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別紙1

銀行におけるバリアフリーハンドブック(改訂版)

(表紙裏)
銀行におけるバリアフリーハンドブック(改訂版)
全国銀行協会

(表紙裏)
誰もが利用できる銀行をめざして。
 バリアフリーハンドブック改訂版の制作にあたっては、さまざまな障がい者団体にご協力を頂いて改善点やご要望をお聞きし、出来る限り誌面に反映させるように心がけました。
 銀行は、当然のことながら障がい者等に関する法令等を遵守し、かつ視覚・聴覚や運動機能の障がいのために銀行取引における事務手続き等を単独で行うことが困難な方に対しても、障がいのない方と同等のサービスを提供するよう配慮する必要があります。
 しかし、現実の業務は画一化できるものではなく、障がい者がもつ障がいの態様は多種多様であるため、それぞれの場面において柔軟に対応していく必要があります。
 このハンドブックが、バリアフリーを加速する積極的な取組みの一助としてお役に立てれば幸いです。

平成23年3月 全国銀行協会

バリアフリーの知識や技術を身につけ、より質の高いサービスを!

 2008年5月に「国連障害者の権利条約」が正式に発効と成、2011 年3 月現在、日本国内でも批准に向けた準備が進められています。また、現在、わが国は高齢化率世界一の社会構成となっており、障がいのある方や高齢の方がバリアを意識せずに過ごせる地域づくりが急務となっています。このような背景のなか、多くの人が利用する銀行が、業界一丸となってバリアフリーサービスに取り組むことは、大変大きな意義があると言えるでしょう。本冊子の監修に当たり、バリアフリーの輪がより一層広がることを、心より願っています。

監修:横浜市総合リハビリテーションセンター顧問
伊藤利之

(1ページ)

目次

応対の課題点

応対の心がまえ

視覚障がいのある方

聴覚・言語障がいのある方

肢体障がいのある方

高齢の方

その他、配慮が必要な方

バリアフリーに配慮した施設

参考資料集

バリアフリーチェックシート

バリアフリー情報源

(2ページ~3ページ)

応対の課題点

応対する側の立場から、困っている点を確認。

 接客の現場では、さまざまな個性を持つお客さまに応じた配慮が求められますが、障がいのある方が来店した際には、特にとまどう場面が見られるようです。ここでは、応対する皆さんが困っている点をあげてみました。

視覚障がいのある方に対して

  • こちらの高等での説明を理解してくださったか不安だった
  • 記入した金額をお客様が目で確認できず、不安そうだった
  • どう接客して良いかわからなかった
  • ATMの操作のご案内が難しかった

聴覚障がいのある方に対して

  • 自分は手話ができないので、こちらから話しかけるのをためらった
  • お客さまの耳が不自由と分からず、不適切な応対をした
  • 手話で話しかけられたが、理解できなかった
  • どう接客して良いかわからなかった
  • 筆談による説明に時間がかかった

杖や車いすを使用されている方に対して

  • 入口に段差があったので、ご案内するのに苦労した
  • ロビー内の通路が狭く、物が置いてあったので通れなかった
  • 記帳台が高すぎて書けないと言われた
  • ATMが利用しづらいことに気づかされた

高齢の方に対して

  • 口頭での説明を理解してくださったか不安だった
  • 耳が聞こえにくい方で、こちらの話が伝わらなかった
  • こちらの話をなかなか理解してもらえず、どのように応対すれば良いのか苦慮した
  • 同じ申し出を繰り返されてこまった

知的障がいや精神的な障がいがある方に対して

  • 障がいのあることが外見では分からなかった
  • 一方的に話されてどうして良いか分からなかった
  • 話の内容を理解することが難しく、会話にならなかった

内部障がいのある方に対して

  • 障がいのあることが外見では分からなかった

なぜ困ってしまったか、その理由を認識しておきましょう。

困ってしまう理由は、基本的な応対方法と障がいに対する知識を身につけていないから。

まずは、どのような心がまえで接すれば良いかを次ページで確認しましょう。→

(4ページ~5ページ)

応対の心がまえ

基本は、望まれる接し方をすること。

 銀行には、年齢・性別・国籍を問わずさまざまな方々が来店されます。そのなかで、障がいのある方、高齢の方などに対して、必ずしも特別扱いが必要というわけではありません。ごく普通に応対し、望まれる応対方法があるお客様に対しては、可能な限りご希望に沿えるよう努めることが基本です。

お客様には積極的に声をかけます。

 障がいの有無や種類に関わらず、困っている方には進んで声をかけましょう。

コミュニケーションを大切にします。

 ご本人とできるだけ目や顔を合わせ、「分かりやすく」「ゆっくり」「ていねいに」応対しましょう。

プライバシーには立ち入りません。

 障がいの原因や内容について必要以上に聞いたりせず、知り得た個人情報については守秘義務を守りましょう。

身体障がい者補助犬について、理解します。

 身体障がい者補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)の受け入れが法律で義務化されていることを理解しておきましょう。

敬意をもって接します。

 お客さまの人格を尊重し、相手の立場に立って応対しましょう。

サポートに際しては同行者がいる場合でも、ご本人の意思を確認します。

 望まれるサポート方法は人それぞれ異なり、人の手を借りたくないという方もいらっしゃいます。望まれる方法を確かめたうえで、応対するようにしましょう。

不快になる言葉は使いません。

 差別的な言葉や子ども扱いした言葉を使わず、ことさら特別扱いもしないようにしましょう。

応対の心がまえを身につけたら、それぞれの障がいについて学びましょう。

 応対の基本は、誰に対しても同じです。しかし、お客さまが困っていることは、それぞれの障がいによって異なります。さらに、いくつかの障がいが重複している方もいらっしゃいますから、満足いただける応対のためには、障がいに対する認識が不可欠です。

次に、それぞれの障がいに対する理解を深めましょう。→

(6ページ)

視覚障がいのある方

「視覚障がいのある方」って?

音声を中心に情報を得ている

 視覚情報を得られない分、音声情報や手で触った情報を大切にしています。足音などを動くときの参考にしたりしています。

字の読み書きが困難

 文章を読んだり、文字を書いたりすることができない、もしくはしずらい方が多くいます。見た目はできそうでも、見た目とは違うこともあります。

一人で移動することが困難

 慣れていない場所を一人で移動することは困難です。

全盲の方と弱視(ロービジョン)の方がいます。

 視覚障がいのある方の中には「全く見えない」全盲の方と、「見えにくい」弱視の方がいます。また、弱視の方でも、ルーペなどを使って文字を読んだり書いたりできる方から、全盲に近い方まで、障がいの程度もいろいろです。

白い杖をついたり、盲導犬を連れている方がいます。

 多くの方が白杖(はくじょう)と呼ばれる白い杖をついて、前方を確かめながら歩いています。壁や柱、植木などに杖を当てて確認することもあります。また、白杖を使う代わりに、盲導犬を連れている方もいます。盲導犬は白または黄色のハーネス(盲導犬用の胴輪)をつけており、視覚障がいのある方はそのハーネスを握っています。弱視の方は、白杖を持っていないことがあります。

中途失明された方などには、点字が読めない方も多くいます。

 病気や事故などで中途失明された方が点字を理解できるようになるには、かなりの年月が必要です。視覚障がいのある方は、皆さん点字が読めると思いがちですが、読めない方も多くいらっしゃることを知っておきましょう。

(7ページ)

●視覚障がいのある方●

「見えない、見えにくい方」は、こんな事で困っています。

受付窓口がどこだか分からない

 受付窓口や受付カード機の位置は、通常、視覚情報として認識されるものですから、視覚障がいのある方は案内されない限り、どこに進めば良いのか判断できません。また、「あちら」や「こちら」などの指示語、色の表現などで案内されてもよく分かりません。

「次の方」と呼ばれても分からない

 名前を呼ばれないと、自分の番が来たことが分かりません。受付番号で呼ばれるだけでは、自分の順番を確認できないことがあります。あらかじめ係員が受付番号をお伝えすることが必要です。

誘導用ブロック上に物があると危険

 せっかく視覚障がい者誘導用ブロック(誘導用ブロック)が敷設されていても、荷物などが置いてあると進むことができず、ときにはぶつかったり、つまづいたりして危険です。また、行き先が分からなくなるような中途半端な敷設では迷ってしまいます。

書類が見えにくく、記入することができない

 ルーペなどを使って何とか対応できる弱視の方もいますが、小さな枠の中に記入することは大変です。全盲の方ではまず不可能です。

では、視覚障がいのある方にはどのように接すれば良いでしょうか?→

(8ページ、9ページ)

●視覚障がいのある方●

望ましいコミュニケーションの方法

入店時

気づいたら声をかける

 視覚障がいのある方は、基本的に声かけや誘導を待っています。ご来店に気づいたら、進んで声をかけるようにしましょう。入店時には近づいてから「お客さま、案内役の○○です。お手伝いいたしましょうか?」と話しかけましょう。

話しながら近づく

 突然、耳元で話すと驚かせることになります。「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」などと話しかけながらそばによっていくように心がけましょう。

誘導

お客さまの望む方法をお聞きする

 例えば、全盲の方と弱視の方では、望まれるサポートが異なります。「何かお手伝いできることはございますか?」と声をかけ、望まれる方法を率直に聞くようにしましょう。そのときには「どのようにしたらよろしいですか?」と伺うと良いでしょう。

声をかけてサポートの了解を得てから動作に移る

 いきなり手を引いたり、白杖をつかんで歩いたり、身体を押すのは危険で、非常に怖く感じられるもので、何より失礼です。誘導を始めようとするときなど、サポートのための動作に移る際には、必ず声をかけて了解を得るようにしましょう。

参照ページ=P.28

相談・説明

抽象的な指示語は使わない

 「こちら」「そちら」「あちら」などでは分かりにくいので、具体的な言葉を使うようにしましょう。必要であれば、お断りしてから手を添えるなどして、スムーズなコミュニケーションを図りましょう。

