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参考資料

整理番号修正文案理由委員
104~5行で本文の冒頭に政府としての国民に向けた分かりやすいメッセージのようなもの(基本方針の肝のようなもの)があると良いのではないか。理由1:
 1990年の米国ADA P.L.101-336(障害に基づく差別の明確かつ包括的な禁止を確立するための法律)の、当時の大統領ジョージ・ブッシュ氏が、声明(演説も)を出しているが、そこには、これからアメリカでは障害による差別を真になくし、そして、アメリカだけなく、世界中のモデルとなることを願っている等・・・と熱いメッセージが、国民や子供にも分かりやすい平易な文章も交えながら語られている。
 素案の文章の表現は、それで良いとすれば、本文の冒頭に、4~5行程度で良いので、政府としての国民に向けた分かりやすいメッセージの様なもの(本基本方針の肝のようなもの)があると良いのではないか。
 理由2:
<第13回(9月1日) 議事録 柘植の発言・・・特に下線>
まず1つ目ですけれども、この資料7の1ページでいいますと1番、もしかしたら2番と3番にもかかわるかもしれません。障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向ということで、大人の社会の中で、これは差別ではないかと、だから、解消 しようよと、それは非常に重要なことなのですけれども、そもそもそういう差別が大人の社会の中で起こりにくいように、子供のうちから授業で、学校で働きかけをするということが非常に重要なのだと思います。これは先ほどの大河内委員の発言と重なるところですが、ぜ ひそんなようなことをどこかに明記する必要があるのかなと思います。
 また、例えば憲法の1 4条で、全ての国民は法のもとに平等なのだと、あるいは 26条で等しく教育をみんな受けるのだと、権利があるのだというように非常にわかりやすい文言がある。ですから、この基本方針の全部は難しいのですけれども、一部分については、あるいはわかりやすく将来的にパンフレットでもつくるのであったら、それを使って、その文言を使って学校で教員が子供たちに教育できるような、何かそんなようなものも少し意識した内容が記述されるといいのかなと思います。
柘植委員
Ⅰ 障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向(1ページ10行~2ページ59行)
1 法制定の背景(1ページ11行~29行)
2119(上記の後に追記)「さらに、同法第2条第2項に、「社会的障壁 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう」と規定された。」社会的障壁という言葉だけが記述されて、言葉の定義として重要な法の条文を明記することによって、基本方針全体がはっきりする。玉木委員
3124その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない」ことが規定された。 ★ここでいう社会的障壁とは、同法第2条第2項にある「障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」を指す。★差別解消には社会的障壁の除去が不可欠であり、そのためには社会的障壁の理解が不可欠であるため、ここに社会的障壁についての記述を追加することが必要だと考えた。
▼法律条文等
障害者基本法第2条、障害者差別解消法第2条
大河内委員
4124・・・ことが規定された。社会的障壁については同法第2条第2項に「障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう」と規定された。社会的障壁という言葉だけが記述されて、言葉の定義として重要な法の条文が記述されていないために、基本方針全体が曖昧になっている。佐藤委員
2 基本的な考え方(1ページ31行~2ページ59行)
(1) 法の考え方(1ページ32行~2ページ43行)
5133我が国が締結した権利条約は障害を理由とする差別は次のように定義している。『障害を理由とするあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害を理由とする差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む。』この定義に基づき、すべての国民が、・・・(以下略)障害に基づく差別の定義を明確に表記することが、この基本方針の基本であると考えるからです。
▼法律条文等
障害者権利条約第2条(定義)
松森委員
6133~35全ての国民は、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生し社会を構成している。しかしながら、現状は日常生活や社会生活において障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁が存在しており、これを取り除くことが重要である。障害者権利条約をはじめ、障害に関する法律や制度は、一般の国民には認知されていません。障害の有無にかかわらず、その人格や意思が尊重されなければならず、この点を共通認識することが重要と考えています。この認識にたてば、合理的配慮が必要か否かの判断が一定の水準で行われると考えます。河井委員
7240~43特に、法に規定された合理的配慮に当たる行為は、既に社会の様々な場面において日常的に実践されてきており、充分で満足の得られるような場合がある一方で、まだまだ取り組みが未熟な場合もある。したがって、こうした取組を広く社会に示すことにより、国民一人ひとりの、障害特性に関する正しい知識の取得や理解が深まり、障害者との建設的な相互対話が促進され、取組の裾野が一層広がることを期待するものである。前回の会議の席上でお話したように、現行の表現ですと、すでに合理的配慮は全面的に遜色なく展開されていて、後は、それは広く周知するだけだ、というニュアンスになってしまっているので。柘植委員
(3)条例との関係(2ページ54行~59行)
8255解消法の観点からは条例の制定の積極的推進が望まれる、あるいは歓迎される、など法的・規範的な方針を示すべきだと思います。気運の高まりがみられた、ということで、積極的な推進の方向性を出そうとした意図は理解しますが、気運の高まりは事実の記述であり、他方、基本指針は政策の方向性、規範的なあり方を示すものですから、事実の記述だけでは意味がないと考えます。石川委員長
