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添付資料

参議院 法務委員   先生 御机下  2003年5月8日

    厚生労働委員 先生 御机下

越智祥太(労住医連 精神科医)

「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」を廃案にしてください

平素よりのご活躍に敬意を表します。

本日は標記のお願いに参上いたしました。

私どもは日ごろ地域医療に奉職いたしております医療従事者の集まりです。

今法案に対しましては、現場より多くの反対の声が寄せられております。

先日、廃案を求める私ども労住医連の声明を持参いたしましたが、既に多くの医療保健福祉関係者の賛同が寄せられ、その数は更に増え続けています。

声明にも述べましたが、今法案は特に下記の点に問題を認め、このまま今国会で成立し、施行されてしまった場合、取り返しのつかない禍根を残すことになります。現在でもなお諸外国に比較して著しく遅れ、閉鎖性をかねて指摘され改善を求められている日本の精神保健医療福祉は、いっそう遅れ歪んでしまいます

問題の多すぎる今法案は廃案にし、日本の精神医療と司法の問題について、改めて根本的な論議を重ねていただきたく、なにとぞよろしくお願いいたします。

法案の問題点

Ⅰ.精神障害者は実際には一般より犯罪率も再犯率も少ないにもかかわらず、医学的にも統計的にも誤った精神障害者=犯罪傾向者という認識に基づいている。さらに精神障害者に対し、一般の法廷とは別の簡単な法廷でもって、憲法に保障される十分な弁護権も認めず、反対尋問権もなく冤罪もありうる一方的な裁判によって、罪刑法定主義の大原則を精神障害者にのみ覆して予防拘禁・不規則拘禁としての治療処分を科すものである。精神障害者に対する差別を法的に規定し、差別をますます助長するものであること。

Ⅱ.今法案は、ずさんな起訴前鑑定による不起訴の問題、名古屋刑務所事件で明らかになった刑務所内での精神医療の貧困の問題、そもそも鑑定や処分優先で治療が後回しの司法における精神医療の乏しさの問題、等のかねて触法精神障害問題を論じるうえで指摘されてきた四方の側の問題については全く手付かずのままであること。上記を解決しない限り、再犯率の少ない精神障害者の再犯をいかに予防拘禁で抑えようと、問題は減らないこと。

Ⅲ.精神医療をかつてのハンセン病対策のような隔離収容と管理統制の流れにねじ曲げ、開放化に進んできた日本の精神医療を、再び諸外国より遅れたものに荒廃させること。

「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(修正案)」の衆議院での強行採決に強く反対し、この法案の参議院での即時廃案を求める声明

現在、精神科医療を歪め、精神障害者福祉を害する恐ろしい法案が、マスコミの「精神障害者」タブーで国民に実態が知らされないまま、先の衆議院の強行採決を経てしまい、今年1月20日から始まっている通常国会において参議院での成立を企図されています。

「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」というこの法案は、いったん重大な他害行為を行ったとされた場合、精神障害者のみを一般的な司法制度から除外し、強制的に不定期予防拘禁できるものです。そしてその後も、精神障害者のみを保護観察所や精神科医療機関を動員しての監視体制の下に置くものです。

この法案に対し、精神神経学会や日弁連をはじめとした精神科医療関係者、司法関係者、そして多くの障害者団体から反対の声が続出し、衆議院の審議でも、参考人の多くから法案の根幹に関わる疑義が述べられました。政府・与党はこれら当事者の声に明確に答えることすらできず、法案の理論的欠陥を露呈するばかりでした。にもかかわらず、法案を廃案にせず、不都合な言葉のみ変え、名ばかりで実体のない「医療」や「社会復帰」をこれみよがしに強調するだけで、本質的には何の変化もない「修正案」をもって、形ばかりの審議を最後は強行採決という暴挙で打ち切り、昨年12月に衆議院で可決させました。

この法案は、精神障害者を犯罪素因者として危険視した上で社会防衛的に作られた、保安処分立法です。現在でも差別に苦しむ精神障害者にさらに憲法の人権保障も、刑法の罪刑法定主義も認めない差別立法です。精神障害者への社会の差別もさらに強まるでしょう。