現在の状況をお伝えする

 声もかけずに担当者が急に席を離れたりすると、お客さまは現在の状況が分からなくなってしまいます。席を離れる場合は、「通帳記帳してまいります」、戻ったら「お待たせいたしました」と声をかけるなど、必要に応じて状況を伝えるようにしましょう。

手続・金銭授受

書類記入は各行の規定に応じて

 書類記入の際には、最初にすべての記入項目、そして自筆が必要な項目についてお伝えしましょう。
 自筆の場合は、サインガイドや定規などを用いて、その間に書きこんでいただくなどのサポートをします。書類記入後は、内容を読み上げて確認してもらいます。自筆が困難な場合には、各行において整備(注)されている社内規則等に則って代筆の対応をします。預金取引等に関する意思表示の内容を記録するとともに、親族や同行者等が代筆した場合には、行員が代筆の内容を確認し、その事実を記録すること、行員等が代筆した場合は、複数の行員が確認を行ったうえで記録を残し、どの項目をどのように記入したかをお伝えし、トラブルが起こらないよう心がけましよう。

―代読について―

 視覚に障がいがある場合は、各行において整備(注)されている社内規則等に則って、行員が取引関係書類を代読します。その際、複数の行員が代読内容を確認し、確認した事実を記録として残しましょう。

(注)代筆、代読に関する社内規則等の整備にあたっては、金融庁監督指針「障がい者等に配慮した金融サービスの提供」を踏まえて対応してください。

現金は手渡しで、分かりやすく

 金銭授受は、キャッシュトレイではなく、直接手渡しで確実に行います。また、紙幣と硬貨は分けてお渡しし、「こちらが五千円札です」などと現金の種類を分かりやすく口頭でお伝えするようにしましょう。硬貨に比べ紙幣の区別はわかりにくく、トラブルを防ぐためにも配慮が必要です。視覚障がいのある方へお金・印鑑・通帳などをお返しする際には、バッグなどに確実にしまわれるまで確認しておくと、トラブルの防止になります。

(10ページ)

聴覚・言語障がいのある方

「聴覚・言語障がいのある方」って?

外見からは障がいが分かりにくい

 補聴器を使っている方もいますが、一見しただけでは分かりにくい障がいです。

視覚を中心に情報を得ている

 音声情報が得にくい分、文字や図などの視覚による情報を大切にしています。

声を出して話せても聞こえているとは限らない

 声を出して話せる方もいますが、相手の声が聞こえていない場合があります。

補聴器をつけても会話が通じるとは限らない

 補聴器で音を大きくしても、会話だけが明瞭に聞こえるわけではありません。

障がいの種類や程度もさまざまです。

 全く聞こえない「ろう」の方や聞こえにくい「難聴」の方がいます。また、言語障がいを伴う方とほとんど伴わない方がいます。喉頭や発声器官の損傷による音声障がいという障がいもあります。

コミュニケーションの方法も人それぞれです。

 補聴器だけでは十分に聞こえない方は、手話、指文字、筆談、唇の動きを読む読話などを併用しています。失聴時期や生活環境により、コミュニケーション方法が異なることを知っておきましよう。

(11ページ)

●聴覚・言語障がいのある方●

「聞こえない、聞こえにくい方」、「話せない、話しづらい方」は、こんな事で困っています。

コミュニケーションがうまくとれない

 行員が説明していることが分かりにくく、自分が伝えたいことがうまく通じません。もどかしさからイライラしたり、聞き返すことをためらったりすることがあります。耳からの情報が入らないため、分からないまま同意してしまうこともあります。また、耳からの音声だけを頼りとする、通常の電話やインターホンではうまくコミュニケーションできす、主にメールやファクシミリなどを利用しています。

自分が呼ばれても分からない

 順番待ちの際、番号や名前を音声だけで伝えられても、自分のことだと分かりません。また、いつ呼ばれるのか分からないので、ずっと窓口の方を注視していることがあります。

周りの状況が分かりにくい

 後ろから声をかけられても気づきません。また、非常ベルにも気づかないため、危険な目にあうこともあります。

では、聴覚・言語障がいのある方にはどのように接すれば良いでしょうか?→

(12ページ、13ページ)

●聴覚・言語障がいのある方●

望ましいコミュニケーションの方法

入店時

お客さまの方から気軽に申し出ていただける工夫を

 見た目では分かりにくい障がいであるため、お客さまの方から気軽に申し出ていただけるよう工夫しておくと効果的です。「筆談器があります。」「手話で応対できます。」など、可能な応対方法を示したプレートを用意することもひとつの方法でしょう。

参照ページ=P.24

望まれる方法を確認してできる限りの応対を

 手話を望まれる方に対しては手話でお応えすることが理想的です。ただし、聴覚障がいのある方すべてが手話ができるわけではありません。まずは筆談でどのような方法を望まれるかを確認し、そのうえで、可能な範囲でご希望に沿うよう努めましょう。

参照ページ=P.30

待ち時間

順番コールの仕組みを考えて

 番号を視覚で表示したり、肩をたたいて順番をお知らせする方法もあります。番号コールの後、おみえにならない場合には、「聴覚に障がいのある方かな?」と思ってみることも大切です。

参照ページ=P.24~25

視覚的に状況を説明する工夫を

 声かけの際には、お客さまの視界に入って、注意を引いてから行うように心がけましょう。非常時には、非常ベルだけでは気づかないので、視覚的に分かるパトライトのようなものがあると良いでしょう。

補聴器を使っている方への配慮を

 補聴器は周囲の音をすべて拾うので、雑音の多いところではうまく機能しません。BGM の音を下げたり、静かな場所で話す方が良いかどうかと本人に確認してから、パーテーションで区切られた席へと案内するなど、望まれる方法で応対しましょう。

相談・説明

いくつかの方法を併用して相談・説明する

 ご相談にみえたお客さまには、イラストなどのある視覚的に理解しやすいパンフレットを示しながら説明しましょう。その際、口元を見せて、ゆっくり、はっきりお話したり、その方に合わせた配慮を心がけます。ご要望や質問を聞き出したり確認するときには、筆談を併用すると便利でしょう。手話通訳の方(守秘義務があります)が同席する場合、手話通訳の方ではなく、ご本人に向かつて話しましよう。

参照ページ=P.25、P.34

伝える情報は整理して分かりやすく

 筆談の際には、無理に敬語を使ったり、ていねいな文章にしたりする必要はありません。必要な情報だけを、簡潔で分かりゃすい文章にして伝えるようにしましよう。

手続・金銭授受

通常どおりのていねいな応対で

 書類の記入などには支障ありませんが、記入箇所を目の前でマークしてさしあげるなど、通常どおりのていねいな応対を心がけましよう。

重要事項は筆談で躍認を

 契約に関する重要事項などは、必要に応じて筆談を交えて確認することで、お客さまの不安を解消するようにしましょう。

(14ページ)

肢体障がいのある方

「肢体障がいのある方」って?

移動に制約のある方もいる

 肢体に障がいのある方は、段差や手動ドアなどがあると、ひとりで進めない場合もあります。

体温調節や血圧調整が困難な方もいる

 脊髄を損傷されている方では、手足のマヒに加え、体温調節や血圧調整が困難になります。

文字の記入が困難な方もいる

 手にマヒや震え、あるいは変形のある方などは、自分で書くことが困難です。

話すことが困難な方もいる

 半身マヒの方では、言語機能の障がいのために、他人の話を理解したり、自分の意思を伝えることが困難な方もいます。

手動や電動の車いすを使っている方がいます。

 下肢だけでなく、上肢にも障がいのある方は、自分の手で車いすを動かすことができません。そのため、介助者を同伴するか、電動の車いすを使用しています。長時間、車いすに座っていると血圧が下がってしまうこともあります。

介助者を同伴している方もいます。

 介助者とは、文字どおり障がいのある方の手助けをする方のことです。障がいのある方の指示に従って、車いすを押して移動の手助けをしたり、障がいのある方がしたいことを代行します。

椅子に座ったり、椅子から立ち上がったりすることが困難な方がいます。

 病気やケガなどで杖を使用している方では、椅子に座ったり、椅子から立ち上がったりする動きが困難で、立ったままの方がむしろラクだという方もいます。

(15ページ)

●肢体障がいのある方●

「聞こえない、聞こえにくい方」、「話せない、話しづらい方」は、 こんな事で困っています。

掲載者注:上記は原本のまま。内容的には、移動に困難のある方のこと。

段差や狭い通路は苦手

 杖や車いすを使用している方にとっては、ちょっとした段差や狭い通路が大きな妨げとなります。特に手動式の車いすを使っている方にとって、急勾配のスロープは危険ですらあります。

手動の開き戸は開けにくい

 上肢障がいのある方はもちろん、上肢の自由がきく車いす使用者でも、開き戸を手前に引く場合には、ドアの取っ手に手が届かなかったり、車いすを後方に引かなければならないため、開けにくいことがあります。

筆記がうまくできない

 上肢障がいのある方だけに限らす、記帳台の位置が高すぎる場合や、車いすが記帳台に納まらない場合には、車いす使用者も筆記に苦労します。

ATM が利用しにくい

 車いすを使っていると、高い所に手が届きにくく、床の物は拾いにくくなります。また、通常のATM の場合、正面を向くと車いすがつかえてしまうので、横向きになって操作することになります。意図しない箇所を押したり、思いどおりの操作がしにくい場合もあります。

では、肢体障がいのある方にはどのように接すれば良いでしょうか?→

(16ページ、17ページ)

●肢体障がいのある方●

望ましいコミュニケーションの方法

入店時

望まれる方法でサポートを

 介助者の有無に関わらず、率先して「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけ、望まれる方法でサポートしましょう。

車いすの方の視線に合わせる

 身体的・精神的な負担を与えないよう、少しかがんで同じ目線で話すようにしましょう。また、介助者がいる場合でも、極力、お客さまご本人に話しかけるようにしましょう。

相談・説明

尊厳をそこなうような応対をしない

 言葉をうまく話せない方に対して、子ども扱いしたような口調で話しかけることのないようにしましょう。

カウンターの高さに配慮して

 車いすを使っている方にとって接客カウンターが高すぎる場合には、低いカウンターで応対しましょう。

参照ページ=P.25

椅子の高さにも配慮して

 椅子の高さが低すぎて立ち座りが困難な方に対しては、座高の高い椅子を用意しておくと良いでしょう。

手続・金銭授受

車いすの方でも利用できる低い記帳台を用意して

 記帳台が高すぎて使いにくい場合は、ボードを記帳台としてお使いいただく方法もあります。

書類記入は各行の規定に応じて

 上肢障がいのある方で自筆が困難な場合には、各行において整備されている社内規則に則って代筆の対応をします。

手が届く位置までキャッシユトレイを運んで

 通常の位置にキャッシュトレイを置いても手が届かない場合がありますので、手が届く位置に置くか、直接手渡しするようにしましょう。

現金の出し入れのサポートはご本人の確認を受けながら

 財布やカバンからの金銭やカードの出し入れは、ご本人にお願いしましょう。どうしても困難な場合には、面前でご本人の確認を受けながらお手伝いするようにしましょう。ATMを利用されている場合も同様に、お手伝いできることがあるかをお聞きし、可能な範囲で望まれるサポートをしましょう。

(18ページ)

高齢の方

「高齢の方」って?

