差別禁止部会 第11回(H23.12.9) 資料3 委員提出資料 ○池原毅和委員、大谷恭子委員、竹下義樹委員 2007年日弁連法案概要についての第4 建築物の利用 第5 交通機関の利用部分の抜粋 第4 建築物の利用 1 建築物を円滑に利用する権利  何人も、障がいを理由として、いかなる差別を受けることなく、不特定多数の者の利用に供されている建築物(これに附属する出入口、廊下、階段、昇降機、便所及び敷地内の通路その他の施設を含む。以下「建築物」という。)を円滑に利用する権利を有し、機会を保障されるものとする。 2 合理的配慮義務 (1)建築物の設置者及び管理者は、当該建築物が障がいのある人の円滑な利用を促進するために必要な建築物の構造及び設備に関する最低整備基準(以下「最低整備基準」という。)に適合しない場合、これを是正する措置を講じる義務を負う。 (2)最低整備基準は、障がいのある人の権利委員会が別に規則で定める。 (3)建築物の建築主、設計者、施工者、設置者及び管理者は、その他、障がいのある人の建築物を円滑に利用する権利を実質的に保障するために必要な合理的配慮を行う義務を負う。 (4)建築物が最低整備基準に適合していることは、(3)の義務を免除するものと解釈してはならない。 3 差別の定義  建築物の利用における差別とは、次に掲げるものをいうものとする。 (1)建築主、設計者又は施工者が、最低整備基準に適合しない建築物を新たに建築、設 計又は施工すること。 (2)設置者又は管理者が、障がいを理由として、当該建築物の利用を拒否若しくは制限し、又は当該建築物の利用について不利益な取扱いを行うこと。 (3)(1)(2)の者が、2(1)(3)の合理的配慮義務に違反すること。 4 適用除外 (1)3は、人の生命、身体又は財産の保護のためやむを得ない必要がある場合は、適用 しない。 (2)3(3)は、3(1)(2)の者において著しい困難又は出費がある場合は適用しない。 (3)(1)(2)に規定する事由の具体的内容は、障がいのある人の権利委員会が別に規則で 定めるものとする。 (4)(2)の「著しい困難又は出費」の有無は、第3、4(4)と同じものとする。 5 差別の推定  建築主、設計者、施工者、設置者又は管理者が、建築物の利用に関し、障がいのある人をそうでない人と比較して不利益に取り扱ったときは、当該行為は障がいを理由として行われたものと推定するものとする。 第5 交通機関の利用 1 公共交通機関を利用して移動する権利 (1)何人も、障がいを理由として、いかなる差別を受けることなく、公共交通機関を利用して円滑に移動する権利を有し、機会を保障されるものとするものとする。 (2)障がいのある人は、国、地方公共団体及び公共交通事業者(以下「公共交通事業者等」という。)に対して、公共交通機関を利用した円滑な移動を確保するために必要な補助を求める権利を有するものとする。 2 合理的配慮義務 (1)公共交通事業者等は、旅客施設及び車両等(以下「旅客施設等」という。)が障がいのある人の公共交通機関を利用した円滑な移動を確保するために必要な旅客施設等の構造及び設備に関する整備計画(以下「整備計画」という。)に適合しない場合、これを是正するために必要な措置を講じる義務を負う。 (2)旅客施設等は、障がいのある人の権利委員会が別に規則で定めるものとする。 (3)整備計画は、障がいのある人の権利委員会が別に規則で定めるものとする。 (4)公共交通事業者等は、(1)に定める他、障がいのある人の公共交通機関を利用して円滑に移動する権利を実質的に保障するために必要な合理的配慮を行う義務を負う。 (5)旅客施設等が整備計画に適合していることは、(4)の義務を免除するものと解釈してはならない。 3 差別の定義 交通機関の利用に関する差別とは、次に掲げるものをいうものとする。 (1)公共交通事業者等が、次の行為を行うこと。 1)整備計画に適合しない旅客施設等を新たに建設し、又は新たに事業の用に供すること。 2)障がいを理由として、その設置又は管理する旅客施設等の利用を拒否若しくは制限し、又は旅客施設等の利用について不利益な取扱いを行うこと。 (2)公共交通事業者等が、2(1)(4)の合理的配慮義務に違反すること。 4 適用除外 (1)3は、人の生命、身体、財産の保護のためやむを得ない必要がある場合は、適用しない。 (2)3(2)は、公共交通事業者等において、著しい困難又は出費がある場合は、適用しない。 (3)(1)(2)に規定する事由の具体的内容は、障がいのある人の権利委員会が別に規則で定めるものとする。 (4)(2)の「著しい困難又は出費」の有無は、第3、4(4)と同じものとする。 5 差別の推定  公共交通事業者等が、公共交通機関の利用に関し、障がいのある人をそうでない人と比較して不利益に取り扱ったときは、当該行為は障がいを理由として行われたものと推定するものとする。 6 国及び地方公共団体の移動補助者養成義務  国及び地方公共団体は、障がいのある人の公共交通機関を利用した円滑な移動を確保するため、その移動を補助する移動補助者を養成し、障がいのある人の要請に応じて移動補助者を無償で派遣する体制を整えなければならない。 7 公共交通事業者等の職員研修義務  公共交通事業者等は、障がいのある人が円滑に旅客施設等を利用できるようにするため、職員に対して必要な研修を実施し、研修を受けた職員を相当数配置しなければならない。