法案は精神科医療を治安対策としてしか捉えていません。日本の精神科医療は、国際的に批判されてきた長い隔離収容政策の時代が続き、ようやく精神障害者の保健福祉の充実が叫ばれ始めたところです。諸外国に比べ桁違いに長い入院期間、数多い入院患者、中でも七万を越す社会的入院患者、精神科のみ医師・看護師が少なくてよい特例、等の実態は、隔離収容時代の残滓です。その中で日本の精神科医療は身体科に比べ、医療水準でも人権保障でも大きく遅れています。司法精神医療においても、起訴前の鑑定や医療のずさんさ、矯正施設での精神医療の乏しさ等の基盤の問題は放置されたままです。保安処分を前面に出したこの法案が成立すれば、精神科医療は再び隔離収容と管理統制の流れに歪み、さらに悪化します。医療近接性が下がれば逆に触法行為の増加を招く悪循環が予想されます。

「修正案」は批判を受けて、「医療」や「社会復帰」のためと謳い直 し、「附則」(おまけ)に「精神保健福祉全般の水準の向上」を掲げていますが、内実のない美辞麗句を重ねただけで、実効性は全くない欺瞞に過ぎません。保安処分の実質には何の変更もなく、かえって漠然と「医療」必要者に対象が拡大された実質的な改悪です。保安処分に伴い精神医療に予算が下りても、精神保健福祉全般の向上には役立たず、逆に悪化を増強するだけです。

新法は必要なく、現在の法制度の中で十分に精神保健福祉が充実されれば足ることです。

参議院でこれらの問題点が検討され、今国会で廃案にされることを強く求めます。

資料;

本日は、特に名古屋時刑務所事件で明らかになった、日本の刑務所における医療の貧困、特に精神科医療の貧困について資料をまとめました。

触法精神障害問題を解決するのに、今法案は必要ありません。

①ずさんな起訴前鑑定の改善

②刑務所等矯正施設における貧困な精神科医療の改善

③司法における鑑定や処分優先の精神障害に対する態勢に、治療的診断を導入する改善

これらの司法の側の問題が、

④一般の精神医療の底上げ(精神化救急医療の改善、社会復帰制度の充実、精神科特例撤廃など精神医療を他科なみに引き上げること)と同時に改善されれば、

触法精神障害者問題のみならず、一般の犯罪者に対する矯正医療や矯正教育の改善にもつながります。

Ⅰ.名古屋刑務所事件について

マスコミで取り上げられて話題となった「名古屋刑務所暴虐死事件」の死亡者は、いわゆる「拘禁反応」を呈していたと推察されます。

「大便を壁や視察孔に塗りつけるなどの異常行動を反復した」といいます。

これらは典型的な「弄便」行動であり、譫妄状態等の意識障害時にはよく見られるものであり、それ以前の経過を考えてみても、被収容者はここで拘禁反応を呈していたことは明らかです。

しかるに、看守たちは、これらの症状を精神障害として治療に乗せるどころか、全く管理的側面のみを強調し、弄便行為を続けて自らの肛門に深い潰瘍を作るほど「異常行動」をとっていた被収容者を、まさにその拘禁反応症状をもっていじめ、遊戯的にその肛門を目掛けて高圧放水を浴びせて殺害する、という暴虐行為を呈したのです。

刑務所において精神医療がいかに貧困であり、看守にも精神医療の基本的な知識が十分に行き届いていないかがよく分かります。

Ⅱ.刑務所における精神科患者の死亡にみる、刑務所の精神科医療の貧困

死亡帳一覧表(法務省矯正局 2003年3月18日)の584の死亡報告の中には実際の死因が疑わしい症例が多いものの、その中でも精神疾患の関与が明らかに類推されるものとして、

146番 府中刑務所 H9 窒息(テンカン発作後の気道閉塞による)
161番 府中刑務所 H11 てんかん、高血圧症
189番 府中刑務所 H13 摂食障害
308番 鳥取刑務所 H6 悪性症候群(疑)
356番 広島刑務所 H13 C型慢性肝炎、肝硬変、糖尿病、精神分裂症(疑い)、急性心機能障害
378番 北九州医療刑務所 H10 精神分裂病、縊死
380番 北九州医療刑務所 H11 精神分裂病、胃内容物吸引
382番 北九州医療刑務所 H12 精神遅滞、窒息
384番 北九州医療刑務所 H10 精神分裂病、腸閉塞
401番 福岡刑務所 H12 悪性症候群
418番 大分刑務所 H14 精神分裂病、急性心肺停止
426番 鹿児島刑務所 H12 アルコール性肝硬変、肝不全
429番 沖縄刑務所 H8 高度肥満、肝臓疾患、精神疾患、肥満による呼吸不全、糖尿病による心不全、肝臓疾患
432番 福岡拘置所 H10 そううつ病、窒息(急性嘔吐)
439番 福岡刑務所 H13 変死、急性薬物中毒死
470番 宮城刑務所 H11 肝性脳症
519番 札幌刑務所 H9 脳腫瘍術後、てんかん、窒息、けいれん発作
535番 旭川刑務所 H8 アルコール性肝障害、アルコール禁断症状、嘔吐物による呼吸不全
558番 徳島刑務所 H10 老人性痴呆症、急性心不全