話したり書いたりすることが苦手な方もいる

 声が小さかったり、言葉がはっきりしないために聞き取りにくい方や、手のマヒや震えのために所定の場所に記入することが困難な方もいます。

記憶することが苦手な方もいる

 物をしまい忘れたり、新しい言葉やカタカナ言葉が苦手だったり、店のシステムや作業の流れが分からずに戸惑う方もいます。

思い込みやこだわりが強い方もいる

 思い込みで誤った判断をしたり、過去の出来事にこだわって話が前に進まない方もいます。

安全に歩けない方もいる

 杖やシルバーカーを使用していたり、小刻みで不安定な歩行をしている方もいます。

見えにくい方や聞こえにくい方もいる

 個人差はありますが、小さな字が見えない方や雑音の中では聞こえにくい方もいます。

短時間に判断することが苦手な方もいる

 その場で判断を求めたりすると戸惑ってしまい、判断に迷う方もいます。

疲労しやすい方もいる

 長い時間座っていると疲れてしまい、精神的に不安になる方もいます。

立ちしゃがみが苦手な方もいる

 椅子が低いと、座ったり、立ち上がったりすることが困難な方もいます。

「認知症の方」って?

 話すことはできても、物忘れがひどい、考えがまとまらず判断に戸惑う、注意力を失いケガをしたり失敗を繰り返す、ときどき自分の居る場所や日時が分からなくなる、いろいろなことに興昧がなくなるなど、精神活動の低下をきたしています。

「補助人」や「保佐人」を同伴される方もいます。

 補助人や保佐人、後見人は、成年後見制度によって、認知症や知的障がい、精神障がいの方たちの判断能力の程度に応じて選任された方で、ご本人の判断を補助したり、代理人としての役割を果たします。

(19ページ)

●高齢の方●

望ましいコミュニケーションの方法

入店時

ご本人の意思を尊重して

 「本日のご用件は?」などとさりげなくお聞きし、サポートを求められたらご案内しましょう。

転倒に注意して

 床が濡れていると滑りやすく危険です。特に雨の日には注意しましょう。

待ち時間

不安を解消するために

 どのくらい待つのか、待ち人数や待ち時間をお伝えするように配慮しましょう。

相談・説明

敬意をもってゆっくりと

 ご用件を伺ったうえで、はっきりと、ゆっくり、ていねいに応対しましょう。

情報は整理して

 必要な情報は、パンフレットなどを用いて、結論から、分かりやすく整理してお伝えしましよう。

説得ではなく納得を

 説得しようとするのではなく、納得してもうえるように努めましょう。

説明は補助人や保佐人ではなく、ご本人に向かって

 物事の最終決定には、ご本人の意思を尊重して必ず同意を得なければなりませんので、補助人や保佐人などがいる場合でも、説明はご本人に向かって行いましよう。

手続・金銭授受

重要事項はメモなどで確認を

 重要なことは、言葉だけでなく、紙に箇条書きするなどして、ひとつひとつ確認しましょう。

判断はせかさずに

 判断を求める場合には、適切な結論が導けるよう、せかさす、ゆっくり進めましよう。

現金の出し入れのサポートはご本人の確認を受けながら

 財布やカバンからの金銭やカードの出し入れは、ご本人にお願いしましょう。どうしても困難な場合には、面前でご本人の確認を受けながらお手伝いするようにしましょう。

以下の点にも留意しましょう

●お知らせは、大きめの文字で、はっきりと、行間を空けて、短い文章で表示しましよう。

●立ちしゃがみが困難な方には、座高の高い、肘掛けのある椅子を用意しましょう。

●待合が混雑して座れない場合、待ち時間が長くなるようなら別の場所へお連れするか、ゆっくり座れる椅子を用意しましょう。

●握りやすい柄の太いペンなど、使いやすい筆記用具を用意しておくと良いでしょう。

(20ページ、21ページ)

その他、配慮が必要な方

応対に「配慮が必要な方」って?

知的障がいや精神的な障がいのある方

 外見からは分かりにくいのですが、知的障がい、発達障がい、高次脳機能障がい、精神障がいなどのために、コミュニケーションが苦手芯方がいます。特徴が重複していることもあり、一般には見分けられませんが、大まかな特徴を知っておくことは適切に応対するための第一歩です。

知的障がい・発達障がいのある方

●遠回しな言い方や曖昧な表現は理解しにくい方もいる

●順序だてて論理的に話すことが苦手な方もいる

●自分にとって利益か不利益かの判断がなかなかできない方もいる

●周りの人の誘導に乗りやすい方もいる

●聞かれると、十分に理解していなくても「はい、そうです」と言ってしまう方もいる

●興味や関心のあることばかりを話したり、熱中してやり続ける方もいる

●言葉を聴いて理解することよりも、目で見て理解するほうが得意な方もいる

●複数の情報に同時に目を向けて、全体の意味を把握することが苦手な方もいる

●経験したことのないことを想像することが苦手な方もいる

●聴覚や触覚が過敏なために、大きな声や音、騒々しい場所を不愉快に感じたり、身体に触られることが苦手な方もいる

高次脳機能障がい・精神障がいのある方

●記憶することが苦手で、簡単なことでもメモを取らなければならない方もいる

●場所や時間が分からなくなってしまう方もいる

●注意・集中が持続できず、見落としや間違いが多くなる方もいる

●不安がつのると衝動的になる方もいる

●同じことを何度も聞いたり、つじつまの合わないとを一方的に話す方もいる

●時として、声の大きさを調節できなくなる方もいる

●周囲の言動を被害的に受け止める方もいる

●病気のことを知られたくない思いが強い方もいる

内部障がいのある方

 内部障がいとは、身体障害者福祉法においては、心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸または小腸の機能障がい、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障がいとされています。身体障がいと比べ、障がいが見えにくいことから、「理解されにくい障がい」とされ、その分、ご本人のストレスも大きなものとなります。

●外見からは分かりにくい

●疲れやすく動きが制限される方もいる

●携帯電話の影響が懸念される方もいる
(ペースメーカーの使用者)

●ときどき、せき込んだり、胸の痛みを訴える方もいる

●専用のトイレを必要とする方もいる
(人工区門や人工ぽうこうの使用者=オストメイト)

妊娠されている方

 初期の頃は、外見では分からないため、座席優先などの配慮も得られにくいことがあります。一方、おなかが大きくなってくると、普段とは違ったバリアを感じるようになります。

●初期では外見からは分からない

●おなかが大きくなると、足元が見えにくい

●体重が重くなり、動きにくい

●転ぶと、おなかの赤ちゃんも危険!

※この他、けが人や急病人、乳幼児連れの方、子ども、日本語が分からなかったり、少ししか話せない外国の方などもバリアフリーサービスの対象となります。

では、困ったときには、どのように接すれば良いでしょうか?→

(22ページ、23ページ)

●その他、配慮が必要な方●

こんな場面では、こんな対応を

入口付近でキョロキョロと落ち着かない方がいらっしゃる。

にこやかに話しかけ、ご用件を上手に聞き出しましょう。

 知的障がいや精神的な障がいのある方、あるいは日本語のよく分からない外国の方などは、分かりやすい表示やサインがないと戸惑ってしまいます。
 待っていただく場合には、「こちらでお待ちください」などと、どこで待つかを明確に示しましょう。長くなるようなら、あとどのくらい待つのかをきちんと報告し、順番や呼び出す方法を伝えましょう。

大きな声を発しながら入店されてきた。

気持ちを落ち着かせて、静かに話しかけましよう。

 知的障がいや精神的な障がいのある方は、声の大きさを調節できなくなることがあります。あわてずに、声を小さくすることをお願いし、場合によっては別室に案内するなどの臨機応変な応対をしましよう。

何度説明しても、同じ質問をされてくる。

「明確に」「分かりゃすい言葉で」「ゆっくり」「ていねいに」「くり返し」応対しましよう。

 知的障がいや精神的な障がいのある方、または認知症の方の可能性があります。いらいらせずに、「明確かつ具体的に」「分かりやすい言葉で」「ゆっくり」「ていねいに」「くり返し」をモットーに説明しましよう。

コミュニケーションがうまくとれない。

説明用の絵や写真、絵文字ボードを活用しましょう。

 聴覚障がいのある方に限らず、知的障がいや精神的な障がいのある方、日本語がよく分からない外国の方の場合、言葉に加え、視覚的に分かる方法として、文字、絵本、写真、絵文字ボードなどを準備しておくと便利です。

携帯電話の使用についてお客様同士でもめておられる。

ペースメーカー使用されている方への配慮をお願いしましよう。

 事情をお聞きしたうえで、ペースメーカーを使用されている方は、近くで携帯電話を使われることに対して敏感にならざるを得ないことをお伝えし、理解と協力をお願いしましょう。

