提供⑤病状悪化時の対応⑥地域間格差と交通手段,など多岐にわ たる。これらはほとんどすべてが民間病院に対応が委ねられていた。

【川崎(洋)委員】
○結論
地域生活の要は住む場の確保であるが、今の年金制度での収入では確保できない状態で ある。住宅手当を支給することが必要。また保証人の問題に関しては行政が責任を持つべ き。

○理由
財政的なことから家族と同居している精神障がい者は多く、家族の負担は大なるもので ある。家族に依存しない地域生活をおくるためには、住む間の確保と手当てが必要である。

【近藤委員】
○結論
住宅手当の創設(または家賃の軽減策)、公営住宅への優先入居、保証人制度の改善、 民間住宅の活用(借り上げ住宅)、住宅改修費の支援、住宅関連の民間業者や家主等に対 する障害者についての理解促進などが考えられる。
また、障害者の地域における生活を支えるためには、夜間や緊急時に対応が可能な拠点 機能としての「地域生活拠点センター」の新設、整備が不可欠となる。

○理由
地域で暮らせる所得保障と住宅の確保策の両面がないと、住宅問題は解決しない。 また、地域住民の障害者に対する偏見や誤解、心のバリアの解消のための取り組みも重 要な要素の一つである。

【齋藤委員】
○結論
住宅問題という時、まず公営住宅はほとんど増えていない現状をどうするのかという問 題が大きい。そして、民間住宅はその活用が個々の所有者にまかされていることから、簡 単には政策誘導が難しい。

【清水委員】
○結論
すでに国土交通省との連携による住宅確保に関する取り組みを発展させればと考える。

【竹端委員】
○結論
入しょ施せつとおなじような、一つの場しょにたくさんの人を「あつめる」考えかたを やめ、ひとりの住まいを中しんとした住たくの支えんをするべき。また、そういう「一人 住まい」をグループ単いで支えるグループ支えんも考えるべき。

○理由
障がいのないひとは、家ぞくではないおおぜいの他にんといっしょにくらさない。障が い者を「あつめる」考えかたは、すくないスタッフでおおくの障がいしゃを管りしようと する考えかた。グループホームであってもたとえば10人いじょうを「あつめる」考え方 は、施せつと同じだ。この考えかたは、権り条やくとも正はんたいの考えだ。だから、他 の人とおなじように障がいがあるひとも、自分でかぎがかけられる「こしつ」や「ひとり 住まい」ないし「好きな人との住まい」が守られるべきだ。

【田中(伸)委員】
○結論
市営・県営住宅への入居の促進、民間の賃貸住宅への入居などを積極的に進めるべきで ある。その際、各障害特性を理解した支援員が障害者の生活を支えることができる体制を とる必要がある。

○理由
「地域で生活する権利」の一内容として、住居の確保は必要不可欠な要素である。また、 その際には、住居の確保のみならず、障害者が暮らす「地域」の障害者に対する理解を深 める必要がある。従って、障害特性を理解した支援員が障害者の生活を支える体制を確保 し、障害者に安心して暮らせる環境を整えつつ、地域との融和を深めていくべきである。

【田中(正)委員】
○結論
障害者の地域生活を継続するための暮らしの場(住まい)である共同生活援助(グルー プホーム)・共同生活介護(ケアホーム)を事業体が運用する際に、税制の優遇(不動産 取得税、固定資産税、都市計画税等の減額もしくは免除)を設ける。

○理由
GH・CH は、障害者の地域での自立した生活を進めるためには重要な役割で、H17 年3.4 万人分をH23 年には8.3 万人分に増やす予定があり、今後の更なる整備の促進が急務とな っている。そのため、公営賃貸住宅の入居促進には、単身者への配慮に加えて、H21 年度 には国住備第51号によりGH・CH としての活用の促進が図られている。また民間住宅の バリアフリー化については、改修促進税制等として所得税、固定資産税の減額が図られて いる状況がある。

【中西委員】
○結論
国家は全住民に住宅を保障するべきであり、障害者はその優先的利用を保障される必要 がある。

○理由
日本政府は住宅行政にほとんど費用を投入してこなかった。そのために個人は住宅を確 保するために一生の給料の大きな部分を支出しなければならず、これが福祉行政の根幹的 な未成熟を来たらしてきた。住宅を国家が補助して運営することは、国家の必要な施策で あり、貧しい者はうちがもてないような政策をいつまでの続けるべきではない。すべての 国民に障害者を含めて住宅保障を早急に行うべきである。

【中原委員】
○結論
知的障害者にとっては、グループホーム・ケアホームの推進が不可欠である。そのため にも、施設整備費を十分に確保するとともに、既存のグループホーム・ケアホームにおい て建築基準法上の用途が問題となっている自治体が出てきていることから、厚生労働省と 国土交通省が連携して解決に向けた取り組みを行うべきである。

○理由
障害者のグループホームは一般の戸建住宅を借りて運営しているところが約7割(本会 調べ)となっているが、近年になり建築基準法上の用途変更を求められるケースが増えて いるなどの問題もおきている。障害者が安全に暮らすという視点をふまえたうえで、障害 があるがゆえに「どこで」「誰と」「どのように」住むという権利が奪われることのないよ う、早急に福祉と建築行政が解決に向けた検討を行うべきである。

【西滝委員】
○結論
量的整備について、目標を設定し着実にすすめる必要がある。既存の建物を改修しての 利用は不可能に近い。法人・事業所が新築する必要がある。身体障害者の利用を想定した、 バリアフリ-化や居住面積等を含めた質的な整備を行なう必要がある。

【東川委員】
○結論
家賃補助などの制度の創設。
現行の居住サポート支援事業と国土交通省のあんしん賃貸支援事業の連携以外にも、基 礎自治体による公的な保証人制度の仕組みを検討できないか。

○理由
地域移行を進めるために。

【広田委員】
○結論
国土交通省を巻き込み、全ての住宅に障害者枠住宅を入れるべき

○理由
このぐらいのことをしないと、精神障害者の社会的入院者や障害者の住宅の確保ができ ないのと、障害者がひとりの市民としてくらすことが最大の啓発教育になると思う

【福井委員】
○結論
地域で暮らすためには、住宅の確保は不可欠である。民間住宅のバリアフリーの改善、 アパートなどを借りる際の保証人の確保、家賃の軽減などの課題を解決するとともに、公 的な住宅改造制度の充実、公営住宅の建設促進などを要望していくことが必要である。

○理由
障害の種類や程度によって、日々の暮らしの場である住宅への配慮は、とくに充分でな ければならない。あらゆる方策を考えていく必要のある、分野である。

【藤井委員】
○結論
住宅手当を含む所得保障の具体化が第一義的。加えて人的なケア体制(パーソナルアシ スタント、ホームヘルプなど)の充実。

○理由
障害者が自ら選択して地域生活を送るための、資金的裏付けとして所得保障が必要であ るため。障害が重くなればなるほど、ハードとしての改造を伴う住宅とソフトとしての人 的なケア体制が兼ね備えられなければならない。

【藤岡委員】
○結論
賃貸物件の保証人のあてのない人のため行政が協定する会社に保証人になってもらう。
賃借人に対する24時間緊急支援の実施を家主に対して行政が保証。
障害者に賃貸住居を提供した家主に対する報奨金。

○理由
障害者の雇用を受け容れた事業所に助成や報奨があるように、住宅部門で報酬、助成が あって然るべき。

【増田委員】
○結論
地域移行の障壁は,住宅問題の前に地域支援システムの脆弱さである.住まいの確保と 同時に地域生活支援の充実が求められる.

【三浦委員】
○結論
国土交通省等と連携し、既存の住宅資源(一般住宅、公営住宅、グル―プホーム・ケア ホーム、福祉ホーム等)の活用や、不足する資源の整備を促進し、多様な住まいの選択肢 の確保を更に進めるべきである。また、見守りを含めた居住サポート体制の構築が不可欠 である。さらに、家賃補助を含めた所得保障についても検討されるべきである。

○理由
今ある住宅資源については、バリアフリー化を含め、障害者がより利用しやすい環境を 整備することが求められているとともに、日々の生活を支えるサポート体制と地域の意識 向上が必要であると考えるため。

【光増委員】
○結論
一定以上の規模を有する新築集合住宅に対して、障害を持つ人に配慮された住戸を義務 付ける。その際、共同生活住居に利用しうる、建築基準法上、消防法上の要件の充足。(社 会住宅として位置付け、一定割合の公的助成を行う等)
民間賃貸住宅への入居斡旋、共同生活住居に利用する場合の諸保障の整備など居住サポ ート事業を拡充して空き住宅を活用する必要がある。

○理由
公営住宅だけではなく、我が国住宅の大多数を占める民間賃貸住宅市場、一般住宅市場 への介入がなければ、当該住宅問題の解消はできないため。

【森委員】
○結論
住宅手当を含む所得保障を実現するとともに、自立支援給付に位置づけられているグル ープホームやケアホームだけではなく、公営住宅の利用と公営住宅の活用も含めた福祉ホ ームなどのような地域生活支援事業に位置づけられている事業についても、財源の裏打ち をもとに取り組むべきと考えられる。また、それらの住まいの場の設定とともに、住まい の近くに介助や生活を支えるサービス支援を提供できるシステムを整備すべきである。

○理由
障害者が自ら選択して地域生活を送るためには、資金の裏付けとハード面とソフト面の 住宅施策が必要である。

【山本委員】
○結論
国が責任を持って地域移行する人に住宅を確保するべき

○理由
地域で生きることは基本的人権であり、国が責任を持つべき憲法上の責務および条約が 求めるところだから

論点D-5-2) 地域での住まいの確保の方策として公営住宅への優先枠を広げる方向で考えるべきか?

