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障がい者制度改革推進会議

DINFのお知らせ

シンポジウム 「もっと知ろう、デイジー教科書を!」
日時:2013年02月03日(10:30~16:00)
場所:戸山サンライズ 大研修室
 

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障がい者制度改革推進会議 第29回(H22.12.17) 参考資料

委員提出資料

佐藤 久夫 委員

堂本 暁子 委員

第29回障がい者制度改革推進会議(H22.12.17) 佐藤久夫委員提出

障がい者制度改革推進会議
委員の皆さま
総合福祉部会部会長
委員の皆さま

一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会
会長 斉藤 幸枝
〒170-0013 東京都豊島区東池袋2-7-3 柄澤ビル7F
電話.03-5958-8070 FAX.03-5958-0508

 心臓病の子どもは100 人に1 人の割合で生まれてきます。しかしその多くは医療技術の発展により、成人し、健常者同様、社会人として生きて行くことができます。
 しかし、一部の心臓病児は、多くの障害を抱え、家庭で、学校で、職場で頑張っております。心臓病児者は一見健常者の様に見えますので、外目にはわかりにくく、障害者であることが理解されにくいため、時として障害者施策からも抜け落ちてしまうことがあります。
 そのような心臓病児者の状況をご理解いただき、内部障害者としての位置づけを明確にし、社会の一員として暮らしていける施策の検討を切に要望いたします。

1 小さな時は医療的ケアと育児支援が必要です。

 お乳を飲まない、飲んでもすぐに吐いてしまう。母親は子どものそばを離れることができません。風邪を引きやすく、感染症に弱いので、外遊びが苦手です。
 多くの自治体では子どもの医療費が無料になりましたが、複雑心奇形など手術できる医療機関が限られている心臓病児は東京からも大阪、岡山、福岡に行くことは珍しくなく、多額の費用と家族への負担がのしかかっています。

2 学齢期は心臓病を理解した教育と学校の設備改善が必要です。

 心臓病児は階段が特に苦手です。また、気温の変化にも敏感で、特に暑さは辛く、ぐったりしてしまいます。エレベーターと空調設備が欲しいのです。
 また、心臓病児だからと、主治医の許可があるにもかかわらず、プールはダメ、体育も見学といった一律対応ではなくその子にあった教育が望まれます。

3 成人後は遠隔期の医療的ケア、生活していける社会的サポートが必要です。

 医療面では、成人先天性の心臓病の外来のある病院は全国でもまだ少なく、多くは小児科や大人の循環器内科を受診しているのが現状です。対応で来る医療機関とスタッフの養成が急務です。また、心臓病者の妊娠・出産についての相談や対応のできる医療機関が少なく、一般の産婦人科では多くの場合、断られてしまいます。
 心臓病者、特に成人先天性心疾患患者は健常者にくらべ、体調の変化が大きいため、一般就労は厳しい状況です。先天性心疾患患者に合った職業訓練の開発や内部障害者雇用の拡大、事業者への理解の促進が必要です。
 親が生活の面倒を見ている心臓病者は、親がいなくなったらと、不安です。

以上

障害者制度改革にあたっての私たちの願い

1.心臓病児者の医療の充実について

 少子化が進む中、未来ある子どもに対する支援策の充実、特に医療の面では地域格差の是正・緩和が急務となっています。心疾患児及び成人先天性心疾患患者の医療やQOLが向上されることを望みます。

(1)心臓病の外科的治療に対しては、身体障害者手帳の有無にかかわらず、応能負担を原則とした公費助成を行うなど、現行の自立支援医療について、利用者本位の制度となるよう再構築してください。

(2)医療費の助成内容を充実するとともに、助成制度では地域格差が生じていることから、これを是正し、どこに住んでいても同様の負担で安心した医療が受けられるようにしてください。とりわけ、少子化対策とともに乳幼児や子どもの医療費助成と重度障害者への医療費助成制度については、国の制度による無料化をぜひ実現させてください。

(3)高度、先進的な手術や治療を受けるために、居住地を離れて入院せざるを得ない子どもに対する交通費や家族が一時的に滞在するための滞在費用などの軽減のため、公費支援制度を作ってください。

