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第6回障がい者制度改革推進会議(2010年3月30日)議事要録

議事 司法手続きについて


1 司法手続きにおける障害者の位置づけ

(障害者の権利条約第13条は、手続上の配慮及び年齢に適した配慮が提供されること等により、障害者が他の者と平等に司法手続を効果的に利用することを確保するとしている。これに対し、日本の司法手続きは障害者に対する「手続上の配慮及び年齢に適した配慮」を提供していると考えるか、否か、まずは概括的なご意見を賜りたい。…主な書面意見)

  • 十分な手続上の配慮及び年齢に適した配慮が提供されていない、不十分である(16名、ほぼ全員が同趣旨)。

2 捜査段階における刑事手続き

(1 被疑者が逮捕される場合、警察官は権限のある裁判官が作成した逮捕状が存在することを示し、犯罪事実の要旨を告げることになるが、このような令状主義は、障害者に対して有効に機能していると考えるか。…主な書面意見)

  • 障害者に令状主義が有効に機能しておらず、特に知的障害や視覚障害のある人について、情報保障されていない(14名、ほぼ全員が同趣旨)。

(2 被疑者は、弁護人選任権や黙秘権の告知を受けることになるが、このような権利の告知が障害者に対して有効に機能していると考えるか、否か。…主な書面意見)

  • 有効に機能しておらず、令状主義に関して論じられた情報保障と共通の問題がある(14名、ほぼ全員が同趣旨)。障害の特性に応じた情報保障のための配慮が必要(手話通訳者や筆記者、知的障害者の支援者などの立会いなど)。

(3 被疑者に対する取り調べに際して、障害者に対して適正な取り調べが保障されていると考えるか。また、取調べの可視化(全面録画)についてご意見を賜りたい。…主な書面意見)

  • 障害に配慮した適正な取り調べが保障されていない(15名、ほぼ全員が同趣旨)。手話通訳者や筆記者、知的障害者に対する支援者の立会いなどの配慮や、取調べの全面録画が必要。

3 公判段階における刑事手続き

(1 取り調べにより自白すると書面が作成されるが、その自白に任意性がなければ、証拠として使えないことになる。捜査段階における障害者に対する取り調べ等に関して、任意性を否定すべき場合が存在するか、否か。…主な書面意見) 取調べに関する問題点がある場合には、任意性を否定すべき場合が存在する(15名、ほぼ全員が同趣旨)。

(2 被告人や証人が障害者の場合、質問や尋問が適正になされていると考えるか、否か。…主な書面意見) 尋問等が適正になされていない(15名、ほぼ全員が同趣旨)。

  • 障害それぞれに対応した適切な情報提供、その担保となる手話通訳者、筆記者、知的障害者に対する支援者を介した取り調べや尋問が必要(多数)。手続き上の配慮を権利として保障することや、裁判官、検察官、弁護人の質問の仕方・威圧感をなくす工夫などが必要。

(3 判決は宣告により告知されることになるが、判決内容の伝達や判決文の交付が適正になされていると考えるか、否か。…主な書面意見)

  • 判決文は理解できる内容や言葉遣いでなされるべきである、点訳の判決が必要であるなど、判決内容及びその伝達に障壁がある(全体として13名、多数)。おおむね適正になされている、著しく不適正ではないという意見もあった。

4 受刑者の状態

(1 IQ69以下の受刑者~法務省の矯正統計年報によれば、新受刑者のうち、知能指数69以下の人は22%を占めているとされている。片や、障害者白書では、知的障害者は0.4%とされている。両者の判断基準が同一ではないため単純比較は出来ないが、なぜ、このような状況なのか。…主な書面意見)

  • 司法手続で配慮がないため実刑にならずに済む事件で実刑になる、量刑が通常より長期になる等の問題がある。裁判官、検察官、弁護人の無理解もその原因。地域や職場の支援からこぼれ落ちてしまったため、衣食住が保障されている刑務所に向かいやすいとの指摘があった。(16名の委員より意見)

