意見(2010 年1 月22 日)
「制度改革推進会議の進め方」(東内閣府参与作成資料)について
構成員 勝又幸子
第1 回の推進会議の進め方について、『ゆっくりと急いで』というご説明でした。私はそれ を、議論は入念に行いながらも改革への道筋は確実につけていくという意志表明だったと 受け取りました。
第1 回の会合で構成員の方からも発言がありましたが、議論しただけで終わらせてはな りません。そのためには、目標をさだめ、その目標に必要な議論と作業を着実に進めてい く確固たる意志とより実効性のある計画が必要だとおもいます。構成員のみなさんひとり ひとり確固たる意志はあるとおもいますので、あとは計画です。東室長には推進会議が準 備すべきこと議論すべきことをたたき台としてご提示いただきましたが、法律の改正や成 立が軸となっているように拝見しました。個別の政策は法律の成立と財源の確保により実 現するものでしょう。それならば、障害者権利条約の批准をひとつの目標として、工程表 を作成すべきだとおもいます。
工程表には、法律改正案の国会提出予定時期の明記とそのタイミングにあわせるために は推進会議ではどの時期までに結論をまとめる必要があるかなど具体的な達成事項と時期 を明記します。夏をめどに改革方針を閣議決定するのであれば、なにをどの時期までに準 備しなければならないのかも明記しなければなりません。工程表は具体的に作成され、や るべきことが明らかになってはじめて、それらをどのように達成することができるかを考 えることができます。おのずと、分業による効率化を考えなければならないでしょう。工 程表に基づきますが、わたしは早期に部会(施策分野別)を組織することを提案します。 複数の部会でやるべきことを分担し、一定期間にそれぞれの部会が与えられた課題を達成 することで、『ゆっくりと急いで』が実現するものとおもいます。
また、障がい当事者を構成員とする本会議における進め方は、今後行政が行う会議のモ デルケースとして記録され、内閣府より他の省庁へと情報提供されるよう望みます。
会議開催準備における留意点をまとめ、介助者や手話通訳・口述筆記など、インクルー シブな会議の実施のためのマニュアルを作成していただきたい。障がい当事者のみなさん は、事務局に対して積極的に要望を出していただき、事務局はその要望を構成員に開示し ていただきたい。事務局には本会議に投入可能なマンパワーと財源についても、開示して いただき、構成員が受け身の態度に陥らないように、構成員の責任を自覚させてほしい。