障がい者制度改革推進会議 第32回(H23.5.23) 追加資料 財被災地障がい者センターみやぎ
東北関東大震災障害者救援本部提供資料
被災地障がい者センターみやぎ 活動報告書 №1 (5/10)
被災地障がい者センターみやぎは、発足以来下記の活動を行ってきた。
① 被災地ローリング調査
② 県内NPO団体、法人へのDM送付による、被災状況調査
③ 各市役所等行政機関、ボランティアセンター、避難所等へのチラシ配布及び設置
上記活動より
④ 個人、団体への物資支援
⑤ 個人、団体への相談支援
⑥ 個人、団体への人的支援
⑦ 団体への資金的支援(融資)
又、上記活動を通して、各地の拠点となる施設の必要性が不可欠である事から
⑧ 南地域(亘理町)支援活動拠点設立
⑨ 北地域(登米市)支援活動拠点設立予定
以下、項目ごとに詳細を報告
① 被災地ローリング調査
全県に渡る被災状況を調査するために、北地域・仙台市地域・南地域の3ブロックに分け、それぞれにチーム(1チーム調査ボランティア2~3名)ごとの活動を行い、調査報告書及びミーティングでの調査報告を行ってきた。
時と共に変化する被災地の状況に対し、より有効な支援をするため、チームごとの地域状況の引き継ぎ、情報の共有化、事務局の他団体との調整・協力等を行っていった。
主に、避難所を中心に調査を行っているが、各避難所には、代表者もしくはリーダーを中心に自治がなされ、役割分担も明確化されてきている。
各所には、地域の保健師、看護師、職員、他ボランティア団体(看護師等の専門職)等が常駐または巡回の形で係っている。
但し、個人情報保護法・地域の特性、慣習等の為、障がい者自身との面談はなかなか厳しい面がある。
丁寧に信頼関係を構築しながら、情報を得るという時間のかかる作業が必要ではあったが、各ボランティアスタッフは根気強く熱心に、「困っている障がい者」を支援する為活動を継続している。
以下、各地域でローリング調査を行った避難所
(北地域避難所)
- ・石巻市
- 石巻中学校、こころ・さをり、住吉小学校、湊中学校、石巻高校、石巻公民館、湊小学校、石巻特別支援学校(蛇田)、渡波小学校、渡波中学校、青葉中学校、北上中学校、遊楽館、難病相談支援センター、小滝荘、大指林業センター、小滝公民館、石巻市北上在宅介護支援センター、石巻中央公民館、石巻女子高、門脇中学校、はまぎく、万石浦中学校、蛇田中学校、鹿妻小学校、ひたかみ園
- ・気仙沼市
- 気仙沼防災センター、気仙沼小学校、気仙沼中学校
- ・南三陸町
- 志津川小学校、南三陸総合体育館(ベイサイドアリーナ)、柳風園、歌津老人福祉センター
- ・女川市
- 女川町勤労青少年センター、女川町総合体育館、女川原子力発電所、女川町立病院、海泉閣、女川第一小学校、女川第二小学校、女川町立第一保育所、女川第二小学校体育館
- ・東松島市
- 東松島市コミュニティーセンター、東松島市矢本第一中学校、鹿妻地区センター、道地地区センター、手沼地区センター、蔵しっくパーク、小松台地区センター、谷地地区センター、上小松地区センター、南郷体育館
- ・七ヶ浜町
- 七ヶ浜国際村
- ・多賀城市
- 多賀城市民体育館、多賀城文化センター
- ・塩釜市
- 塩釜ガス体育館
計 57か所
(仙台市地域避難所)
- ・仙台市
- 七北公園体育館、福室市民センター、岡田小学校、高砂市民センター、田子市民センター、六郷中学校、宮城野体育館、六郷市民センター、荒町市民センター、蒲町小学校、七郷市民センター、JA六郷、ウエルサンピア仙台、若林体育館、(仙台市福祉指定避難所)ハンズ太白、ハンズ若林、ハンズ宮城野
計 17か所
(南地域避難所)
- ・角田市
- 角田市総合福祉センター、市民センター、農業環境改善センター、船岡支援学校
- ・亘理町
- 逢隅小学校、亘理うらきど、亘理高校、亘理町災害ボランティアセンター、おおくま荘、吉田小学校、亘理中学校、亘理小学校
- ・山元町
- 山下第一小学校体育館、山元町支援学校、宮城病院、山元町中央公民館、真庭区公民館、山下中学校、坂元中学校