(2 刑務所での合理的配慮~受刑中の障害者の処遇は適正になされていると考えるか。…主な書面意見)(全体として18名)。

  • 知的障害、発達障害、精神障害、聴覚障害のある人、更には車いす利用者への合理的配慮がなされていない(多数)。物理的なアクセス、情報面でのアクセス、医療面での配慮、刑務所職員の研修などの配慮が必要。(全体として15名)。

5 司法関係者に対する研修

(障害者の権利条約第13条は、司法に係る分野に携わる者(警察官及び刑務官を含む。)への適当な研修を促進するとしているが、日本の司法関係者に対する研修が必要であると考えるか。…主な書面意見)

  • 研修の必要がある(17名、全員が同趣旨)。障害への理解を欠くことで問題が生じているため、障害の特性、手話言語や障害に配慮したコミュニケーション、生活支援の基本などについての研修や、薬物やアルコール依存などへの理解が必要。

6 その他、民事訴訟、行政訴訟手続きも含む問題

(1 損害額の認定~障害者の稼働能力が低く認定される結果、逸失利益の認定が低く押さえられることについて、どう考えるか。…主な書面意見)

  • 低額な認定の不当性が指摘される(13名、ほぼ全員が同趣旨)。社会の障壁や支援不足から稼働能力が低く認定される点を考慮しないまま定額の逸失利益を認定するのは差別。稼働能力を逸失利益の算定に用いるとしても、合理的配慮によって稼働できる状態というものを想定して算出すべき。

【司法手続きについての主な発言の要旨(一括)】

  • (発言)担当弁護士が障害について知らない場合は安易に自白を信じて冤罪になることがある。各弁護士会は障害のある方が逮捕されたときの支援センターのような取り組みをすべき。また、障害者基本法に司法に関する権利等の明確な指針を書くべき。
    刑事施設拘禁法に関連して、受刑者への医療や接見交通権が保障されていない問題がある。接見交通権に関連しては、受刑者が手話を必要としても立会警察官、刑務官が理解できない言語とされ、とり抑えられてしまう。知的障害は他の受刑者からいじめられないよう独居拘禁で隔離されることがあるが、福祉という名の下に何らかの生活制限が継続すれば人権侵害だ。
    犯罪報道については、犯罪と全く因果関係がなくともレッテルが貼られ病名、障害名を特定して報道している。各報道機関に対する倫理規定に盛り込むべき。
  • (発言)司法関係者に関する研修は必須。精神障害に関して偏見のある方が多い。裁判官や調停委員など判断を下す方の障害への理解は不可欠。医療で、服薬拒否できない状態があり、インフォームド・コンセントの問題がある。刑事訴訟法について、任意性にかかわらず自白のみでは証拠にならないことは明白。医療や司法の問題で根幹的な部分で、一般の人に対しても必要な原則。
  • (発言)責任能力について、十分な判断をする前提として知的障害者や聴覚障害のある方、未教育の方々に対する対応ができていない。改善に向けて、まず障害に関する研修は絶対的に必要。刑事訴訟法の責任能力を厳格に適応すべき。裁判所のための補助者と被疑者被告人のための補助者を分けるべき。(竹下委員)
  • (発言)知的の障害のある人が少しおかしい行動をして、警察に抑えつけられた事件もあった。いっぱい言われて何でも「はい」と言って警察に捕まってしまい、よく考えたら悪いことをしていない。警察に私たちの障害のことを理解する専門的な人が必要だ。
  • (発言)教育を十分受けていない方、聞こえない方が冤罪等で捕まる例も多い。国際的には裁判に手話通訳をつける費用は無料だが、日本の刑事訴訟法では自己負担となっており、早急に改正が必要。聞こえない人は弁護士に断られることも多いので、弁護士会として障害についての研修をして理解を広げるべき。また、被告人が十分理解できないままの自白は証拠能力がないので公判を打切るべきである。
  • (発言)冤罪事件等を防ぐためにも警察官、弁護士、司法関係者に対して障害についての研修を充実させることが大事。手話通訳も聴覚障害者の立場に立っていないことが多く、裁判所でも障害のある被告人に対しての配慮は見られない。裁判員制度について、見えない聞こえない人への情報が不十分でどう関わっていいのかがわからない。
  • (発言)裁判員制度が始まり全国60か所の裁判所に磁気誘導ループを設置したと刑事局から報告を受けた。裁判員の方だけでなく傍聴席に貼ってあるか確認したい。
  • (発言)中途で脊髄損傷になると一種一級の死亡扱いの保険になり、その後に交通事故で運転ができない状態になった時、更なる保障がない。
  • (発言)2009年東京都内のホームレス調査で、知能指数70未満53%、言語を使う能力が十分でなくテストができなかった人もほかに多数との報告。必要な支援が受けられず会社や地域で弾き出されてしまうために、受刑者やホームレスの中にかなり高い率で知的障害のある人がいるということ。司法や福祉等、制度の谷間の問題と総合的に関係することを示した重要な数字。
  • (発言)刑務所の中の医療は非常に貧困で、精神科医の配置も極めて少ない。医療刑務所では精神科の治療を受けることができるが仮釈放がないので、一般刑務所にいくことになる。 司法分野は非常にわかりにくく運動化しにくい。また保守的。人権保障か侵害か分かれ道がこの分野。今日の議論では、まず障害者基本法の法律の中に明記する。現行の司法関連法律、刑事訴訟法、裁判所法、民事訴訟法等の改正、見直しをどうするか。それから差別禁止法創設の中でどう盛り込むか。トータルに合理的配慮をキーワードに深めていくことで、一旦整理させていただく(藤井議長代理によるまとめ)。