が挙げられます。

ここで目立つのは、初歩的対応で死亡にいたることを防ぐことが出来るはずの、一般に病院内においては考えがたい死亡例です。

特に189、308、380、384、401、432、439、519、535番の死因は、これが一般の病院であれば早速医療ミスで訴訟を惹起されるものです。

刑務所内の精神科も含めた医療の貧困が窺えます。

病名や死因に精神科病名の記載がないものでも、実際には精神化疾患あるいは精神化治療のその死因への影響が疑われます。

死亡診断書と死亡経過が提出されている府中刑務所事例を見るとそれがよくわかります。

165番「急性心不全」とされている事例では、有機溶剤中毒後遺症と診断されており、「診察時に突然笑い出すなど異常行動が見られ、気分の不安定及び被害妄想が認められる」など、活発な精神運動興奮状態が見られています。死亡日前日に「大声等」により保護房に拘禁されています。そしてその翌日、死亡14分前まで「独語を発しながら房内を徘徊しているのを」確認されています。そして急死しています。そして死因は「急性心不全」とされています。

これは激しい精神運動興奮状態にあり、精神科的救急対応が必要な状態であったにもかかわらず、十分な精神科的対応がなされるどころか、管理的な対応をされて保護房に閉じ込められ、精神症状は放置されたため、激しい精神運動興奮による身体負荷(衰弱、虚脱等)が起こったものと思われます。しかし当直医師の対応には、そのような観点からの制札は全く感じられません。

また、201番の死亡例では、

覚せい剤誘発性精神病性障害に対して、向精神薬内服を開始して僅か1ヵ月後の急死例であり、向精神薬との因果関係が明らかに類推されるにもかかわらず、死因は「急性心不全」とされています。

ちなみに、現在どのような疾患でも最後は急性心不全死に至ることから、「急性心不全」の死因記載は一般に不可とされているはずのものです。「急性心不全」の病名の濫発は事態の隠蔽を図っているとしか思われません。これも一般の病院であれば、「医療ミス隠し」と見なされ、厳しくその責任を追及されるものでしょう。

刑務所における精神科医療の貧困

計118施設中 常勤精神科医・心療内科医勤務施設 20のみ(16%)

(しかも常勤といいながら殆どは週3日以下の施設である)

非常勤医師も含めて精神科医がいる施設 43のみ(32%)

(非常勤医師はほとんどがわずかな時間しか勤務しておらず、実際の診療時間を持っていることが疑わしい、書類上の対処のみの可能性が高い)

各刑務所の精神科医療の実情(2003年3月17日現在)(法務省「各刑務所の医療の実情」2003年3月18日 より)