(4)心臓移植に関する全ての費用(臓器の搬送等を含む)について、健康保険及び公費負担の対象としてください。

2.小児慢性特定疾患治療研究事業について

 小児慢性特定疾患治療研究事業の改善とともに、20歳以後(キャリーオーバー)の患者への医療費助成のための支援策の制度化を望みます。

(1)慢性心疾患に係る認定基準(基準告示)を改善し、将来的に手術を含めた治療の可能性がある「経過観察」についても制度の対象であることを明確に反映してください。

(2)小児慢性特定疾患治療研究事業と特定疾患治療研究事業の整合性を確保するとともに、両制度の法制化を図るなど、財政的な安定、そして地域格差のない患者の立場に立った制度にしてください。

3.福祉

 心臓病児者の障害は、手術をして改善されても、生涯にわたって医療を必要とする人は多く、その障害は外見からはわかりにくいのが実情です。心臓病児者の障害を正しく理解し、心臓病児者の自立のために支援策の検討をすすめ、QOLの向上につながる適切な施策を拡充してください。その具体策として、次のことを要望します。

(1)障害者が地域で自立して生活していくために必要な助成制度を作ってください。

(2)現在の日常生活用具給付については、障害者自立支援法、介護保険法、児童福祉法に基づくもののほか、「難病患者等居宅生活支援事業」や「小児慢性特定疾患児日常生活用具給付事業」によるものが並存しており、これらの制度については、給付対象となる用具の種目がそれぞれ異なるほか、適用の優先順位もあり、大変分かり難く、使い難い状況があるため、利用者の視点に立ち、制度の統合や改善、適切な周知などを進めてください。

4.教育

(1)内部障害も特別支援教育の対象となることを周知してください。

(2)障害に応じて必要な教育を受けられるようにするため、通常学級、特別支援学級、特別支援学校など、希望する学校または学級を選択できるようにしてください。

(3)入院や自宅療養などにより登校が困難な場合に学習の空白が生じないよう、学籍の移動をせずに受けられる訪問学級や院内学級などの教育の場を保障してください。

(4)エレベーター・スロープ・冷暖房の設置・洋式トイレの設置など多様な障害に対応できるよう学校施設のバリアフリー化をすすめて下さい。

(5)支援員や補助教員の配置など必要な人的配置が行われるように制度を改善してください。

(6)移動支援を通学にも使用できるようにして下さい。

5.仕事

(1)身体障害者手帳所持の有無に関わらず、難病、慢性疾患患者も含めた障害者が、安心して働き続けられるための制度を作ってください。

(2)障害の特性や実情に応じた就労形態も可能とする柔軟な制度を作ってください。

以上

第29回障がい者制度改革推進会議(H22.12.17) 堂本委員 当日提出資料

医療・合同作業チーム
第3回合同作業チーム(H22.12.7 会合)

地域生活支援・地域移行に関する議論の整理

【社会的入院の解消】

  • 権利条約の批准に鑑み、国の重要施策として、精神科病床の削減と社会的入院の解消に取り組まなければならない。実施にあたっては、国が年次計画を示すとともに十分な財政措置を講じ、これを踏まえて、都道府県がロードマップを作成し、精神保健福祉センター・保健所が積極的な役割を果たしつつ医療圏域毎に計画的に進める。
  • これと並行して、精神障害者の地域移行に不可欠である住居の確保と生活支援サービスの提供を行う地域生活の基盤づくりを、国の責任に基づき財政措置を伴って進める。
  • 都道府県による入院措置がなされた措置入院患者については、所管保健所が関与して個別に退院計画を立て、可能な限り早期に退院ができるよう図るものとする。この際、相談支援事業者等と連携を取り、退院後の地域生活を支援するための体制を確保することが必要。

【退院する人を地域で支える地域移行支援システムの構築】

  • 長期入院により施設外での生活が困難となっている人や、入退院を頻繁に繰り返す人は、社会生活のための集中的なトレーニングを必要としており、各個人の状況に応じた地域移行計画を用意しなければならない。多角的な社会適応訓練を含め、地域移行が円滑に進み地域生活が維持できるよう支援体制を構築する必要がある。その実施に当たっては、“医療モデル”として心身機能の損傷への治療や訓練に偏することなく、生活の実態に基づくニーズを基礎とする“社会モデル”に基づく生活支援ないし「福祉サービス」を重視し、精神障害者本人を中心にして、医療と福祉の連携したシステムを構築していくことが必要である。
  • 相談対応を含む生活支援を充実すること(たとえば、24時間つながる電話による相談を含む)は、特に退院後間もない精神障害者については、必要不可欠である。