議事 障害児支援について


1 基本的な考え方

(障害者権利条約では障害のある児童とない児童は平等であると明記されている。子どものを「障害」という概念で括る前に個性・個人差として捉え,児童福祉法における子ども施策の中に障害児の支援を位置づけることについてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 多数意見は障害児への支援は一般児童と区別せず、児童福祉法に基づくべきだという点で一致し異論はなかった。児童福祉法の児童の定義の見直しが必要だという意見があった。(全体として17名)

(障害者権利条約では障害のある児童の意見表明権とその権利行使のための支援の必要性を規定しているが、この意見表明権等を障害者基本法で明文化することについてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 障害児の意見表明権を障害者基本法で明文化することについて、ほぼ全員が賛成した(全体として17名)。

(障害者権利条は早期のハビリテーションとリハビリテーションを規定しているが、障害のある子どものハビリテーションとリハビリテーションを生活構造に沿って再編成し、シンプルにすることについてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 子どもの生活構造に沿った再編成とシンプル化をすることについて、多くの委員が総論的に支持した。少数意見として、きめ細やかな支援をするために制度の複雑化は避けられない、子どもの側面と障害児の側面があるため複数の法律で対処するのは仕方ない、子どもにはリハビリテーションは不要である等の意見もあった。

出生直後から乳幼児期の相談支援のあり方

(「(障害の)早期発見・早期療育」は医療・療育に偏向しており、障害のない子どもとの分離・選別につながると指摘されているが、この点をどう考えるか。…主な書面意見)

  • 早期発見・早期療育は障害のない子どもとの分離・選別につながるという意見と、そうではないという意見があった。両者ともに、本来は必要な医療や療育が適切に提供される必要があるということと、限りなく統合された社会環境もしくは障害特性に応じた言語環境の中で支援が提供されるべきであるという点で一致していた(全体として15名)。

(「早期発見・早期療育」のもとで障害を軽くする努力をすることが保護者の責任とされている現況において、保護者の罪悪感を強め、責任感をあおる結果につながる懸念があるとの指摘を踏まえ、「早期発見・早期支援」についてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 多数意見は、従来の早期発見・早期療育によって保護者は社会的孤立や罪悪感を感じ、心理的な危機に陥る場合があるという点で一致していた。家族、保護者への支援や親相互のピアサポートが必要だとする意見や、専門家による否定的な情報の提供の在り方を問題視する意見があった(全体として16名)。

