差別禁止部会 第18回(H24.5.11) 参考資料1 障害女性に関連する国内法、条約、各国法の抜粋 日本国憲法(抄) 第十四条  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 2〜3 (略) 男女共同参画社会基本法(平成11年6月23日法律第78号)(抄) (男女の人権の尊重) 第三条  男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。 (社会における制度又は慣行についての配慮) 第四条  男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形成を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。 労働基準法(昭和22年4月7日法律第49号)(抄) (男女同一賃金の原則) 第四条  使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。 第十二条  この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した金額を下つてはならない。  一 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十  二 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額 2 前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。 3 前二項に規定する期間中に、次の各号の一に該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、前二項の期間及び賃金の総額から控除する。  一 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間  二 産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間  三 使用者の責めに帰すべき事由によつて休業した期間  四 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業(同法第六十一条第三項(同条第六項及び第七項において準用する場合を含む。)に規定する介護をするための休業を含む。第三十九条第八項において同じ。)をした期間  五 試みの使用期間 4 第一項の賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。 5 賃金が通貨以外のもので支払われる場合、第一項の賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。 6 雇入後三箇月に満たない者については、第一項の期間は、雇入後の期間とする。 7 日日雇い入れられる者については、その従事する事業又は職業について、厚生労働大臣の定める金額を平均賃金とする。 8 第一項乃至第六項によつて算定し得ない場合の平均賃金は、厚生労働大臣の定めるところによる。 (解雇制限) 第十九条  使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。 2 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。 (坑内業務の就業制限) 第六十四条の二  使用者は、次の各号に掲げる女性を当該各号に定める業務に就かせてはならない。  一 妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後一年を経過しない女性坑内で行われるすべての業務  二 前号に掲げる女性以外の満十八歳以上の女性坑内で行われる業務のうち人力により行われる掘削の業務その他の女性に有害な業務として厚生労働省令で定めるもの (危険有害業務の就業制限) 第六十四条の三  使用者は、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。 2 前項の規定は、同項に規定する業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、厚生労働省令で、妊産婦以外の女性に関して、準用することができる。 3 前二項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、厚生労働省令で定める。 (産前産後) 第六十五条  使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。 2 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。 3 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。 第六十六条  使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十二条の二第一項、第三十二条の四第一項及び第三十二条の五第一項の規定にかかわらず、一週間について第三十二条第一項の労働時間、一日について同条第二項の労働時間を超えて労働させてはならない。 