【上記システムを構築するに当たり、従来の障壁の解消が必要】

○地域移行を妨げてきた理由

  1. 昭和63 年から施行された精神保健法に精神障害者社会復帰施設が盛り込まれたが、そのほとんどを民間に委ねた上、十分な財政支出が伴わなかったため、地域の受け皿として大きな広がりを見せていない。例えば、精神障害者生活訓練施設(援護寮)について見ると、施行後約20 年経過した平成18 年度においても300か所(4,400 人分)の整備に、また施行後15 年を経過した居住サービス(グループホーム、ケアホーム)利用者は13432 人(平成21 年8月)、居宅介護(ホームヘルプ)サービス利用者は23856 人(平成21 年8月)にとどまる。
  2. 地域住民の反対運動等を含め国民の間に偏見が根強く残っており、社会資源の整備が進まず、退院後の住まいの確保が困難な現状がある。

○地域移行を推進し、病院→地域の道筋を作るには相当規模の予算が必要となり、人権の視点から財源(基盤整備)の確保が急務。

  1. 地域移行のための仕組みである地域移行支援に財政措置(ハード整備、人材確保、人材育成)を講じる。
  2. 自立訓練等の提供とともに、安心して駆け込み身をおける居場所としての機能も併せ持つシェルター(ドロップインセンター)を設ける。
    また、地域移行後の住居・生活の場の基盤整備と生活費用の確保が必要。

【地域移行を推進するには住居確保は最重要課題】

  • 長期入院を余儀なくされ、そのために住居を失うもしくは家族と疎遠になり、住む場がない人には、民間賃貸住宅の一定割合を公営住宅として借り上げるなどの仕組みが急務である。
  • グループホームも含め、多様な居住サービスの提供を、年次目標を提示しながら進めるべきである。
  • 医療費扶助、住宅扶助等の要件を緩和すれば、不安なく地域移行を進められる。その際、福祉事務所など公的機関は合理的配慮をもって円滑に支援を行うことが重要である。
  • 賃貸物件の公的保証人制度の確立と運用も重要である。

【地域移行に必要な生活支援】

  • 入院生活でパターン化された単調な生活リズムから、変化に富んだ地域の生活に順応するには、地域の中で相当の月日をかけた生活支援が必要となる。
  • 精神障害者が調子を崩したとき、家族との関係が一時的に悪化したとき等に、入院を防ぐあるいは再発予防のためのドロップインセンターが地域支援の拠点として必要である。
  • ドロップインセンターでは必要時にすぐに使えるレスパイトやショートステイサービスが用意されることが重要である。
  • 回復前期や調子を崩した時に気軽に利用できるさまざまな居場所の確保が地域で必要である。

【地域移行支援に必要な人材育成】

  • 地域生活移行を促進するには、人権擁護の重要性をよく理解した支援者人材が必要不可欠であり、集中的な人材育成を行うことが急務である。
  • たとえば、経験が入院患者のケアに限られている人材について、期間を定めて再教育を行い、訪問によるケアなど地域生活支援をになう人材として活用することなどが考えられる。
  • また、入院をせざるを得ない場合でも、必要最低限の入院治療後、早急に退院させ、地域において医療と福祉の連携による支援を講じていくことが基本となることを徹底させる。
  • 地域移行支援ならびに地域生活支援において、ピアサポートは重要な支援であるので、当事者同士がサポートしやすい環境を整備する必要がある。

【地域移行に必要な就学支援】

  • 在学中もしくは就職直後に発症し、青年期を入院等の治療で過ごさざるを得なかった人に、再就学を希望する人への支援の手だても必要である。
  • 若年発症で思春期に入院した人には、特に就学支援の手だてが必要である。

【地域移行に必要な就労支援】

  • 精神障害者の多くが将来働きたいと表明している。地域生活移行後の就労支援や合理的配慮は生活支援と同様、重要な位置を占める。就労を希望する精神障害者には、従来の福祉的就労に限らず企業や働く場での支援の強化が必要である。

【当事者の主体性の尊重】

  • 精神障害者本人の主体性を尊重することが何よりも重要である。
  • 十分な情報を提供されたうえで、当事者が自ら選べることが重要である。

[以上]