順番待ちの間に気分が悪くなった方がいらっしゃる。

ご本人の希望に沿って、適切に応対しましょう。

 内部障がいのある方では、症状が急変する場合があります。ご本人がかかりつけの医療機関へ連絡を希望される場合は、速やかに応対しましょう。

(24ページ~27ページ)

バリアフリーに配慮した施設

 施設づくりの面からヒントを示しましたので、できることから始めましょう。

入口付近

●段差をなくしましょう。

 段差は、車いすを使っている方、下肢障がいのある方、高齢の方、弱視の方には不便であり、危険です。段差には、明度差のはっきりした縁取りをつけます。

●視覚障がいのある方のために、誘導用ブロックや音声・音響案内装置、触知

 案内図を設置するよう配慮しましょう。

●植木や傘立てなどが通行の邪魔にならないように配慮しましょう。

●雨や雪が降った日は、床が滑らないよう、マットを敷くなど対策を立てましよう。

●バリアフリー対応を知らせるステッカーを入口付近に貼りましよう。

 補助犬を受け入れていることを示すステッカーを貼ったり、バリアフリー対応の施設、機器がある場合は、入口付近にその旨を告知します。

参照ページ=P.33

待合スペース

●分かりゃすい位置に、見やすく、はっきりしたサインを掲げましょう。

 必要に応じてフリガナや図案を併記し、目的の場所を見つけやすくします。見えにくい方のためには、自の高さに近い位置に、明度差のはっきりした見やすい表示をつけると効果的です。

●聴覚障がい、のある方のために、「耳マーク」なども活用しましょう。

 「耳マーク」を記載したプレートなどを用意しておくと、聴覚障がいのあることをご自身で示していただけるため、応対がしやすくなります。また、順番が来たことを振動でお知らせするリモコン式の「振動呼出器」を利用している銀行もあります。

※「耳マーク」については次のURLを参照してください。http://www.zennancho.or.jp/

●障がいのある方に対応した備品を配備している場合は、その旨を周知する工夫をしましょう。

 聴覚障がいのある方のための筆談器や、股関節やヒザ関節に障がいのある方のための座高の高い椅子など、障がいのある方に対応した備品をできるだけ用意するようにします。また、その配備をお知らせするために、ポスターを待合スペースに掲げるなどの工夫も必要です。

●文字や話し言葉によるコミュニケーションが困難な方のために、銀行の主な手続きを絵文字等で示した「コミュニケーションボード」を用意している銀行もあります。

参照ページ=P.31

通路

●通路は物でふさがないようにしましよう。

 商品案内パンフレットのスタンドや観葉植物が通行の妨げにならないか、チ工ツクします。車いすや杖を使用している方の通行のために、通路幅は80cm 以上必要です。

●障がいのある方の中には、壁や手すり(点字表示)を頼りに歩く方もいます。近くに倒れやすいものや危険なものを置かないよう心がけましよう。

●火災・地震、犯罪などを想定し訓練をしておきましょう。

接客カウンター

●車いすを使っている方の使い勝手に配慮しましょう。

 車いすが入るスペースのある、低いカウンターがあると便利です。

●聴覚障がいのある方のために、番号表示板や筆談器、補聴援助システムなどがあると便利です。

 筆談器は、細かな説明や確認の際に役立ちます。補聴援助システムは、文字どおり、聴覚機能を補い、助ける機器です。

参照ページ=P.34

●視覚障がいのある方のために、点字パンフレットや点字の入出金明細書があると良いでしょう。

ATM

●順番整理ロープのレイアウトに配慮しましよう。

 車いすを使用している方や視覚障がいのある方も並びやすいよう、工夫します。

●操作が困難なお客さまには、すぐに声をかげるようにしましよう。

 車いすを使用している方や上肢障がいのある方、視覚障がいのある方、高齢の方などが困っているようであれば、すぐに声をかけて望まれる応対をします。

●障がいのある方が使いやすいATM を整備しましょう。

 車いす対応のATM や音声で操作案内を行うATM、点字で操作できるATM など、障がいのある方に配慮したものも徐々に普及してきています。これらの設置場所を確認し、適切にご案内できるようにします。
 なお、これらを設置した場合には、マーク表示や音声案内などで告知します。

駐車場・駐輪場

●駐輪場は、常に整頓された状態に保ちましょう。

 視覚障がいのある方と必要な誘導用ブロックの上に、自転車などが放置されていないよう注意します。また、車いすの通行スペースも確保しておきます。

●駐車場出入口の見通しを良くしておきましょう。

 車いすを使用している方や子どもは、ドライバーから見えづらく、聴覚障がいのある方は近づいている自動車の音に気づくことができません。

●障がい者用駐車場をできる限り確保しましょう。

 できれば入口に近い場所に設置し、表示を大きく掲げます。また、障がいのない方が利用しないよう注意を促すことも必要です。

記帳台

●車いすで利用できる記帳台があると便利です。

●老眼鏡やルーペを常備しておくと便利です。

●視覚障がいのある方のために、十分な照明を確保できるスタンドライトがあると便利です。

エレベーター・階段

●複数階にある場合の移動について配慮しましょう。

 高齢の方などのために階段に手すりをつけたり、弱視の方のために階段の縁を明度差のある色で示すなどの配慮をします。車いすを使用している方のために、エレベーターには十分な広さと低い位置の操作ボタン、バックミラーなどの配慮が必要です。また、視覚障がいのある方のために、エレベーターには音声案内や点字表示、および浮き出し文字などを配備する必要があります。

トイレ

●さまざまな設備があることを知っておきましょう

 車いす使用者が使えるトイレ、内部障がいのある方(オストメイト)対応のトイレ、折りたたみ式ベッドのある多目的トイレなどがあります。

 施設整備とともに、バリアフリー対応の店舗をホームページでお知らせするなどの情報発信も重要です。また、振込や入金があった場合に、電話やファクシミリで通知するサービスや、預金残高などの照会ができるテレホンバンキングサービスなどがあれば、積極的にお知らせするようにしましよう。ホームページやインターネットバンキングでは、視覚障がいのある方に配慮し、音声読み上げソフトへの対応を図ったり、文字サイズや色をお客さまの手で変更できるようにしておきたいものです。

工夫を重ねて、誰もが利用できる銀行にしましょう。

(28ページ)

参考資料集

参考資料集の1ページ目

1.視覚障がいのある方の誘導方法

(1)誘導の基本姿勢

 同じ方向を向き、白杖をついていない側、または盲導犬を連れていない側の横半歩前に立ちます。身長差に応じて、ヒジまたは肩などをつかんでもらい、常に二人分の幅を確保しながら誘導します。

(誘導の基本姿勢イラスト)

(2)ヒジや肩、手首をつかんでもらう方法

 相手のヒジの角度が90 度くらいになると、適度な間隔が保たれます。身長差がそれほどない場合はヒジ、相手の背が高い場合には、肩をつかんでもらいます。逆に、相手が子どもであったり、極端に背が低い場合には手首のあたりをつかんでもらいます。

(ヒジや肩、手首をつかんでもらう方法のイラスト)

2.車いすの基本的な扱い方

(1)自走式標準タイプの車いすの押し方

 ハンドグリップを握り、重心を安定させ、からだ全体で押すようにします。押し始める際には、「進みます」「では押します」などと声をかけてください。

(自走式標準タイプの車いすの押し方のイラスト)

(2)ブレーキ(ストッパー)のかけ方

 車いすの背面から側面にかけて立ち、片手でハンドグリップを握りながら、もう一方の手でブレーキ(ストッパー)をかけます。反対側もハンドグリップを放すことなく、ブレーキ(ストッパー)をかけます。

(ブレーキ(ストッパー)のかけ方のイラスト)

(3)キャスター上げ

 ティッピングレバーを踏み込むと同時に、ハンドグリップに体重をかけ、押し下げます。素早く安定させることが、お客さまの安心につながります。

(キャスター上げのイラスト)

(4)キャスター上げで段差を越える

 キャスターを上げて前へ進み、後輪が段差にぶつかったところでキャスターを下ろします。次に、ハンドグリップをしっかりと握り、車いすを持ち上げながら前へ進み、段差を越えます。

(キャスター上げで段差を越えるイラスト)

(29ページ)

参考資料集の2ページ目

1.身体障がい者補助犬に関して

 「身体障がい者補助犬」とは、「盲導犬」「聴導犬」「介助犬」の3 種類の犬の総称です。
 平成14年に制定された「身体障害者補助犬法」により、すべての公立施設や交通機関、飲食店など不特定多数が利用する民間施設で、身体障がい者補助犬の受け入れが義務化されています。

(1)盲導犬

 視覚障がいのある方に対し、じゃまになる物を知らせ、安全歩行できるよう補助を行います。白か黄色のハーネスという胴輪をつけています。また、使用者は使用者証を携帯しています。盲導犬やハーネスには、絶対に触れてはいけません。

(2)聴導犬

 聴覚障がいのある方の耳代わりとして、室内ではインターホンやお湯の沸いた音などを知らせ、屋外ではクラクションや自転車のベル、名前を呼ばれたととなどを知らせます。銀行では、窓口の担当者に預けたベルの音に反応して、順番が来たことを知らせたりします。「聴導犬」と記載された表示をつけており、使用者は認定証を携帯しています。

(3)介助犬

 手足に障がいのある方の日常生活動作を補助します。落とした物を拾って渡したり、ドアの開閉や、歩行介助や車いすの乗り降りの補助まで行います。「介助犬」と記載された表示をつけており、使用者は認定証を携帯しています。

(盲導犬、聴導犬及び介助犬のイラスト)

(注)身体障がい者補助犬に対して、他のお客さまから誤った反応が起こる場合があります。その際には、「法律で義務化された制度であること」「適切な健康管理と予防対策が講じられた犬であること」「使用者が行動管理をしているので迷惑はかけないこと」「仕事中なので触ったり声をかけないでほしいこと」などを伝えてください。また、犬が嫌いな方、アレルギーのある方の場合は、席を離すなど、適切に応対します。

2.指文字

(1)指文字について

日本語の50 音をひとつひとつ指の形で表す記号で、手話と併せて使われます。地名や名前を正確に伝えるときなどによく用いられます。

(指文字の一覧、使用例のイラスト)