2 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十三条第一項及び第三項並びに第三十六条第一項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。 3 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。 (育児時間) 第六十七条  生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。 2 使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。 (生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置) 第六十八条  使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年7月1日法律第113号)(抄) (基本的理念) 第二条  この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあつては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。 2 (略) 第二章雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等 第一節性別を理由とする差別の禁止等 (性別を理由とする差別の禁止) 第五条  事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。 第六条  事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。  一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練  二 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの  三 労働者の職種及び雇用形態の変更  四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新 (性別以外の事由を要件とする措置) 第七条  事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。 (女性労働者に係る措置に関する特例) 第八条  前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。 (婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等) 第九条  事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。 2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。 3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和22年法律第49号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。 4 妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。 (指針) 第十条  厚生労働大臣は、第五条から第七条まで及び前条第一項から第三項までの規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。 2 第四条第四項及び第五項の規定は指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第四項中「聴くほか、都道府県知事の意見を求める」とあるのは、「聴く」と読み替えるものとする。 (妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置) 第十二条  事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。 第十三条  事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。 2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。 3 第四条第四項及び第五項の規定は、指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第四項中「聴くほか、都道府県知事の意見を求める」とあるのは、「聴く」と読み替えるものとする。 第三節事業主に対する国の援助 第十四条  国は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇が確保されることを促進するため、事業主が雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的とする次に掲げる措置を講じ、又は講じようとする場合には、当該事業主に対し、相談その他の援助を行うことができる。  