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拷問等禁止条約 選択議定書

拷問等禁止条約選択議定書の表紙

拷問等禁止条約 選択議定書:元データPDF

よくある質問

拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)とは何ですか?

拷 問 等 禁 止 条 約 選 択 議 定 書 ( O P -CAT)とは、拷問およびその他の形態の虐待をよりよく防止するために、 国家が義務を課されることに合意する旨の国際人権条約文書です。 2002年の国連総会で採択され、20カ国が批准した後、2006年に、発効しました。 拷 問 等 禁 止 条 約 選 択 議 定 書 ( O P -CAT)は、人々が自由を奪われているかまたは奪われていると考えられるすべての場所への、国際的および国内的な専門家機関による定期的な防止のための訪問を提言しています。

なぜ選択議定書が必要だったのでしょうか?

拷問およびその他の形態の虐待の危険性は、広く世界中に存在しています。 その危険性は、外部からの監視が制限されている拘禁場所では、より高いのです。 したがって、議定書の焦点は、人々が自由を奪われているすべての場所への、専門家による定期的かつ予告 なしの防止のための訪問におかれています。

だれが批准できますか?

国連の拷問等禁止条約に批准または加盟したすべての国家は、 拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)に批准または加盟することができます。

拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)のもとで設立された機関には何がありますか?

締約国は、拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)に批准または加盟すると、 相互に補完し合う国際的および国内的な独立専門機関によるすべて の拘禁場所への訪問をいつでも受け入れることとなります。

  • 国連拷問等防止小委員会(SPT) 拷 問 等 防 止 小 委 員 会 ( S P T ) は、OPCATによって設立された新し い国際的機関です。 これは、当初は、OPCATの締約国に よって選出された、多様な専門性を 有する独立した専門家10名によっ て構成されます。OPCATへの50番 目の批准がなされた後は、委員の数 は、25名に増員されることになり ます。
  • 国内防止メカニズム(NPMs) 国 内 防 止 メ カ ニ ズ ム ( N P M s ) は、OPCATによって提案されている 国内的機関です。OPCATは、批准か ら1年以内に、一つもしくは複数の 国内防止メカニズムを設置し、指定 し、または維持するよう、締約国に 求めています。 国連拷問等防止小委員会(SPT)と 国内防止メカニズム(NPMs)は、 すべての拘禁場所にアクセスし、拷 問およびその他の形態の虐待の原因 に対する解決策を模索していくとい う、類似の目的、手段、および権限 を共有しています。 OPCATは、締約国、拷問等防止小委 員会(SPT)、国内防止メカニズム (NPMs)の三者関係を確立してい ますが、NPMsは、条約の実施の新 しい主体として認識されています。

拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)は、どのようにして、 拷問およびその他の形態の虐待の防止に役立つのですか?

拷 問 等 禁 止 条 約 選 択 議 定 書 ( O P -CAT)は、侵害が一旦起こってから対応するのではなく、 侵害を防止するために先取の事前策としてのシステムを設立しています。 拘禁場所への定期的な訪問は、抑止効果を持つだけではなく、まず、 専門家が自由を奪われた人々の取扱いおよび拘禁状態について調査することを可能とします。 その観察された具体的な状況をもとに、専門家は、現実的かつ実務的な提言を行い、 発見された問題の解決に向けて、当局との対話に入ることもできます。 しかしながら、訪問だけでは、拷問およびその他の形態の虐待と闘うには十分ではありません。 そのため、OPCATの機関は、拘禁場所への訪問を行うだけではなく、国に対して、拷問およびその他の形態の虐待 の根本的原因について取り組むための勧告やその他の支援も行うことを任務としています。これは、 不十分な法体制に関するものから、十分な研修を受けていない法執行官に関するものまでさまざまです。 以上のように、OPCATのシステムは、すでに起こった侵害に対する公的な非難ではなく、 侵害の防止を目的としており、状態や手続を改善するため、抑止と防止および締約国との協力を前提としています。

拷問およびその他の虐待とは、どのように定義されていますか?