札幌刑務所 精神科1人(1/7) 常勤 (週2日8時半~17時)
 札幌拘置支所 0(0/1)  
 札幌刑務支所 0(0/2)  
旭川刑務所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日9時~12時(隔週11時))
釧路刑務所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日10時~11時)
帯広刑務所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日10時~12時)
網走刑務所 0(0/2)  
月形刑務所 0(0/2)  
函館少年刑務所 0(0/1)  
青森刑務所 0(0/4)  
 八戸拘置支所 0(0/1)  
宮城刑務所 0(0/7)  
 仙台拘置支所 精神科1人(1/1) 常勤 (週2日8時半~17時)
秋田刑務所 0(0/2)  
山形刑務所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日9時半~12時)
福島刑務所 精神科1人(1/2) 常勤 (週3日8時半~17時)
 郡山拘置支所 0(0/1)  
 いわき拘置支所 0(0/1)  
盛岡少年刑務所 0(0/1)  
栃木刑務所 精神科2人(2/4) 非常勤 (週1日13時~16時半(月2回))
非常勤 (週1日9時半~14時半(月1回))
黒羽刑務所 0(0/5)  
 宇都宮拘置支所 精神科1人(1/1) 常勤 (週3日8時半~17時)
前橋刑務所 精神科1人(1/2) 常勤 (週3日8時半~17時)
 高崎拘置支所 0(0/1)  
千葉刑務所 精神科1人(1/6) 常勤 (週3日8時半~17時)
 松戸拘置支所 0(0/1)  
 木更津拘置支所 0(0/1)  
 八日市拘置支所 0(0/1)  
八王子医療刑務所 精神科4人(4/22) 常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
府中刑務所 精神科3人(3/11) 常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
 八王子拘置支所 0(0/1)  
横浜刑務所 精神科1人(1/5) 常勤 (週3日8時半~17時)
 相模原拘置支所 0(0/1)  
 小田原拘置支所 0(0/1)  
横須賀刑務所 0(0/1)  
新潟刑務所 0(0/3)  
 上越拘置支所 0(0/1)  
甲府刑務所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日9時~11時(月1回))
長野刑務所 0(0/4)  
 長野拘置支所 0(0/1)  
静岡刑務所 精神科1人(1/3) 常勤 (週3日8時半~17時)
 沼津拘置支所 0(0/1)  
 浜松拘置支所 0(0/1)  
水戸少年刑務所 0(0/1)  
 水戸拘置支所 0(0/1)  
 土浦拘置支所 0(0/1)  
 下妻拘置支所 0(0/1)  
川越少年刑務所 精神科1人(1/4) 常勤 (週3日8時半~17時)
心神医学1人(1/4) 常勤 (週3日8時半~17時)
 さいたま拘置支所 0(0/1)  
松本少年刑務所 0(0/1)  
東京拘置所 精神科2人(2/11) 常勤 (週3日、1日8時半~17時、2日8時半~12時15分)
常勤 (週2日8時半~17時)
富山刑務所 0(0/1)
金沢刑務所 精神科1人(1/4) 非常勤 (週1日13時~16時)
福井刑務所 0(0/1)  
岐阜刑務所 0(0/3)  
 岐阜拘置支所 0(0/1)  
笠松刑務所 精神科2人(2/5) 非常勤 (週1日9時~12時(月2回))
非常勤 (週1日、1日9時~12時、2日9時~14時(月3回))
岡崎医療刑務所 精神科3人(3/7) 常勤 (週5日8時半~17時)
常勤 (週5日、2日8時半~17時、3日12時45分~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