一 その雇用する労働者の配置その他雇用に関する状況の分析  二 前号の分析に基づき雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善するに当たつて必要となる措置に関する計画の作成  三 前号の計画で定める措置の実施  四 前三号の措置を実施するために必要な体制の整備  五 前各号の措置の実施状況の開示 障害者の権利に関する条約(日本政府仮訳) 前文 この条約の締約国は、 (a)〜(p) (略) (q) 障害のある女子が、家庭の内外で暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取を受ける一層大きな危険にしばしばさらされていることを認め、 (r) (略) (s) 障害者による人権及び基本的自由の完全な享有を促進するためのあらゆる努力に性別の視点を組み込む必要があることを強調し、 (t)〜(y) (略) 第六条 障害のある女子 1 締約国は、障害のある女子が複合的な差別を受けていることを認識し、及びこの点に関し、障害のある女子がすべての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを確保するための措置をとる。 2 締約国は、女子に対してこの条約に定める人権及び基本的自由を行使し、及び享有することを保障することを目的として、女子の完全な能力開発、向上及び自律的な意思決定力を確保するためのすべての適当な措置をとる。 第十六条搾取、暴力及び虐待からの自由 1 締約国は、家庭の内外におけるあらゆる形態の搾取、暴力及び虐待(性別に基づくものを含む。)から障害者を保護するためのすべての適当な立法上、行政上、社会上、教育上その他の措置をとる。 2 また、締約国は、特に、障害者並びにその家族及び介護者に対する適当な形態の性別及び年齢に配慮した援助及び支援(搾取、暴力及び虐待の事案を防止し、認識し、及び報告する方法に関する情報及び教育を提供することによるものを含む。)を確保することにより、あらゆる形態の搾取、暴力及び虐待を防止するためのすべての適当な措置をとる。締約国は、保護事業が年齢、性別及び障害に配慮したものであることを確保する。 3 締約国は、あらゆる形態の搾取、暴力及び虐待の発生を防止するため、障害者に役立つことを意図したすべての施設及び計画が独立した当局により効果的に監視されることを確保する。 4 締約国は、あらゆる形態の搾取、暴力又は虐待の被害者となる障害者の身体的、認知的及び心理的な回復、リハビリテーション並びに社会復帰を促進するためのすべての適当な措置(保護事業の提供によるものを含む。)をとる。このような回復及び復帰は、障害者の健康、福祉、自尊心、尊厳及び自律を育成する環境において行われるものとし、性別及び年齢に応じたニーズを考慮に入れる。 5 締約国は、障害者に対する搾取、暴力及び虐待の事案が特定され、捜査され、及び適当な場合には訴追されることを確保するための効果的な法令及び政策(女子及び児童に重点を置いた法令及び政策を含む。)を策定する。 第二十三条 家庭及び家族の尊重 1 締約国は、他の者との平等を基礎として、婚姻、家族、親子関係及び個人的な関係に係るすべての事項に関し、障害者に対する差別を撤廃するための効果的かつ適当な措置をとる。この措置は、次のことを確保することを目的とする。 (a) 婚姻をすることができる年齢のすべての障害者が、両当事者の自由かつ完全な合意に基づいて婚姻をし、かつ、家族を形成する権利を認められること。 (b) 障害者が子の数及び出産の間隔を自由にかつ責任をもつて決定する権利を認められ、また、障害者が年齢に適した情報を利用する権利並びに生殖及び家族計画について年齢に適した教育を享受する権利を認められること。さらに、障害者がこれらの権利を行使することを可能とするために必要な手段を提供されること。 (c) 障害者(児童を含む。)が、他の者との平等を基礎として生殖能力を保持すること。 2 締約国は、子の後見、養子縁組又はこれらに類する制度が国内法令に存在する場合には、それらの制度に係る障害者の権利及び責任を確保する。あらゆる場合において、子の最善の利益は至上である。締約国は、障害者が子の養育についての責任を遂行するに当たり、当該障害者に対して適当な援助を与える。 3 締約国は、障害のある児童が家庭生活について平等の権利を有することを確保する。締約国は、この権利を実現し、並びに障害のある児童の隠匿、遺棄、放置及び隔離を防止するため、障害のある児童及びその家族に対し、包括的な情報、サービス及び支援を早期に提供することを約束する。 4 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。いかなる場合にも、児童は、自己の障害又は父母の一方若しくは双方の障害に基づいて父母から分離されない。 5 締約国は、近親の家族が障害のある児童を監護することができない場合には、一層広い範囲の家族の中で代替的な監護を提供し、及びこれが不可能なときは、地域社会の中で家庭的な環境により代替的な監護を提供するようあらゆる努力を払う。 第二十五条健康 締約国は、障害者が障害に基づく差別なしに到達可能な最高水準の健康を享受する権利を有することを認める。締約国は、障害者が性別に配慮した保健サービス(保健に関連するリハビリテーションを含む。)を利用する機会を有することを確保するためのすべての適当な措置をとる。締約国は、特に、次のことを行う。 (a) 障害者に対して他の者に提供されるものと同一の範囲、質及び水準の無償の又は負担しやすい費用の保健及び保健計画(性及び生殖に係る健康並びに住民のための公衆衛生計画の分野のものを含む。)