(30ページ)

参考資料集の3ページ目

1.基本的な手話

(1)手話について

 聞こえない人、聞こえにくい人たちの間で自然に生まれ、ひとつの言語として発展してきたコミュニケーション方法です。
 手話について「あいさつ」程度でも知っておくと、手話を活用される方とのコミュニケーションも取りやすくなります。

(基本的な手話に関するイラスト)

(31ページ)

参考資料集の4ページ目

1.コミュニケーションボード

 耳の不自由な方や外国人など、話し言葉や文字によるコミュニケーションに不安のあるお客さまのために、銀行の代表的な取引や手続きをデザイン化した「全銀協絵記号デザイン」の使用を推奨しています。また、そのデザインを利用した「コミュニケーションボード」もあります。

※「全銀協絵記号デザイン」「コミュニケーションボード」についての詳細は、全銀協ホームページをご覧ください。
http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/efforts/contribution/csr/cmark/index.html
(全銀協コミュニケーションボードのイラスト)

(32ページ)

参考資料の5ページ目

1.点字について

 「点字」は、目が見えない方が指で読む文字です。
 それに対して、私たちが目で読んでいる文字を「墨字(すみじ)」といいます。点字の単位を「マス」といい、一マスは、たて3点、横2点の6点でできています。

(マス内の6点に関し、左上の点から縦方向に順番に①、②、③、右の列も同様に、右上の点から縦方向に順番に④、⑤、⑥と番号が振られていることを示す模式図略)

①②④の点で母音(あいうえお)を表し、残りの③⑤⑤の点を組み合わせて、子音を表します。

(「点字一覧表(凸面)読む方)」)

※さらに興味のある方は、全国視覚障害者情報提供施設協会のホームページ「点字など」をご覧ください。→ http://www.naiiv.net/braille/

提供:日本点字委員会

(33ページ)

参考資料の6ページ目

1.バリアフリーに関するシンボルマーク

 言葉で説明しなくても伝えたいことが分かるようデザイン化された、さまざまなシンボルマークがあります。建物・施設で表示するマークは、バリアフリー対応を行っている場合に表示し、マークを表示した方が来店された場合は、積極的に声をかけ、望まれる応対をしましょう。

(1)主に建物・施設で表示するマーク

1)障がい者のための国際シンボルマーク

 障がいのある方が利用できる建築物、施設であることを明確に示す世界共通のシンボルマークです。障がいのある方が住みやすいまちづくりを推進することを目的として、1969 年に国際リハビリテーション協会(RI)により採択されました。対象は、車いす使用者だけではなく、すべての障がいのある方が対象となります。このマークの使用については、財団法人日本障害者リハビリテーション協会「国際シンボルマークについて」ホームページをご覧ください。
http://www.jsrpd.jp/static/symbol/index.html

(「障がい者のための国際シンボルマーク」の画像)

2)盲人のための国際シンボルマーク

視覚に障がいのある方の安全やバリアフリーを考慮した建物・設備・機器などにつけられている世界共通のマークです。1984 年10 月、サウジアラビアのリヤドで開催された世界盲人連合の設立総会で制定されました。信号機や音声案内装置、国際点字郵便物、書籍・印刷物などに、設置・添付されています。このマークの掲載・使用については、社会福祉法人日本盲人福祉委員会ホームページより、お問いあわせください。
http://homepage2.nifty.com/welblind/

(「盲人のための国際シンボルマーク」の画像)

3)ほじょ犬マーク

身体障がい者補助犬同伴の啓発のためのマークです.

(「ほじょ犬マーク」の画像)

4)オストメイトマーク

人工肛門・人口膀胱を造設している方(オストメイト)のための設備があることを表しています。

(「オストメイトマーク」の画像)

5)安心のサービス介助士マーク

サービス介助士2 級検定資格者の証となるマークです。有資格者がいる事業所でも掲示できます。

(「安心のサービス介助土マーク」の画像)

6)バリアフリー法(ハートビル)シンボルマーク

バリアフリー法に基づく認定建築物の入口などに掲示できるマークです。

(「バリアフリー法(ハートビル)シンボルマーク」の画像)

(2)主に本人が表示するマーク

1)耳マーク

「耳マーク」は『聞こえが不自由なことを表すマーク」です。また、支援体制があることを示すためにも使われます。参照ページ=P.24

(「耳マーク」の画像)

2)ハート・プラスマーク

身体内部に障がいのある方を表しています。

(「ハート・プラスマーク」の画像)

3)マタニティマーク

妊娠されている方が身につけるなどして、周囲の配慮を示しやすくするものです。また、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関の意識啓発ポスターなどに使われます。

(「マタニティマーク」の画像)

4)身体障害者標識

普通自動車免許を受けた方で、肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示します。マークの表示については努力義務となっています。

(「身体障害者標識」の画像)

5)聴覚障害者標識

普通自動車免許を受けた方で、聴覚障がいであることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示します。マークの表示については、義務となっています。

(「聴覚障害者標識」の画像)

6)高齢運転者標識

普通自動車免許を受けている年齢が70.以上の方で、加齢に伴って身体機能が低下し、自動車の運転に影響を及ぼすおそれがある方が運転する車に表示するマークです。マークの表示については、「70 歳以上の努力義務」となっています。

(「高齢運転者標識」の画像)

(34ページ)

参考資料の7ページ目

1.知っておきたい関連用語

(1)サポーター関連

1)サービス介助士

 日本ケアフィットサービス協会が認定する資格。高齢の方や障がいのある方のみならず、すべての方に「おもてなしの心」と「安心の介助技術」で応対できるスペシャリスト。交通・流通・飲食などのサービス業で多く導入されており、銀行でも導入しているところが増えています。
サービス介助士の問い合わせは、日本ケアフィットサービス協会
http://www.carefit.org/

2)手話通訳者

 音声言語を手話に変換したり、または手話を音声言語に変換して通訳する人。厚生労働大臣認定の手話通訳士、自治体認定の手話通訳者がいます。

3)手話通訳者派遣制度

 地域の自治体の制度によって、聴覚障がいのある方などが社会生活をするうえで意思の疎通が困難な場合、手話通訳者を派遣する制度です。手話通訳を利用したい場合は、その地域の福祉事務所、社会福祉協議会、または聴覚障がい者団体におたずねください。なお、手話通訳者には、業務上知り得たプライバシーや、企業内部の事柄については外部に漏らしてはならないという厳しい守秘義務が課せられています。

4)要約筆記

 聴覚障がいのある方に、話の内容を要約し、その場で文字にして伝える通訳。手書きのノートテイクやOHP を使用し集団投影する方法、パソコンを利用する方法などがあります。通訳者を要約筆記奉仕員といい、自治体が養成や派遣を行います。

5)認知症サボーター

 厚生労働省が2005 年度に始めた「認知症を知り地域をつくる10ヵ年キャンペーン」の一環として、認知サポーターの養成が推進されています。地域で認知症の方が困っているときに手助けしたり、気になる高齢者を見かけたときに地域包括支援センター等に情報を伝えたりするなどの役割を務めます。自治体や企業が開く講座を受講し、認知症の症状や対応の仕方について学ぶとサポーターに認定されます。最近では、行内でサポーター養成講座を行う銀行も増えています。
認知症ザポーター養成講座の問い合わせは、全国キャラバン・メイト連絡協議会
http://www.caravanmate.com/

(2)設備機器・システム

1)自動体外式除細動器(AED:Automated External Defibrillator)

 小型の機器で、体外(裸の胸の上)に貼つた電極のついたパッドを通して自動的に心臓の状態を判断します。もし心室細動という不整脈(心臓が細かくブルブルふるえていて、血液を全身に送ることができない状態)を起こしていれば、強い電流を一瞬流して心臓にショックを与えること(電気ショック)で、心臓の状態を正常に戻す機能をもっています。
(自動体外式除細動器の写真)

2)筆談ボード

 音声によるコミュニケーションが難しいときに使用するボードで、何度も書き直しができます。伝わりにくい言葉を正確に伝えることができます。

(筆談ボードの写真)

3)補聴援助システム

 遠距離、複数会話、雑音などで難聴者に聞き取りにくい状況下でも、目的の音声を聴取しやすくするために用いる装置のことをいい、FM 補聴システム、赤外線補聴システム、磁気誘導ループシステムなどがあります。
 FM補聴システムでは、音源の音声信号をFM電波で送信し、FM受信機によって聴取します。赤外線補聴システムでは、赤外線送信機によって、赤外線で送信し、赤外線受信機によって聴取します。磁気誘導ループシステムは、磁気を使用してよりクリアな音声を補聴器に直接届けます。

4)触知案内図

 視覚障がいのある方に対し、屋内外の施設・設備および移動空間の位置情報を凹凸がある線・面、触知記号、点字などによって触知できる案内図。触知案内図には、施設などに設置する設置形と持ち運べる冊子形があります。

(35ページ)

参考資料の8ページ目

1.日本工業規格(JIS)高齢者・障害者配慮設計指針。

 わが国では、国が定める工業標準として、1 万を超える日本工業規格(JIS)が制定されており、JIS の目的に対応して、相互理解促進、安全の確保、品質の確保、互換性の確保などの規格があります。高齢者・障がいのある方々への配慮のための規格も順次整備されてきており、2003年、JIS Z 8071「高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針」が制定されました。
 これは 2001 年に国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が発行したISO/IEC ガイド71 を基礎としたものです。ISO/IEC ガイド71 は、日本が国際提案して作成され、今、多くの国で活用されています。わが国でもJIS Z 8071 に基づき、現在までに32 種類の高齢者・障がい者配慮のJIS が作られています。
 そのなかで銀行のバリアフリーに関係するJIS を紹介します。

(1)JIS S 0042 高齢者・障害者配慮設計指針 アクセシブルミーティング

 この規格は、高齢者および障がいのある方々が参加する会議を行う場合、会議主催者が、安全かつ円滑に会議を運営するための支援機器の利用方法などに関する配慮すべき事項について標準化を行い、生産および使用の合理化、品質の向上を図るための規格です。