(確定診断前の子どもや気になり始めた段階での子どもの支援について、手続きが申請主義的であるためにタイムリーな支援が困難となり、保護者が支援を辞退するなどの懸念があるが、これについてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 多数は、障害者手帳を取得した後に障害児の支援を開始するのではなく、子育て支援の一環に障害児支援を位置づけるべきだとの意見だった。この他に、本人や家族の立場に立った相談支援、情報提供の重要性、必要な支援を地域で受けられるような仕組みの構築が求められているという意見もあった。(16名から書面意見提出)。

(保護者の漠然とした不安を、障害種別ごとに切り分けた支援サービスの仕組みにはめ込むことは保護者の心理面からも無理があるという指摘を踏まえ、相談支援の対応のあり方についてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 相談支援は障害種別ごとに切り分けられるものではなく、切り分けないような努力がなされているという指摘がある一方で、障害種別ごと各種療法が乱立したり、支援が細分化されることが分離選別につながる可能性があるという意見があった。聴覚障害のある子どもの特性に合わせた相談窓口が必要であるという意見もあった。専門的な情報だけでは保護者の不安は解消しない、同じ地域で孤立しないように寄り添う支援が必要であるという意見があった。(16名から書面意見提出)。

(地域での子育てに関する相談はいろいろな関係機関での実施が望ましく、またそれらの情報が一元化されて関係者や関係機関が一緒に検討できる場が必要であると言われているが、このことについて留意点などを含めご意見を賜りたい。…主な書面意見)

  • 多数は、地域での子育てに関する相談は各種機関で実施されること、また、総合的な相談体制が整備されることに賛同していた。関係機関の連携に加え、親、子ども、当事者相互の相談体制、社会資源のネットワークとそのコーディネートの必要性について指摘する意見があった。情報の共有化や一元化の際にはプライバシーの問題に配慮すべきで、本人や親の同意、承諾が必要であるという意見があった。

就学前の支援策のあり方

(保育所での障害児の受け入れが年々増加しており、障害児の通園施設は専門機関としての機能の拡充、例えば保育所等への巡回指導などの機能を果たすことが求められている。障害児通園施設と児童デイサービスの機能を充実させるだけの財源を確保するために、個別給付とする必要があるという考え方があるが、どうか。…主な書面意見)

  • 通園施設については積極、消極意見の両方があったが、通園施設による地域支援、コーディネート機能の重要性については、ほぼ異論はなかった。財源を確保するために個別給付方式が妥当かどうかについては、議論が分かれたが、財源確保が必要であることについては異論はなかった(16名より書面意見)。

(障害の重複化に対応して身近な地域で支援が受けられるようにするため、障害種別による区分をなくし通園施設を一元化すべきとの考え方があるが、これについてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 障害種別の区別をなくし、障害のある子どもが地域の身近な通園施設に受け入れられるように一元化すべきとの意見が多かった。一方、専門性が確保されるのか、一元化では身近で利用可能な施設にはならないとの意見もあった。また通園施設は不要である、地域支援としての機能を強化し在園者を暫時減らしていくべき、統合保育・統合幼稚園教育が必要であるという意見もあった。

市町村を基本とした相談支援体制について

(身近な行政が子どもの権利を一層明確に自覚することは重要だが、小規模な町村では障害のある子どもの数は少なく効果的・効率的に支援するサービスが質的・量的に保障できるのかという論点についてどう考えるか。町村への相談を専門的な相談支援につなげる体制を地域の実情に応じてつくる場合の課題は何か。…主な書面意見)

  • 国、県、市町村の連携、広域での相談支援体制の構築、国による支援や自治体自体が事業化すること、専門相談員による巡回を実施すべきであるという意見があった。また、自治体が相談支援を実施する際に利用者の立場に立つべきという意見があった(14名からの書面意見提出)。

(障害児には保健・医療・福祉・教育・就労など様々な関係者が支援を行う必要がある。身近な地域でこうした様々な分野の関係者の連携の強化を図るため、地域自立支援協議会の活用(子ども部会の設置)等により関係機関や関係者間の連携をつくっていくことが重要とする意見についてどう考えるか。…主な書面意見)

