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場所:戸山サンライズ 大研修室
 

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障がい者制度改革推進会議 第25回(H22.11.15) 資料1

「障害」、「障害者」の定義を議論するにあたってのポイント

障がい者制度改革推進会議担当室メモ

問題の出発点

社会モデルの視点と現行法の問題点

  • 生活上の制限の原因を身体障害、知的障害又は精神障害に求める一方的因果構造となっている。
  • 社会モデルからは、社会との関わりが問題となる。

現行障害者基本法上の障害者とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。

総論的に考慮すべき視点

1、関係個別法との関係は?

  • 基本法の定義が個別法を包括するのが基本
  • 従って、関係個別法が基本法をはみ出すのは問題であるが、ただし、見なし規定などによる取り込みは可能か?

2、障害と障害者を分けるか?

  • 現行法も一文で書いてはあるが、実質は、障害と障害者を規定
  • 関係個別法においても障害と障害者が別個に規定

3、定義の明確性(範囲の内外をできるだけ明確にする必要性)

  • 文言の明確性(文言の内容が明確であること)
  • 文言の周知性(文言が一定の内容を持つものとして社会に周知されていること)
  • 文言の客観性(主観的判断や評価の要素がある文言は恣意的な判断になりやすい)

4、定義の仕方と範囲の広狭

定義この法律において、●とは「なになに」をいう。

パターンの1

パターンの1 ●=A

(単独の要件)Aのベン図

例えば、障害とは心身機能の損傷である

問題点 明確で、分かりやすいが、心身機能というだけで十分か

パターンの2

パターンの2 ●=AかつBかつ・・・

(複数の要件に該当)AかつBのベン図

例えば、障害とは心身機能に損傷があり、社会的障壁との相互作用により、諸生活上の制限を受ける状態である

問題点 単に、機能障害があるだけでは、障害とはならないということでいいのか、

ADA上の障害の一つとして「一つ以上の主要な生活活動を実質的に制約する心身のインペアメント」との定義が有した問題点

パターンの3

パターンの3 ●=AまたはBまたは・・・

(いずれかの要件に該当)AまたはBのベン図

例えば、障害とは、機能障害、活動制限、または参加制約の総称

問題点 いずれかの要件だけでいいのか

5、人的要素か外部的要素か

  • 障害者の定義は、人の範囲を画する機能を果たす。
  • 従って、障害者の定義の要素としては、人の状態を示す要素として把握すべきではないのか、
  • 社会モデルとはいえ、人の要素を離れた外部事情そのものを入れるのは、定義を作る目的からいって妥当なのか、
  • 社会的制約や障壁といった外部事情そのものと、その影響を受けやすい状態にあるといった人の属性とは区別すべきではないのか、

各論のポイント

議論してもらいたい論点を「・」で記述。

議論するに当たって、留意するべき点を「※」で記述。

【ポイント1】
○「障害」、「障害者」

「障害」を、機能障害(impairment)と定義する(①)か、それとも、機能障害に加えて社会モデルの考え方を反映(②)させたものと定義するか

※「障害」を「機能障害」と定義し、「障害者」に社会モデルの考えを反映させたものと定義した場合(①)、権利条約やICF(国際生活機能分類)など、国際的な傾向との整合性をどう考えるか。

※「障害」を、機能障害に加えて社会モデルの考え方を反映させたものと定義し、「障害者」を「障害」のある者と定義した場合(②)、例えば以下の点についてどう考えるか。

「障害を理由とする差別」という表現

「『日常生活又は社会生活に制限を受けていること』を理由とする差別」という意味になり、同義反復になる恐れがないか。

「障害の種類」という表現など

「『日常生活又は社会生活に制限を受けていること』の種類」という意味になるなど、意味の不明確な表現がいろいろと出てきてしまう恐れがないか。

※議論を具体的に行うため、参考までに例示

【①のイメージ例】

障害の定義:身体障害、知的障害又は精神障害その他の心身機能の損傷

障害者の定義:障害があり、かつ社会における様々な障壁との相互作用により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者

【②のイメージ例】

障害の定義:身体障害、知的障害又は精神障害その他の心身機能の損傷であって、かつ社会における様々な障壁との相互作用により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態

障害者の定義:「障害」のある者

【ポイント2】
○「身体障害、知的障害又は精神障害その他の心身機能の損傷」

例示の要否について

※「身体障害、知的障害、精神障害」などの例示の必要性をどう考えるか。

※「感覚的な機能障害」を例示として追加するべきかどうか。特に我が国では、これまで、身体障害に視覚障害、聴覚障害などの感覚障害を含めて考えてきたこととの整合性をどう考えるか。

例示の仕方について

※現行基本法では、「身体障害、知的障害又は精神障害」という例示がされているが、これについてどう考えるか。

推進会議では、
 「身体障害、知的障害、精神障害」とするべきという意見
 「知的障害」を削除して「身体障害、精神障害」とするべきという意見
がある。

※障害者権利条約(正文)では以下のとおり

Persons with disabilities include those who have long-term physical, mental, intellectual or sensory impairments…

※障害者権利条約(仮訳文)では以下のとおり

障害者には、長期的な身体的、精神的、知的又は感覚的な障害を有する者であって、・・・

【ポイント3】
○「継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限」

「継続的に」と、「相当な」の文言の要否

※「継続的に」を削除する場合、例えば、一定期間で治癒する傷病を含む可能性があるがどう考えるか。

※障害者権利条約(正文)では「long-term」と書かれている。

※「相当な」を削除する場合、例えば、軽度なものを含む可能性があるがどう考えるか。

「周期的」「断続的」に生じる日常生活又は社会生活の制限も、「障害」に含むことを明確にするためには、どのように規定するのが良いか

【ポイント4】
○「社会における様々な障壁との相互作用」

「障壁」の具体的内容。その内容を適切に表現する文言は何か

「相互作用」の具体的内容。その内容を適切に表現する文言は何か

※「障壁」の例

  1. 物理的な障壁(交通機関、建築物等)
  2. 制度的な障壁(資格制限等)
  3. 文化・情報面の障壁(点字や手話サービスの欠如)
  4. 意識上の障壁(障害者を庇護されるべき存在としてとらえる等)