【朝比奈委員】
○結論
公営住宅への優先枠を広げることは重要。ただし、移動の制限の問題から利便性の悪い 場所にある公営住宅への入居をためらう場合は多く、あくまでも選択肢の一つ。

【荒井委員】
○結論
障害者の住まいの受け皿として、公営住宅は有力であることから、制度的に位置づけた うえで、拡大すべきである。(例:10%を障害者枠として位置づけ)その際にはバリアフ リーやユニバーサルデザインなどハード面での対応や相談支援体制の充実などが必要。

【伊澤委員】
○結論
勿論優先枠は広がるのが良いが、公営住宅が障害者だけの特殊な居住区 (地)になるの はよろしくない。

○理由
入居は促進、しかし特化した居住の形はいかがなものか。市民との混在/混住がインク リュージョンの肝ではないか。

【石橋委員】
○結論
バリアフリー化を図って優先枠を広げるべきであるが、一つの手段であり、それだけで は不十分。一般賃貸などへの家賃補助等、支援策が必要。

○理由
障害者に最低限適応した内容の住宅の確保が重要。自立と共生にはまず、公営住宅から 始めるべきである。

【氏田委員】
○結論
当然である。ただし住宅改修も可能でなければならない。 公営住宅(アパートメント)の一定程度の部屋をユニバーサルデザイン化するなど、自 然な形で地域インクルージョンが実現されるような工夫も必要と考える。また、公営住宅 の建築前に、障害児を持つ家庭、障害者のいる家庭などを対象に公募をかけて、ユニバー サルデザインを施した一戸建てなども創出していくべきと考える。

○理由
公営住宅が果たすべき役割のひとつであると考える。

【大久保委員】
○結論
知的障害のある人たちの地域生活移行において、住まいの確保が先ず重要となるが、そ の確保に困難が生じている。公営住宅の活用を推進するべきであるが、地域間に大きな開 きがある。よって、公営住宅における優先枠の設定を制度化する必要があると考える。

【大濱委員】
○結論
公営住宅は通勤や社会参加の目的にあった場所にない事が多い。民間のアパート・マン ション・借家ならば、そのような問題はないので、公営住宅よりは民間の賃貸住宅を借り やすくなる施策が権利条約の「他のものとの平等」の理念にかなっている。

○理由
地方においては、公営住宅は街の中心部から遠く離れた場所にあることが多く、障害者 が住みにくい。便利な立地の公営住宅は空きが殆ど出ない。山の上の造成団地などは空き があるなど、ニーズにあっていない。また、1 つの公営住宅の建物に障害者が集まるのは、 プライバシー上、良くない。

【岡部委員】
○結論
公営住宅への優先枠を広げることを否定するものではないが、「特定の生活様式を強い られない」という観点からもまず個別給付としてホテルコストに相当する給付(住宅手当) を支給するべき。(D-5-1 参照)

【小澤委員】
○結論

  • 当然、優先枠を広げる方向で考える。

○理由

  • 公営住宅は低家賃なので、重要な住宅関連の社会資源である。

【小田島委員】
○結論
単身の障害者については、世帯用の公営住宅にも優先的に入れるようにするべき。

○理由
知的障害者は単身でも公営住宅に申し込みができるようになったが、単身用の公営住宅 は空きが少ないので実際には入居できない人が多いので。

【門屋委員】
○結論
優先入居はあると便利です。ただし、その対象規定は決めなければなりません。障害の 重さだけではなく、公営住宅が望ましい客観的条件が必要かと思います。

○理由
障害者だから特権的に優先枠があるというのは間違っています。その地域の住宅実情な りによって、公営住宅のバリアフリー住宅が地域になくそこでしか暮らせない障害者とな れば、優先すべきです。高齢者も同様です。障害ゆえの理由があるのか、障害を特権とす ることも差別を結果的に生むことになるので慎重であるべきと考えています。

【河崎(建)委員】
○結論
公営住宅への優先枠を広げるべきである。

○理由
「地域で生きる」ことは公共サービスであるから。

【川崎(洋)委員】
○結論
考えられるべきと考える。

○理由
現状では社会資源が少なく、住む場の多くが家庭になっていることは解消されなくては ならない。

【君塚委員】
○結論
地域ごとに事情が異なるため,地域ごとに利用希望・要望調査を実施することを前提に, 優先枠の拡充,居住地域内にある居場所機能と連携した新規建設を推し進める

○理由
長期的にみると,特殊な住宅環境が次世代に引き継ぐものとして必要であるかどうかも 含めて,個人的に改築・新築することに踏み出しにくい方々が多いと想像する.公的に借 りられる環境の整備と利用促進が望ましい.

【近藤委員】
○結論
広げるべきである。

○理由
民間賃貸住宅における「あんしん賃貸支援事業」など、制度はあってもその登録住居は 極めて少なく、登録都道府県も限定されている。そうした促進も重要であるが、すぐには 進まない。公営住宅が優先枠を広げつつ、他の民間でも借りやすい状況を作り出していく ことが効果的である。

【齋藤委員】
○結論
既に公営住宅に障害者や高齢者の利用が増加しており、優先枠を広げようにも総量が増 えない中で難しさは増すばかりである。まずは公営住宅の受け入れにどれ程の余力がある のか、今後の住宅政策の中でどれ程の対応が可能なのかを明らかにしなければならない。

【清水委員】
○結論
考えるべき。

○理由
公営住宅はまさにそのためにあるのだから。

【竹端委員】
○結論
そのとおり。

○理由
入しょ施せつに今いる障がいのある人が地いきでくらすためには、かなり住まいの場が たりない。むかし、入しょ施せつをつくるためにたくさんお金(予算)を使ったのと同じ ように、今は地いきでの暮らしの場をたくさん用いすべきだ。そのために、公えい住たく も新たにたくさんつくり、その優せんわくも広げるべきだ。

【田中(伸)委員】
○結論
民間の賃貸住宅への入居を進めながら、不十分な場合には、暫定的な措置として公営住 宅への入居優先枠を拡大すべきである。

○理由
障害のある人もない人も同様に社会の中で住居を確保することができるようにするこ とが、「地域で生活する権利」を実現することになる。しかし、現時点では、地域におけ る住居の確保を優先するため、公営住宅への入居優先枠を拡大することも必要となると考 える。

【田中(正)委員】
○結論
公営住宅の本来入居者として、グループホーム、ケアホーム運営法人を位置づけ優先枠 を広げることを認める。

○理由
優先枠を広げることにより、運営法人が倍率の高いバリアフリー住宅などにも応募でき ることになるため応募回数を重ねることで確保がしやすくなり、結果として支援が必要で かつ低所得の障害の方の支援環境が整う。すでに佐賀県では特区で申請をしており認めら れている。

【中西委員】
○結論
公営障害者住宅の新設は急務であり、当然のことである。

○理由
公営住宅は充足しているとして、新設を行わないことになっており、その中に障害者住 宅も未充足にもかかわらず政策的に放棄されている。障害者住宅の単身用は建設がはじま った段階で新設公営住宅がストップされ、単身障害者にとっての居住の場は保障されてい ないに等しい。一般の不動産屋は精神、知的、身体障害者の入居をその9 割9 分が行わず 拒否している。公営住宅においても、介助が必要な障害者は、入居を拒否される時代が続 いていたし、精神、知的の入居は行政はなんの何の保障もしていない。このような住宅政 策の中では自立生活はほとんど不可能といえる状態である。<?p>

【中原委員】
○結論
そのように考える。
○理由
積極的に公営住宅を活用する必要がある。なお、新たな公営住宅を開設するにあたって は、必ず「バリアフリーの障害者住居」や「グループホーム優先枠」を設けることを義務 化するよう求める。
地域での住まいの場の確保につながるとともに、地域住民の障害者に対する理解にもつ ながるものと考える。

【西滝委員】
○結論
積極的に進めるべきである。また、可能な限り階下 (1 階)への入居を可能とし、上階に なる場合は、エレベ-タ-の設置等をおこなう。集合住宅の場合、複数の住居を一括的に 管理・支援が可能。また家賃も安価で利用しやすい。関係省庁との連携・調整が重要。消 防署への自動通報、スプリンクラ-の設置等、特に消防法との調整を進める必要がある。