9257法の施行後においても、地域の実情に即した既存の条例(いわゆる上乗せ・横出し条例を含む。)については引き続き効力を有し、また、新たに制定することも制限されることはない。条例は地域の実情に即して制定されるべきであり、いわゆる上乗せ・横出し条例をも含め、条例には法を補完する役割が期待されている。条例は、法との関係において、積極的な位置づけが必要である。竹下委員
10258差別を解消する取り組みの一環として積極的な推進が望まれる。全国各地で条例づくりは取り組まれており、差別解消法の付帯決議でも条例の「上乗せ・横出し」は明記されている。積極的な書きぶりにしていただきたい。佐藤委員
11258新たに条例を制定することも含めて、差別を解消する取り組みの一環として積極的な推進が望まれる都道府県や市町村において差別を解消していくための条例づくりは取り組まれており、差別解消法の付帯決議でも条例の「上乗せ・横出し」は明記されている。さらに地方公共団体においても、積極的に差別解消を推進していけるように促していただきたい。玉木委員
Ⅱ 行政機関等及び事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する共通的な事項(2ページ61行~5ページ171行)
1 法の対象範囲(2ページ63行~3ページ88行)
12274最後に下記を追加
「なお、障害者の家族も対象とする。」
障害を理由に障害児・者本人のみならず家族が不当な差別的扱いを受けることがあるため、記載の必要だと考えます。佐藤委員
132障害者の家族も対象にすべき大日方委員
14274最後に追加「また、障害者の家族も対象とする。」障害を理由に不当な差別的取り扱いを受けるのは、障害児・者本人のみならず家族も想定できるので、明記するべきである。玉木委員
● 障害者(2ページ64行~74行)
15274なお、高次脳機能障害は精神障害に含まれ、難病に起因する障害も心身の機能の障害に含まれる。また、障害女性や障害児の複合的差別を認識し、障害女性や障害児の人権の擁護を図ることが重要である。参議院附帯決議において念頭におかれていた、障害女性・障害児に対する複合差別も同法の対象であるという観点が、基本方針(素案)において抜けているため。花井委員
● 対象分野(3ページ84行~88行)
16385障害者の日常生活や社会全般に関わる分野大日方委員
17385障害者の自立と社会参加に係る分野→障害者の日常生活と社会生活に係る分野「障害者の自立と社会参加」は、文脈にそぐわない表現であり、範囲が狭まる可能性があるためです。石川委員長
18385法は、障害者の生活、社会参加全般に係わる分野が広く対象となる「自立と社会参加」という書き方では、生活などの分野も含まれるのかわからない。「障害者の生活、社会参加全般」を入れて全分野が対象になると示していただきたい。佐藤委員
19385法は、障害者の日常生活及び社会生活全般に係る分野が広く対象となる。対象範囲として「障害者の自立と社会参加に係る分野」とされているが、これだけでは対象範囲が不明確である。竹下委員
20385法は、障害者の日常生活および社会参加のすべてに係わる分野が広く対象となるそもそも「自立」や「社会参加」の定義も不明確であるため、どの分野が対象なのかわかりにくい。「日常生活、社会参加のすべて」と入れることによって、全分野が対象になる。玉木委員
(1)不当な差別的取扱いの基本的な考え方(3ページ91行~105行)
●(第1項)(3ページ92行~98行)
21390~98たとえば、前回の航空会社のヒアリングの際、精神障害者に対しては、状態がわからないことを理由に医師の診断書を求めるような発言があったが、診断書の存在で、目に見えない精神障害が浮き彫りになり、かえって差別を際立たせてしまう可能性が高い。さらに、診断書もお金がかかるため、飛行機に乗るたびに、診断書料を支払うことになることは、全くの不合理である。何をもって正当かという論議が必要と思われる。平川委員
22392修正点1:「障害者権利条約における障害に基づく差別の定義に準拠し」を 挿入すべきだと思います。
修正点2:「正当な理由なく」を削除すべきだと考えます。
修正点3:「障害を理由として」は「障害又は障害に関連した事柄を理由として」とする方が良いと思います。
修正点4:「客観的に見て正当な目的の下に行われたもの・・・」の「客観的に見て」を削除して「法律上の根拠のある」を挿入すべきだと考えます。
修正点5:「財・サービスの提供を拒否・制限する」は「財、サービス、その他の機会の提供を拒否・制限する」とするべきだと思います。
1の理由:権利条約における「障害に基づく差別」の定義に準拠していることを基本方針で明示する必要があるからです。
2の理由:段落全体を見ると、「障害者に対して、正当な理由なく、・・・・異なる取扱いにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止している。」としたうえで、「また、当該異なる取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照らしてやむ を得ないと言える場合は、不当な差別的取扱いとはならない。」としています。すると、前半の条件を満たさない場合、つまり、正当な理由があるため不当な差別にならない場合と、後半の正当な目的があってその目的に照らしてやむを得ない場合というのは、いったい同じことを言っているのか、別のことを言っているのかが不明瞭です。裁判においては、原告は障害を理由に異なる取り扱いを受けて権利利益が侵害されたことを主張すれば足り、正当な理由がなかったことを主張する必要はなく、被告は、目的の正当性と手段の不可欠性を抗弁として主張することになるべきだと思います。そうすると、前半の「正当な理由なく」は後半の正当な目的と手段によって例外的に不当な差別にならないことと同じことであり、「正当な理由なく」は前半で書くのは適切でなく、削除すべきと考えます。
3の理由:権利条約との整合性を取るためにこの修正が必要だと考えるからです。
4の理由:客観的に見て正当、は意味のない表現だと思います。ここでは正当性が主観的なものか客観的なものかが問題なのではなく、事実上のものか法律上の根拠があるものかが問題のはずだと思います。客観的に正当というのは、単に差別者側が主観的に正当だと思ったというだけではだめだ、ということにすぎず、それはあまりにも当たり前のことで、意味がない記述になってしまいます。
理由5:財・サービスの提供を拒否・制限する、という例示では狭いからです。
石川委員長