名古屋刑務所 精神科2人(2/12) 常勤 (週3日8時半~17時)
非常勤 (週1日、1日10時~12時、2日14時~16時半(月2回))
 岡崎拘置支所 0(0/1)  
 豊橋拘置支所 0(0/1)  
三重刑務所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日14時~16時)
 四日市拘置支所 0(0/1)  
名古屋拘置所 精神科1人(1/4) 非常勤 (週1日11時~17時(月2回))
 一宮拘置支所 0(0/1)  
滋賀刑務所 精神科1人(1/3) 非常勤 (週1日、2日8時間、1日4時間(月3回))
京都刑務所 0(0/3)  
大阪刑務所 0(0/7)  
大阪医療刑務所 精神科3人(3/19) 常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
神戸刑務所 0(0/3)  
加古川刑務所 精神科2人(2/3) 非常勤 (週1日12時~17時(月2回))
非常勤 (週1日12時~17時(月2回))
和歌山刑務所 精神科1人(1/3) 非常勤 (週1日8時半~12時半)
 丸の内拘置支所 精神科1人(1/1) 非常勤 (週1日15時~17時)
姫路少年刑務所 0(0/1)  
 姫路拘置支所 0(0/1)  
奈良少年刑務所 0(0/1)  
 葛城拘置支所 0(0/1)  
京都拘置所 精神科1人(1/3) 非常勤 (週1日8時半~14時(月2回))
大阪拘置所 精神科1人(1/8) 常勤 (週5日、3日12時45分~17時 1日8時半~12時15分、1日8時半~17時)
神戸拘置所 精神科1人(1/3) 非常勤 (週1日5時間(月2回))
 尼崎拘置支所 0(0/1)  
鳥取刑務所 0(0/1)  
 米子拘置支所 0(0/1)  
松江刑務所 0(0/1)  
岡山刑務所 精神科1人(1/4) 非常勤 (週1日9時~14時半(月2回))
広島刑務所 0(0/4)  
 呉拘置支所 0(0/1)  
 尾道刑務支所 0(0/1)  
 福山拘置支所 0(0/1)  
山口刑務所 0(0/2)  
 下関拘置支所 0(0/1)  
岩国刑務所 精神科2人(2/5) 非常勤 (週1日13時~17時(月1回))
非常勤 (週1日13時~17時(月1回))
広島拘置所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日1~2時間(月5時間))
徳島刑務所 精神科1人(1/3) 非常勤 (週1日、1日11時~12時、1日13時~17時(月2回))
高松刑務所 0(0/3)  
 丸亀拘置支所 0(0/1)  
松山刑務所 0(0/2)  
 大井造船作業場 0(0/1)  
 西条刑務支所 0(0/1)  
高知刑務所 0(0/1)  
北九州医療刑務所 精神科3人(3/6) 常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
非常勤 (週1日8時半~13時)
福岡刑務所 精神科2人(2/11) 非常勤 (週1日14時半~16時半(月1回))
非常勤 (週1日13時半~16時(月1回))
麓刑務所 精神科1人(1/3) 非常勤 (週1日3時間(月1回))
佐世保刑務所 0(0/1)  
長崎刑務所 0(0/3)  
 長崎拘置支所 0(0/1)  
 福江拘置支所 0(0/1)  
熊本刑務所 精神科1人(1/3) 常勤 (週3日8時半~17時)
 京町拘置支所 0(0/1)  
大分刑務所 0(0/2)  
宮崎刑務所 0(0/1)  
鹿児島刑務所 心神医療科1人(1/3) 常勤 (週3日8時半~17時)
沖縄刑務所 精神科1人(1/2) 非常勤 (週1日、1日9時~12時、1日13時~16時(月2回))
 那覇拘置支所 0(0/1)  
佐賀少年刑務所 0(0/1)  
福岡拘置所 精神科1人(1/3) 非常勤 (週1日13時~17時)
心療内科2人(2/3) 常勤 (週3日8時半~17時)
常勤 (週3日8時半~17時)
小倉拘置支所 0(0/1)  

