障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見) (障がい者制度改革推進会議)【概要】
背景・経緯
- 日本の障害者福祉政策の経緯、障害者の人権確保に関する国際的な取組(「障害者の権利宣言」(1975)、「国連障害者の十年」(1983~)等)→障害者権利条約の採択(2006)、発効(2008)→締結に向け国内の制度改革へ
- 「障がい者制度改革推進本部」を内閣に設置(昨年12月)・・・条約の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革の実施
- 「障がい者制度改革推進会議」の開催(本年1月~)・・・障害当事者を中心に構成し、改革の「エンジン部隊」として計14回にわたり審議
↓
第一次意見の取りまとめ (H22.6.7) |
基本的考え方
- 「権利の主体」である社会の一員
- 「差別」のない社会づくり
- 「社会モデル」的観点からの新たな位置付け
- 「地域生活」を可能とするための支援
- 「共生社会」の実現
基礎的な課題における改革の方向性
- 地域で暮らす権利の保障とインクルーシブな社会の構築・・・
地域移行や地域生活支援の充実を柱に据えた施策の展開 - 障害の捉え方・・・国民全体の意識改革(医学モデル→社会モデル)
- 障害の定義・・・サービスを必要とするすべての障害者を支援
- 差別の定義・・・法律における定義の明確化(合理的配慮を含む)
- 言語・コミュニケーションの保障・・・法律における定義の明確化
- 虐待のない社会づくり・・・虐待防止、被害の救済等の制度構築
- 障害の表記・・・国民各層の議論動向を踏まえた考え方の整理
- 実態調査・・・障害者及び家族の実態把握
横断的課題における改革の基本的方向性
1)-1 「障害者基本法」の抜本的改正
1)-2 改革集中期間における推進体制
|
2)「障害を理由とする差別の禁止法」(仮称)等の制定
|
3)「障害者総合福祉法」(仮称)の制定
|
障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方
個別分野における基本的方向と今後の進め方
※各個別分野については、改革の集中期間内に必要な対応を図るよう、工程表としてそれぞれ検討期間を設定
1)労働及び雇用 ・雇用率制度の在り方の検証・検討(~24年度) ・福祉的就労への労働法規の適用の在り方(~23年度) ・職場での合理的配慮確保のための方策(~24年度) 等 |
2)教育 ・障害の有無にかかわらず共に教育を受けられる教育制度(インクルーシブ教育)の基本的方向(~22年度) ・手話・点字等に通じた教員等の確保・専門性の向上に係る方策(~24年) 等 |
3)所得保障等 ・障害者の所得保障の在り方を公的年金の抜本見直しに併せて検討(~24年) ・住宅の確保のための支援の在り方(~24年) 等 |
4)医療 ・精神障害者の強制入院等の在り方((~24年) ・社会的入院等を解消するための体制(~23年度) ・医療費用負担の在り方(応能負担)(~23年) 等 |
5)障害児支援 ・相談・療育支援体制の改善に向けた方策(~23年) 等 |
6)虐待防止 ・行為者の範囲、救済・監視機関の在り方 等 |
7)建物利用・交通アクセス ・地方のバリアフリー整備の遅れ解消の方策(~22年度) 等 |
8)情報アクセス・コミュニケーション保障 ・情報バリアフリー化のための環境整備の在り方(~24年) ・障害特性に応じた災害時緊急連絡の伝達の方策(~24年) 等 |
9)政治参加 ・選挙情報への障害者のアクセスを容易にする取組(~22年度) ・投票所のバリア除去等 等 |
10)司法手続 ・刑事訴訟手続における障害の特性に応じた配慮方策(~24年) ・司法関係者に対する研修の一層の充実 等 |
11)国際協力 ・アジア太平洋での障害分野の国際協力への更なる貢献 等 |