【野原委員】
○結論
バリアフリー化した公営住宅を拡充して、障害特性をも考慮する住宅提供の仕組みをつ くり優先的に提供されることが望ましい。

【東川委員】
○結論
優先的に確保するべきである。

○理由
国土交通省が取り組んでいる(安心住宅)の施策などの広報が必要。 バリアフリー化促進、見守りネットワークなどが必要

【広田委員】
○結論
考えるべき

○理由
民間におねがいする前に、まずは率先して公がおこなうべきだから

【福井委員】
○結論
優先枠の確保も大切だが、公営住宅そのものの建設が進んでいない状況に対して、新増 設を求める取り組みが必要である。

○理由
住宅のバリアフリーがされていない、家主の理解がないなど、障害者の住宅確保はどこ でも困難を極めている実態がある。

【藤井委員】
○結論
当然考えるべきである。

○理由
住まい確保の方策の一環となりうるため。

【藤岡委員】
○結論
まず障害者支援施策として法的位置づけを明確にするべき。 事業団体、地域によるであろうが、広げる余地がある実態があれば広げる。

○理由
公営住宅法施行令6条2号等で入居資格要件で障害者の規定があるが、優先的扱いの確 保に関して、国交省の通知はあるが、現行では法的な裏づけに欠ける状態ではないか。 全体像の実態をよく知らないので自信がないが、優先枠があってもなかなか入居出来な いとの声も聞く。

【増田委員】
○結論
バリアフリー住宅など,公営住宅として優先的に確保すべきである.また,公営住宅が 不足することは十分想定できるが,不足している実態を鑑みて,家賃補助の仕組みが必要 である。

【三浦委員】
○結論
拡大されるべきである。

○理由
公営住宅が優先枠を広げ、他の民間賃貸住宅でも借りやすい状況を促進することも必要 であると考えるため。

【光増委員】
○結論
公営住宅が質量ともに不足する現実があるが、計画的に公営住宅を建設するときには障 害のある人にも一定数入居できるような制度にし、防災面とバリアフリーに配慮した住環 境を保障する必要がある。

○理由
社会経済情勢からすると、公営住宅の必要性は、一般にも広がっているといえる。他方、 公営住宅建設は少数頭打ちとなっているが、特定の住居形態に、特定の人々が集住する問 題は残るが、障害のある人が公営住宅を選択する上では入居しやすくする政索は必要。

【森委員】
○結論
公営住宅への優先枠を広げ、公営住宅におけるバリアフリー化の促進、ユニバーサルデ ザインの充実を図ることは、その取り組み自体がバリアフリーやユニバーサルデザインの ノウ・ハウを普及させることにつながり、超高齢化社会における公営住宅のあり方を問う ことにもつながると考えられる。また、必要な介助の仕組みも、公営住宅の活用の中で十 分に検討し、整備すべきである。

○理由 地域での住まいの確保の方策として、公営住宅への優先枠拡大は是非必要である。

【山本委員】
○結論 ひとつの選択肢としてはあるが、交通不便なところで精神障害者にとっては交通費ほか の負担が大きすぎるところがあるので、そのあたりの勘案が必要 本来住宅政策一般として公的住宅の充実が必要であり、その中に障害がメインストリー ミングされるべき

○理由
優先枠のみではアクセシブルな住宅保障とはなりえないから

論点D-5-3) また、公営住宅が質量共に不足する現実がある中で、障害がある人のアパートなどの一般住宅の確保の為にどのような対応が必要か?(家賃等の軽減策や借り上げ型賃貸住宅等)

【朝比奈委員】
○結論
家賃滞納や家屋・設備等の破壊、近隣とのトラブル等については、一部、損害の補填や 賠償等が発生する場合があり、基金的な事業を実施することでそれをカバーするような仕 組みをつくることができれば、具体的なセーフティネットとなり得る。

【荒井委員】
○結論
障害者の住まいについては、高齢者における「高齢者の居住の安定の確保に関する法律」 と同様に、法制度でしっかり位置づけたうえで、障害者向けの住宅が地域内で確保される ような方策を推進していく必要がある。

【伊澤委員】
○結論
家賃助成制度の新設。また公が賃貸住宅の経営に乗り出し、廉価で入居可能な物件の供 給にあたるなども進めてほしい。さらにその先、トライアル入居 (法人契約アパートの試 験入居を経て、その居住実績により個人契約への切り替え促進)の制度化なども考えてほ しい。

○理由
家賃負担は家計を大きく圧迫している現状のなか、経済支援策としての実施。また新し い居住の場の開発にも尽力すべきである(D-5-4でも触れる)。また市民への啓発も 欠かせない。

【石橋委員】
○結論
家主に対しての建設補助(家賃の低減)を行う。

○理由
建設を促進と借りやすくするため

【氏田委員】
○結論
現状、家賃等の軽減策は不可欠であり、「借り上げ型賃貸住宅」の充実もひとつの解決 策になると思われるが、住宅問題については国民全体の問題として国が取り組むべき課題 だと思うので、障害者の所得保障が不十分であるという理由のみで安易に住宅問題を考え るのではなく国民全体の住宅施策の中で障害のある人の住宅問題も位置づけ考えてほし い。

○理由
グループホーム利用料の中でも家賃負担金の割合が高くなっており、グループホーム利 用料が高額となる一因となっており地域移行を遅らせる要因となっている。

【大久保委員】
○結論
一般の賃貸住宅に住む障害者への住宅手当などが望まれることは理解できるが、広く国 民を対象とした手当制度や生活保護制度における住宅扶助などとの関係を整理する必要 があると考える。

【大濱委員】
○結論
生活福祉資金の貸付事業と同様に、国直営または国が委託する方法で、民間アパートを 障害者が容易に借りられるように保証人サービスや家賃保証の仕組みを充実追加。 大家さんの心配するほかの項目である、火事・水漏れ・騒音・孤独死などは、ヘルパー制 度や、緊急駆けつけサービスを地域生活支援事業の必須事業で行うなどで個別対応する。

○理由
保証人代行業・信用保証業は民間会社でも数社で行われているが、不正な追い出しなど が問題化している。障害者向けは、国が直接実施する方がよい。障害者の地域移行には賃 貸アパート・貸家などを借りにくい問題(大家さんは家賃の不払いを心配)を全国で一気 にすべて解決する必要がある。
全国で家を借りる障害者が今すぐ使えないと意味がないので、現状の制度ではだめで、 大家への「障害者・高齢者を入居拒否しない」などの条件付けを廃止する必要がある(健 常者であろうが障害者であろうが個人の性格等で大家が拒否するのは商業上の自由)。

【岡部委員】
○結論
特定の生活様式を義務付けられずに地域移行を推進するという観点からは、入所施設退 所者/利用資格がある者については、個別給付としてホテルコストに相当する給付(住宅 手当)を支給するべき。(D-5-1、D-5-2 参照)

【小澤委員】
○結論

  • まさに、家賃の軽減策(あるいは補助策)、借り上げ型賃貸住宅が必要である。

【小田島委員】
○結論
市役所がアパートやマンション、一軒家等を借り上げて、家賃を安くして障害者に貸す。
家賃補助の制度をつくる。

○理由
施設や病院から出てきた時に入れるアパートやマンションが必要。
東京は特に家賃が高いから。

【門屋委員】
○結論
家賃補助制度があれば生活保護を受給せずに年金生活可能な人はいます。行政の借り上 げ、法人などの借り上げだと、確保は容易です。

○理由
地域の賃貸住宅の活用はいろいろ考え出すべきと思います。ただし、障害者ゆえに周囲 などとの問題が生じることもありうるので、そのような人には相談支援者などが支援する 体制が必要です。

【河崎(建)委員】
○結論
地域格差があり供給は千差万別。企業の寮や廃校などの利用もあるが、A-3-2 など「地 域で生活する権利」との整合性が難しい。

○理由
D-5-1 による。住宅手当支給はその一方策。

【川崎(洋)委員】
○結論
地域の法人などによる借り上げ型賃貸住宅はよいと思う。しかし、財源的な補助が必要。

○理由
借り上げ型賃貸住宅のための財源がないために、つくりたくてもできないとの声を聞く。

【君塚委員】
○結論
必要である。

○理由
バリアーフリーとしたものであり、地域あげての省が者への支援作りに生かせるように 開かれたものにする。住まい運営に地域の福祉担当者が参加するなど支援の拠点とする。

【近藤委員】
○結論
居住支援協議会の必置規定化、住宅手当の創設(または家賃の軽減策)、借り上げ住宅 制度、保証人制度の充実、住宅改修と現状復帰の支援、バリアフリー住宅の建設促進など が考えられる。

【齋藤委員】
○結論
民間住宅を確保しようと思うならば、まずは住宅数の確保、相対的に高い家賃保障、借 りる為の保証人制度などのいくつもの課題がある。そのための公的支援をどうするのか、 そして民間住宅所有者の協力を得られるようなシステムをどう作り上げるかが重要であ る。例えば、非営利法人が仲介にたった賃貸システムをつくるとか。

【清水委員】
○結論
家主の人や、不動産屋さんの人たちに、障害のある人に住宅を貸すことが、とても特に なるということを分かりやすくすることが必要。

○理由
すでに賃貸物件はダブついており、いわばビジネスチャンス(お金儲けになる)なのだ から。西宮の自立支援協議会では、障害を持つ人自身が不動産屋さんの集まりで説明をし たりしていて、少しずつその効果が出てきている。

【竹端委員】
○結論
できる対さくは、なんでもためしてみた方がいい。

○理由
公えい住たくを新たにつくるお金がもしも足りない場あいは、民かんのアパートやふつ うの住たくをかくほすべきだ。ただ、障害のある人に配りょした住まいにするための手な おしや、おおやさんが安心して貸せるような支えんなども、あった方がいい。