23392障害及び障害に関連した事由を理由として「電動車いすの人にはお酒は売らない」「盲導犬の入店はお断り」という障害に関連した事由を理由に拒否する事例が多く起きている。この実態を鑑みて、「障害に関連した事由」も加えていただきたい。佐藤委員
24392財・サービスの提供や社会参加等を拒否・制限する例示が財・サービスの提供だけでは分野が限定された印象を持つ。全ての分野にわたっていることを明確にするために「社会参加等」を入れていただきたい。佐藤委員
25392財・サービスの提供を拒否・制限する、同意なしに利用等の場を区別する、障害のない者に対しては付さない条件を付ける権利条約は「社会への完全かつ効果的な参加とインク-ジョン(包容)」を原則の一つとしています(同条約第3条)。また、差別解消法の第1条では「障害の有無によって分け隔てられない(中略)共生する社会の実現」を目的としています。即ち、障害者と障害のない者は同じ場で日常的、社会的な活動をするということが原則であり、場を分けざるを得ない場合は本人の同意を得ることが必要だと考えます。それを明確にするために入れていただきたい。佐藤委員
26392財・サービスの提供のみならず社会参加や政治参加等の機会の提供等を拒否・制限する差別の対象となる行為につき、「財・サービスの提供」としているが、その意味するところが不明確であるし、またその範囲は狭すぎる。たとえば、資格試験の受験や投票は「財・サービスの提供」に含まれるのであろうか。差別の対象となる行為の対象範囲を限定する結果となることは法の趣旨に反することになる。竹下委員
27392財・サービスの提供や社会参加等を拒否・制限する例示が財・サービスの提供だけでは、対象となる分野が限定されていると感じる。「社会参加」を入れることによって、全ての分野にわたっていることが明確になる。玉木委員
28392財・サービスの提供を拒否・制限する、障害のない人とサービス提供の場や方法を分離する、障害のない者に対しては付さない条件を付けるなど、 …解消法の目的規定第一条の障害の有無によって分け隔てられない共生社会の実現のためには、正当な理由なく障害のない人とある人が分けられる(区別される)ことが差別にあたる可能性があることを明確にするため。大濱委員
29394「障害者の権利利益を侵害することを禁止している。また、障害があるが故にかかる経費等の負担を障害者や家族に求めることを禁止する。なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不当な差別的取扱いではない。」障害がある故にかかる費用を障害者や家族に負担させてはいけないということを明記していただきたい。玉木委員
30395・・・いる。また、障害故にかかるコストを障害者・家族に負担を求めることも禁止する。なお、障害者の・・・手話通訳・文字通訳・点字印刷、学校行事でのリフトカー等の費用など障害故にかかるコストを障害者や家族に負担させてはいけない旨を明記していただきたい。佐藤委員
●(第2項)(3ページ99行~105行)
31399ここでも、正当な理由なく、という修飾語は削除して、第2文に、その取扱いが法律上正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合は、不当な差別的取扱いとはならない、とすべきだと思います。また、単に障害のない者との比較だけでなく、他の障害のある者との比較も加えるべきだと考えます。意見3の「正当な理由なく」の削除理由と同じです。石川委員長
(2)正当な理由の判断の視点(3ページ107行~113行)
323107具体的場面や状況に応じて総合的に判断することが必要である。行政機関等及び事業者は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとする。それが正しい目的でそれ以外に方法がないと客観的に判断する必要がある。判断方法は、法の目的に則って障害者が享受できない権利と過度な負担による事業者の損失の大きさを比較することによる。現行文案のままだと、正当化事由であると判断するのは、最終的に行政機関や事業者で良いと読み込めてしまうため。大濱委員
333108障害者自身に正当な理由があるかないかということによって、失われる利益や権利がないように考えることが必要大日方委員
343108たとえば、「障害者、事業者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止等)及び行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持等の目的に照らして、異なる取り扱いが具体的場面や状況に応じて真にやむを得ない場合と認められるかを判断することが必要である。」などとすべきと思います。これは、法律上正当な目的があり、その目的に照らして真にやむを得ないこと、というのが基本的な判断枠組みのはずです。具体的場面や状況に応じて総合的に判断する、というのでは、目的に照らしてやむを得ないことという枠組みと一致していません。石川委員長
353108正当な理由があると認められるためには、差別を受けないことは憲法上の権利であることに鑑み、障害者が差別を受けることによって失う権利・利益を上回る事情があるという真にやむを得ないと認められる場合でなければならない。個別事案においては、一方では障害者が失う権利・利益の性格や重大性、他方で事業者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止等)及び行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持等を比較考量して客観的に判断されることが必要である。行政機関等及び事業者は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとする。正当理由については、行政や事業者等の事情だけで判断され、しかも行政や事業者等が正当理由の判断権限を有するものとして位置づけられていることには重大な問題がある。差別を受けないという権利は、幸福追求権を規定した憲法13条や法の下の平等を定めた憲法14条に含まれる権利であり、最も普遍的な基本権として位置づけられている。法は、そうした憲法を受け、それを実践するために制定されたのであって、その基本権を上回るだけの理由がない限り、差別を正当化することは許されないのである。差別を正当化することが許されるかどうかは、障害者が差別によって失う権利や利益と行政機関等及び事業者の利益の比較考量によって判断されるべきものなのである。その比較考量に当たっては、憲法の理念や障害者権利条約の趣旨に鑑み、基本的人権を制約するに足りる利益が行政機関等及び事業者に存在し、人権制約がやむを得ないという事情がない限り、正当理由とは言えないのである。