■精神科で発覚した主な問題事件

訴訟や個別過誤、患者同士の刑事事件はあまり収録していない。85年以前は記事の見つかった一部の案件だけ

図 精神科で発覚した主な問題事件1/4

図 精神科で発覚した主な問題事件2/4

図 精神科で発覚した主な問題事件3/4

図 精神科で発覚した主な問題事件4/4

発覚年 病院名 所在地 主な内容 分野
1954 1 中山病院 千葉 火災で患者6人が焼死      
1955 6 式場精神病院 千葉 火災で患者18人が焼死      
1957 3 新潟精神病院 新潟 新潟大が患者149人にツツガムシ病感染の人体実験      
1968 3 近藤病院 高知 暴力団員が経営を握り、女性患者を次々暴行      
  12 栗岡病院 大阪 院長が患者13人をバットで殴打、1人死亡      
1969 2 小林病院 東京 患者詰め込みをごまかすため監査の日に土建作業 使      
  6 北野台病院 東京 患者34人が集団脱走。途中で1人自殺、1人病死        
  7 南埼病院 埼玉 都職員に贈賄して山谷からアル中患者をかき集める        
  8 安田病院 大阪 看護人3人が男性患者をバットで殴り死なす      
  8 相模湖病院 神奈川 職員水増し、「とばく愛酒療法」      
  11 藤井精神病院 徳島 火災で患者6人が焼死      
1970 5 当麻病院 奈良 作業療法名目で三交代の深夜労働でプラスチック加工 使      
  6 両毛病院 栃木 火災で患者17人が焼死      
  6 藤沢中央湘南台病院 神奈川 患者の半数52人に県が入院不要と退院命令      
1971 2 小島病院 宮城 火災で患者6人が焼死      
1972 5 アヤメ病院 東京 電気ショックや使役労働を嫌って患者3人が逃走。さるぐつわされた看護師死亡 使      
  富士山麓病院 静岡 医師・看護師を保護室に閉じ込め患者29人が改善要求        
  吉田病院 奈良 退院要求を無視して不当に長期入院      
  中村病院 福岡 青年患者が院内で首つりしたが、全身に外傷      
1973 4 北全病院 北海道 肝臓病患者に「精神病質」の診断でロボトミー手術        
1975 3 大法山病院 福岡 院長が約2億円脱税      
  7 横浜舞岡病院 神奈川 職員水増し、使役労働、患者の金の流用 使    
  9 八王子中央病院 東京 職員不足でずさん医療        
1977 2 山本大仲病院 三重 火災で患者3人が焼死      
1980 1 大和川病院 大阪 看護人が男性患者に暴行、死なす      
  9 高岡病院 姫路 ガラス店や鉄工所で作業療法と称して低賃金労働 使      
1982 6 鴨島中央病院 徳島 患者8人が集団脱走、うち2人は連れ戻されたあと自殺        
1984 3 宇都宮病院 栃木 患者が職員らのリンチで死亡。院長らが患者虐待、使役労働、無資格診療、違法解剖      
  10 青山病院 広島 火災で患者、看護師ら6人焼死      
1985 4 厩橋病院 群馬 看護師が患者を殴って頭の骨を折る      
  7 大多喜病院 千葉 入院患者の急死、違法入院など      
  7 吉沢病院 東京 無資格の看護職員が注射やレントゲン      
1985 10 青梅成木台病院 東京 乱脈経理、患者の金を理事長らが着服、不要入院    
1986 5 青葉病院 東京 職員水増し、使役労働、違法拘束 使    
  10 根岸病院 東京 自殺を病死に工作、処方箋の記入を部外に大量発注      
1989 2 県立光風病院 兵庫 看護師が患者57人の預かり金150万円を着服      
  5 河野病院 福岡 違法な入院・拘束、看護師が電気ショック      
1992 6 河野粕屋病院 福岡 電気ショックで82年に患者2人死亡。不当な強制入院      
1993 2 大和川病院 大阪 男性患者が院内で暴行を受け不審死      
  9 湊川病院 兵庫 男性患者が何者かに暴行を受けて重傷      
1994 4 越川記念病院 神奈川 患者にエアガン乱射、違法拘束、職員水増し      
  12 米沢市立病院 山形 精神科病棟の火災で女性患者がCO中毒死      
1995 9 門司田野浦病院 福岡 職員水増し、2億2700万円不正受給      
  10 光ヶ丘病院 山形 職員水増し、7億円不正受給、選挙不正      
  11 市立小樽第二病院 北海道 精神科職員が患者の金を着服      
  12 皆川記念病院 神奈川 男性患者がベッドに縛られたまま流動食を詰め窒息死        
1996 2 札幌武田病院 北海道 医大学生が宿直、無資格者がレントゲン      
  11 栗田病院 長野 院長が死亡患者の預金着服、脱税、患者虐待      
1997 1 愛正病院 愛知 ベッド使用料など1200万円不当徴収、1億円不正受給    
1997 1 美浦まきば病院 茨城 職員水増し、6億5000万円不正受給      
  2 山本病院 高知 職員2人が女性患者の頭を壁に打ちつけ死亡      
  3 大和川病院 大阪 暴行死、違法入院・拘束、電話・面会妨害、使役労働、職員水増し、24億円不正受給 使
1998 7 大川総合病院 香川 精神科元職員2人が患者の預貯金を着服      
  9 国立犀潟病院 新潟 違法拘束中の女性がノドに物を詰めて窒息死      