  • 自立支援協議会は重要だとする意見や地域によってその果たす機能に格差があるという意見があった。支援する側だけではなく当事者団体や地域団体との連携も必要だ、コーディネーターの役割が重要だという意見があった。また、子どもの場合は自立支援協議会の枠を超えた連携が必要だという意見もあった。(15名から書面意見提出)

【障害児支援についての主な発言の要旨(一括)】

  • ハビリテーションとは何でしょうか。
  • リハビリテーションは障害、病気のために能力が失われた場合に、能力や人間としての誇りを再び取り戻すという意味。子どものときから障害を持っている人の場合には、「再び」を意味する「リ」は要らない。権利条約は、ハビリテーションという言葉で、子どものことを忘れないように強調していると理解している。
  • ハビリテーションの政府仮訳は「適用のための技能の習得」となっているが、新しい能力、参加の可能性を広げていくことを意味しているので、訳の変更が必要だ。
  • ハビリテーションは極めて良い言葉で、個性の創出、個性を伸ばすと訳せる。人間が持っている本来の力を伸ばすという意味なのだから、政府仮訳は間違っている。
  • 医療モデルから社会モデルへという中で考えると、障害児については児童福祉法の中で討議することに賛成だ。子どもの障害が分かると日本では医療的な面が強調され、ネガティブなアドバイスが(専門家から)親にされている。
  • 早期発見、早期療育が、障害者権利条約第19条で言う特定の生活様式で生活することの入り口になってきたことを反省し、転換が必要だ。インクルーシブ教育への転換を前提にして就学前の支援を考える必要があり、地域の学校で学ぶことを基本として希望に応じて多様な選択を可能にするべきだ。自立支援協議会に障害のある人や家族を明確に位置づけ、地域でインクルーシブな生活を送ることができることを示す必要がある。
  • 性急に障害名や診断名を告げることや、各種の治療、教育、訓練は、家族にとって望ましくない。家族がそれらに納得しない場合は効果を生まず、本人と家族に焦りや失敗体験を引き起こし、子どもの成長を阻害することが多い。相談支援は総合的にライフサイクルに沿って行われるべきだ。障害のある子どもと共に生きる仕組みを作るべきだ。
  • 精神障害者は6か月入院すると社会生活が根こそぎにされ、障害を受入れて社会生活を再構築しなければならない。だから精神障害者の場合はリハビリテーションではなくハビリテーションだ。もう一点は、子どもの権利条約を日本は批准しているが、それによって法律の文言が変わったという例は聞かない。条約を批准することでどのようなメリットがあるのか、救済されているのかをきちんとしなければいけない。
  • 知的障害や発達障害から言うと通園施設での早期発見、早期療育あるいは早期対応に悪いイメージを持っていない。支援の基本は家族を孤立させないことだ。児童の入所施設が終生保護になってきた歴史がある一方で、有期限の社会的擁護の機能もあり、緊急避難的な役割や家庭代替機能も果たしていることを認識する必要がある。
  • 学齢前のインクルーシブな保育、療育が必要だ。重い障害を持っていても一般の保育所に入れるようにし、そこにも医療や訓練などのスタッフを配置することが必要だ。選べる状況になってから通園施設を解消するのなら良いが、通園施設をまずつぶすという発想は障害のある子どもや家族の利益にならない。
  • 結論的には、通園施設は否定すべきではない。視覚障害児の場合、通常の保育所と訓練等をする通園施設での保育の双方が必要だ。聴覚障害も同様だが、通常の保育所でコミュニケーション障害を持った子どもへの特別の訓練や特別の認知能力を高めるための援助を行うことは現実には難しい。
  • 通園施設を早急に廃止するべきだ言っているのではないが、現実に通園施設に入ると分離されてしまうという。これをどう乗り越えるかが問題で、早期支援は否定していない。児童福祉法に統合するべきという意見に基本的に賛成だが、児童福祉法は子どもの権利条約批准の際に見直されていない。意見表明権については、支援を受けなければ子どもは意見を表明しにくいが、オンブズパーソンや第三者機関等、親からも中立な支援をシステム化しなければいけない。
  • 連携が必要だが、実態として連携できない。ワンストップステーションのように、1か所に行けばすべてそこで用が足りるような仕組みを今後の総合福祉法との関係で整理すべきだ。連携をするためには社会資源が必要だが、過疎化が進んできている中で必要なサービスを提供する仕組みをどのように担保するのか検討しなければならない。
  • 児童の権利条約の批准の時に、日本は国内法を整備しなかった。児童福祉法を進化、発展させて、子ども基本法にすべきだ。 子どもの問題は、児童福祉法で基本的にはやるべきだ。