なお、ここで、「客観的に判断される」としたのは、正当理由は単に行政や事業者等の一方的な判断で決まるものではないということである。
竹下委員
363108正当な理由の有無については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ごとに具体的場面や状況に応じて総合的に判断するとされているが、同様な事案でも地域により差が生じることが想定されるので、正当とされる代表的な事例について今後わかりやすく示していただきたい。高橋委員
373112正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明し、当該取扱いについての理解を得るよう努めることとする。説明する、という一方的な表現では、相互理解ならびに対話を前提とする法の趣旨が損なわれる恐れがあるため。花井委員
383113障害者にその理由を説明しなければならない。説明については、その説明責任と義務を相手方は負う必要があると考えるため。石野委員
3 合理的配慮(4ページ115行~5ページ171行)
(1)合理的配慮の基本的な考え方(4ページ116行~5ページ159行)
●(第1項)(4ページ117行~122行)
394116~「必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)」についてコメントします。「修正理由」を参照ください。「必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)」として「合理的配慮」が「必要かつ合理的配慮」の省略表現として使われています。しかし解消法は、「必要かつ合理的配慮」には「非過重な負担」の要素が含まれていないように読めます。すると解消法のいう「合理的配慮」は、権利条約のいう「合理的配慮」とは意味が異なってしまいます。なぜなら権利条約の場合は、「合理的配慮」の定義の中に「非過重な負担」の要素を入れているからです。権利条約は法序列では差別解消法よりも上位の国内法です。「合理的配慮」の概念が、上位法と下位法の間で異なるのは、行為規範として問題です。
以上に照らして、この基本方針においては、「「合理的配慮」とは、障害者権利条約の趣旨に沿って、(1)個人のニーズの存在、(2)適切な変更、(3)非過重な負担」の3つの要素を含んだ言葉として用いる。「合理的配慮」とは「必要かつ合理的な配慮」を意味するも のではない。」としないと整合性が取れないと考えます。ただし、このように処理するといちおう整合性は取れますが、トリッキーであり、理解しづらいと思います。
もう一つの選択は、解消法の「必要かつ合理的な配慮」は権利条約の「合理的配慮」と同じ意味であるという解釈を基本方針で示すというものです。こうすれば「合理的配慮」を「必要かつ合理的な配慮」の省略表現とすることができます。個人的には、もし法解釈として無理がないのであれば、権利条約とより適合性の高いこちらの解釈を取るほうがよいように思います。
いずれにせよ、解消法の「必要かつ合理的な配慮」と権利条約の「合理的配慮」は同じ意味なのか異なる意味なのかを示す必要があります。
石川委員長
404117以下を、行117に全て挿入。●権利条約には、『「合理的配慮」とは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を共有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう』、と定義される。「基本方針」は、差別を受ける方の心情を考えた書きぶりであることが、重要です。そして、他者に、今後の人生に関わるできごとや可能性を狭められてしまう方を中心にして、「合理的配慮」を考えなければなりません。
そのために、冒頭に権利条約第2条の定義を引用・挿入してほしいと考えます。
三浦委員
414117合理的配慮とは、障害者が障害のない者と同様に、基本的人権を行使し、機会の平等を確保し、又は同等な待遇を享受するために、必要かつ適切な現状の変更や調整を行うことである。ここでは、「合理的配慮の基本的な考え方」を示そうとしているのであるから、合理的配慮とは如何なるものであるか、合理的配慮は何を目標にし、何を解決しようとするものであるかが示されなければならないはずである。竹下委員
424117~122●法は、権利条約の趣旨を踏まえ、いわゆる「社会モデル」の考え方に基づき、行政機関等及び事業者に対し、その事務又は事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)を行うよう求めている。
これは、障害者が受ける制限は機能障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとのいわゆる「社会モデル」の考え方に基づき、障害者の権利を確保するために、日常生活や社会生活における障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁を除去するための取組を求めるものである。
合理的配慮は、権利条約において、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」と定義されている。
法が、権利条約の求める措置を実施するために制定された経緯からして、法が定める合理的配慮は、権利条約にいう合理的配慮と同義であり、すなわち、障害者の権利義務を侵害することとならないよう行う社会的障壁の除去のための取組であり、かつその実施に伴う負担が過重でないものをいう。
・「合理的配慮」の意義について加筆し、その際、「社会モデル」の用語は、未だ社会一般に浸透している用語ではなく理解しづらいおそれがあると考え、「障害者」の項に一度説明はあるものの、再度説明をした上で用いることとした。
・「合理的配慮」が、権利条約の定義と同様、障害者にとって合理的 な配慮であるという意味だけではなく、実施者にとって過重な負担のないものという意味まで含む概念であることが差別解消法の条文上必ずしも明らかでないため、これを明記することは、この記述の後に続く「合理的配慮」の具体的内容の説明の理解を援けるだけではなく、今後の解釈が統一的になされ、無用な混乱を招くことを避けるためにも必要であると考え、その旨を加筆した。