【田中(伸)委員】
○結論
家賃補助や借り上げ型住宅の確保などの対応は必要である。

○理由
「地域で生活する権利」の実現には、障害者が民間住宅へ入居することが必要になると 考えられるが、障害者の収入の実情を考慮すれば、一定の家賃軽減策が必要となる。

【田中(正)委員】
○結論
入所施設における補足給付と同額の2 万5 千円相当の金額を家賃などの補助に当てるこ とが可能な仕組みを作ることで住宅を確保するための支援を行う。また、家を借り上げる 際に必要な保証人を自立支援協議会などの仕組みを活用して自治体ごとに確保できるよ うにする。

○理由
個別給付における足並みを地域と施設において差がないようにするため。保証人が得ら れないために契約が整わない実態があるため。

【中西委員】
○結論
障害者負担水準、所得水準による家賃支払いと同等の金額を障害者が支払えば借りられ るようにすべきであり、その差額は行政の負担とする軽減策を補完的な制度として公営障 害者住宅が完備するまで続けるべきである。

○理由
公営障害者住宅の新設が優先されるべきであるが、一般住宅の行政による借り上げによ る、障害者への対応方式は検討すべきであり、その場合住宅費の高騰を考えて公営住宅一 般の住宅の借り上げの場合、トイレや風呂場の面積が狭く、利用できない入り口の段差の 問題を含めると利用できる住宅は少ない。そこで建設時から行政が借り上げを保障し、改 造の補助など誘導策をとる必要がある。家賃についても、差額を補填してやらないと、身 体障害者の場合でも2LDK 以上の居住空間を単身でも必要とするので、現実的な補助金対 策が必要である。

【中原委員】
○結論
住宅提供者に対する固定資産税など税制の優遇措置を図るべきである。

○理由
住宅提供者に対する優遇措置を設けることにより、民間住宅を活用の拡大につながる。

【西滝委員】
○結論
家賃の補助制度は必要である。

【野原委員】
○結論
個別の状況によって、家賃の軽減や借り上げなどを考慮すべきである。真に必要な人に 必要な支援が行われることが必要である。

【橋本委員】
○結論
一般住宅を区市町村で借り上げて障害者に貸すなどの対策はとられてもよい。

【東川委員】
○結論
住宅政策の抜本的見直しが必要。
水道料、光熱費の減免制度などのほか家賃の減免または補填制度が必要 国交省が取り組んでいる高齢者専用賃貸住宅制度のような仕組みの賃貸物件制度を推進 できないか。

○理由
障害に伴うランニングコストが生じる場合が多いから。
居住サポート事業だけでは不十分と感じるため

【広田委員】
○結論
お金があればやってほしいし、他からお金をもってきてもほしい

○理由
ホームレスにいろいろなサービスをつけるなどありえない 住宅は最大の環境だから

【福井委員】
○結論
自治体の、家賃補助制度の充実・創設や借り上げ型賃貸住宅とともに、前述した住みや すいようにする住宅改造事業の拡充など、建設労働者と連携した運動を拡げていくことな どが、差し迫って重要である。

○理由
地域で暮らす理念を拡げていくためにも、重要な課題である。そこで安全に生きて行く ためには、住民との連携が欠かせないので、地域の組織にも訴えて積極的な協力を呼びか けていくべきである。住民が高齢化している地域では、連携も取れる課題である。

【藤岡委員】
○結論
偏見等の解消のための広報業務。
トラブルの際の解決支援の家主への保証。
家賃補助、保証人協定制度。バリアフりー改造費用援助。住宅の借り上げ政策も実施。

○理由
居住の確保が地域生活実現のため重要だから。

【増田委員】
○結論
住宅政策の抜本的な見直しが必要.水道料の減免制度と同様に光熱費・家賃の軽減策が 必要.

【三浦委員】
○結論
住宅手当の創設、保証人制度の充実、住宅改修費の支援等とともに、居住支援協議会の 必置規定化等、一般住宅の確保をめぐる課題を早急に解決すべき。
また、根本的には地域社会の意識向上、近隣の理解を図るためには条例などの規範づく りに関しても地域の検討課題として持ち上げる必要がある。

○理由
一般住宅を確保する上での問題点は早急に解決される必要があると考えると同時に、確 保していける地域風土を作ることが大切と思うので。

【光増委員】
○結論
一定以上の水準(誘導居住水準等)満たすような民間賃貸住宅に対する斡旋、家賃の軽 減策と一定以上の規模を有する新築集合住宅に対して、障害を持つ人に配慮された住戸を 義務付ける。その際、共同生活住居に利用しうる、建築基準法上、消防法上の要件の充足 が必要。(社会住宅として位置付け、一定割合の公的助成を行う。分譲住宅・住戸の場合 は一般住宅・住戸との差額の補填等

○理由
我が国の住宅市場の大部分を占める、民間賃貸住宅市場、一般住宅市場への効果的な介 入が不可欠だから

【森委員】
○結論
公営住宅における質と量にかかる不足がある中では、一般住宅の確保も必要となる。そ のためには、家賃などの軽減策、借り上げ型賃貸住宅の整備などとともに、それらの住ま いの身近に介助や生活を支えるサービスをはじめとするサービス提供事業を配置すると ともに、適切な相談支援機関との連携を図ることが求められる。

○理由
地域での住まいの確保の方策として、是非、必要である。

【山本委員】
○結論
国の責任による民間アパートの借り上げと障害者への提供が必要 住宅費については所得保障すべき

○理由
保証人や緊急連絡先等のバリアにより、民間住宅が借りられないから 住宅については必須の経費であり、障害者で就労できないものについては保障されるべ きである

論点D-5-4) 居住サポート事業の評価とさらに必要とされる機能・役割にどのようなことがあるか?

【荒井委員】
○結論 居住サポート事業者の確保が不十分であり、事業が十分に展開されていない。福祉分門 だけではなく、住宅部門と連携した形の実効性のある居住サポートの仕組みが必要 また、グループホーム・ケアホームから単身生活に移行する場合も事業対象とするべき である。

○理由
現行制度では居住サポート事業者を受託する事業者が少なく、住宅部門との連携も不十 分。
グループホーム・ケアホームから一般住宅へ転居し単身生活となる障害者も多く、夜間 を含めた緊急相談等、居住サポート事業同様の支援が必要となっている。

【伊澤委員】
○結論
全国の実施率が2 割台と低調だが、制度の設計としては良

○理由
現状では24 時間対応の支援事業者の設定が困難。よって事業の担い手の基盤整備が必 要。また居住者の生活状況把握や安否の確認も合わせた支援作りとして、高齢者分野にお ける「シルバーハウジングプロジェクト」(公営住宅に福祉目的住宅設置のうえ、支援サ ポーターによる巡回支援が実施されている)の障害者バージョンを作り、居住サポート事 業との連結をはかる必要もある。

【石橋委員】
○結論
全体的な相談を相談支援事業が担っているのだから既存の居住サポート事業の機能と 役割を移す。
個別事例に対して継続的に支援される体制が必要

○理由
ある程度評価するが、在宅での生活、施設での生活を基本としていないのでは、グルー プホーム・ケアホームを作ることに向かっている。

【氏田委員】
○結論
居住サポート事業の位置付けが弱いので、独立させるべきである。

○理由
現在は相談支援事業の付帯事業的な位置付けとなっているが、地域移行に於いて賃貸住 宅を考える場合、公的な保証人機構と連動し、必要な事業である。

【大久保委員】
○結論
相談支援事業の付帯事業的な位置づけとなっており、機能や役割が不明瞭であるととも に、相談事業本体を圧迫している面もある。また、本事業における支援が、住居の確保や 緊急時対応など限定的な場面に限られているが、地域での安心できる暮らしを継続的にサ ポートするような、訪問型の生活サポート事業として機能強化し、独立して運営可能な事 業とすることを望みたい。

【大濱委員】
○結論
全市町村で使える必須事業でないと意味が無い。過疎地でも利用者の近所のヘルパー事 業所などがトラブル発生時の駆けつけなどを実施できるよう都道府県指定で事業所を決 めて個別給付で行ない、事業所は利用者が選択できるようにして全国すべての市町村で一 斉に実施すべき。

○理由
特定の団体にしか委託しない現状の方法では、障害福祉に熱心な一部の市町村でしか行 われない上、委託費が一定のため、仕事が増えるほど赤字になるため、積極的な事業実施 も期待できない。指定事業として個別給付で行うべきである。

【小澤委員】
○結論

  • 内容的には、よい事業と思うが、市町村での実施の割合がきわめて低く、現実には、存 在の薄い施策。
  • 居住サポートを支える相談支援事業所の専任スタッフの拡充を行う。

○理由

  • 居住サポートの拡充によって、グループホーム・ケアホーム以外の第3 の地域生活の道 が広がっていくと思う。そのためにも、重要な施策である。
  • この施策と、住宅確保施策を連動して実施していく必要がある。