(2)JIS T 0921 高齢者・障害者配慮設置指針 点字の表示原則及び点字表示方法-公共施設・設備

 この規格は、視覚障がいのある方々が、公共施設・設備(乗り物などを含む)および公共的空間を利用し移動する場合、安全かつ円滑に行動できるために、施設・設備の利用・操作方法などの情報伝達手段として用いる点字の表示原則および点字表示方法についての規格です。

(手すりにおける点字の表示方法に関する模式図)

(3)JIS T 0922 高齢者・障害者配慮設計指針 触知案内図の情報内容及び形状並びにその表示方法

 この規格は、不特定多数の方々が利用する施設・設備および移動空間において、視覚に障がいのある方々が安全で、かつ、円滑に移動できるように、施設・設備および移動空間の位置情報を提示する触知案内図の情報内容および形状ならびにその表示方法について、標準化を行い、視覚障がいのある方々の利便性を図るための規格です。

(触知案内図の形状等に関する模式図)

(4)JIS S 0026 高齢者・障害者配慮設計指針 公共トイレにおける便房内操作部の形状,色,配置及び器具の配置

 この規格は、鉄道駅、公園、集会場、病院、百貨店、事務所などに設置される不特定多数の方々が利用する公共トイレ(一般便房及び多機能便房)の腰掛便器の横壁面に、便器洗浄ボタンおよび呼出しボタンの両方、またはいずれか一つを設置する場合の、操作部(便器洗浄ボタンおよび呼出しボタン)の形状、色ならびに操作部および紙巻器の配置について、標準化を行い、肢体障がいのある方、子ども、視力の低下した高齢者などの利便性を向上させるための規格です。

(公共トイレにおける便房内操作部の器具の配置に関する模式図)

※詳しくは、日本工業標準調査会、または日本規格協会のホームページをご覧ください。

日本工業標準調査会→ http://www.jisc.go.jp/

日本規格協会→ http://www.jsa.or.jp/top.asp

(36ページ)

バリアフリーチェックシート

誰もが来店しやすく、利用しやすいかチェックしてみましょう。

(チェックシート全体)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(1)看板や表示が樹木や物などで隠れていませんか?

(2)入口の動線付近に自転車などが置かれていませんか?

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(1)障がい者用駐車場に一般の車が停まっていませんか?

(2)出入口の見通しは良いですか?

3.出入口周辺は「どなたでも」刺用しやすいですか?

(1)床に2cm 以上の段差はありませんか?

(2)傘立てや観葉植物、ディスプレイなどが邪魔になっていませんか?

(3)床が滑りやすくありませんか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(3)カウンターは利用しやすいですか?

(4)筆記用具や伝票類は取りやすいですか?

(5)最適なコミュニケーション方法に工夫していますか?

(6)筆談器は手にとりやすい場所に設置してありますか?

(7)商品案内パンフレッ卜などの陳列は見やすいですか?

(8)順番待ちの場合、「どなたでも」分かる工夫をしていますか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(全盲)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(2)入口の動線付近に自転車などが置かれていませんか?

3.出入口周辺は「どなたでも」刺用しやすいですか?

(1)床に2cm 以上の段差はありませんか?

(2)傘立てや観葉植物、ディスプレイなどが邪魔になっていませんか?

(3)床が滑りやすくありませんか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(4)筆記用具や伝票類は取りやすいですか?

(5)最適なコミュニケーション方法に工夫していますか?

(8)順番待ちの場合、「どなたでも」分かる工夫をしていますか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(弱視)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(1)看板や表示が樹木や物などで隠れていませんか?

(2)入口の動線付近に自転車などが置かれていませんか?

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(2)出入口の見通しは良いですか?

3.出入口周辺は「どなたでも」刺用しやすいですか?

(1)床に2cm 以上の段差はありませんか?

(2)傘立てや観葉植物、ディスプレイなどが邪魔になっていませんか?

(3)床が滑りやすくありませんか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(4)筆記用具や伝票類は取りやすいですか?

(5)最適なコミュニケーション方法に工夫していますか?

(7)商品案内パンフレッ卜などの陳列は見やすいですか?

(8)順番待ちの場合、「どなたでも」分かる工夫をしていますか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(ろう・難聴)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(1)看板や表示が樹木や物などで隠れていませんか?

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(2)出入口の見通しは良いですか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(5)最適なコミュニケーション方法に工夫していますか?

(6)筆談器は手にとりやすい場所に設置してありますか?

(7)商品案内パンフレッ卜などの陳列は見やすいですか?

(8)順番待ちの場合、「どなたでも」分かる工夫をしていますか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(上肢)

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(1)障がい者用駐車場に一般の車が停まっていませんか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(3)カウンターは利用しやすいですか?

(4)筆記用具や伝票類は取りやすいですか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(下肢/車いす)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(1)看板や表示が樹木や物などで隠れていませんか?

(2)入口の動線付近に自転車などが置かれていませんか?

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(1)障がい者用駐車場に一般の車が停まっていませんか?

(2)出入口の見通しは良いですか?

3.出入口周辺は「どなたでも」刺用しやすいですか?

(1)床に2cm 以上の段差はありませんか?

(2)傘立てや観葉植物、ディスプレイなどが邪魔になっていませんか?

(3)床が滑りやすくありませんか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(3)カウンターは利用しやすいですか?

(4)筆記用具や伝票類は取りやすいですか?

(7)商品案内パンフレッ卜などの陳列は見やすいですか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(高齢者)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(1)看板や表示が樹木や物などで隠れていませんか?

(2)入口の動線付近に自転車などが置かれていませんか?

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(2)出入口の見通しは良いですか?

3.出入口周辺は「どなたでも」刺用しやすいですか?

(1)床に2cm 以上の段差はありませんか?

(2)傘立てや観葉植物、ディスプレイなどが邪魔になっていませんか?

(3)床が滑りやすくありませんか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(3)カウンターは利用しやすいですか?

(4)筆記用具や伝票類は取りやすいですか?

(5)最適なコミュニケーション方法に工夫していますか?

(7)商品案内パンフレッ卜などの陳列は見やすいですか?

(8)順番待ちの場合、「どなたでも」分かる工夫をしていますか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(妊産婦)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(2)入口の動線付近に自転車などが置かれていませんか?

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(2)出入口の見通しは良いですか?

3.出入口周辺は「どなたでも」刺用しやすいですか?

(1)床に2cm 以上の段差はありませんか?

(2)傘立てや観葉植物、ディスプレイなどが邪魔になっていませんか?

(3)床が滑りやすくありませんか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(3)カウンターは利用しやすいですか?

(4)筆記用具や伝票類は取りやすいですか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(知的障がい)

1.「どなたでも」アクセスしやすいですか?

(1)看板や表示が樹木や物などで隠れていませんか?

2.駐車場は「どなたでも」利用しやすいですか?(駐車場がある場合)

(2)出入口の見通しは良いですか?

4.店内は「どなたでも」利用しやすいですか?

(1)困っているお客さまにはすすんで声をかけていますか?

(2)店内は安全に移動できますか?

(5)最適なコミュニケーション方法に工夫していますか?

(7)商品案内パンフレッ卜などの陳列は見やすいですか?

(8)順番待ちの場合、「どなたでも」分かる工夫をしていますか?

5.その他

(1)緊急時の避難対策はできていますか?

(36ページ)

バリアフリー情報源

 さまざまな情報が得られるホームページを紹介します。より多くの情報を得て、これからの応対に役立ててください。

1.視覚障がいのある方に関すること

社会福祉法人 日本盲人会連合 http://nichimou.org/

2.視覚障がいのある方に関すること

全日本視覚障害者協議会 http://zenshikyou.net/

3.弱視の方に関すること

弱視者問題研究会 http://jakumonken.sakura.ne.jp/

4.点字・触知案内図・録音図書に関すること

社会福祉法人日本点字図書館 http://www.nittento.or.jp/

5.音声コードに関すること

JAVIS(日本視覚障がい情報普及支援協会) http://www.javis.jp/

6.聴覚障がいのある方、および手話に関すること

財団法人全日本ろうあ連盟 http://www.jfd.or.jp/

7.聴覚障がいのある方、および手話に関すること

社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 http://www.zennancho.or.jp/

8.聴覚に障がいのある方への情報提供に関すること

社会福祉法人 聴力障害者情報文化センター http://www.jyoubun-center.or.jp/

9.頸椎損傷のある方に関すること

社団法人全国頸椎損傷者連合会 http://www.zensekiren.jp/

10.リウマチに関すること

社団法人日本リウマチ友の会 http://www.nrat.or.jp/index.html

11.知的障がいのある方に関すること

社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会 http://ikuseikai-japan.jp/

12.精神に障害をもつ人たちのこと

社団法人やどかりの里 http://www.yadokarinosato.org/index.html

13.障がい者支援情報などに関すること

障害者情報ネットワーク ノーマネット http://www.normanet.ne.jp/

14.より多くの人が使いやすい製品・サービスに関すること

財団法人 共用品推進機構 http://www.kyoyohin.org/

15.金融・IT関連用語手話DVD

 新しい専門用語に対応して開発された手話を、学習用にまとめたDVD です。DVD のタイトル、送付先住所、氏名、電話番号、使用目的を明記の上、FAX にてご請求ください。DVD、送付料共に無料です。

独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 雇用開発推進部
TEL.03-5400-1626 FAX.03-5400-1608
https://www.jeed.or.jp/disability/data/handbook/video/dvd02.html

(「金融・IT 関連用語手話DVD」の画面キャプチャ画像)

(裏表紙)

全国銀行協会
〒100-8216 東京都千代田区丸の内1-3-1
電話(03)3216-3761
http://www.zenginkyo.or.jp/

(全銀協のロゴマークの画像)

(はさみこみ)

「主要行等向けの総合的な監督指針」一部抜粋

(1ページ)