・権利条約の「合理的配慮」と同義であることの表現方法には拘らないが、差別解消法と権利条約とで「合理的配慮」の定義のために使われている言葉が異なるため、ただ同義であるというだけではわかりにくいと考え、追加文末尾のような表現を加筆した。
加野委員
434117法は、権利条約の趣旨を踏まえ、いわゆる「社会モデル」の考え方に基づき、行政機関等及び事業者に対し、その事務又は事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者および障害者を補佐するものから現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)を行うよう求めている。本人からの意思表明だけではなく、本人を補佐する人からの意思表明も明確にするべきである。玉木委員
444122配慮」という。)を行うことを求めている。字句修正石野委員
454122を行うよう求めている。合理的配慮とは、障害者権利条約で定義された新たな概念であり、障害者の人権と基本的自由及び実質的な機会の平等が、障害のない人々と同様に保障されるために行われる「必要かつ適当な変更及び調整」であり、障害者の個別・具体的なニーズに配慮するためのものである。「合理的配慮の基本的な考え方」という項目なので、合理的配慮の定義を書く必要があると考えます。佐藤委員
464122「合理的配慮とは、障害者権利条約第2条に定義されているように、障害者の人権と基本的自由及び実質的な機会の平等が、障害のない人々と同様に保障されるために行われる「必要かつ適当な変更及び調整」であり、障害者の個別・具体的なニーズに配慮するためのものである。」基本的な考え方を示すうえで、合理的配慮の定義を書く必要があると考える。玉木委員
●(第2項)(4ページ123行~133行)
474123合理的配慮の具体的内容は、障害者にとっての社会的障壁が何であるのかをまず検討した上で、その社会的障壁をなくすためには、どういった現状の変更や調整を行うべきかを検討することになる。そしてそれは、当該障害者の特性と問題となっている場面の状況に即したものでなければならない。ここで示されている合理的配慮の具体的内容は、抽象的でわかりにくく、かつ内容としても不適切である。合理的配慮は、第1に、どのような内容の配慮(調整)が求められているのかを検討することである。そのうえで、その内容を実施するとした場合に発生する負担が過重といえるか否かが検討されることになる。その2つの要素が混在する形で検討されてはならないのである。たとえば、「人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性、事務・事業規模から見た費用・負担の程度、財政・財務状況等」という要素は、合理的配慮を実施するうえでの行政や事業者等の負担に関わる要素であって、これらの要素は求めようとする合理的配慮を実施する場合に、それが過重な負担となるかどうかという第2弾としての判断段階での考慮すべき要素でしかないのである。現に求められている合理的配慮の内容そのものを検討する段階で、あらゆる負担に関する要素そのものをも検討材料に加え、それが過重であるか否かを論ずることになれば、求められる合理的配慮そのものが、結局のところ、行政や事業者等にとって何らの負担をもかけない限度でしか想定されないことになってしまうのである。それでは、法が過重な負担となる場合にだけ合理的配慮の不提供が違法とならないとした趣旨が没却されてしまう。法は、あくまでも行政や事業者等が合理的配慮義務を負うことを前提にしたうえで過重となる場合の例外を定めていることからすれば、素案の記述は法の趣旨に反することになってしまう。
そもそも、合理的配慮の具体的内容を考えるに当たって、当該障害者にとっての社会的障壁が何かを考えなければならないのである。そして、その場合の社会的障壁は、当該障害者の障害特性と問題が発生している個別の状況によって異なるのである。したがって、合理的配慮は、当該障害者にとっての社会的障壁をなくすために、当該障害者の障害特性とその場の個別状況に応じて行う現状の変更や調整でなければならないのである。
竹下委員
484123~126合理的配慮の具体的内容は、障害の特性、それが求められる具体的場面や状況に応じて異なるものである。また、合理的配慮は、事務・事業への影響(事務・事業の目的・内容・機能)、実現可能性(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)、地域性、事務・事業規模から見た費用・負担の程度、財政・財務状況等を考慮して、社会的障壁の除去のために必要かつ合理的な手段及び方法にて、かつ、実施に伴う負担が過重とならない範囲で行われるものである。また、具体的場面や状況に応じて異なるものであり、さらに、合理的配慮の内容は、各種技術の開発や普及状況技術開発を始めとする経済社会情勢の変化に応じて変わりうるものである。 ・原文は、要素の羅列でわかりづらいと考え、まず、合理的配慮を求める障害者側の要素を挙げ、次に、過重な負担の考慮要素(合理的配慮の内容すなわち合理的な手段及び方法を選択する考慮要素でもある。)を、適宜くくりを設けて考慮要素の意味を明確にしつつ挙げるように修正した。
・「(1)合理的配慮の基本的な考え方」の一つ目の●で合理的配慮の意味として過重な負担がないことを含むことを明記することを前提として、合理的配慮は、挙げられた要素を考慮した結果、合理的手段・方法により過重な負担のない範囲で行われるものである旨の記述を加え、前項目と合わせて読むことによって、より趣旨が明確になるように修正した。(この修正については、上記同じ表現の箇所については、文の構成上難しいと考えられることから、求めない。)
・「地域性」については、事務局から気象や気候条件の違いという説明があったが、「具体的場面や状況」や「等」の記載で十分にカバーできるものと考えられ、「地域」によって合理的配慮が異なるという誤ったメッセージとなることを懸念し、削除した。
・「人的・体制上の制約、物理的・技術的制約」については、「物理的・技術的制約、人的・体制上の制約」の語順の方が一般的と考えられ、また、「実現困難度」よりも「実現可能性」の方が用語として一般的でありかつ合理的配慮の実施に積極的なメッセージとなると考えて修正した。
・原文の「各種技術の開発や普及状況」については、技術だけではないこと、社会の理解の広がり、深まりが重要であることから、原文の10頁(2)「基本方針、対応要領、対応指針の見直し」にある「技術開発を始めとする経済社会情勢の変化」の表現の方が適切であると考え、この表現に修正した。
加野委員
