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公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会

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日時:2013年02月03日(10:30~16:00)
場所:戸山サンライズ 大研修室
 

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障がい者制度改革推進会議 資料9 第37回(H24.1.23)

八幡隆司氏 提出資料

東日本大震災における障害者市民支援活動との今後の課題

特定非営利活動法人 ゆめ風基金理事 八幡 隆司

Ⅰ 被災地支援の枠組み

当初の資金はゆめ風基金から

後方支援として障がい者救援本部の結成(東京事務局・大阪事務局)

現地の活動拠点として3県に被災地障がいセンターをそれぞれ設置

被災地支援の活動内容

Ⅱ 主な活動内容

被災障害者の状況調査・・・避難所にいけない障害者に対する支援

物資の提供・・・医療物資や発電機、ガソリンなど

ヘルパー派遣

移送サービス

相談事業

障害者拠点への資金援助

沿岸部の支援拠点の設置

Ⅲ 活動の方針

障害者一人一人の個別支援を中心

長期の支援を行う

災害以前よりも豊かな福祉サービスを提供できる街づくり、災害に強い日頃のネットワークの強化を目指して支援する

地元の活動を大切にし、連携を図る(東北という地域性を考えた支援)

Ⅳ 東北沿岸部の特徴

今回の災害では阪神大震災に比べて、まず次のような特徴がある。

  • 阪神大震災では直下型の地震により多くの人が圧死している。ただ多くの建物が壊れたとはいえ、避難当時一定のコミュニティが保たれている。
  • 東日本の災害では倒壊家屋は少なく、ほとんどが津波による被害(福島の原発事故を除く)。
  • 死亡の原因は逃げ遅れてあり、若者と比べて高齢者・障害者の死亡が多い。また集落全体が破壊され、避難の段階ですでにコミュニティが失われた状態。

さらに福祉状況として次のような特徴がある。

① ホームヘルパーやガイドヘルパーなどの利用者、サービス提供事業者がともに少ない。

(施設サービス中心で在宅サービスが弱い)

要因として幼いときから寮生活などを経験し、入所の福祉サービスの抵抗が少なく、在宅サービスの社会資源も少ないことから入所施設利用者が多い。訪問介護や移動支援はほとんどが社会福祉協議会に委ねられている。

② 各市町村に大きな社会福祉法人が存在する。

福祉サービスを提供する事業所数そのものが少ない。

→ 入所施設を利用しない場合は、家族が支えるか、本人ががんばることが当たり前になっている。訪問介護を始めても利用が少ない。

グループホームなどの施設の全壊については、複数の事業を行っている関係から、同じ事業所の中で、避難等はカバーできている。

ただし、日頃、サービスをきちんと利用できていない人は頼るところがない状態。

Ⅴ 災害時における障害者支援の難しさ

1.安否確認の難しさ

避難所に避難せず、施設を頼る、あるいは親戚を頼る、自宅が住みにくい状況でも自宅にとどまるなど、被災障害者の存在がわからない場合が多い。

また今回は被災者でアパートを借りた人に家賃分を補助するみなし仮設が非常に多いが、みなし仮設に入居した人たちの情報がわからないため、こういった人への支援が遅れている。

2.ニーズの把握の難しさ

当事者側 がまん、あきらめ

支援者側 ふだんの交流が少ないため、障害者が何を求めているかを聞き出すことに、時間が必要 → 5~6回の訪問の中で、支援要望を出す人もいる。

3.地元のサービスの欠乏と長期支援の難しさ

阪神大震災ではニーズも多くあり、地元サービスやヘルパーなどは地元・周辺部で確保できたが、東北では地元サービスが少ないため、要望を持つ人に対して、こちらから直接支援を行うこことが必要。

4.仮設住宅についての課題

構造や建て方など、障害者や高齢者についての配慮がない。

バリアフリーは建物構造だけでなく、医療機関への通院や買い物などのアクセス、生活支援など全ての面で考える必要がある。

物理的な困難をソフト面でどこまで補えるかが課題

アパート仮設は居住性は良いが、仮設住宅に避難していることがわかりにくく、一人一人の支援についてどう考えていくのか

高齢者用グループホームに比較し、障害者のためのケアホームなどが非常に少ない。

Ⅵ 今後の支援の方向性

4期に分けた活動

第1期…災害発生後から仮設住宅建設が始まるまでの、緊急な支援活動をおこなった時期。

第2期…仮設住宅建設が始まり、ほとんどの人が入居を終えた時期。

第3期…仮設住宅の入居が完了し、震災後1年目を迎えるまでの時期。

第4期…震災後1年目を迎えてから2年目を迎えるまでの1年間で、復興住宅へ避難者が移るまでの時期。

第1期の特徴は避難所に避難している障害者が少ない中、在宅になっている人も含めて障害者の安否確認をどのようにして行うかが課題。また出会った障害者家庭に福祉機器、医療機器、生活物資などを届けるとともに、医療機関への送迎サービスや避難所などにヘルパー派遣などを行うもので、緊急な支援が必要、対応のスピードが優先される。