- ・岩沼市
- 岩沼警察署、岩沼市民会館、岩沼市役所農村環境改善センター
- ・名取市
- 名取市館腰小学校、名取市民会館
- ・柴田町
- 船岡支援学校
- ・白石市
- 陽光園
- ・丸森町
- 丸森まちづくりセンター
計 27か所
合計 101か所
※ ローリング調査を行ったボランティア団体・スタッフ
東京都ガチャバン ともに生会、豊中サポートネットワーク、北海道アンダンテ、東北文化学園大学、社会福祉法人 地域ゆめの会ワークセンター飛行船、静岡県作業所連合会・わ、社会福祉法人 そうそうの杜、NPOライフ元気ジョブ、社会福祉法人 加島友愛会、社会福祉法人 ノーマライゼーション協会、社会福祉法人ひびき つながりの家、東北大学、NPO法人JUMP、NPO法人こんちぇると、社会福祉法人 覆育会、社会福祉法人 ゆうのゆう、医療法人 拓、共同作業所 シティライト、東京都立村山特別支援学校、NPO法人 清水障害者サポートセンターそら、NPO法人 生活支援研究会、NPO法人 日常生活支援ネットワーク パーティ・パーティ、NPO法人わっぱの会、ぷくぷくの会
計23団体
ボランティアスタッフ
保育士、介護福祉士、ヘルパー、心理療法士、鍼灸師、各施設スタッフ等
現実数 89名
延べ人数 623名 が活動。
②県内NPO団体、法人へのDM送付による、被災状況調査
全県510か所の、NPO法人・社会福祉法人に対し「被災地障がい者センターみやぎ」設立について、「被災状況をお知らせください」「障がい者の皆さんへ」3通の文書を送付。
内、FAX・電話等での回答数 43団体
① ②及び③の活動を行っている中で、連携して活動を行っている団体
石巻市社協、石巻祥心会、難病相談支援センター、ぱんぷきん介護センター、石巻社協ホームヘルプセンター、石巻市北上在宅介護支援センター、石巻市役所、気仙沼市社協、宮城県保健福祉事務所東部児童相談所、歌津老人福祉センター矢本保健相談センター、女川町役場、女川町災害対策本部、女川町社協、はまぎく訪問介護センター、ぴあら、ケアホームめぐみ、NPO法人なるせ・泉、ハッピー七ヶ浜、レインボー多賀城、ぱれっと、幸泉園、はらから福祉会、亘理町ホームヘルパーステーション、ワークキャンパス
「支援報告」
④ 個人、団体への物資支援状況
・個人
医療品(薬品含) | 28名 |
生活雑貨(トイレットペーパー、生理用品等) | 55名 |
食品(水、レトルト食品、米等) | 42名 |
オムツ(高齢者、児童、幼児) | 77名 |
衣料品(下着、靴下等含) | 22名 |
杖 | 9名 |
ポータブルトイレ | 2名 |
簡易ベット | 4名 |
発電機 | 1名 |
車いす | 3名 |
計 243名 |
・団体
医療品(薬品含) | 1団体 |
生活雑貨(トイレットペーパー、生理用品等) | 16団体 |
食品(水、レトルト食品、米等) | 12団体 |
オムツ | 16団体 |
ポータブルトイレ | 1団体 |
衣服(下着等) | 7団体 |
シャワーチェアー | 1団体 |
簡易ベット | 1団体 |
計 55団体 |
被災初期においては、食料品(飲み水を含む)を中心に、衛生用品(トイレットペーパー、おしりふき、ウエットティッシュ、生理用品等)、オムツ(大人用、子供用、幼児用)、暖房機、カイロ、医療品、薬品、栄養補助食品等の支援が中心であったが、時間の経過と共に、杖、ポータブルトイレ,簡易ベット、洋服等へ移行している。
⑤ ⑥個人、団体への相談・人的支援
・個人相談件数 70名
・団体相談件数 36団体
被災直後においては、物資と共に相談支援を行っていた件に関しても、現在は生活に必要な相談支援、送迎、手続き補助等、ボランティア人員への要請に移行している。
個人支援数 313名(5/10日現在)
尚、内203名については、継続支援または、見守り中。
団体支援数 91団体
⑦ 団体への資金支援