494123「まず、合理的配慮として何が求められているか明らかにし、次にそれを実現するときの負担が過重かどうかを判断する。過重な負担かどうか判断する要因は、人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性、事務・事業規模から見た費用・負担の程度、財政・財務状況等である。合理的配慮は具体的場面や状況に応じて異なるものであり、さらに、各種技術の開発や普及状況に応じて変わりうるものである。」合理的配慮を行う手順は、
① 合理的配慮として何が求められているか明らかにする、
② それを実現するときの負担か過重かどうかを判断する。
この 2段階で行う。現行文案ではこの2つがごちゃ混ぜになっているので整理する必要があると考えます。
佐藤委員
・(第1号)(4ページ127行~128行)
504127車椅子利用者が利用可能なトイレや段差解消のスロープを設置する例示さているものが人的対応のものばかりなので、合理的配慮は人的対応だけでいいという理解が広まるのではないかと不安に思いました。恒常的に改善する例も挙げていただきたい。佐藤委員
514127・車椅子利用者が利用できるようにスロープを設置する、あるいは段差そのものをなくす、高い所に陳列された商品を取って渡すなどの物理的環境への配慮事前に行われる建築物等の物理的配慮も合理的配慮であることを明確にすべきである。大濱委員
524128の物理的環境への配慮。介助者、手話通訳者等の人的支援の活用。人的支援の部分の追記石野委員
・(第2号)(4ページ129行~130行)
534129・手話通訳者、要約筆記者、電話リレーサービス等の利用を図ること
・筆談や読み上げによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の工夫
合理的配慮の例が筆談だけでは、聴覚障害者には筆談が有効だと誤解される可能性があるため、具体的に明記する必要があります。松森委員
544129~130手話、筆談や読み上げによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の配慮手話の追記と「工夫」ではなく「配慮」と文言の変更石野委員
554129筆談や読み上げによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をする、さらに専門的なコミュニケーション支援を必要とする者のために通訳者を配置するなどの意思疎通の工夫意思疎通に関しては、「筆談や読み上げ」「分かりやすい表現」というような「心構え」レベルでの対応も重要であるが、盲ろう者などについては、このようなレベルでの対応は困難であり、盲ろう者向け通訳・介助員などによる専門的なコミュニケーション支援が不可欠である。したがって、合理的配慮の具体例としては、ここまで踏み込んだ記載が必要と考える。大河内委員
・(第3号)(4ページ131~138行)
564131・障害の特性に応じた休憩時間の調整などのルール・慣行の柔軟な変更、障害のない者に対する配慮の呼びかけなど、必ずしも物理的形状の変更だけを指すものではなく、障害の特性に応じた接し方の配慮なども含まれることに留意する必要がある。なお、今後、合理的配慮の好事例を蓄積し、広く国民に提供するものとする。知的障害や発達障害のある人のように外形上の特徴で障害状況が分かりにくい人に対する合理的配慮に関しては、すでに「障害の特性」や「具体的場面や状況に応じて異なる」と記述されているが、これまでのバリアフリーの取組みを念頭に物理的形状の変更が中心と捉えられてしまうおそれがあるため、上記の文案を追記すべき。田中委員
574131131の後に追加。
(追加文案)「日常生活や社会参加、学校、職場などの場面における介助等を含む必要な人員の配置」
例示は物理的環境、意思疎通、時間等の調整だが、介助が必要な障害者の場合は、日常生活、教育、職場等で人的なサポートが必要な場合がある。職場介助者など制度化された仕組みもあるので、積極的に啓発するためにも例示が必要だと考えます。佐藤委員
584131日常生活や社会参加、学校、職場などの場面における介助等を含む必要な人員の配置例示は物理的環境、意思疎通、時間等の調整だが、介助が必要な障害者の場合は、日常生活、教育、職場等で人的なサポートが必要な場合がある。職場介助者など制度化された仕組みもあるので、積極的に啓発するためにも例示が必要だと考えます。玉木委員
604134~138・・・が望ましい。特に見えない障害である精神,知的の障害者には個別支援が必要で、本人に寄り添って本人の思いを理解できるマンパワーを充実させることが合理的配慮とされる。合理的配慮というと、環境の整備などハード面が強調されるが、見えない障害を持つ精神障害者、知的障碍者などへのソフト面の配慮をしてほしい。川﨑委員
614135~136双方の対話による相互理解と確認により提供されるべきものであり、合理的配慮に対する前向きな姿勢を示す必要石野委員
624137対応することが望ましい。必要な意思疎通支援の提供にあたり手話通訳、要約筆記者等の費用の負担を障害当事者に求めてはならない。合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。聴覚障害者を支援する社会資源として、手話通訳、要約筆記者の活用があることを明記し、それらの費用を当事者に求めてはならないことも明記する必要があると考えます。
▼法律条文等
障害者権利条約 第21条(表現及び意見の自由並びに情報の利用)
松森委員
634137柔軟に対応することが望ましい。すなわち、同意のない一方的な配慮は合理的配慮とは見なさない。合理的配慮は双方の建設的対話を通じた相互理解の中で提供されるものであるのだから、一方的な考えて実施するのではなく、同意を得て実施するというスタンスを示す必要があると考えます。一方的な考えでは、よかれと思っても実際には求めていないもの、違うものを実施してしまうことにつながりかねない。佐藤委員
644137柔軟に対応することが望ましい。前提として、合意のない一方的な配慮は合理的配慮とは見なさない。一方的なものではなく、説明と合意が成立した形を明確にするべきである。一方的は考えでは、よかれと思っても実際には求めていないもの、違うものを実施してしまうことにつながりかねない。玉木委員