議事 医療について


1 精神医療と福祉に関わる法体系

(医療法体系~精神医療は一般医療法に包摂し、精神保健福祉法という特別な医療法体系は見直すべきか。…主な書面意見)

  • 権利条約の他の者との平等を基礎とする理念から、精神医療は一般医療に包摂し精神保健福祉法という特別な医療法体系は見直すべきとして異論なし。(17名中17名)
  • (発言)精神医療は一般医療に入れるべきだが、一般医療の現場での精神疾患への偏見差別は甚だしい。医療現場の医師、看護師等への研修を強化する必要がある。

(福祉法体系~精神障害者福祉を総合福祉法に包摂すべきと考えるなら精神保健福祉法は意義があるのか。…主な書面意見)

  • 精神障害者福祉に関しても総合福祉法に包摂されるべきと考えるなら、精神保健福祉法は福祉施策の独自の法体系としての意義があるのかという点について、18名の委員から意見が出されほぼ全員が(総合福祉法に並置して精神保健福祉法を置くことの福祉施策における意義について)否定的な見解。
  • 一部の委員は総合福祉法の性格や内容の検討が不十分なので判断できないとの意見。

2 精神障害者に対する強制入院

(措置入院~精神保健福祉法は「自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれ」を措置入院の要件として挙げているが、これが権利条約14条でいう「自由のはく奪」の根拠となるのか。…主な書面意見)

  • 15名中10名の委員が根拠としては弱いまたは根拠にはならないとの意見。4名が根拠となるとしつつも厳格な適用が必要、措置入院制度は人権侵害の場合が多いなどの指摘をする。1人は自由のはく奪の根拠とすることには慎重であるべきとの意見。以上のことから、法制度だけではなくて運用実態は権利条約上問題が多いという大枠では一致した。
  • (発言)命に関わる場合に措置入院が必要なこともあるが、早期支援によって入院しなくてすむような体制づくりが必要だ。

(医療保護入院(33条)~精神保健福祉法は、保護者の同意があるときには本人の同意がなくてもその者を入院させることができるとしているが、この要件が自由のはく奪の根拠となり得るのか。…主な書面意見)

  • 17名中15名の委員が自由のはく奪の根拠としては弱いとの意見、1名が根拠となる場合もあるが厳格に適用すべきとの意見、1名が本人の代理人たる弁護士などの立会いの下に判断されるべきとの意見だった。
  • (発言)医療保護入院というのは差別に当たる。家族にすべての責任を負わせる保護者制度を廃止するべきだ。

(医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定~心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律は「対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、入院をさせてこの法律による医療を受けさせる必要があると認める場合」には、裁判所が医療を受けさせるために入院させる旨の決定を下すことになっているが、この要件が自由のはく奪の根拠となるか…主な書面意見)

  • 16名中14名の委員が自由のはく奪の根拠としては消極だった。1名は自由のはく奪の可能性がある、残る1名は自由のはく奪の根拠とすることには極めて慎重であるべきとの意見。

3 精神障害者に対する強制医療介入

(精神保健福祉法における強制医療介入~精神保健福祉法で規定されている強制入院に伴う治療に関しては、他の疾患との平等を基礎として、患者本人の生命を守る緊急医療が必要とされる場合など一般医療について強制的な介入が必要な場合と同様に解し、精神障害を理由とした特別な強制的医療制度を設けることを見直すべきか。…主な書面意見)