第2期では仮設住宅の申請手続きや、仮設で必要なものの提供。またグループホームなどに閉じこもって居た人などから、買い物など外出サービスなどのニーズが出てくる。親戚の家に身を寄せていた人も、仮設住宅に移ってくるので、この時に新たな障害者の方に出会うことがある。

現在は第3期に入っていることから、地元団体とより連携を深めながら、長期の支援、新たな福祉サービス立ち上げの方向を考える。第3期は外部の支援者が主導的にならざるを得ないが、第4期については地元を主体とした支援を作っていく必要がある。

沿岸部被災市町村にモデル事業としての拠点を構える(宮城を中心として現在模索中)

被災地で、5年10年経っても役に立つ活動拠点とは何か?

被災地の人たちの雇用につながる動きがどこまで出来るのか?

規模などは現地調査、助成金の活用度合いなどで決める

Ⅶ 被災地支援の現状

岩手

被災地支援の現状

  • ① 被災地障がい者センターいわて事務所
  • ② 「ハックの家」と共同で移送支援
  • ③ 宮古事務所開設(宮古、山田、田野畑村の障害者の継続支援)
  • ④ 沿岸部との中間地点として拠点を作る(早朝活動時のボランティア拠点。冬季に備え9月で撤退)
  • ⑤ 名古屋市AJU自立の家が支援拠点を開設
    当センターとも連携を行う
  • ⑥ もとCIL職員千葉さんが現地支援拠点を準備中(大船渡・釜石の被災障害者の継続支援)
  • ⑦ 「すずらんとカタツムリ(就労継続B)」と共同で移送支援など陸前高田の被災障害者支援を行うJDFいわてとも、連携開始を予定

● 岩手では、県社会福祉協議会を中心に、沿岸部障がい者支援プラットフォーム会議が現在も月2回ペースで行われており、県内の障害者団体が連携して沿岸部支援を行っている。

● 相談支援員を中心とした被災障害支援のしくみが確立されており、県内の動員体制で陸前高田から大槌までの安否確認などを行う。

● 相談支援員などからの依頼もあり、継続した支援がまだ数多く続いている。

● 今後は新たに設置する障がい者支援センターの沿岸部拠点のほか、沿岸部の障害者団体と連携をとりながら、沿岸部全体の支援を継続していく。

● 宮古を中心として、県外の障害当事者のボランティアが入り込み、障害者のエンパワメントを高める事業を展開している。

Ⅷ 活かされない被災地の教訓と今後の課題

① 安否確認と名簿の関係

災害のたびに障がい者の安否確認、避難所の問題、仮設住宅の問題が繰り返される

安否確認は名簿の問題ではなく、コミュニティの問題


→ 南相馬の名簿公開が話題になっているが、岩手では行政・福祉職員などの動因で沿岸部の安否確認を行った。

親戚宅やアパートを借りた人などへの支援がきちんとできていない。またヘルパー派遣をもともと利用していないことから、ニーズあがりにくい状況などをどう打開していくか?

被災した人にホームヘルプを行うことは、その後も利用継続をすること見込まれることから、新たな事業所立ち上げも必要になる。

災害時における個別支援計画を誰がどのようにして作るのかが現在のガイドラインでは明確でない。具体的な対策が必要。

被災者の定義の確認・・・家は流されてなくとも、交通機関への打撃や医療機関・スーパーなどの被害のため、以前の生活が継続できない人がいる。ライフラインのとまったところなど、一時期的に支援を必要とした人など。

② 福祉避難所について

制度が関係者に正しく理解されていない。福祉避難所設置運営ガイドラインを読んだことすらない福祉関係者が非常に多い。国の制度では福祉避難所には10人に一人の相談等を行う介助員の経費しか認めていない。24時間体制では2交代をするにしても20人に一人ということか?