654138合理的配慮は、社会的障壁の除去を必要としている障害者が現に存在する場合の個別の対応であり、障害者から意思の表明がある場合に、双方の建設的対話を通じた相互理解の中で提供されるべきものであり、代替措置の選択も含め、可能な範囲で柔軟に対応することが望ましい。合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。特に、女性である障害者は障害に加えて女性であることにより更に複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害児には成人の障害者とは異なる支援の必要性があることに留意する。障害者権利条約に関連の条文があり、障害者の性別、年齢に応じて、社会的障壁の除去や、必要かつ合理的な配慮を行うためには、障害のある女性に対する性差別と障害者差別との複合的差別を解消していくことが必要だからです。
また、障害児も対象に含むことを明記する必要があります。
▼法律条文等
障害者権利条約 第6条(障害のある女子)
第3次障害者基本計画「基本的な考え方」の「各分野に共通する横断的視点」の(3)「障害特性等に配慮した支援」
松森委員
664138(追加文案)
「合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。特に、女性である障害者は障害に加えて女性であることにより更に複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害児には成人の障害者とは異なる支援の必要性があることに留意する。」
障害者権利条約、障害者基本法、障害者差別解消法に関連の条文があり、国会でも「今後、基本方針やガイドラインを策定してまいりますが、その際には女性や子供に対する配慮を十分に行っていく」(2013年6月18日参議院内閣委員会 山崎史郎統括官)と答弁されました。附帯決議1条が採択された経緯も踏まえ、記述が必要である。佐藤委員
674138(追加文案)「・・・配慮するものとする。なお、意思の表明があったにも関わらず、検討すら行わないことは合理的配慮の不提供にあたる。」意思表明があった場合には最低限検討しなければいけません、ということを明確にしていただきたい。佐藤委員
684138合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。★特に、女性である障害者は障害に加えて女性であることにより更に複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害児には成人の障害者とは異なる支援の必要性があることに留意する。★第3次障害者基本計画「基本的な考え方」の「各分野に共通する横断的視点」の(3)「障害特性等に配慮した支援」に、「障害者施策は、性別、年齢、障害の状態、生活の実態等に応じた障害者の個別的な支援の必要性を踏まえて、策定及び実施する。」に続いて、「特に、女性である障害者は障害に加えて女性であることにより、更に複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害児には、成人の障害者とは異なる支援の必要性があること、に留意する。」とあるので、この文章をそのまま生かし、合理的配慮の提供にあたっての留意事項として追加することが妥当だと考えられるため。大河内委員
694138合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。そのうえで、女性である障害者は障害に加えて女性であることにより更に複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害児には成人の障害者とは異なる支援の必要性があることに留意する。障害者権利条約、障害者基本法、障害者差別解消法に関連の条文があり、国会でも「今後基本方針やガイドラインを策定してまいりますが、その際には女性や子供に対する配慮を十分に行っていく」(2013年6月18日参議院内閣委員会 山崎史郎統括官)と答弁されて附帯決議1条が採択された経緯をふまえ、明記が必要である。玉木委員
704139意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、点字、拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられる。視覚障害者や盲ろう者が書面によりコミュニケーションを行う際に点字と拡大文字が多く使われていますが、これらの方法も列記していただくことにより広く啓発できるものと考えます。大河内委員
714139仮に、意思の表明がない場合であっても、行政機関等及び事業者が障害の存在を認識し得る限りは、合理的配慮を提供しなければならない。合理的配慮は、障害者が差別を受けないために発生する障害者の権利でなければならない。したがって、障害当事者の意思が尊重されるべきことは当然のことであり、当事者の意思を無視されたところで合理的配慮が決められるなどということはあり得ないことである。
本項では、意思の表明がない場合には、合理的配慮が行われなくてもよいかのようにも読み取れる。しかし、それは誤りである。行政や事業者等は障害当事者から積極的に合理的配慮の実施が求められなかったとしても、本人の事情に応じて合理的配慮を提供すべきことは、法の趣旨からしても当然のことである。法が「意思の表明がある場合は」と規定している趣旨は、行政や事業者等がどういった合理的配慮をなすべきかを理解ないし認識するための典型例にすぎず、仮に障害当事者から何らの意思表明がない場合であっても、行政や事業者等が障害の存在等について認識し得ないような場合でない限りは、合理的配慮を提供すべき義務が行政や事業者等には存するのである。
竹下委員
724139~147●意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられる。また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、介助者等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む。また、意思の表明がない場合であっても、障害者に対して適切と思われる配慮を提案するなど、自主的な配慮に努めることは、法の定める合理的配慮には当たらないが、法の趣旨に鑑みれば望ましい。
なお、その上で、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により本人の意思表明が困難な場合であっても、子どもの内からそのようなスキルを身につけて、少しでも意思表明をして自立して生活していけるようになることも目指すべきである。
