第28回障がい者制度改革推進会議(H22.12.13) 中西由起子委員提出資料
第28回参考資料
ユニバーサルデザインに関する資料の提出
アジア・ディスアビリティ・インスティテート 中西由起子
基本法改正-ユニバーサルデザインに関して、以下の資料を提出いたします。
1 視覚障害者対応の銀行ATMの設置は進んでいる。
2008年には視覚障害者対応のATMには、点字表示、受話器の操作ボタン、取引額や残高を確認できる音声案内機能が加えられ、金融庁の報告( 08.10.31、佐々木憲昭議員の質問に答えて)では、郵便局(ゆうちょ銀行)ではすべてのATMで実施。都市銀行は、全ATM2 万2700 台のうち1 万1890 台が視覚障害者対応となり、設置比率は52.4%。(http://www.sasaki-kensho.jp/kokkai/081031-000003.html参照)
2010 年11 月30 日の金融庁の発表では、タッチパネルが使えない視覚障害者が操作しやすいよう、受話器やキーボードを付けた現金自動預払機(ATM)の設置割合は、9月末時点で全体の57%。ただ、業態別では、都市銀行など主要行が83%に上ったのに対し、地方銀行は39%、第二地方銀行は29%、信用金庫と信用組合は36%。(時事通信、http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20101130-00000272-jijf-bus_all)(*)
2 指摘されている問題の解決手段と考えられる、点字メニュー、点字教科書はユニバーサルデザインではない
ユニバーサルデザインの父、ロナルド・メイスはユニバーサルデザインを、「改造または特殊化された設計の必要なしで、できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」と定義している。(参考 UD資料館、http://www.ud-web.info/about_ud/define.html)
例示として分かりやすいのは、バスへの乗降を高齢者やベビーカー使用者にも使いやすくした低床バス、電車内で次の駅、乗っている線を明示してくれる電光板の存在である。多目的トイレは概念としてはユニバーサルな使用を考えてはいるが、実際には一般のトイレではなく離れて設置されていることが多く、中にある場合でも一番奥や目立たない角にあり普通に誰でもがたやすく使用できるようにはなっていない。これと同様なのが、車いす対応のエスカレーターである。車いす利用者が使用する際には、エスカレーターが必要な高齢者や重い荷物を持つ人までも締め出し、車いすの人が降りるまで長い時には5分ほど他の乗客が使用できない構造になっている。
転載者注:
中西委員が提示したリンクは現在はリンク切れとなっている。同じ情報は2011年1月4日現在、下記で見ることができる。
地域金融、設置率4割届かず=視覚障害対応ATM、主要行は8割超
http://www.asahi.com/business/jiji/JJT201011300197.html