拷問等禁止条約第1条は、拷問の定義を含んでいますが、 その他の形態の虐待については、条約では明確には定義されていません。 拷問の定義における3つの主な要素は、以下の通りです。

  1. 重大な身体的または精神的苦痛または苦しみを故意に与えること
  2. 公務員または公的地位で行動するその他の人が関与していること( 直接的、それらの者による教唆により、またはそれらの者の同意または黙認による)
  3. 特定の目的のためになされることこの定義にかかわらず、防止的体制において一般的には、 拷問行為とその他の形態の虐待を区別する必要はありません。 なぜなら、それらはすべて、国際法によって、いかなる時も絶対的に禁止されているからです。

どの拘禁場所が訪問を受けることになるのでしょうか?

拷 問 等 禁 止 条 約 選 択 議 定 書 ( O P -CAT)は、警察署、治安部隊、すべて の未決勾留場所、再拘留場所、刑に処せられた者のための刑務所、 少年刑務所、入国管理収容所、国際空港における乗換場所、亡命者収容所、精神療養所、行政拘禁所、そして、 より明確でない一時的な拘禁場所である移動車両内なども含む、 人々が自由を奪われていると考えられるとても幅広い範囲を確保するために、意図的に「人々が自由を奪われている場所」という要件を用いています。

拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)の機関は、どのように機能していますか?

拷問等防止小委員会(SPT)と国内防 止メカニズム(NPMs)の両者はと もに、幅広い防止的任務について、 二つの主な側面があります。

  • 「機能的な」役割(すなわち、一連の訪問を含む、拘禁に対する監視)および
  • 「指導的な」役割(すなわち、国内の防止的措置を改善するための助言や観察、勧告を含む、政策および 実施状況を発展させる役割)国際的な防止機関と国内的な防止機関の両者は、すべての拘禁場所への 定期的な訪問を行います。これらの機関は、関係者だけで、自由を奪われている人々などと面会すること ができます。訪問後、これらの機関は、拘禁の状態や拘禁者の取扱いの改善のため、また、拘禁場所の機能 について、関係当局に対して勧告します。これらの勧告は、関係当局との協力的な対話を構築し、維持して いくための基盤となります。
    拷問等防止小委員会(SPT)は、年ごとに策定された訪問計画に従って、 「国内任務」の一環として拘禁場所を訪問します。これまで、拷問等防止小委員会(SPT)は、年間で平均 して4つの国内任務を行ってきました。市民社会、国内防止メカニズム (NPMs)および、その他の機関は、その任務に先立ち、そして任務の間、拷問等防止小委員会(SPT) に対して概要を説明することができます。国内任務についての拷問等 防止小委員会(SPT)の報告書は、関係締約国が報告書の公表に同意するか、または、拷問等防止小委員 会(SPT)へ協力しない場合を除いて、非公開とされます。国内任務の遂行に加えて、拷問等防止小委員会 (SPT)は、拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)の解釈や、国内防止メカニズム(NPMs)の設置、指定お よび維持に関する助言も任務としています。
    国内防止メカニズム(NPMs)は、拷問等防止小委員会(SPT)に比べて、より頻繁に拘禁場所への訪問を行うことができます。
    その上、国内防止メカニズム(NPMs)の報告書や勧告について、 守秘義務は課せられていません。さらに、国内防止メカニズム(NPMs)は、現行法もしくは法案に関する提言や考察も任務としています。

国内防止メカニズム(NPMs)の要件は何ですか?

国内防止メカニズム(NPMs)は、 有能かつ独立した構成員を有する独 立機関として、防止的任務を遂行で きるようにされなければなりませ ん。国内防止メカニズム(NPMs) は、その業務と勧告について定期的 な公的報告書を作成しなければなり ません。構成員は、ジェンダーや人 種、マイノリティーの観点から、バ ランスをとらなければなりません。 国内防止メカニズム(NPMs)は、 公的資金から十分な援助を受け、す べての拘禁場所、関連する情報、自 由を奪われているすべての人々にア クセスできなければなりません。ま た、国内防止メカニズム(NPMs) は、法改革を提言することができ、 拷問等防止小委員会(SPT)に直接連 絡することができます。

国内防止メカニズム(NPMs)の構造とは?

拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT) は、国内防止メカニズム(NPMs)の 組織形態については何も規定しておら ず、それぞれの締約国が、その国の事 情に沿って最も適切な国内防止メカニ ズム(NPMs)を決定することとな っています。OPCATによって規定され ている主要な義務は、批准から1年以 内に、1つまたは複数の国内防止メカ ニズム(NPMs)を指定することであ り、1つまたは複数の既存の機構、1 つまたは複数の新規の機関、または、 前述のものの併用でも可能です。国内 防止メカニズム(NPM)の組織形態が どのようなものであっても、その国内 防止メカニズム(NPM)が拷問等禁止 条約の選択議定書(OPCAT)の要求を 満たし、拷問およびその他の形態の虐 待を防止するために効果的に機能して いるのであれば、いずれか1つの機関 が本質的に他の機関よりも優位とされ ることはありません。

適切な国内防止メカニズム(NPM)を決めるには?

拷問等防止小委員会(SPT)および国 連の拷問に関する特別報告者が勧告し ているように、国内において、拷問等 禁止条約選択議定書(OPCAT)につ いて、幅広く、透明性があって、包括 的かつ参加型の協議がなされるべきで す。その協議においては、OPCATの批 准についてだけではなく、その国の事 情に沿った最も適切な国内防止メカニ ズム(NPM)の選択肢についても焦点 をあてるべきと考えます。OPCATに関 する全国的な円卓会議、セミナー、協 議会、複数のワーキング・グループな どは、締約国が条約文書を実施する最 適な手段を検討していく上で、とて も実益のあるフォーラムであると証 明されています。

拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)に伴う締約国の義務とは?

既存の人権条約と異なり、拷問等禁止 条約選択議定書(OPCAT)の締約国 は、拷問等防止小委員会(SPT)に定 期的報告書を提出する必要はありませ ん。その代わり、OPCATは、国内防止 メカニズム(NPM)の設置、拷問等 防止小委員会(SPT)の訪問の受け入 れ、拷問等防止小委員会(SPT)およ び国内防止メカニズム(NPM)の勧告 に対する再検討および対応、国内防止 メカニズム(NPMs)の年次報告書の 公表を含む、実務的な性格の義務を規 定しています。

拷問等禁止条約選択議定書 (OPCAT)の効果的な実施のため にとり得る手段は?

  • 拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT) の批准のため、関係当局に働き かけ、関係団体および機関と協力す る。
  • 拘禁場所の地図化や現行の国内監 視機関の一覧化を含む、国内防止メカ ニズム(NPMs)の選択肢に関する国 内での幅広い議論を促進する。
  • 国内防止メカニズム(NPM)の迅 速な設置および効果的な機能を支援す る。
  • 国内防止メカニズム(NPMs)お よび拷問等防止小委員会(SPT)との 間の連携を促進する。
  • 国内防止メカニズム(NPM)および拷問等防止小委員会(SPT)からの 勧告の実施のためのフォローアップを行う。

拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)に関する文献


拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)についての さらに詳しい情報は、以下をご参照ください。

(1)APT(拷問防止協会)の出版物は、www.apt.chで入手可能です。特に、

  • 選択議定書―防止のためのマニュアル(インドネシア語、英語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、トルコ語に対応)
  • 拷問等禁止条約選択議定書に基づく国内防止メカニズムの設置と指定ガイド(12言語に対応)
  • 拘禁場所の監視―実務ガイド(アラビア語、アルメニア語、インドネシア語、英語、 フランス語、韓国語、ポルトガル語、ルーマニア語、スペイン語、タイ語に対応)
  • 拷問等禁止条約選択議定書 国家の状況―批准および実施

( 2 ) 拷 問 等 防 止 小 委 員 会 の ウ ェ ブ サ イ トは、 www.ohchr.org の ”human rights bodies”(人権機関)の項にあります。

拷問防止協会(APT)は、拷問防止のため世界で活動する国際的なNGO(非政府組織)です。
さらに詳しい情報は、APTにご連絡ください。
10Route de Ferney,CH-1211,Geneva2
電話 +41-22-919-2170
ファクシミリ +41-22-919-2180
電子メール apt@apt.chwww.apt.chc

APT June 2009