被災地障がい者センターみやぎ(ゆめ風基金)では、各NPO法人、団体の速やかな活動開始に向けて資金支援を行っている。
全国の支援してくださる方々の義援金・寄付金と共に「心」と「想い」を届ける為、相談を受けてから、現地訪問及び面談を行い、緊急性の高いものより支援している。
Ⅰ 仙台市 NPO法人コスモスクラブ「すまいる作業所」
- 活動内容 就労継続支援B型事業、生活介護事業
国産大豆100%使用の豆腐作り、豆腐・豆乳・おからのドーナツ作り、販売
被災状況:ボイラーの全壊、建物ひび割れ等。
結果 :豆腐製造用ボイラーの再購入費 1,155,000円 支援
Ⅱ 仙台市 NPO法人「みどり会」
- 活動内容 心に障がいを持った人々の自立支援のための施設、グループホーム運営
被災状況:津波による建物、備品等全流出。
結果 :施設再建に向けての物件借用料、改築量、事務機器類購入費 1,500,000円 支援
Ⅲ 仙台市 NPO法人「しゃくなげ苑」
- 通所地域活動センター
着物古布による、草履作製、販売
被災状況:震災により職員通用ドアのドアノブ破損
結果 :ノブ一つにより、一人の指導員の労力が倍増。
交換ノブ代金 8,000円 支援
Ⅳ 仙台市 NPO法人「多夢多夢舎中山工房」
- 就労継続支援B型事業
レストラン経営、生活雑貨製作、お弁当等販売
被災状況:震災により、レストラン外壁、内壁に多数のヒビ。別棟、階段支柱土台部分の崩壊。修復工事緊急に必要。
結果 :補修、修復工事代金 1,209,600円 支援
Ⅴ 登米市 南方福祉作業所「あやめ園」
- 就労継続支援B型事業、生活介護事業
軽食喫茶店経営、手工芸品作製 販売
被災状況:震災により喫茶部門給湯器が破損。軽食作りにお湯は欠かせない為、修理必要。
結果 :給湯器修理代金、火災探知機電池代 86,100円 支援
Ⅵ 宮城精神しょうがい者団体連絡会議
- 病を克服した当事者による、専門家にはできない電話相談、カウセリングを行う
状況:震災後における心のケアを、当事者によるカウンセリング及び適切な精神医療保険福祉情報の提供を行う。
結果:事業を行うための、施設費・設備費維持費等を含めた2日年分経費 2,500,000円 支援
※現在検討中の支援 7件
主に、備品支援・建物修復・新施設への転居費等
「南地域・北地域 拠点づくり」
⑧ 被災地障がい者センターみやぎ県南拠点
住所:宮城県亘理町字新町34-3
(木造平屋建て4部屋・トイレ・シャワールーム・キッチン完備)
目的:地域社会の再興、新たな町づくりの拠点としての役割。
地元の団体による地域密着型支援の確立。
避難生活の中での精神的、物理的緊急避難的滞在スペースの確保。
震災前より地域で活動していたNPO法人「ささえ愛 山元」による障がい児童・障がい者・高齢者への支援活動。
被災地障がい者センターみやぎとの連携により、地域の復興と細やかな障がい者サービスを目指す。
⑨ 被災地障がい者センターみやぎ県北拠点
住所:登米市予定
目的:県南拠点同様
「被災地障がい者センター東北」設立
被災状況が各県別に異なることは明らかであるが、県を越えての緊急避難が現実には行われている。
この時、岩手県・宮城県・福島県が相互に協力し合う為の環境として、東北統括本部としての「被災地障がい者センター東北」を「被災地障がい者センターみやぎ」内に設置。
被災状況は、時々刻々と変化し支援するタイミングの重要性は、2か月を経過しようとしている今日でも変わりない。
被災の中、「孤立障がい者」「困っている障がい者」を出さないよう、今後さらに各県と綿密な情報交換と対話をしながら活動をしていく。
東北関東大震災障害者救援本部
<東京事務局>
全国自立生活センター協議会(JIL)内
〒192-0046 東京都八王子市明神町4-11-11 シルクヒルズ大塚1F
TEL:042-631-6620 E-mai:9enhonbu@gmail.com
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