  • 15名中13名の委員が見直しや今後の議論の必要性を主張し、2名は強制介入を必要だとした。

(医療観察法における強制医療介入~医療観察法42条で「医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定を受けたもの」は43条により「入院による医療を受けなければならない」とされているが、これが権利条約に違反するか。…主な書面意見)

  • 15名中10名の委員は権利条約に違反するという意見だった。
  • その他、違反の可能性がある、入院による医療を受けさせなければならないか議論が必要、刑法39条の規定とその運用の妥当性の検討や刑事施設において適切な医療を受けることができない問題も併せて検討が必要、必要な医療を受ける権利とも考えられる、入院による医療を義務づけることには慎重であるべきなどの意見があった。
  • (発言)精神疾患に対する差別、偏見がなくならない限り地域が受け取らないから地域医療は保障されず、患者を地域に出そうとしても部屋さえ貸してもらえない。また病気と犯罪に関して殊更に不安をあおる報道がまかり通っているが、これは差別として歯止めをかける必要がある。その上で刑罰を科すことができない、もしくは刑事事件を犯した後の治療方法を、予防拘禁に当たらないような形で検討するべきだ。
  • (発言)心神喪失は罰しない、心神耗弱は減刑となっているのに、医療観察法の施設には閉じ込める。これは自由を奪う一種の制裁だ。

4 医療サービスにおける差別的取り扱い

(精神医療の供給体制~日本では精神科の医師数、看護師数を一般医療よりも少なくてよいとする精神科特例があるが、これは精神医療サービスにおいて「他の者に提供されるものと同一の範囲、質及び水準」を提供したと言えるか。…主な書面意見)

  • 17名全員が他の者に提供されるのと同一の範囲、質及び水準ではないとの意見だった。

(一般病院への入院体制~医療法で精神病患者を精神病室でない病室に入院させないとしているため精神障害者は一般医療を享受できないことがあるが、これが他の者に提供されるものと同一の範囲、質及び水準を提供したと言えるか否か、また障害を理由とするあらゆる区別、排除または制限に該当するか否か。…主な書面意見)

  • ほとんどの委員が現状に否定的な評価をしている。(15名が意見表明)

5 社会的入院

(精神病院の入院患者のうち7万人ほどが社会的入院であるとされているが、治療の必要性がないにかかわらず、医療の分野で生活を送らざるを得ないことに関して、どう考えるか…主な書面意見)

  • 社会的入院については、意見表明した18名全員が地域の受け皿を早急に用意し、社会的入院を解消することが強く求められるという見解だった。
  • (発言)社会的入院は障害者権利条約第19条違反で差別に当たる。日本の精神科病院への平均在院日数は373日で諸外国の平均30日と比べて異常だ。入院医療中心の政策から地域医療への移行という命題として解決していかなければならない。

6 医療行為一般

(医療行為の定義が不明確であるため、在宅で生活している重度の障害児・者が、家族の重い介護負担の下での生活を余儀なくされたり、社会参加を極度に制限されたりしている現状と対策についてどう考えるか…主な書面意見)

  • 14名の委員が意見表明し、多くの委員は指導を受けることを前提とした上で、介助者による医療行為を認めるべきとの意見だった。
  • (発言)地域生活と医療的ケアの問題でより重度の障害者の地域での自立が広がりつつあり、地域生活のための介助と併せて医療的ケアが得られるかどうかが重要になっている。また重心の人たちの地域移行が進んでいないが、スウェーデンではパーソナルアシスタントという仕組みができて重心の人たちも地域で暮らせるようになった。
  • (発言)医療については権利条約19条「地域での生活と特定の生活様式で生活する義務を負わない」に立脚して考える必要がある。医療関係者以外はやってはいけない医療行為がたくさんあるが、生活支援のための行為は介護者もできるようにするべき。