【門屋委員】
○結論
一定の成果はあり、今後も必要です。

○理由 その内容は、事業費によって人材が確保され、具体的に探すこと、不動産業者に当たる ことなどの業務ができたことによります。あるいは官民共同で地域連携の場を作り情報収 集や活動が広がったことにより成果が認められたと思います。必要なのは住宅探しを行う 人材確保ですので、地域生活支援センターなどに委託するにしても、委託費は一律ではな く、必要状態、人口、障害者数などによってランクを考えるべきです。

【近藤委員】
○結論 現段階では機能しているとはいえない。 24 時間支援による緊急時対応が不十分であり、機能に見合った運営費補助が行われる必 要がある。 ○理由 居住サポート事業が機能するには、あんしん賃貸住宅の登録が不可欠であるが、その部 分が未整備のままである。 緊急時に対応可能な安心できる地域生活拠点機能を居住サポート事業者そのものに付 加する必要がある。 60

【齋藤委員】
○結論 居住サポート事業がどれ程の成果を上げているというのか。評価等という前に、まず実 態を明らかにしてもらいたい。事業の存在を規定しているだけで、それにふさわしい内容 が全く形作られていない自治体がほとんどではないのか。必要とされる役割はどれだけで もあるが、それを担うような仕組みが全くないと言ってよい。

【竹端委員】
○結論 この事業を活ようできている市町村はすくない。その理ゆう分せきをちゃんと行うべき だ。

【田中(伸)委員】
○結論 居住サポート事業は、障害者が「地域で生活する権利」を実質化するための事業として 重要な役割を果たすものである。この事業については、加えて、障害者の日常生活の支援、 及び障害者の有するニーズの随時の聞き取りの他、障害者が生活する地域住民と障害者と の交流をはかる役割を担うことが望ましい。 ○理由 「地域で生活する権利」は、障害者と地域とのつながりがなければ実質的に確保される ことはない性質の権利である。従って、居住サポート事業の要素として、住居の確保や、 障害者の日常生活の支援の他、地域住民との交流の機会の確保を役割として担うべきであ る。

【田中(正)委員】
○結論 居住サポート事業は必要な機能であるが制度が未熟で一人仕事になる地域が多く、業務 として成熟していない。グループホームのバックアップ機能等とのリンクする仕組みを検 討すべきである。 61 ○理由 必要な状況に届いていない地域が多いため。

【中西委員】
○結論 居住サポートに24時間の見守りを課していることは不合理であり、これは介助サービ スで保障されるべきサービスである。 ○理由 公的保証人を獲得するために多額の自己負担を必要とすることは非現実的であり、また 住宅改造をする費用補填は低額なため、入り口の手すり程度の配備しかできないほどでは 使える住宅はほとんどない。 生活の見守り支援は介助サービスが行うことであって、居住サービスにもとめるもので はない。

【中原委員】
○結論 地域生活支援事業であることから、事業を行っていない自治体もあり、現状では緊急時 の住宅の確保など一時的な機能に限られていることから、ほとんど機能していないと考え ている。居住サポートのみならず、障害者の生活全般を支える事業として強化するべきで ある。

【東川委員】
○結論 入居のための支援と、入居後の生活支援が必要である。また、24時間のサポート体制 が必要な障害者のサポート体制維持は民間事業者にとっては大きな負担である。居住サポ ート事業が担当する人口規模の検討が必要である。 ○理由 広大な地域と都市部での生活支援体制はコストのかかり方が違う。 62

【福井委員】
○結論 現状から言えば、もっと効果を発揮して欲しい事業である。前述したように、住宅サポ ートは地域での連携が基礎になるので、一層緊密なネットワークを作っていくことが重要 である。 ○理由 地域生活を定着させていく根幹に係わることなので、自治体に向けても積極的な要請が 生まれる。

【藤井委員】
○結論 地域で暮らすためには省庁横断・国地方自治体連携が必要であり、これらを総合的に担 当する機関の一元化が必要である。 ○理由 下記にも関連するが、建築基準法・消防法・都市計画法における市街化調整区域等の制 約やこれらの法においては福祉施設と定められての規制があり、障害者施策では共同住宅 として定められている現状の改善が急務である。

【藤岡委員】
○結論 相談支援の範疇でなく、義務的施策として明記し、義務的経費負担とするべき。 ○理由 人間の持つ基本的人権として憲法第22条1項が保障する居住の自由の保障として重 要な権利と権利実現のための施策だから。

【増田委員】
○結論 居住サポートは,入居のための支援と合わせて入居後の生活支援が必要である.また24 時間のサポート体制は重要だが,その維持は民間事業者にとって大きな負担となる.居住 サポート事業が担当する人口規模も検討が必要である. 63

【三浦委員】
○結論 現時点では、十分に機能していると言える状況にないと思われる。特に、24 時間の緊急 時対応が適確に行われるよう施策の工夫が必要である。 ○理由 あんしん賃貸住宅の登録数が少なく、適切な居住サポートが可能な住まいが不足してい るため。また、24 時間の対応を可能とするような事業内容となっていないため。

【光増委員】
○結論 居住サポート事業は一定の役割は果たしているが、単独での人員配置が出来る体制にな っていない事とグループホーム等の紹介ができないなどの課題がある。 24 時間支援や居住支援のための関係機関によるサポート体制の調整が充実すれば、グル ープホーム以外の暮らしが可能になる者も多い。グループホームから地域での多様な暮ら しへの移行をサポートすべき。 ○理由 市町村事業で専任の職員を確保できない状態は改善すべき。一般住宅への入居を希望 する者、単身者などの対象制限を見直し、必要であればグループホーム等の紹介もでき るように対象者要件を緩和する必要がある。また保証人の確保も難しいので対策は課題。 グループホーム入居者が退居後の独立生活を希望した場合、利益相反関係の事業所は 積極的に支援しないのが現実。相談支援事業所に利益相反はないが、仕事が増えるので、 積極的ではない。本人の側に立って支援するサービスが必要。

【森委員】
○結論 居住サポート事業には一定の評価があるが、それらの事業の完全実施が行われなかった 地域も多いという現状がある。アパートなどを借りる時の支援や、何かトラブルなどがあ った場合の支援に加えて、ゴミ出しや買い物サービス、ガイドヘルプサービスなどを含め た総合的なサービス提供が、身近な事業所から提供される必要がある。また、隣近所をは 64 じめ、地域の人々の障害理解や互いの交流を促進するための支援も必要である。 ○理由 総合的なサービス提供が、身近な事業所から提供される必要がある。そのためにも、隣 近所をはじめ、地域の人々の障害理解や互いの交流を促進が必要である。

【山本委員】
○結論 居住サポート事業は必須化されるべきとは考えるが、すでに述べた24 時間待機介助と 住宅保障の中で位置づけられるべきであり、何より必要なのは24 時間365 日の待機介助 であり、居住サポート事業は予算も貧しく対象者期間も限られていることが問題 ○理由 他のものと平等に町で暮らす権利保障が重要だから 65 論点D-5-5) グループホームとケアホームについて、現状の問題点は何か?また今後のあり 方をどう考えるか?

【朝比奈委員】
○結論 グループホームとケアホームという2類型は一本化が望ましい。地域生活において服薬 を含めた健康管理の支援、金銭管理の支援、夜間・早朝時間帯の支援は必要不可欠であり、 グループホーム、ケアホームにおいてこの部分をどこまで担うのか明確にすべき。

【荒井委員】
○結論

【問題点】
・整備補助枠が少なく、整備に対する支援が十分ではない。運営に対しても報酬が低く、 施設入所の場合と比べて補足給付が支給されていない。。 ・利用者の高齢化や医療的ケアに対するニーズへの対応が課題である。 ・事業者とのトラブル等で退所を余儀なくされてしまった場合は、即時に、生活拠点であ る住居を失うことになってしまう。 ・日中支援体制がないため、日中活動の場がないと利用が困難である。

【今後のあり方】
・大幅な量的拡大が不可欠 ・地域生活継続のためには、高齢化への対応や医療的ケアの提供等を検討する必要がある ・障害者個人が住居を借り、近隣にサポートできる場所を配置するなど、新たな地域居住 の場の展開を検討すべきである。 ○理由 ・利用者のニーズや生活実態に応じた支援が必要である。 ・住まいの場として安心して利用できる制度を整備する必要がある。 ・居住の場とあわせて日中活動の場を整備する必要がある。 ・GH・CHは障害者の住まいとして有効なものである。 66

【伊澤委員】
○結論 障害程度によってGH/CH と分ける必要があるのか。一般的な呼称としてグループホーム だけで良い(浸透している)。ホームの絶多数の不足を認め、増設の戦略だては必要だが、 同時に、精神分野では必ずしも住宅確保の決め手ではない(共同生活への不満/不人気等) 現実も踏まえ、新しい住まい方の開発も推進すべきである。現行制度では第一に単価が低 すぎる。夜間支援に関しては給与が出せず、GH/CH は有償ボランティア体制で実施してい るところもある。また利用者の入院時の減収補てんが必要。入退去の動きがある場合に空 き部屋保障が必要。GH/CH の防火対策強化に関して、福祉施設としての用途変更に伴う設 置困難な状況や運営の不安定感も生じており、本問題への省庁を超えた協同の取り組みが 必要であるとともに、人の配置強化が一番の防火対策であることを認識すべし。 ○理由 GH/CH は地域移行の急先鋒であり、また親からの自立を遂げていく場合のステップにも 成り得ているが、共同生活の不自然な人間関係距離間やストレスもあり、場としての適性 を危ぶむ見方もある。現状の運営面では、現場体制が整備できない。入院すると報酬が減 り運営が苦しくなってしまう現状があり、これでは、本当に支援を必要としている精神障 害者の利用が進まない。また力のある利用者が自立しGH/CH を卒業すると、リフォームや 次の利用者が入るまでの間、家賃も報酬もなくなる。これでは、自立できる利用者を退所 させず、いつまでもGH/CH にいていただいたほうが経営的に安定する仕組みになっており、 自立促進や地域展開をはかる上で難がある。また防火対策強化に関する基準として「GH/CH という用途」があっても良いではないか。