「常時の介護や治療が必要となったものについては速やかに特別養護老人ホーム等への入所や病院等への入院手続きをとること」というのは。介助者が必要な場合は入所施設というようにとらえられる。

特例があり、増員は可能だとしても、地域での生活継続最優先になっているとは読み取りにくい。

防災、減災活動を日常的に行うことが求められているが、災害時にはそのような主張をするところがほとんどない。→ 大規模災害時における応急救助指針等参照

今回は昼間に災害があり、日中活動に通っていた多くの人が施設に取り残されたりした状況もあり、福祉施設の多くが実質的に避難所となった。しかし福祉避難所と認定されていなかったために、行政からの物資は届かず、民間の協力で支援を行った。

福祉避難所協定はすべての福祉施設・事業者と行い、物資などの提供が速やかに行える方法を確立すべき。

③ 災害時における障害者支援センター設置の必要性

3月時点で国に登録をした2,800人もの福祉職員が被災地にほとんど派遣されなかった。

新潟県中越沖地震では県が主導し、発災後3日目に支援センターを設置。1週間で障害者手帳所持者の安否確認を行った。

④ 仮設住宅の建設について

障害者がまともに住める仮設住宅がほとんど建設されていない。当初は砂利道。スロープがやっとつけられても、間口が狭い。家の中は段差だらけ。

住宅改修について国は6月段階で改修費用を出すとしたが、市町村には伝わっていない。岩手では10月末になって県から市町村への通知が出た。ただ山田町では改修事務の受任をせず、現在も窓口がきちんと定まっていない。

移送サービスやヘルパー派遣など新たに必要になったニーズにほとんど対応できていない。

とりわけ建設担当の部局、福祉部局、予算を持つ復興局の連携がきちんとできていなかった。縦割り行政の弊害をどのようにしてなくすのか?

すべてユニバーサルにする、あるいは障害用住宅の基準を定めるなど、きっちりとした建設マニュアルが必要と思われる。

⑤ 日常のコミュニティの形成と防災意識の高揚について

今回の災害では近所に助けられた人がいっぱいいたし、日頃のつながりの中で、岩手では支援の柱ができたということも言える。

また午後2時半ということで、福祉施設への避難がスムーズだった一面がある。しかしこれが祭日や深夜早朝ならば、避難手段も場所も相当に困っていたかと思う。

また指定避難所に対する住民意識が弱く、避難所運営訓練が全国的にあまり行われていない。指定避難所に障害者・高齢者が避難することを前提として、地域での避難所訓練実施が望まれる。

また最近の福祉の傾向として地域の障害者や高齢者が福祉の専門家との関わりに限定され、地域住民との接点が薄らいでいる。このような点でも要援護者を含んだ地域住民の防災訓練が望まれる。

さらに在宅避難者が災害時には多く存在することから、避難所を家をなくした人などの駆け込み場所とするのではなく、地域住民が主体的に地域の人たちを守る被災者支援センターの役割をもつことをすすめ、家屋に被害がなかった人たちも集まって、地域全体で地域の避難生活を支えていこうとする姿勢が重要に思われる。

参考

宮城での沿岸部支援について

宮城での沿岸部支援について

  • ① 行政とともに障害者支援団体会議を行う。JDFと連携し、障害者支援を行う。
  • ② 駆け込み寺2号。また北部の障害者支援のための拠点整備。
  • ③ 車いすの障害当事者、障がい児とともに歩む会などとの話し合いを継続。交流拠点を開設した。
  • ④ 被災地障がい者センターみやぎの事務所
  • ⑤ 南部の障害者支援のためと、駆け込み寺1号として拠点を整備。運営は「ささえ愛山元」に委託。

● いち早く物資支援などを行った結果、支援を行った障害者の数は多いが、継続支援は全体として少ない。

● 北部以外はだんだんと落ち着いた状況になっており、今は北部の支援が中心。

● 仮設住宅や仮設でなくても医療機関や買い物などへいくことが困難になっている人たちから移送サービスの要望が多くあがっており、石巻を中心に移送サービスに協力した。

● 今後のネットワーク作りと支援の継続を図るため、現在被災地障害者支援センターのNPO法人化を目指して準備中。

○ 大規模災害における応急救助の指針について(抜粋)

