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日時:2013年02月03日(10:30~16:00)
場所:戸山サンライズ 大研修室
 

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「障がい者制度改革推進会議」第2回会議 障害者基本法に対する論点に向けての意見

障がい者制度改革推進会議構成員 久松 三二
(財団法人全日本ろうあ連盟 事務局長)

1.基本的性格について

 現行の障害者基本法は施策の推進のための理念法であり、障害者の権利行使を保障することを趣旨とした法律ではない。障害者権利条約を根拠とし、「行政施策の推進」から「障害者の権利行使の実現」に向けて抜本的に改正していく必要がある。
 障害者基本法は、障害者権利条約のもとに、日本における一番基本的な法律(権利を規定する理念法)であるとするなら、障害者差別禁止法、今後論議していく障害者総合福祉法(仮称)、また、身体障害者福祉法など、その他の個別法との関連性を明確に規定しておく必要がある。

2.障害の定義について

 障害の社会モデルの考えに基づき整理する必要がある。

3.差別の定義について

 障害者権利条約の定義に基づき「合理的配慮」を行わないことは差別であることを明確にする必要がある。

4.基本的人権の確認について

(1)手話
①手話を音声言語と同等に言語としての位置づけと保障が必要である。
②手話の使用、手話の学習、手話による学習、手話通訳保障は、基本的権利として位置づける必要がある。
聴覚障害者には、手話を第一言語(母語)とする者がいる。言語は人間の生活に不可欠であり切り離すことができない。したがって第一言語の学習・使用は人間の基本的権利といえる。このことから、手話の学習・使用は、手話を第一言語として用いる聴覚障害者の基本的権利として位置づけられる必要がある。

(2)コミュニケーション
①コミュニケーションは単なる意思疎通の手段ではない。本来的に双方向であり、人間同士の共感の獲得、それによる人格の発達という意義も含む。
「双方向である」という意味は、障害者に対する福祉サービスという位置づけに限定すべきではないことを意味する。
例えば、手話通訳は、手話を用い音声言語が聴き取れない聴覚障害者と、音声言語を用い手話を解しない健聴者双方が、コミュニケーションをするときに必要となる。つまり、手話通訳を利用するのは、健聴者と聴覚障害者の双方であり、健聴者も必要とするのである。
②権利としてのコミュニケーションの保障と、コミュニケーション手段は混同されないよう注意する必要がある。コミュニケーション手段の保障だけではなく、コミュニケーションの質も保障されなければならない。コミュニケーション手段の定義だけで終わるのではなく、障害者に関する基本的施策において、権利としてのコミュニケーションは独立した項目として位置づける必要がある。
例えば、コミュニケーションの「受容(理解)」「発信」に時間のかかる障害者の意見表明の機会を保障する必要がある。
また、音声言語とのコミュニケーションにおいて、手話、筆記、指文字、触手話、手書き文字その他の通訳を行うことは、直訳、意訳、翻訳、説明、相談支援など、様々な方法・レベルがあり、専門的な支援技術を持つ人材(手話通訳士・者、要約筆記者、盲ろう通訳・介護員)が必要である。

5.障害者に関する基本的施策について

①「情報の利用におけるバリアフリー化」については、改革17 項目の内、「情報の利用・伝達支援」と関連しているが、「情報・コミュニケーションの保障」として位置づけるべきである。上記したように、コミュニケーション手段の使用だけでなく質的保障も含めていく必要がある。

②障害者基本法の第3章「障害の予防に関する基本施策」は削除するべきである。 乳幼児からの人工内耳挿入が「予防」のための「早期治療」にされてはならない。自ら意思決定できない乳幼児に一方的に「治療」することは人格を無視した人権問題であり大きな問題があると言わざるを得ない。

③教育については、聴覚に障害のある子どもたちに対しては、手話と日本語の両方を身につけられる専門的な教育の場が必要であることを踏まえる必要がある。

6.モニタリングについて

 人権の保護及び促進のため調査権やあらゆる関係機関の長に勧告等の権限が付与される必要がある。また、組織として独立した機関であり、障害を持つ当事者が運営・調査・勧告等に参画すべきである。

以 上