【石橋委員】
○結論 現状の問題点は 重度障害者が利用できない。特に医療的ケアを必要とする障害者には、ホームヘルパー が利用できないため可能性ゼロに等しい。個別支援計画に沿って、重層的な介護の介入が 必要と考える。 また、ホームヘルパーが利用できない。 今後のあり方 67 ホームヘルパーの利用と適正な報酬単価の設定のうえ、ケアホームに在宅介護ヘルパー が同時に導入されるなど。 個別支援計画に立脚した各種サービスの組み合わせを可能とする制度設定が必要。 ○理由 個別なサービスは、事業所の裁量に任されているため世話人だけでは、十分にできてい ない。

【氏田委員】
○結論 権利条約において「どこで誰と暮らすか」を決める権利が保障されているが、まずは本 人主体であり、そこにグループホーム対象者とケアホーム対象者という制度上のしばりが 入ると運営上の理由が優先され、一番大切にされなければならない本人の選択を保障する ことが困難になる。統合すべきである。また、グループホーム、ケアホームが建築基準法 では寄宿舎の扱いになったことから一般住宅とかけ離れたものになり、建設が難しくなっ ている。一般住宅やアパートを借り上げてグループホーム、ケアホームとして使えなくし てしまっている。 ○理由 グループホームとケアホームに仕分けする意味がわからない。ノーマライゼーションの 考え方からしても当然、統合すべきである。グループホーム、ケアホームを共同生活と考 えるのではなく「個人の住まい」の集まりと考えるべきである。さらに就労と居住はセッ トなので、就労支援との連動をさらに図っていく必要性があると考える。住まいは単に住 居を提供するというだけではなく、暮らしを支えるものである。特に一般就労をしている 場合、仕事は企業が支え、暮らしは福祉が支えるという双方からの支援がなければ安定し た生活は成り立たないと思われる。

【大久保委員】
○結論 現在、全国的に様々な法人格のもとでグループホーム等が増えていくなか、その運営や 支援の仕方によって、地域生活の意義が失われている事例もみられる。それは、利用者の 生活を特定の世話人や支援員との関係性に依存した場合、それらの人材の質に大きく影響 68 されるからである。バックアップ体制やネットワークのなかでグループホーム等が位置付 けられる仕組みが大切であると考える。 なお、グループホームとケアホームは今後一元化し、グループホームとすることが望ま しい。また、今後、高齢、重度・重複障害、行動障害など様々なニーズのある人たちの利 用が多くなることが想定され、それらに対応できる支援体制を確保する必要がある。 一方、定員の在り方については、大規模化を抑制する一方、地域の事情も勘案した検討 が必要と考える。

【大濱委員】
○結論 ・ケアホームとグループホームの機能はあまり変わらない。サービス量の差別化をするた めのものでしかないように思う

【岡部委員】
○結論 「特定の生活様式を義務づけられない」ためにも、地域移行においてグループホーム・ ケアホームを唯一の選択肢としてはならない。知的障害者においても重度訪問介護等を活 用し、「パーソナルアシスタントの支援を受けて自分の家で暮らす」という支援付き自立生 活(サポーテッドリビング)が一般化されるべきである。

【小澤委員】
○結論 ・地域生活支援の社会資源の要として、重視されている割には、補助額が少なく、人材確 保や事業運営に困難があること。 ・グループホーム、ケアホーム、それと、居住サポートを利用した地域生活の3つの社会 資源を、当事者の希望にそって整備していくこと。

【小田島委員】
○結論 障害の程度にかかわらず、必要な人はケアホームでホームヘルパーを使えるようにして、 69 ホームヘルパーを使ってもケアホームの単価は下げない。 ○理由 現在区分4 以上の人しかケアホームでホームヘルパーが利用できない。必要な時間で個 別の支援が使えないと、ケアホームは小さな施設になってしまう。利用者がホームヘルパ ーを使ってもケアホームの職員は減らせないので。

【小野委員】
○結論 グループホームに一本化し小規模化する。 ○理由 自立支援法によって、本来のグループホームの考え方と制度のあり方が崩れてしまった ため。

【門屋委員】
○結論 グループホームという住宅提供をベースとして、そこに住む障害者の支援サービス内容 を外から提供するのか、グループホーム事業所がホームヘルプなどが必要であれば、その 資格を持った人を雇用しサービスを提供するかの選択ができることでよろしいかと思いま す。その意味ではケアホームと分ける必要はないと思います。 ○理由 住宅提供を土台とすれば、家事、身体介護などの必要状態に合わせてサービスを使える 体制だけ確保されれば、生活は継続できると考えます。

【河崎(建)委員】
○結論 経営上の保障が不可欠である。さらに、自宅で住めない高齢者、障害者、要介護者全体 の施策が必要。 ○理由 単独では経営が成り立たない。日中活動を行って何とかやってゆけるようではGH.CH は この先伸びてゆかないと考えられる。また、政策により名称や内容がぶれ、非常にわかり 70 にくいものになっている。規制が多くなるほど展開しにくい。

【川崎(洋)委員】
○結論 狭い空間、固定化した人間関係の中で、本来の地域での自分らしい生活とはかけ離れて おり、暮らしの貧困化を招いている部分もあると思う。個々の人の生活の質の改善に対す る支援が必要。 ○理由 現状の職員体制は、短期間の非常勤によって支えられており、多様な個別ニーズに対応 できていない。職員体制の整備が必要。

【北浦委員】
○結論 重度重複の障害者であっても、自己の意思を伝えることができる人には、ケアホームで の生活を勧めることができるが、この場合の課題は、個人の状態に見合った24時間対応 の介護支援体制を確立しなければならないことである。また、その人が医療的ケアを必要 とする場合には、医療的ケアの24時間支援のシステムが必要である。そのための必要な 社会資源と相応の財源が用意されなければならない。 ○理由 自己の意思を伝えられる人は、グループホームやケアホームなどで生活することが出来 るようにすることは必要なことである。しかし、自らの意思伝達が困難で、苦痛や危険状 態、必要な支援内容を伝えることができない人の場合には、生命の危険にさらすことにな るので、ケアホームでの生活を勧めることはできない。

【君塚委員】
○結論 1、重度の障害者(「重症心身障害者を含む」)でも生活可能なケアホーム制度の確立 2、その為の、ケアホーム利用者への医療的援助を可能にする制度の導入 3、同じく、生活支援のための人員の確保または他の在宅支援サービスのグループホーム 内での利用を可能にする施策 71 ○理由 1、現在の重心施設や療護施設利用者の中には医療機関ではなくても生活可能なものが存 在するが、ほかに選択肢がない 2、常時医療的ケアが必要でなくても、生活維持のためには医療行為が必須の方も多いが、 現状では医療行為が許される基準が厳しく、施設(医療機関)でなければ利用できない 3、重症心身障害者など障害の重い場合、現在の基準では生活面の援助すら困難である

【倉田委員】
○結論 高齢化、医療的ケアなど多様化する利用者ニーズへの対応策が必要であるが、特に職員 の夜間常駐、休日の日中支援、医療的ケアの実施が可能となるよう、ホーム機能の強化(報 酬、運営基準、人員配置の見直し)を図る。また、グループホームとケアホームの整備促 進策(関係法令の適用緩和、初度経費・家賃の補助)の創設が必要である。 ○理由 ホーム利用者の高齢化をはじめ、医療的ケア、夜間休日を含む365日対応など重度障 害者への対応が可能なものとしなければ、退所を余儀なくされる利用者が続出し、施設入 所を選択せざるを得ない。また、新規ホームの設置が低調、常駐の世話人確保が困難な現 状から、新規の入所者受け入れが遅々として進まない。これらを打開するためには、実施 場所の確保が容易になるよう建築基準法、消防法等の適用緩和、ホームの整備費補助、人 材確保のための支援策が必要と考える。

【近藤委員】
○結論 報酬の低さ、職員体制の手薄さ、消防法や建築基準法による地方毎の規制などが問題点 として挙げられる。今後は、グループホーム・ケアホーム・福祉ホームを統合し、個人生 活タイプと共同生活タイプの2種による「地域生活ホーム」として整備、ホームヘルプサ ービスも利用できる一般の「住まいの場」としていく必要がある。 終の棲家として位置づけるのではなく、将来的には一般住宅での暮らしをめざす経過的 なものと位置づけるべきではないか。 また、金銭管理や各種の相談支援はバックアップ施設職員がボランティアとして関わっ 72 ているケースが多く、この点への財政的支援も必要である。 ○理由 報酬の低さが職員体制の手薄さにつながっている。この体制では、労働基準法違反にな ってしまいかねない。 障害のある人、障害のない人が対等の機会をもって同じ選択をできるようにするには、 最終的には一人で暮らすことができ、地域住民とともにある「生活の場」をめざすべきで はないか。