を提供すること。 (b) 障害者が特にその障害のために必要とする保健サービス(早期発見及び適当な場合には早期関与並びに特に児童及び高齢者の新たな障害を最小限にし、及び防止するためのサービスを含む。)を提供すること。 (c) これらの保健サービスを、障害者自身が属する地域社会(農村を含む。)の可能な限り近くにおいて提供すること。 (d) 保健に従事する者に対し、特に、研修を通じて及び公私の保健に関する倫理基準を広く知らせることによって障害者の人権、尊厳、自律及びニーズに関する意識を高めることにより、他の者と同一の質の医療(例えば、事情を知らされた上での自由な同意を基礎とした医療)を障害者に提供するよう要請すること。 (e) 健康保険及び国内法により認められている場合には生命保険の提供に当たり、公正かつ妥当な方法で行い、及び障害者に対する差別を禁止すること。 (f) 保健若しくは保健サービス又は食糧及び飲料の提供に関し、障害に基づく差別的な拒否を防止すること。 第二十八条相当な生活水準及び社会的な保障 1 締約国は、障害者が、自己及びその家族の相当な生活水準(相当な食糧、衣類及び住居を含む。)についての権利並びに生活条件の不断の改善についての権利を有することを認めるものとし、障害に基づく差別なしにこの権利を実現することを保障し、及び促進するための適当な措置をとる。 2 締約国は、社会的な保障についての障害者の権利及び障害に基づく差別なしにこの権利を享受することについての障害者の権利を認めるものとし、この権利の実現を保障し、及び促進するための適当な措置をとる。この措置には、次のことを確保するための措置を含む。 (a) 障害者が清浄な水のサービスを利用する均等な機会を有し、及び障害者が障害に関連するニーズに係る適当なかつ費用の負担しやすいサービス、補装具その他の援助を利用する機会を有すること。 (b) 障害者(特に、障害のある女子及び高齢者)が社会的な保障及び貧困削減に関する計画を利用する機会を有すること。 (c) 貧困の状況において生活している障害者及びその家族が障害に関連する費用についての国の援助(適当な研修、カウンセリング、財政的援助及び介護者の休息のための一時的な介護を含む。)を利用する機会を有すること。 (d) 障害者が公営住宅計画を利用する機会を有すること。 (e) 障害者が退職に伴う給付及び計画を利用する均等な機会を有すること。 障害者差別禁止及び権利救済等に関する法律(韓国)(抄) 第2章 差別禁止 第3節 財と用益の提供及び利用 第25条(体育活動の差別禁止)  @体育活動を主催・主管する機関や団体、体育活動を目的とする体育施設の所有・管理者は、体育活動への参加を望む障害者を、障害を理由に制限・排除・分離・拒否してはならない。  A国家及び地方自治団体は、自らの運営又は支援する体育プログラムが障害者の性別、障害の種別及び程度、特性等を考慮して運営されるようにするものとし、障害者の参加のために必要な正当な便宜を供与しなければならない。  B国家及び地方自治団体は、障害者が体育活動に参加することができるよう必要な施策を講じなければならない。  C第2項の規定の施行において必要な事項は大統領令で定める。 第5節 母・父性権・性等 第28条(母・父性権の差別禁止)  @何人も障害者の妊娠、出産、養育等、母・父性権において、障害を理由に制限・排除・分離・拒否してはならない。  A養子機関は、障害者が養子縁組を行おうとする際、障害を理由に養子縁組を行う資格を制限してはならない。  B教育責任者及び「嬰幼児保育法」に基づく保育施設及びその従事者と「児童福祉法」による児童福祉施設及びその従事者等は、父母が障害者であるという理由でその子女を区分し、又は不利益を与えてはならない。  C国家及び地方自治団体で直接運営し、又はそこから委託或いは支援を受けて運営する機関は、障害者の避妊及び妊娠・出産・養育等における実質的な平等を保障するため、関係法令が定めるところにより障害種別及び程度に適合した情報・介助者派遣サービス等の提供及び補助機器・道具等の開発等、必要な支援策を準備しなければならない。  D国家及び地方自治団体は、妊娠・出産・養育等のサービス提供と関連して、この法に定める差別行為を行わないように広報・教育・支援・監督しなければならない。 第29条(性による差別禁止)  @すべての障害者の性に関する権利は尊重されなければならず、障害者はこれを主体的に表現し享有することができる性的自己決定権を持つ。  A家族・家庭及び福祉施設等の構成員は、障害者に対し障害を理由に性生活を享有する空間及びその他の道具の使用を制限する等、障害者が性生活を享有する機会を制限し、又は剥奪してはならない。  B国家及び地方自治団体は、障害者が性を享有する権利を保障するために、関係法令で定めるところにより、必要な支援策を講じ、障害を理由とする性に対する偏見・慣習その他のすべての差別的慣行をなくすための広報・教育をしなければならない。 第6節 家族・家庭・福祉施設・健康権 第31条(健康権における差別禁止)  @医療機関及び医療従事者等は、障害者に対し、医療行為において障害者を制限・排除・分離・拒否してはならない。  A医療機関及び医療従事者等は、障害者の医療行為と医学研究等において、障害者の性別、障害の種別及び程度、特性等を積極的に考慮しなければならず、医療行為においては、障害者の性別等に適合した医療情報等の必要な事項を障害者等に提供しなければならない。  