「主要行等向けの総合的な監督指針」一部抜粋

Ⅲ 主要行等監督上の評価項目

Ⅲ-4 利用者ニーズに応じた多様で良質な金融商品・サービスの提供

Ⅲ-4-4 障がい者等に配慮した金融サービスの提供

Ⅲ-4-4-1 意義

 銀行は、成年後見制度等の対象でなく意思表示を行う能力がありながら、視覚・聴覚や身体機能の障がいのために銀行取引における事務手続き等を単独で行うことが困難な者(以下「障がい者等」という。)に対しても、視覚や聴覚に障がいのない者等と同等のサービスを提供するよう配慮する必要がある。
 このため、各銀行においては、障がい者等に関する法令等を遵守するとともに、平成22年8月26日付で金融庁監督局長が金融機関業界団体等に対して発出した要請文「視覚障がい者に配慮した取組みの積極的な推進について」に示された「視覚障がい者対応ATMの増設」や「複数の行員の立会いによる視覚障がい者への代筆及び代読の規定化並びに円滑な実施」など、視覚障がい者からの要望等を踏まえた取組みを積極的に推進するよう努めることが重要と考えられる。

Ⅲ-4-4-2 主な着眼点

(1)総論

①自行の店舗若しくは設備又は取引に係る手続きにおいて、障がい者等の金融取引の利便性を向上させるよう努めているか。
 また、銀行の店舗若しくは設備の新設又は新しい手続きの導入の場合に、必要に応じて、障がい者等に配慮した仕様を検討しているか。

②銀行が、障がい者等に配慮した取組みを推進するにあたっては、国及び地方自治体などにおける障がい者支援に係る施策を確認し、必要に応じて、銀行のサービスにおいても利用するなどしているか。

③障がい者等から銀行に対し、意見(相談、苦情を含む。)があった場合、それらを踏まえた取組みを行うよう努めているか。また、障がい者等からの意見を完全に実現できない場合であっても、代替策を検討するなどしているか。

(2)業務運営態勢等

①自筆が困難な障がい者等への代筆について

 障がい者等のうち自筆が困難な者(以下、「自筆困難者」という。)から、口頭で預金口座開設等の預金取引や融資取引の申込みがあった場合、以下に示す自筆困難者の保護を図ったうえで、代筆を可能とする旨の社内規則を整備し、十分な対応をしているか。
 なお、自筆困難者からの当該申込みは「口頭による意思表示」に当たると考えられるため、取引関係書類への代筆は、当該申込みに係る意思表示の範囲内に限られることに留意する必要がある。

(2ページ)

イ.預金取引の場合

a.自筆困難者が、預金取引に関して意思表示した内容を次に掲げる者に代筆を依頼した場合、依頼を受けた者による代筆が可能であることを定めているか。

ⅰ)自筆困難者と同行した者(注1、注2、注3)

ⅱ)銀行の職員(複数の職員が確認するものとする。)

(注1)自筆困難者が来行せず、当該者からの依頼を受けたとする者のみが銀行に訪れた場合、自筆困難者本人に対して、当該来行者への代理権授与の意思や取引意思を確認することとしているか。

(注2)自筆困難者が単独で銀行に訪れた場合は、上記ⅰ)の者との再度来行を求めるのではなく、銀行の職員が代筆することとしているか。

(注3)自筆困難者が、例えばヘルパー等の同行者に、代筆を依頼する意思がない場合、当該同行者へ代筆を依頼するよう求めるのではなく、銀行の職員が代筆することとしているか。

b.上記a.の社内規則等に、少なくとも以下のことを代筆の際の手続きとして定められているか。

ⅰ)自筆困難者の意思表示の内容を記録として残すこと。

ⅱ)親族や同行者が代筆した場合は、銀行の職員が複数で代筆内容を確認し、確認した事実を記録として残すこと。

ⅲ)銀行の職員が代筆した場合は、複数の職員が確認したうえで、その確認をしたという事実を記録として残すこと。

ロ.融資取引の場合

 自筆困難者が、融資取引に関して意思表示した内容について、推定相続人や第三者保証提供者など返済義務を承継する可能性のある者(自筆困難者と同行した者に限る。以下「同行推定相続人等」という。)に代筆を依頼した場合、当該依頼を受けた者による代筆が可能とすることを定めているか。
 その際、少なくとも以下のことを社内規則に定めているか。

ⅰ)自筆困難者の意思表示の内容を記録として残すこと。

ⅱ)同行推定相続人等が代筆した場合は、銀行の職員が複数で代筆内容を確認し、確認した事実 を記録として残すこと。

ⅲ)同行推定相続人等以外の者による代筆を認める場合、複数の職員が立ち会い確認したうえで、その確認をしたという事実を記録として残すこと(注)。

(注)同行推定相続人等がいない場合であっても、そのことのみをもって融資を謝絶すると、自筆困難者の自立した日常生活及び社会生活の確保を困難にさせるおそれがある。
 このため、銀行は、自筆困難者の日常生活や社会生活を確保する観点から、公証人制度の利用や弁護士の立会いを求めるなどの解決策を検討することが重要と考えられる。また、当該対応策による融資の際は、銀行の本部や地域本部等の権限のある役席者が確認する態勢を設けるなど、後において、債務の存否を争うようなトラブルが発生しないよう留意する必要があると考えられる。

(3ページ)

②視覚に障がいがある者への代読について

 視覚に障がいがある者から要請がある場合は、銀行の職員が、当該者に係る取引関係書類を代読する規定を整備しているか。その際、個人情報の漏洩を防ぐとともに、複数の職員が代読内容を確認し、その確認をしたという事実を記録として残すこととしているか。

③本人確認について

 本人確認資料として障がい者手帳が利用されている場合は、本監督指針「Ⅲ-3-3-3 顧客等に関する情報管理態勢」を参照する。

④情報発信について

 障がい者等に配慮した取組みを行っている店舗や全盲の利用者も単独で利用できる機能を付加したATM(以下「対応ATM」という。)等の場所や内容(音声誘導システムの有無などを含む。)について、銀行が、障がい者等の視覚・聴覚等で認識されるよう、情報発信に努めているか。
 また、障がい者等に配慮した取組みを行っている場合、その事例をCSR(本監督指針「Ⅲ-5企業の社会的責任(CSR)についての情報開示等」を参照のこと)事例として積極的に公表することが望ましい。

⑤相談苦情対応について

 本監督指針「Ⅲ-3-5-2苦情等対処に関する内部管理態勢の確立」を参照することとする。特に、障がい者等から、自立した日常生活及び社会生活を確保することに係る業務に関わる相談苦情等を受けた場合、その改善に向けた検討や取組みを行うよう努めているか。

⑥研修等について

 銀行として、障がい者等に配慮した取組みのために整備した態勢の実効性を確保するため、顧客対応を行う全職員に対し、障がい者等に配慮した態勢について研修その他の方策(マニュアル等の配布を含む。)により周知しているか。

(3)店舗・設備等

①銀行の店舗や設備が、障がい者等に利用されやすい仕様となるように配慮しているか。

 なお、当該店舗が建物賃借や借地関係にある物件である場合も、障がい者等から要望がある場合は、当該物件の賃貸人や地権者にも協力を仰ぐよう努めているか。

②個々の営業店においても、必要に応じて、障がい者等の金融取引の利便性を向上させるよう努めているか。

③特に、視覚障がい者への対応については、例えば、以下のことに努めているか。

イ.対応ATM(振込みが可能なものや暗証番号の変更が可能なものが望ましい。)並びに画面のコントラスト及び文字が拡大できるもの(大きな画面で、タッチパネルでないものが望ましい。)の設置に配慮しているか。

(4ページ)

ロ.店舗入口から当該対応ATMまで、視覚障がい者を誘導するブロック(以下「点字ブロック」という。)を敷くなどの配慮を行っているか(当該店舗が建物賃借や借地関係にある物件である場合は、視覚障がい者からの要望に応じ、所有者等にも配慮を求めるよう努めているか。)。なお、点字ブロックの設置が、車椅子等の移動の障害になる場合も想定して、点字ブロックの敷設方法や通路の確保、銀行の職員等による誘導などを工夫する配慮が必要である。

ハ.いわゆるコンビニエンスストアなど預金取扱金融機関でない者が設置、保有するATMを、銀行が利用する場合に、対応ATMが設置されているかを、定期的に情報入手しているか。特に、視覚障がい者からの要望がある場合は、対応ATMの設置を当該設置または保有する者に、適宜、情報提供するよう努めているか。

ニ.店舗前の道路に敷設された点字ブロックから店舗入口まで、点字ブロックを敷くなどの配慮を行っているか。敷設できない場合は、音声誘導システムの設置を推進するなど、視覚障がい者が一人で来店できるよう配慮しているか。また、道路管理者に銀行店舗へ誘導するための点字ブロック敷設を働きかけるよう努めているか。
 なお、点字ブロックの設置が、車椅子等の移動の障害になる場合も想定して、点字ブロックの敷設方法や通路の確保、銀行の職員等による誘導などを工夫する配慮が必要である。

ホ.インターネットバンキングやテレフォンバンキング等を行う場合、視覚障がい者が利用できるようなシステムを構築するなどの配慮を行っているか。

ヘ.キャッシュカードや預金通帳、取引記録を視覚障がい者にも認識できるように提供するよう努めているか。

Ⅲ―4-4-3 監督手法・対応

 障がい者等に配慮した取組み並びに当該取組みを補完する相談苦情処理機能が構築され機能しているかどうかは、顧客保護及び利用者利便の観点も含め、銀行の健全かつ適切な業務運営の基本に関わることから、関係する内部管理態勢は高い実効性が求められる。
 当局としては、障がい者等から銀行に対する意見が寄せられた場合、当該銀行に伝え、内部管理態勢の整備状況を確認する。仮に、当該整備状況に問題が認められる場合は、改善を促すこととする。
 また、銀行の内部管理態勢の整備に向けた姿勢や実効性等に疑義が生じ、障がい者等が自立した日常生活及び社会生活を確保できないおそれがある場合は、必要に応じ、報告(法第24条に基づく報告を含む。)を求めて検証する。

(平成23年4月15日公表)

主要行等向けの総合的な監督指針(抜粋)