【齋藤委員】
○結論 グループホームが、それまでの福祉施設とは異なる地域の住まいとして提起されて20 年余りが経過する。しかし、その後の施策、特に障害者自立支援法は、それより施設化す ることしかできなかったといえる。もう一度原点に立って、地域の住まいとしてのグルー プホーム制度を確立するにはどうすればいいのかを考えなければならない。 ○理由 この論点表では、E項目で地域移行の重要性が言われているが、そのための地域の受皿 としてどう考えていくのか、そこにグループホームの求める位置はどれくらいなのかをし っかり据える必要がある。

【清水委員】
○結論 居住支援(居住空間確保及び生活基盤としての生活支援、家事支援、夜間支援体制など) と一人ひとりに必要なパーソナルな支援の両方が重なったものとして考えるべき。一人ぐ らしでも二人ぐらしでも、三人、四人ぐらしでも・・・、一人ひとりがよりその人らしさ を発揮できる状況を生み出すことが大切。その人らしさが際立ってこその共同生活。そし て、住民中の住民として暮らしていくこと。 ○理由 グループホーム、ケアホームは、地域の中で主体的に生きていこうとする本人と、地域 との関係の中で生まれてくるものであり、一人ひとりが主人公になって創り出していくも のだと思う。 73

【末光委員】
○結論 最重度の重症心身障害児者、とくに、重度の知的障害を伴い医療的な援助も日常的に必 要とする超重症・準超重症の重症心身障害児者に対しての、グループホーム、ケアホーム での日常的支援の可能性については、極めて慎重に検討される必要がある。 ○理由 全国の重症心身障害児者施設入所児者のうち3700 名以上が、吸引や経管栄養、人工呼 吸器治療などの日常的な医療的ケアを必要とする超重症・準超重症であり、また、この2 倍以上の多数の超重症・準超重症の重症心身障害児者が在宅で生活している。医療ニーズ を高く有するが身体状況の自己認識と意志表現が可能な筋ジストロフィー症など重度身 体障害者・難病患者への支援と、医療ニーズが高くかつ重度知的障害のため自己認識に限 界があり意志表現が困難な重症心身障害児者への支援とでは、質的に異なるものがある。 看護師による支援も確保しながら「関係性」や「習熟性」を複数スタッフが共有し、ケア の質がしっかり保たれなければ生命にもかかわるリスクが大きくなる。支援の量と質の確 保、財源の確保が、大きな課題である。

【竹端委員】
○結論 グループホームが「ミニしせつ」になりつつあることが、おおきな心ぱいである。一人 ひとりのくらしをささえる個別ケアが、グループホームであってもなされるため、パーソ ナルアシスタントをつかえたり、いろいろなくふうがひつようだ。 ○理由 私が7年前にスウェーデンをしらべたときも、「ミニしせつ」のことがもんだいとなっ ていた。それをふせぐため、スウェーデンでは、グループホームをつぎの三つにわけてい た。1,4人くらいまでの、医療的ケアなど支えんがたくさん必要な人のためのグループ ホーム(グループホーム単独建設型) 2,アパートのある階の部屋が一人ひとりの住ま いで、ごはんの時はスタッフのいる部屋にあつまるかたち(集合住宅の「ワンフロア独占」 型) 3,101号室や305号室などにわかれて住み、ごはんの時はスタッフのいる部 屋にあつまるかたち(集合住宅の「階段形式」型・「サテライト」型)。こういう住まい方 74 もせいどとして保しょうした方が良い。 参考:「スウェーデンではノーマライゼーションがどこまで浸透したか?」 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/other/takebata.html

【田中(正)委員】
○結論 まずは介護給付と訓練等給付の区分けを廃止する。報酬上の区分は新たな支援度区分な どを設けて残す。 ○理由 個別給付として位置づく際に当初訓練等給付のグループホームには期間が定められて いたが今は期限が定められていないため。

【中西委員】
○結論 基本的な生活は個人住宅によるものとして、グループホームは経過的な生活の場であり、 2年以上の滞在を許さないものとすべきである。 ○理由 グループホーム、ケアホームという4 名以上の集住方式は基本的に障害者の生活ニーズ に根ざしたものではなく安上がり福祉の象徴というものである。知的障害者はグループで 暮らした方が幸せだと風説を流しているが、個々人に聞いてみると他人との調整は非常に 大変で、世話人に多大な負担がかかるシステムとなっている。また大規模でなければ運営 が安定しない不安定な制度になっている。思春期を越えた障害者は健常者と同様、個人で の個別支援などの介助を使っての生活を求めており、障害者だけが特別な生活様式を押し 付けられていることは、障害者の権利条約19 条に違反する制度といえる。障害者の立場 からすれば、施設や親元からグループホームに移行するのも、一人暮らしに移行するのも 大差はない。そのような最終ゴールである、個別住宅に移行を最初から行い、これまでの 施設入所での過ちを繰り返さないですむのであり、過去の失敗に学ぶできである。 75

【中原委員】
○結論 ①障害者自立支援法によりグループホームはグループホームとケアホームに分かれたが、 従来のグループホームに一本化するべきである。 ②ケアホーム等における人的支援の強化が必要である。 ③廃案となった障害者自立支援法改正案にあったグループホーム・ケアホーム利用の際の 助成制度の創設が必要である。 ○理由 ①実態としてはグループホームとケアホームは一体的に運営されている事業所が多いに もかかわらず、制度上は分かれていることにより支援や事務に煩雑化が生じている。 ②行動上の課題や高齢化、医療的ケアなど特別な支援が必要な人の利用が増えていること から、夜間支援、ホームヘルプや移動支援などの人的支援の強化や、訪問看護等などの 医療的ケアが必要である。 ③また、障害者は障害基礎年金のみで生活している人も多くいることから、グループホー ム・ケアホーム利用の際の助成制度が必要である。

【西滝委員】
○結論 障害程度区分に関係なく、全ての住居に夜間世話人を配置する。また日中活動・就労し ている入居者が体調不調や年休取得のために、日中ホ-ムで過ごす場合の支援する世話人 が配置できるよう、世話人、生活支援員の大幅な報酬アップを行ない雇用の安定・継続を 図ること。当面、高齢者のグル-プホ-ム並みに。特に、夜間支援体制の強化が急務の課 題である。 病気等でホ-ムで生活ができなくなった場合の受入・支援体制の整備。火災等、緊急時 の対応。 ○理由 夜間世話人不在の状況での火災や緊急時の対応。ホ-ムの火災での悲惨な報道を見るた びに、常に同様の不安が脳裏をよぎる。 土・日祝日に世話人が配置できないとの理由で、親元 (自宅)に帰省させているホ-ム があるのが実態である。 76 非常勤でしかも交代が相次ぐ中で、継続した支援が困難。利用者の精神面での不安定の 大きな原因にもなっている。 入所施設等のバックアップ施設がある場合は、何とか緊急 (一時的)な支援・受け取め は可能だが、通所施設の場合は困難。 消防法の改正で、一定の設備基準は示され随時改善してきているが、夜間世話人が不在 の住居は不安でたまらない。

【野原委員】
○結論 グループホームとケアホームを一律に分けるのでなく(海外では特に分けていないとい うことも聞いている)、医療的ケアを必要とする障害者も受け入れられるような配慮、施 設整備を。 グループホームの世話人さんが障害の特性を知らない場合があると混乱する。世話人さ んや支援する立場の人への教育を重視すること。 ○理由 医療的ケアを必要としつつ、地域で生活をしていく難病・慢性疾患患者を受け入れる生 活施設はほとんどない。地域での医療機関との連携なども含めて、グループホーム、ケア ホームを柔軟に運営できるようにすることが必要。

【橋本委員】
○結論 最重度の身体障害者向け、たとえばALSや筋ジスなど人工呼吸療法に対応し、医療と 連携のとれるグループホームのニーズが高まっている。 デンマークの呼吸療法者は、訪問看護師とヘルパーの支援を受けて、地域で生活できる ようになっている。 ○理由 呼吸器装着の重度障害者であっても24時間の独居生活を実現していかなければなら ない。グループホームは選択肢のひとつとなりえる。 77

【東川委員】
○結論 障害程度で区分せずに暮らしの場としてのグループホームがつくられるべきである。 ALSや遷延性意識障害などの極めて濃密な医療的ケアの必要なグループホームは設 置基準も、人員配置も実態に即したものにすべきである。

○理由
高次脳機能障害者は、一見生活自立しているように思われるが、見守りや促しが必要な 場合も多い。したがって、障害程度区分では軽くても、実際にはケアホームが該当することもある。自立に向かう一つの生活の場として提供される必要がある。
利用料の日割り制度を廃止する。夜間も当直が配置できる人的配置を確保する。