7 重度障害児の在宅移行

(・・日本では、入院中の重度障害児の在宅移行が進まず、重症心身障害児施設の増設が取りざたされている。・・・このような重度の障害児が在宅で暮らせない状況は、障害児者本人にとって人権侵害であるか、否か…主な書面意見)

  • 重度の障害児が在宅で暮らせないという状況は人権侵害であるとする意見が多かったが、現在は医療的ケアが在宅でできないから人権侵害とまでは言えないという見解も多かった。
  • 現状がこうであるからやむを得ないということがいいのかどうかが問題となる。(東室長意見)

8 受診拒否

(障害児・者が一般医療機関で受診拒否されることが少なくない。・・・このような実態と対策についてどう考えるか…主な書面意見)

  • 様々な差別的な受診拒否の実態が指摘された。改善方法として、医師に対する研修や教育を行うべき、本人に慣れたヘルパーやパーソナルアシスタントをつけることで医療側の対応困難を軽減する、スロープなどの物理的障壁など病院側の合理的配慮として解決すべき、医療へのアクセス権を保障すべき、受診のためのコミュニケーション支援を制度化すべき、受診拒否は差別なので差別禁止法で禁止する必要があるなどの意見があった。

9 施設での滞留化

(・・・重症児施設の施設給付費が高く、利用年齢の制限がないことも加味されて重症児施設の「滞留化、加齢化、常時満床」の状態をもたらしていると指摘されている。このような指摘を受けている現状と対策についてどう考えるか…主な書面意見)

  • 24時間ヘルパー利用をして早急に在宅移行を図るべきである、個人給付を原則として選択権を本人等に保障すべき、重度障害者向けの人手の厚いグループホームの設置のみならずパーソナルアシスタント用いた単身生活等の可能性も検討すべき、施設給付金の高さが施設への滞留に関係しているとすればゆゆしき問題だ、個別のケアマネジメントを強化して必要な支えを地域につくるべき、施設から家族の下で暮らせる仕組みを構築する必要があるなどの意見があった。

10 自立支援医療における医療費

(障害者自立支援法では、更生医療、育成医療、精神通院医療と、それぞれ1割負担であり、また、精神科入院医療費など制度の対象外となっているものがあるが、これについてどう考えるか…主な書面意見)

  • 今回の低所得者層の負担軽減から自立支援医療が漏れているとの指摘があった。保護者の年齢層が若いことに着目すれば中間所得層の負担について特に配慮する必要がある、障害のゆえに必要となる医療については基本的には無料化を推進すべきだ、精神の入院は一般と同じ3割負担で不公平だという意見があった。

(難病のうち、特定疾患以外は、公費で医療を受けることができないが、これについてどう考えるか…主な書面意見)

  • 特定疾患の範囲を拡大すべき、特定疾患だけでなく基本的には無料化を推進すべき、すべて公費でまかなうべき、疾患名で指定する制度は変えるのが望ましい、税金を使う制度なので長期にわたる医療費負担に苦しむ人々を平等に扱うべきとの意見があった。

(他の医療費助成制度との整合性を含め、医療費助成の統合化、一本化についてはどう考えるか…主な書面意見)

  • 一本化すべきとの意見が多かったが、目的や対象によって分けられた制度を一本化するのは現実的ではないとの意見もあった。

11 更生医療、育成医療、精神通院医療

(障害に係る医療支援が更生医療、育成医療、精神通院医療の3種に区分けされているが、このような区分けに基づく申請手続きの違いや治療の範囲は適正であるか、どうか…主な書面意見)

  • 申請窓口が育成医療だけは都道府県となっているため遠くまでいかなければならないこともある、制度の対象として育成医療は身体的な障害に限定されている、制度周知が不足している、障害の範囲が臓器別や疾患別に区分けされていることについて説明がない、根本的には障害のある人に医療保障を行うために更生医療・育成医療・精神通院医療という区別は廃止すべきである、一本化すべきだが強制入院については総合福祉法を適用せず全額公費負担とすべきであるなどの意見があった。

[以上]