平成9年6月30日社援保第122号

各都道府県災害救助法主管部(局)長宛厚生省社会・援護局保護課長通知

改正平成14年3月20日社援保発第0320001号

第3 応急救助に当たり特別な配慮を要する者への支援

1 要員の確保

市町村福祉部局においては、膨大な災害関連業務が発生することが予想されることから、市町村に対し、救助と併せて、高齢者、障害者等の救助に当たり特別な配慮を要する者(以下、「要援護者」という。)への支援対策を円滑に実施できる要員体制を確保しておくよう指導すること。

2 安否確認

要援護者に対する安否確認を可及的速やかに行うことができるよう、市町村に対し次のことを指導すること。

(1)保健医療サービスや福祉サービスを受けている要援護者のリストを整備するなど平常時から要援護者の所在について把握しておくこと。

(2)民生委員・児童委員、福祉関係団体、ボランティア団体等と協力し、速やかに要援護者を安否確認できる体制をあらかじめ整備しておくこと。

(3)安否確認を行う上で、要援護者のプライバシーにかかわる情報を開示する場合も想定されることから、あらかじめ災害時の情報開示について本人等から同意を得ておくなど、要援護者に関する情報開示の方法を検討しておくこと。

3 避難所における支援対策

(1)避難所の物理的障壁の除去(バリアフリー化)

物理的障壁の除去(バリアフリー化)されていない施設を避難所とした場合は、障害者用トイレ、スロープ等の段差解消設備を速やかに仮設すること。


(2)相談窓口の設置

車椅子、携帯便器、おむつ、移動介助を行う者(ガイドヘルパー)の派遣等、要援護者の要望を把握するため、避難所等に要援護者のための相談窓口を設置すること。


(3)福祉避難所の指定

ア 要援護者(社会福祉施設等に緊急入所する者を除く。以下(3)、(4)及び(5)において同じ。)が、相談等の必要な生活支援が受けられるなど、安心して生活ができる体制を整備した福祉避難所を指定しておくこと。

イ 福祉避難所として指定する施設は、原則として耐震、耐火、鉄筋構造を備え、物理的障壁の除去(バリアフリー化)された老人福祉センター等の施設とすること。
また、平成12年度より入所施設附設の防災拠点型地域交流スペース整備事業が実施されたところであり、本事業を活用して入所施設を福祉避難所として積極的に整備すること。

ウ 福祉避難所を指定した場合は、その所在や避難方法を要援護者を含む地域住民に対し周知するとともに、周辺の福祉関係者の十分な理解を得ておくこと。


(4)福祉避難所の量的確保

あらかじめ指定した福祉避難所のみでは量的に不足する場合は、厚生労働省と協議の上、社会福祉施設等や公的宿泊施設等に福祉避難所を設置すること。


(5)福祉避難所への避難誘導

ア 災害が発生し必要と認められる場合には、直ちに福祉避難所を設置し、被災した要援護者を避難させること。なお、要援護者の家族についても、避難状況等を勘案の上、必要に応じて福祉避難所に避難させて差し支えないこと。

イ 避難に介助等を要する者に対しては、家族、民生委員、地域住民、都道府県又は市町村職員等が協力して介助等を行うこととなるが、必要に応じて過度の負担とならない範囲で福祉避難所を設置する施設等の協力を得ること。


(6)福祉避難所の管理・運営

ア 福祉避難所には、相談等に当たる介助員等を配置し、日常生活上の支援を行うこと。

イ 福祉避難所において相談等に当たる職員は、避難者の生活状況等を把握し、他法により提供される介護を行う者(ホームヘルパー)の派遣等、避難者が必要な福祉サービスや保健医療サービスを受けられるよう配慮すること。

ウ 常時の介護や治療が必要となった者については、速やかに特別養護老人ホーム等への入所や病院等への入院手続きをとること。また、このような状況を想定し、あらかじめ関係機関と連絡調整しておくこと。

エ 福祉避難所の設置は、対象者の特性からできる限り短くすることが望ましいことから、福祉仮設住宅等への入居を図るほか、関係部局と連携を図り、高齢者世話付き住宅(シルバーハウジング)への入居又は社会福祉施設等への入所等を積極的に活用し、早期退所が図られるように努めること。


「東日本大震災」による社会福祉施設等に対する
介護職員等の派遣に係る費用の取扱いについて

事務連絡

平成23年4月15日

各都道府県・指定都市・中核市災害救助主管課長殿、民生主管課長殿

厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課
厚生労働省社会・援護局総務課
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課
厚生労働省老健局総務課