B公共機関は、健康と関連した教育課程を施行するに当たり、必要であると判断される場合、障害者の性別等を反映する内容を含まなければならない。  C国家及び地方自治団体は、先天的・後天的障害発生の予防及び治療等のために必要な施策を推進しなければならず、保健・医療施策の決定と執行過程で障害者の性別等を考慮しなければならない。 第32条(いじめ等の禁止)  @障害者は、性別、年齢、障害の種別及び程度、特性等に関係無く、すべての暴力から自由である権利を持つ。  Aいじめ等の被害を受けた障害者は、相談及び治療、法律救助その他適切な措置を受ける権利を有し、いじめ等の被害を申告したという理由で不利益な処遇を受けてはならない。  B何人も、障害を理由に、学校、施設、職場、地域社会等で障害者又は障害者に関係を有する者に集団仲間はずれや冒涜、さげすみを誘発する言語的表現や行動をしてはならない。  C何人も、障害を理由に、私的な空間、家庭、施設、地域社会等で、障害者又は障害者に関係を有する者に遺棄、虐待、金銭的搾取をしてはならない。  D何人も、障害者の性的自己決定権を侵害し、又は羞恥心を刺激する言語表現、嫌がらせ、障害の状態を利用した醜行及び強姦等を行ってはならない。  E国家及び地方自治団体は、障害者に対するいじめ等を根絶するための認識改善及びいじめ等の防止のための教育を実施し、適切な施策を講じなければならない。 第3章 障害女性及び障害児童等 第33条(障害女性に対する差別禁止)  @国家及び地方自治団体は、障害をもつ女性であることを理由にすべての生活領域において差別をしてはならない。  A何人も、障害女性に対し、妊娠・出産・養育・家事等において、障害を理由にその役割を強制又は剥奪してはならない。  B使用者は、男性労働者又は障害者ではない女性労働者に比べ、障害女性労働者を不利に遇してはならず、職場保育サービスの利用等において、次の各号の正当な便宜供与を拒否してはならない。   1.障害の種別及び程度に伴う円滑な授乳支援   2.子女の状態を確認することができる疎通方法の支援   3.その他に、職場保育サービスの利用等において必要な事項  C教育機関、事業所、福祉施設等の性暴力予防教育の責任者は、性暴力予防教育を実施するに当たり、障害女性に対する性認識及び性暴力の予防に関する内容を含めなければならず、その内容が障害女性を歪曲してはならない。  D教育機関及び職業訓練を主管する機関は、障害女性に対し、次の各号の差別をしてはならない。但し、次の各号の行為が、障害女性の特性を考慮し適切な教育及び訓練を提供することを目的にすることが明白な場合にはこれを差別とは看做さない。   1.学習活動の機会制限及び活動の内容を区分する場合   2.就職教育及び進路選択の範囲等を制限する場合   3.教育と関連する計画及び情報提供の範囲を制限する場合   4.その他教育において正当な事由なく障害女性を不利に遇する場合  E第3項を適用するに当たり、その適用対象の事業所の段階的範囲と第3項第3号のその他必要な事項の具体的内容等は大統領令で定める。 第34条(障害女性に対する差別禁止のための国家及び地方自治団体の義務)  @国家及び地方自治団体は、障害女性に対する差別要因が除去されることができるよう、認識改善及び支援策等の政策及び制度の準備等、積極的措置を講じなければならず、統計及び調査研究等においても障害女性を考慮しなければならない。  A国家及び地方自治団体は、政策の決定と執行過程において、障害女性であることを理由に参与の機会を制限し、又は排除してはならない。 第36条(障害児童に対する差別禁止のための国家及び地方自治団体の義務)  @国家及び地方自治団体は、障害児童が、障害を理由とするいかなる種類の差別なしに、他の児童と同等な権利と自由を享受することができるよう、必要な措置を尽くさなくてはならない。  A国家及び地方自治団体は、障害児童の性別、障害の種別及び程度、特性に合ったサービスを早期に提供することができるように措置しなければならず、このために障害児童を保護する親権者及び養育責任者に対する支援策を準備しなければならない。 2010年平等法(イギリス)(抄) 第2編平等:重要な概念  第1章 保護特性  4 保護特性    下記の特徴を保護特性とする。    年齢    障害    性転換    婚姻および同性婚    妊娠および出産    人種    宗教または信条    性別    性的指向  第2章禁止行為差別  13 直接差別  (1) ある者(A) が、保護特性を理由としてもう一人の者(B) を他者よりも不利益に取り扱った場合、A はBを差別したことになる。  (2) 保護特性が年齢である場合、AによるBの取り扱いが適法な目的達成のために妥当であることを証明したときには、AはBを差別したことにはならない。  (3) 保護特性が障害であり、Bが障害者でないときにおいて、AがBよりも障害者を有利に取り扱いまたは取り扱おうとしたことはB に対する差別にはあたらない。  (4) 保護特性が婚姻および同性婚である場合、B への取り扱いの理由が婚姻者または同性婚者であることのみであるときには本条は第5 編(労働)の違反に適用される。  (5) 保護特性が人種である場合、不利益な取り扱いにはB を他者から隔離することが含まれる。  (6) 保護特性が性別である場合、   (a) 女性の不利益な取り扱いには、授乳中であることを理由とする不利益な取り扱いを含む。   (b) Bが男性である場合、妊娠または出産に関する女性のための特権を要求することはできない。  (7) 第(6)項第(a)号は、第5編(労働)には適用されない。  (8) 本条は第17条第(6)項および第18条第(7)項に従う。  14 複合差別: 二重特性  (1) ある者(A)が他の者(B)を、2つの当該保護特性の複合を理由として、Aはこれらの保護特性のいずれかを共有する者よりもBを不利益に取扱い、また取り扱おうとした場合、AはBを差別したことになる。  (2) 当該保護特性とは下記をいう。   (a) 年齢   (b) 障害   (c) 性転換   (d) 人種   (e) 宗教または信条   (f) 性別   (g) 性的指向  (3) 第(1)項を理由とする本法違反の認定にあたり、Bは、複合する特性のそれぞれを(別個に取り上げて)理由として、AがBの直接差別を行ったことを証明する必要はない。  (4) Bはその一方で、本法の他の条項あるいは他の法令に基づき、AによるBの取り扱いが特性のいずれかまたは両方の直接差別にあたらないことをA が証明した場合には、第(1)項が規定する本法違反の主張を行うことができない。  (5) 第(1)項は、特性に障害が含まれる場合であって、障害による直接差別の訴えがなされていれば第116条(特別教育の必要性)に該当したであろう複合差別には適用されない。  (6) 閣内大臣は、命令により本条を下記のように修正することができる。   (a) 第(1)項を根拠としてB が本法違反の訴えを行うことができるまたはできない状況についての規定を設けること。   (b) 第(1)項が適用されない状況を指定すること。  (7) 直接差別とは、第13 条を根拠とする本法違反をいう。 1993年人権法(ニュージーランド)(抄) 第2編 違法な差別差別禁止事由 第21条 差別禁止事由 (1) 本法の趣旨において、差別禁止事由とは以下の事項に相当する。  (a) 性別妊娠及び出産を含む。  (b) 婚姻区分これは以下のいずれかの境遇にあることを意味する。   (@) 独身者   (A) 婚姻関係、同性婚、又は内縁関係にある。   (B) 残された配偶者。又は同性婚若しくは内縁関係の残されたパートナ ー。   (C) 配偶者又は同性婚のパートナーで離縁した人。   (D) すでに解消している婚姻関係若しくは同性婚の当事者。又はすでに終了している内縁関係の当事者。  (c) 宗教的信条  (d) 倫理的信条これは、ある特定の宗教又は複数の宗教又はすべての宗教のいずれに関してであれ、宗教的信条を持たないことを意味する。  (e) 肌の色  (f) 人種  (g) 民族的出自又は出身国。国籍又は市民権を含む。  (h) 障害これは以下を意味する。   (@) 身体の障害(能力障害)又は機能障害   (A) 身体の病気   (B) 心の病気   (C) 知的又は心理的な障害(能力障害)又は機能障害   (D) その他の何らかの、心理的、身体的又は解剖学的な構造又は機能の喪失又は異常   (E) 盲導犬、車いす、又はその他の治療手段を生活のために必要とすること   (F) 病気を引き起こしうる有機体を体内に持つこと   (i) 年齢これは以下を意味する。    (@) 本法第22条〜第41条及び第70 条の趣旨において、かつ1994年2月1日から1999年1月31日までの期間に発生する何らかの年齢に基づく異なる待遇に関しては、16歳から、年齢が問題になった人と同年齢の人々が2001年ニュージーランド老齢退職年金法第7 条に従って国の老齢年金の受給資格を持つ日までの年齢(当該の特定の人が当該年齢又は他の年齢で国の老齢年金の受給資格があるか否かに関わらない)。    (A) 本法第22 条〜第41条及び第70条の趣旨において、かつ1999年2月1日以後に発生する何らかの年齢に基づく異なる待遇に関しては、16歳以上の年齢。    (B) 本法第2編の他のすべての条項の趣旨においては、16歳以上の年齢。   (j) 政治的見解特定の政治的見解を持たないこと、又は何の政治的見解も持たないことを含む。   (k) 雇用状態これは以下のいずれかの状態を意味する。    (@) 失業中であること。    (A) 1964年社会保障法に基づく手当、又は2001 年傷害予防、リハビリテーション及び補償法に基づく給付金の受給者であること。   (l) 家族状態これは以下のいずれかの状態を意味する。    (@) 子供又はその他の扶養家族を一定時間又は全時間世話する責任がある。    (A) 子供又はその他の扶養家族を世話する責任がない。    (B) 特定の人と婚姻関係、又は同性婚の関係、又は内縁関係にある。    (C) 特定の人の親族である。   (m)性的指向これは異性愛、同性愛、レズビアン又は両性愛指向を意味する。 (2) 本条第1 項に示された各事由は、   (a) 当該事由がある人に関係し、又はある人の親族若しくは関係者に関係し、かつ、   (b) 当該事由が    (@) 現在存在し、又は過去に存在したか、又は、    (A) 差別があったと申し立てた人によって、存在すること若しくは存在していたことが疑われ、推定され、又は信じられている場合には、本法の趣旨において、差別禁止事由に相当する。 (注 原本は、女性、女子、性別に、事務局により下線および太字にされている。)