平成26年4月

Ⅲ 主要行等監督上の評価項目

Ⅲ-6 利用者ニーズに応じた多様で良質な金融商品・サービスの提供

Ⅲ-6-4 障がい者等に配慮した金融サービスの提供

Ⅲ-6-4-1 意義

 銀行は、成年後見制度等の対象でなく意思表示を行う能力がありながら、視覚・聴覚や身体機能の障がいのために銀行取引における事務手続き等を単独で行うことが困難な者(以下「障がい者等」という。)に対しても、視覚や聴覚に障がいのない者等と同等のサービスを提供するよう配慮する必要がある。
 このため、各銀行においては、障がい者等に関する法令等を遵守するとともに、平成22年8月26日付で金融庁監督局長が金融機関業界団体等に対して発出した要請文「視覚障がい者に配慮した取組みの積極的な推進について」に示された「視覚障がい者対応ATMの増設」や「複数の行員の立会いによる視覚障がい者への代筆及び代読の規定化並びに円滑な実施」など、視覚障がい者からの要望等を踏まえた取組みを積極的に推進するよう努めることが重要と考えられる。

Ⅲ-6-4-2 主な着眼点

(1)総論

 自行の店舗若しくは設備又は取引に係る手続きにおいて、障がい者等の金融取引の利便性を向上させるよう努めているか。
 また、銀行の店舗若しくは設備の新設又は新しい手続きの導入の場合に、必要に応じて、障がい者等に配慮した仕様を検討しているか。
 銀行が、障がい者等に配慮した取組みを推進するにあたっては、国及び地方自治体などにおける障がい者支援に係る施策を確認し、必要に応じて、銀行のサービスにおいても利用するなどしているか。
 障がい者等から銀行に対し、意見(相談、苦情を含む。)があった場合、それらを踏まえた取組みを行うよう努めているか。また、障がい者等からの意見を完全に実現できない場合であっても、代替策を検討するなどしているか。

(2)業務運営態勢等

①自筆が困難な障がい者等への代筆について

 障がい者等のうち自筆が困難な者(以下、「自筆困難者」という。)から、口頭で預金口座開設等の預金取引や融資取引の申込みがあった場合、以下に示す自筆困難者の保護を図ったうえで、代筆を可能とする旨の社内規則を整備し、十分な対応をしているか。
 なお、自筆困難者からの当該申込みは「口頭による意思表示」に当たると考えられるため、取引関係書類への代筆は、当該申込みに係る意思表示の範囲内に限られることに留意する必要がある。

イ.預金取引の場合

a.自筆困難者が、預金取引に関して意思表示した内容を次に掲げる者に代筆を依頼した場合、依頼を受けた者による代筆が可能であることを定めているか。

ⅰ)自筆困難者と同行した者(注1、注2、注3)

ⅱ)銀行の職員(複数の職員が確認するものとする。)

(注1)自筆困難者が来行せず、当該者からの依頼を受けたとする者のみが銀行に訪れた場合、自筆困難者本人に対して、当該来行者への代理権授与の意思や取引意思を確認することとしているか。

(注2)自筆困難者が単独で銀行に訪れた場合は、上記ⅰ)の者との再度来行を求めるのではなく、銀行の職員が代筆することとしているか。

(注3)自筆困難者が、例えばヘルパー等の同行者に、代筆を依頼する意思がない場合、当該同行者へ代筆を依頼するよう求めるのではなく、銀行の職員が代筆することとしているか。

b.上記a.の社内規則等に、少なくとも以下のことを代筆の際の手続きとして定められているか。

ⅰ)自筆困難者の意思表示の内容を記録として残すこと。

ⅱ)親族や同行者が代筆した場合は、銀行の職員が複数で代筆内容を確認し、確認した事実を記録として残すこと。

ⅲ)銀行の職員が代筆した場合は、複数の職員が確認したうえで、その確認をしたという事実を記録として残すこと。

ロ.融資取引の場合

 自筆困難者が、融資取引に関して意思表示した内容について、推定相続人や第三者保証提供者など返済義務を承継する可能性のある者(自筆困難者と同行した者に限る。以下「同行推定相続人等」という。)に代筆を依頼した場合、当該依頼を受けた者による代筆が可能とすることを定めているか。
 その際、少なくとも以下のことを社内規則に定めているか。

ⅰ)自筆困難者の意思表示の内容を記録として残すこと。

ⅱ)同行推定相続人等が代筆した場合は、銀行の職員が複数で代筆内容を確認し、確認した事実を記録として残すこと。

ⅲ)同行推定相続人等以外の者による代筆を認める場合、複数の職員が立ち会い確認したうえで、その確認をしたという事実を記録として残すこと(注)。

(注)同行推定相続人等がいない場合であっても、そのことのみをもって融資を謝絶すると、自筆困難者の自立した日常生活及び社会生活の確保を困難にさせるおそれがある。
 このため、銀行は、自筆困難者の日常生活や社会生活を確保する観点から、公証人制度の利用や弁護士の立会いを求めるなどの解決策を検討することが重要と考えられる。また、当該対応策による融資の際は、銀行の本部や地域本部等の権限のある役席者が確認する態勢を設けるなど、後において、債務の存否を争うようなトラブルが発生しないよう留意する必要があると考えられる。

②視覚に障がいがある者への代読について

 視覚に障がいがある者から要請がある場合は、銀行の職員が、当該者に係る取引関係書類を代読する規定を整備しているか。その際、個人情報の漏洩を防ぐとともに、複数の職員が代読内容を確認し、その確認をしたという事実を記録として残すこととしているか。

③本人特定事項の確認について

 本人確認書類として障がい者手帳が利用されている場合は、本監督指針「Ⅲ-3-3-3顧客等に関する情報管理態勢」を参照する。

④情報発信について

 障がい者等に配慮した取組みを行っている店舗や全盲の利用者も単独で利用できる機能を付加したATM(以下「対応ATM」という。)等の場所や内容(音声誘導システムの有無などを含む。)について、銀行が、障がい者等の視覚・聴覚等で認識されるよう、情報発信に努めているか。
 また、障がい者等に配慮した取組みを行っている場合、その事例をCSR(本監督指針「Ⅲ-7企業の社会的責任(CSR)についての情報開示等」を参照のこと)事例として積極的に公表することが望ましい。

⑤相談苦情対応について

 本監督指針「Ⅲ-3-5-2苦情等対処に関する内部管理態勢の確立」を参照することとする。
 特に、障がい者等から、自立した日常生活及び社会生活を確保することに係る業務に関わる相談苦情等を受けた場合、その改善に向けた検討や取組みを行うよう努めているか。

⑥研修等について

 銀行として、障がい者等に配慮した取組みのために整備した態勢の実効性を確保するため、顧客対応を行う全職員に対し、障がい者等に配慮した態勢について研修その他の方策(マニュアル等の配布を含む。)により周知しているか。

(3)店舗・設備等

①銀行の店舗や設備が、障がい者等に利用されやすい仕様となるように配慮しているか。

 なお、当該店舗が建物賃借や借地関係にある物件である場合も、障がい者等から要望がある場合は、当該物件の賃貸人や地権者にも協力を仰ぐよう努めているか。

②個々の営業店においても、必要に応じて、障がい者等の金融取引の利便性を向上させるよう努めているか。

③特に、視覚障がい者への対応については、例えば、以下のことに努めているか。

イ.対応ATM(振込みが可能なものや暗証番号の変更が可能なものが望ましい。)並びに画面のコントラスト及び文字が拡大できるもの(大きな画面で、タッチパネルでないものが望ましい。)の設置に配慮しているか。

ロ.店舗入口から当該対応ATMまで、視覚障がい者を誘導するブロック(以下「点字ブロック」という。)を敷くなどの配慮を行っているか(当該店舗が建物賃借や借地関係にある物件である場合は、視覚障がい者からの要望に応じ、所有者等にも配慮を求めるよう努めているか。)。
 なお、点字ブロックの設置が、車椅子等の移動の障害になる場合も想定して、点字ブロックの敷設方法や通路の確保、銀行の職員等による誘導などを工夫する配慮が必要である。

ハ.いわゆるコンビニエンスストアなど預金取扱金融機関でない者が設置、保有するATMを、銀行が利用する場合に、対応ATMが設置されているかを、定期的に情報入手しているか。特に、視覚障がい者からの要望がある場合は、対応ATMの設置を当該設置または保有する者に、適宜、情報提供するよう努めているか。

ニ.店舗前の道路に敷設された点字ブロックから店舗入口まで、点字ブロックを敷くなどの配慮を行っているか。敷設できない場合は、音声誘導システムの設置を推進するなど、視覚障がい者が一人で来店できるよう配慮しているか。また、道路管理者に銀行店舗へ誘導するための点字ブロック敷設を働きかけるよう努めているか
 なお、点字ブロックの設置が、車椅子等の移動の障害になる場合も想定して、点字ブロックの敷設方法や通路の確保、銀行の職員等による誘導などを工夫する配慮が必要である。

ホ.インターネットバンキングやテレフォンバンキング等を行う場合、視覚障がい者が利用できるようなシステムを構築するなどの配慮を行っているか。

ヘ.キャッシュカードや預金通帳、取引記録を視覚障がい者にも認識できるように提供するよう努めているか。

Ⅲ-6-4-3 監督手法・対応

 障がい者等に配慮した取組み並びに当該取組みを補完する相談苦情処理機能が構築され機能しているかどうかは、顧客保護及び利用者利便の観点も含め、銀行の健全かつ適切な業務運営の基本に関わることから、関係する内部管理態勢は高い実効性が求められる。
 当局としては、障がい者等から銀行に対する意見が寄せられた場合、当該銀行に伝え、内部管理態勢の整備状況を確認する。仮に、当該整備状況に問題が認められる場合は、改善を促すこととする。
 また、銀行の内部管理態勢の整備に向けた姿勢や実効性等に疑義が生じ、障がい者等が自立した日常生活及び社会生活を確保できないおそれがある場合は、必要に応じ、報告(法第24条に基づく報告を含む。)を求めて検証する。