  11 奄美病院 鹿児島 女性患者を庭木に縛る。ニセ医師が診療    
  12 平松病院 北海道 保護室に男性患者2人を入れ、1人が暴行死      
1999 2 多度病院 三重 インフルエンザで19人死亡。超過収容、使役労働      
  5 古賀第一病院 福岡 医師水増し、10億円不正受給      
  7 大曲佐藤病院 秋田 医師水増し、7億8000万円不正受給      
  11 松口病院 福岡 患者の退院・処遇改善請求を取り下げさせる      
2000 1 千栗サナトリウム 佐賀 職員水増し報告      
  3 上妻病院 東京 死亡患者の改印届を銀行に提出、職員水増し      
  4 勝山病院 福岡 医師水増し、22億円不正受給      
  5 埼玉医大 埼玉 中3少女がビタミン併用を怠った輸液で死亡        
  5 県立病院静和荘 山口 看護職員が患者の預かり金164万円を着服      
  8 県立姶良病院 鹿児島 看護師が入院患者の預け金約40万円を着服      
  9 県立大村病院 長崎 看護師が勤務中に女性患者と性関係      
  9 江別市立病院 北海道 精神科PSWが入院患者の預金750万円引き出す      
  11 朝倉病院 埼玉 不要な中心静脈栄養、違法拘束、病室で手術      
  12 扶老会病院 山口 12人の措置入院の必要性に主治医が疑問      
  12 岩屋病院 愛知 外出時の介助料、入浴料など不当徴収      
2001 1 宝喜クリニック 東京 女性を拘束して病院へ搬送中に窒息死(業過で有罪)        
  2 真城病院 大阪 看護師がゴルフクラブで頭を殴るなど暴行      
  3 新門司病院 福岡 事務長が患者の金や市の補助金など9500万円着服      
  8 中間保養院 福岡 職員水増し、不正受給、超過収容      
  8 箕面ヶ丘病院 大阪 職員水増し、違法拘束、外出制限、電話妨害    
  12 井之頭病院 東京 保護室で抑制中の男性患者が窒息死        
  12 県立病院静和荘 山口 女性患者の不審死届けず。両親の面会を半年拒否      
2002 1 豊明栄病院 愛知 男性入院患者が何者かに扼殺。違法な院内作業 使      
  4 浜黒崎野村病院 富山 指定医の診察なく隔離、カルテ改ざん      
  7 和歌浦病院 和歌山 看護助手が男性患者を殴打して死なせる      
  8 宇都宮病院 栃木 O157に123人が集団感染、9人死亡      
  10 県立会津総合病院 福島 保護室に複数収容、電話面会制限、不正請求      
  12 上妻病院 東京 任意入院の女性患者の退院を不当に拒否      
2003 4 松口病院 福岡 任意患者の退院拒否、電話制限、違法拘束      
  5 三生会病院 山梨 心臓に持病の男性患者に電気ショック療法、死亡        
  8 福島松ヶ丘病院 福島 作業名目で清掃作業、違法拘束、超過収容 使    
  12 岐阜県の6病院 岐阜 入院患者に掃除や配膳などの院内作業、県も容認 使      
2004 1 県立友部病院 茨城 閉鎖病棟の入院患者が抜け出し凍死。鍵かけ忘れか        
  2 奥田病院 富山 院長が7740万円の脱税で起訴      
  6 三岳荘小松崎病院 茨城 患者8人と男性医師が結核感染      
  6 海辺の杜ホスピタル 高知 准看護師が入院患者8人の預金643万円を引き出す      
  10 土屋病院 山形 無資格の理事長や職員らが4年間、薬を調合      
  11 都内の病院(複数) 東京 身体拘束によるエコノミークラス症候群で5年間の4人死亡        
  12 小柳病院 熊本 患者6人と職員5人が結核感染      
  11 西熊谷病院 埼玉 職員が女性患者に暴行、男性患者の窒息死届けず、不正請求    
2005 2 長崎県の病院 長崎 看護師を患者への暴行で容疑で逮捕      
  4 安田メンタルクリニック 愛知 女性の患者の胸をさわったとして院長逮捕、有罪確定      
  6 宇都宮市内の病院 栃木 6人が結核感染      
  7 行橋厚生病院 福岡 看護師2人が入院中の小5男児を殴って負傷させる      
  8 三隅病院 山口 薬剤師が向精神薬約150錠と注射器を外部へ横流し      
  11 心斎橋みやまえクリニック 大阪 医師がうつ病の女性患者の家に上がり、体を触り逮捕      
  12 市立函館病院 北海道 精神保健福祉士が患者の金30万円を盗む。本人否認で釈放      
  12 仙台富沢病院 宮城 ノロウイルス集団感染。患者89人と職員20人      
2006 1 県立こころの医療センター 静岡 ノロウイルスに集団感染。患者47人、職員17人      
  1 瀬戸内市の病院(廃) 岡山 不当な漫然長期入院・使役労働。弁護士会が人権救済勧告 使    
  4 都南病院 岩手 元通院患者の女性に医師が睡眠薬を飲ませ、準強姦で逮捕、有罪      
  6 盛岡観山荘病院 岩手 経営職員解雇で団交拒否。地労委が不当労働行為と認定        
  6 都城新生病院 宮崎 閉鎖病棟で火災、男性1人が死亡      
  6 本舘病院 岩手 女性患者が預けた預金通帳と印鑑で事務職員が890万円を着服      