【広田委員】
○結論
コンシューマーを選びすぎでエンドレスのところがあり、ひとりの人にコストがかかり すぎている

○理由
もっと必要としている人が待期中という現実がある

【福井委員】
○結論
問題点としては、職員の人間らしい労働保障、個人の費用負担の軽減などがある。障害 程度区分によって、身体介護や家事援助が利用できない、各ホームから通所事業所への送迎に対する補助がない、ホーム改修の負担が重い、生活支援員が必要に応じた勤務体制がとれないなどがある。普通の家と同じ空間、少人数での生活の場、地域の中で暮らせるスペースの保障は、今後拡充していくべきと考えるので、問題の解決を図るべきである。

○理由
「入院・施設入所から地域へ」の方針の中で、実態としての成果をあげている点を評価 したい。グループホームとケアホームを分けることは、事務的に煩雑になるだけで何のメリットもないので、分ける必要はない。グループホームだけでよい、という現場からの意見がある。

【藤井委員】
○結論
グループホームとケアホームの制度上の区分けは必要ない。なおグループホームに関す る問題点として、医療機関敷地内・医療機関施設利用に寄る地域移行型ホーム、退院支援施設が挙げられる。

○理由
介護保険との統合がなくなった今、類似事業の分離は必要ない。事業のシンプル化を図 るべきである。また、医療機関敷地内・医療機関施設利用によるグループホームは、地域移行とはほど遠いものである。

【藤岡委員】
○結論
職員の勤務条件の大幅な改善が急務。日割り報酬を廃止し、安定した運営が可能な制度 に改革。利用者の障害程度区分に左右される運営は廃止。
労基法、建築基準法、消防法も含め、各種法令の矛盾が噴出しているため、法の整合性 を政府が調整、整備。
報酬基準その他の法令の現状では、グループホーム・ケアホームの運営の困難性は極め て深刻である。

○理由
私が知っているグループホーム・ケアホームの多くは、劣悪な給与水準のために別にア ルバイトをしながらギリギリの生活をしている非常勤職員が有給休暇を取得することも 出来ず、ノートだけの引継ぎで職務も孤独に陥り疲弊し、短期で退職することが多い。 世話人が頻繁に変われば利用者が安心して暮らすことが出来ず、生活の質が低下する。 居住の場で日割り制度なので、長期の帰宅者が多数あれば運営が出来ない矛盾。 障害程度区分による単価の重度加算を考えなくては運営が成り立たない。 運営が成立するためには、定員は最低8名以上、障害程度区分は4以上の人が必要など になり、利用者の立場に立った事業になっていない法制度の矛盾。 消防法で270㎡以上でのスプリンクラー設置義務があるが、とくに新規開設には補助 もなく、結局それは利用者の家賃負担にはねかえってしまう。 当直により成り立つグループホームシステムと労働基準法は矛盾しており、多くのグル ープホーム事業者は労働基準法を遵守することが困難な実態にある。

【増田委員】
○結論
グループホームとケアホームの区別は廃止する.日割制度も廃止する.夜間も当直が配 置できる人的配置を確保する.

【三浦委員】
○結論
最重度の身体障害者も利用できるようケアホームのハード面での整備を推進するとと もに、夜間を含めた支援体制の充実が求められる。そのため、ホームヘルプサービス利用の制度化や公的な整備費の充実が更に必要である。また、補足給付や家賃補助等の経済的な負担軽減策が不可欠である。

○結論
現時点では、中間的な自立生活の場、地域生活の資源として極めて重要である。定員等 の条件は検討課題としながら、希望する人々が利用でき、また、生活を安心して継続できるための仕組みづくりが必要であるため。

【光増委員】
○結論 ①制度名の変更をグループホーム(共同生活援助)、ケアホーム(共同生活介護)をグル ープホーム(地域生活援助)に変更する。 ②グループホーム等は小規模な住居であるべきで、大規模化は避けるべきだ。 ③所得保障が実現していない現状では、家賃補助か補足給付的な制度で入居者の家賃の軽 減を図るべきだ。 ④地域移行型ホームは経過措置後に廃止する。 ⑤居住地特例はなくす方向で検討すべきである。 ⑥消防法、建築基準法、障害者自立支援法、総合福祉法で共通な位置づけを。 ⑦グループホーム、ケアホームで居宅介護(重度訪問介護、身体介護、行動援護、家事援 80 助)、と通院介助、移動支援、をサービス利用計画に基づいて支給決定ができるようにす べきである。障害程度区分での利用制限を撤廃する。 ⑧グループホーム等の制度を誰でも使えるように多様化すべきでないか ⑨特別支援学校等の大規模寄宿舎は廃止し、通学が困難な場合は、地域のグループホーム 等から通えるようにするか、学校の近くに小規模住居を設置し、通学できるようにすべ きで、大規模寄宿舎の見直しも検討。 ⑩夜間支援が必要な人には、必要な職員が配置出来るような制度に ⑪サービス管理責任者の役割の再確認と人材確保に関して GH・CH のサービス管理責任者は利用者30 人に1 名の配置である。利用者の意向に 基づくサービス利用個別支援計画の策定と提供管理、評価・検証、関係機関との連携、 自立支援協議会に参加し社会資源開発へ繋げる等、広範囲な業務を担う一方で、地域生 活経験が増すにつれ生活ニーズも多様化し、生活の質の変化も伴うのが普通である。義 務ではなく、専従可能な報酬単価の見直しと、サービス管理責任者の研修を強化すべき である。 ○理由 ① 制度名を「グループホーム(地域生活援助)」に統合する。介護給付と訓練等給付に 分かれた現制度なので、グループホーム・ケアホームに分かれたが、事業名を一本化。 グループホーム等の居住、生活実態に合わせて、共同生活でなく地域生活援助に名称も 変更し、入居者の居住権の選択、多様な住み方の選択も検討する。 ②障害者自立支援法で住む人数は一住居が2人~10人になった。しかし、建築上のコス ト、経営上で1住居10人の大規模な住居が増えつつある。4人から5人が住む一般住 宅から規模が拡大していくと生活上の問題、支援の質にも影響してくるので大規模な基 準は見直すべきだ。国庫補助を受けての新築の場合も1ユニット10人×3ユニット= 30人の新設も見られる。 また、住居と日中活動の場を合築するとか、同一敷地内の併設している事例も見られ るので、見直しが必要。 ③いくつかの自治体では家賃補助制度を設けて、障害のある人の地域生活を支援している。 地域で家賃の格差は大きい、補足給付的な考えの家賃補助制度を創設する事で、地域 生活を希望者の地域生活移行が可能になる。また地域生活をしている人たちの生活の安 定にもつながる。 81 ④普通のグループホーム等にする。 ⑤すぐには解決できないが問題ですが、地域住民としての地域生活なのですから、居住特 例の廃止時期と対策を検討する時期でないか ⑥この問題が整理できないので全国でグループホームの新設、増設、改修などで影響が出 ている。また新たな事業所申請にも影響が出ているので早急な対策が必要。 ⑦居宅介護の国庫負担基準の課題もあるが、居宅介護が必要な人には、必要な支給決定が できるように、相談支援事業所と連携しケアプランを作成し支給量の調整ができるよう に市町村に働きかけていく必要がある。また昨年10月から身体障害者にもグループホ ーム等の利用ができるようになったので、居宅介護の必要性も高くなっている。 ⑧現在の居住権がない共同生活援助、共同生活介護の制度だけでなく、居住権があるタイ プのグループホーム、障害者だけではなく様々な人が居住するタイプなどグループホー ムを多様化すべきだ ⑨教育の問題ではあるが、特別支援学校(養護学校等)の寄宿舎のあり方は、教育、福祉 と連携して解決する問題であると思う。 ⑩夜間支援の体制に関しては、現状を見直して必要な職員を配置出来るように支援体制と 報酬両面で見直しが必要。グループホームには、夜間防災体制加算ができているが、区 分に関係なく見守り支援が必要な入居者がいる場合は、必要な人員を配置出来るか加算 にすべきである。 ⑪地域生活は施設・病院等の限られた空間・限られた人間関係・限られた活動等の環境と は正反対の暮らしであり、生活ニーズは絶えず変化している。対応する世話人・生活支 援員・ホームヘルパー等の支援者は、支援内容の評価・検証、支援技術のスキルアップ が求められる、こうした人材へのスーパーバイズを含め、ケアマネジメントに基づくサ ービス提供と責任を担うサービス管理責任者業務は、兼務ではなく専従とすべきである。

【森委員】
○結論
グループホームとケアホームとを区分する体系は、速やかに廃止し統一すべきと考える。また、利用並びに運営費に対する助成とともに、障害程度区分による制限はなくすべきである。その他、居住地の地域社会における障害理解、並びに金銭管理なども含めて、商店街での見守り支援なども必要である。さらに介護給付、訓練等給付などのサービスと組み合わせて利用する場合の総合的な相談支援、サービス提供関係機関のネットワークの充実も求められる。 ○理由 現行のグループホームと、ケアホームとを区分する体系は形式的であり、障害者が地域 で豊かな生活をおくるシステムになっているとは考えられない。

【山本委員】
○結論 グループホームケアホームは廃止すべきである ○理由 先に述べたように施設であり、居住権を保障されておらず、いつでも運営がわが障害者 を追い出せる。 また精神障害者にとってはデイケアあるいは作業所への通所を強制される、自己決定を 無視した施設であること、あるいは地域を支配しているサービス提供者医療機関の囲い込みであるから