介護職員等の派遣については、平成23年3月22日付事務連絡等によりお知らせしているところですが、今般、改めて派遣職員に係る費用の取扱いを以下のとおり整理したので、管内関係団体及び社会福祉施設等に周知されますようお願いいたします。なお、被災県におかれては、派遣先の社会福祉施設等の被災状況等に応じて適切な支援等を実施されますとともに、県内市町村への周知をお願いいたします。

1 社会福祉施設等への派遣

(1)費用支弁対象について

ア 人件費

介護職員等の派遣要請を行った社会福祉施設等(以下、「派遣要請施設」という。)に対しては、施設種別毎に介護サービス費、自立支援給付又は措置費(運営費)(以下「介護サービス費等」という。)が支弁されています。定員を一時的に超過して要介護者等を受け入れた場合、当該超過人数分に対応した介護サービス費等が支弁されることになります。

そのため、派遣職員に係る人件費については、派遣要請施設が介護サービス費等から支払うことを原則とします。

イ 旅費等

介護職員等の派遣に要する旅費及び宿泊費(実費)は、災害救助費から支弁されます。

(2)支給・精算の方法について

ア 人件費

派遣要請施設の当面の負担を軽減するため、介護職員等を派遣した施設(以下、「派遣元施設」という。)が立替払いをすることを原則とします。

なお、人件費の金額及び精算方法等については、派遣元施設と派遣要請施設間の協議により、決定することとなります。

イ 旅費等

災害救助法に基づき、介護職員等の派遣後に、派遣元施設がその施設の所在都道府県を通じて派遣要請施設の所在被災県に請求し、精算することになります。このため、派遣元施設で立替払いをすることを原則とします。

なお、災害救助費の求償は都道府県間で行われることになるため、可能であれば、派遣元施設の所在都道府県において立替負担をしていただくほか、精算に関しても、派遣元施設の所在都道府県において一括して派遣要請施設の所在被災県との協議を行う等、派遣元施設の過度な負担とならないよう、特段の配慮をお願いいたします。

2 福祉避難所への派遣(社会福祉施設等で避難者を受け入れている場合を含む)

(1)費用支弁対象について

ア 人件費

福祉避難所への介護職員等の派遣に要する人件費(実費)は、概ね要援護者(原則として、身体等の状況が社会福祉施設等へ入所に適する程度の者(要介護者等)は除く。)10人につき1人の相談等に当たる介助員等の配置に要する経費として、災害救助費から支弁されます。要援護者の状況等に応じて介助員等の配置数については、柔軟に対応して差し支えありません。なお、支弁対象となる避難所は、あらかじめ福祉避難所として指定されている避難所に限らず、当該要援護者が避難している場合(社会福祉施設で当該避難者を受け入れている場合を含む)でも、福祉避難所として扱うことが可能です。

イ 旅費等

福祉避難所に対する介護職員等の派遣に要する旅費及び宿泊費(実費)は、災害救助費から支弁されます。

(2)支給・精算の方法について

災害救助法に基づき、介護職員等の派遣後に、派遣元施設がその施設の所在都道府県を通じて派遣要請施設の所在被災県に請求し、精算することになります。このため福祉避難所への派遣に要する人件費及び旅費等については、派遣元施設で立替払いをしていただくことを原則とします。

なお、災害救助費の求償は都道府県間で行われることになるため、可能であれば、派遣元施設の所在都道府県において立替負担をしていただくほか、精算に関しても、派遣元施設の所在都道府県において一括して派遣要請施設の所在被災県等との協議を行う等、派遣元施設の過度な負担とならないよう、特段の配慮をお願いいたします。

(3)留意点

避難所に避難している要援護者のうち身体等の状況が社会福祉施設等への入所に適する程度の者(要介護者等)に対して、緊急に入所できる施設等が確保できない場合や在宅サービスの提供体制が整わない場合は、上記で避難所に配置された介助員等により対応することが可能となります。この場合、早期に社会福祉施設等への入所や在宅サービスの利用等への支援を行うようお願いします。

更に、今回の災害では、社会福祉施設等自体が被災し、やむを得ずその場所に施設利用者や職員がとどまる形で避難している状況が想定されます。この場合についてもその場所を福祉避難所として扱うことが可能ですので申し添えます。

3 その他

福祉避難所として避難者(社会福祉施設等の入所者は除く。)を受け入れている社会福祉施設等は、避難者に対して食事等の提供、被服・寝具等の支給等を行った場合、これらの経費についても災害救助費の対象となります。費用の請求については、所在地の都道府県又は市町村に行うことになります。