  7 埼玉江南病院 埼玉 准看護師が患者に暴行・負傷。法務局が勧告。傷害で略式命令      
  7 県立医大 奈良 精神科医が患者91人の情報を入れたパソコン紛失      
  7 高岡市 富山 高岡市の公費助成患者1500人の情報がネットに流出      
  8 岩倉病院 京都 患者の金数百万円が不明。女性看護師長が30万円返還      
  8 浜寺病院 大阪 男性患者が口にぬれタオルを置かれ心肺停止。同室患者の行為        
  9 三船病院 香川 5階病棟の床下に白骨死体。02年6月に行方不明の女性患者        
  9 国立・武蔵病院 東京 准看護師が患者のキャッシュカードを盗んで316万円を引き出し、逮捕      
  9 新潟県立精神医療センター 新潟 使途不明通帳が2冊(計約77万円分)が見つかる      
  10 成増厚生病院 東京 保護室で患者が放火、女性患者1人死亡、4人重傷。保護室カギあけず      
  10 国立・国府台病院 千葉 入院費など計約436万円を着服した係長が着服、懲戒免職      
  10 国立・賀茂精神医療センター 広島 看護師が入院患者8人の預かり金の計78万余円を着服、懲戒免職      
  11 国立・国府台病院 千葉 PTSDの女性患者を男性医師が殴る。民事判決で認定      
  11 紅葉ヶ丘病院 京都 医師が注射、自宅から町が患者を強制搬送(98年)。一審で違法認定(2、3審で逆        
  12 木島病院 大阪 ノロウイルス集団感染。患者112人、職員18人      
2007 1 日下記念病院 山梨 ノロウイルスに集団感染。患者24人、職員14人、職員家族2人      
  1 東京クリニック 東京 説明を求めた女性患者の頭を院長が壁にたたきつけ負傷。傷害で逮捕、有罪      
  1 国立・武蔵病院 東京 患者1688人分の個人情報が入った私有パソコンを医師が紛失      
  2 ぶるーくろす癒海館 千葉 無届けの介護施設。オリに閉じこめる、手錠をかけるなど虐待      
  2 東松山病院 埼玉 職員水増しで不正請求。男性看護助手が患者に暴力    
  2 市立小樽第二病院 北海道 ノロウイルス集団感染。患者30人と職員3人が発症      
  4 式場病院 千葉 ノロウイルスに76人感染。2人死亡のうち女性1人は身体拘束中に嘔吐      
  5 宮城県立精神医療センター 宮城 看護師が患者2人の預金312万円を着服、懲戒免職      
  6 しおかぜ病院 香川 入院患者が同室の患者を刺殺        
  7 松山記念病院 愛媛 患者13人からの預かり金975万円を男性職員が着服、懲戒解雇      
  9 青森市立浪岡病院 青森 精神科の入院料2189万円を過剰請求、看護師配置の計算ミス      
  10 陽和病院 東京 入院中の少年(18)が男性看護師(33)を刺殺        
  10 京成江戸川クリニック 東京 リタリンの無資格処方で院長と事務員を逮捕      
  11 東京クリニック 東京 リタリンを無診察・無資格で処方した容疑で捜索。のち院長を書類送検      
  11 片倉病院 山口 入院中の女性が病室のベッドで首を圧迫され死亡。殺人で捜査        
  11 公立小浜病院 福井 救急搬送の男性に鎮静剤投与後、心肺停止。1年後死亡        
  11 県立こころの医療センター 三重 面会室で交際相手の女性を絞殺、入院患者の男を逮捕        
  12 雄岡病院 兵庫 ノロウイルス感染で入院患者53人と職員7人が発症      
  12 宝塚三田病院 兵庫 女性患者に診察なしで抗うつ剤を宅配。県が改善指導      
  12 武蔵野病院 群馬 男性看護師が男性患者の頭をけり、死なす。傷害致死で逮捕。以前から暴行      
2008 2 光ヶ丘病院 富山 男性患者(84)が同室の男性患者(87)を殴って殺害。のち殺人容疑で書類送検        
  4 藤枝駿府病院 静岡 肺炎球菌で院内感染64人、患者4人が死亡。保健所報告は発生の約4週間後      
  6 十全病院 石川 患者ら2730人の個人情報がネット流出。職員がメモリーで持ち出していた      
  6 初石病院 千葉 火災で保護室の患者が煙を吸い死亡。看護師がカギ開けず。別の患者を放火で逮捕      
  7 モリタニクリニック 京都 リタリン大量に使途不明。院長を近畿厚生局が書類送検(起訴猶予)      
  8 米子病院 鳥取 男性入院患者の顔を殴ったとして看護助手を暴行容疑で書類送検(起訴猶予)      
  10 大東市の診療所 大阪 向精神薬エリミン約20万錠が不明。暴力団に売った元事務長を近畿厚生局が書類送      
  11 しのだの森ホスピタル 千葉 男性入院患者の腕をねじ上げ、骨折させたとして看護師を傷害容疑で逮捕      
  12 東京クリニック 東京 元患者につきまとい、脅迫メール。元院長をストーカーと脅迫容疑で逮捕      
  12 貝塚中央病院 大阪 違法拘束中の男性患者が重体、転院先で死亡。看護職員の暴力で患者が告訴    
  12 初石病院 千葉 入院患者18人と職員6人が感染性胃腸炎。ノロウイルスか      
2009 3 青葉丘病院 大阪 男性患者が保護室内で3月に不審死(外傷性の腸管破裂)      
  4 精神科医、薬剤師 奈良 処方せんなしで睡眠薬を知的障害者らに販売。近畿厚生局が書類送検