まさにこれからの時代、障害者自身が力を付けて、自ら意思表明していくことが世界的な潮流なので。(自己決定、アドボカシー等)
そのような大人になるために、子どもの内から、そのような考えやスキルを身につけられるよう、教育していくことが大切であると考えるから。
柘植委員
734139~修正点1:「建設的対話においては、配慮の必要性は障害者側が、また配慮提供における過重の負担性は合理的配慮を行うべき者の側が、それぞれ相手が理解できるように誠意をもって説明し、必要かつ合理的な配慮について合意することが求められる。」を直前に挿入すべきと考えます。
修正点2:「法の定める合理的配慮には当たらないが」は削除すべきです。
修正点3:「意思の表明がない場合であっても、相手方は、障害者に合理的配慮が必要であることが分かる場合は、合理的配慮に関する建設的対話を開始することについて障害者に提案しなければならない。この建設的対話の結果、合理的配慮の内容と合理的配慮提供の有無が決まることになる。」などと書きたいと考えます。
1の理由:建設的対話を円滑に進めるためには、議論の主張責任の振り分けを基本方針で示すことは重要だと思います。権利条約は合理的配慮の成立条件の各要素を誰が主張すべきかまでは書いていませんが、欧米の差別禁止法を踏まえれば、必要かつ適当な変更及び調整、特定の場合において必要とされるものは障害者側、均衡性と過重の 負担性は合理的配慮を行うべき者の側の主張すべき事項と整理されています。自分の障害にとってどんな配慮が必要で適当であるかは本人が一番知っているはずであり、均衡性と過重の負担性は、合理的配慮をする側の事情に関わるので、配慮者側が詳細を主張できるはずという点で、公平な議論の枠組みになると考えます。ゆえに、建設的対話の指針としてこの枠組みを示すべきと考えます。
2と3の理由:意思の表明は合理的配慮の実現プロセスにおいて、相手方の認識可能性を担保するために手続的に求められる要件であって、それがないからといって、合理的配慮の不提供が完全に正当化される者とは考えるべきではないと思います。要は相手方が、合理的配慮の提供がいま必要だということを認識可能な状況にあるかどうかが問題ですので、意思表示はその手段に過ぎません。したがって、本人による意思表示がない場合でも、相手方に認識可能性があれば、少なくとも建設的対話の提案責任が生じると考えます。
石川委員長
744142~145また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により本人の意思表明が困難な場合や本人が未成年である場合には、障害者の家族、介助者等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明を含む。この際には家族や支援者が障害児・者本人の権利擁護のために最大限効果的な支援のための配慮を行う事が必要である自らの意思表明に支援が必要な障害児・者が、意思の表明先である行政機関等や事業者と建設的な対話を行うためには、支援者を同席させる等の配慮を行い、対等な関係を築いた上での信頼関係を構築することが必要である。例えば、学校教育において、学校や教育行政と保護者の対話では対等な関係は築きにくく、建設的対話が成立しがたいため。イギリスでは障害児の就学時等の話し合いにおいて、保護者が指名する第三者が同席することができるというnamed person制度が存在する。佐藤委員
754142「また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により、また障害が起因した社会生活経験不足などの環境要因により、本人の意思表明が困難な場合や本人が未成年である場合には、障害者の家族、介助者等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明や、本人の権利の保障を効果的に補佐する支援者による意思の表明も含む。」障害による意思表明ができないだけではなく、社会経験不足により、意思表明が困難な場合もあるため、それらを補完できるような仕組みが必要である。玉木委員
764145・・本人を補佐して行う意思の表明も含む。なお、本人の意思表明が困難な者が家族、介助者等を伴っていない場合には、とりわけ本人へ対する意思確認に留意する必要がある。知的障害や発達障害のある人について、「コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む」ことは明記されており評価できるが、それだけでは特別支援学校や福祉事業所など、知的障害や発達障害のある人が単独で利用することが想定される場面における「本人に対する意思確認」が疎かになってしまうおそれがあるため、上記の文案を追記すべき。田中委員
774146法の趣旨に鑑みれば望ましい。「法の定める合理的配慮には当たらないが」とまで言い切れるのか疑問がある。この部分は削除するのが適当だと考えます。佐藤委員
●(第5項)(4ページ148行~5ページ154行)
78また、当該配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長期にわたる場合等の合理的配慮のあり方としては、平均的に求められる環境整備を行い、恒久的な措置を行うことが望まれる。仮に、そのような恒久的措置がその時点で過重な負担となる場合には、当面の間は個別的な対応で合理的配慮を提供しつつ、恒久的な措置については、将来の環境の整備を考慮に入れることにより解決すべきである。本項における「また、当該配慮を必要とする障害者が認められる場合・・・」以下は、障害者権利条約の趣旨を踏まえないものであって、極めて不適切である。合理的配慮に関する内容は、その前提として、法5条に基づく環境整備が前提となっているものと解すべきである。それは、バリアフリー新法をふまえ、法5条が規定されていることをふまえて、個々の障害者の合理的配慮が問題とされるべきだからである。合理的配慮は、そうした環境整備が整っている場合と整っていない場合とに分けて考えることが必要である。合理的配慮は、究極的には個別に社会的障壁を除去することを意味しているのであるから、当該障害者にとっては個々の環境に応じて合理的配慮の必要性の範囲が決定されなければならないのである。当該障害者との関係性が長期にわたる場合であっても、層でない場合であっても、その点での合理的配慮は変わらないはずである。したがって、多数の障害者が関係する場合や多数の障害者の関係性が長期にわたる場合にだけ、合理的配慮が問題とされるのかは理解できない。合理的配慮を提供しなくて良いのは、過重な負担がある場合だけであるのに、それ以外の要件を持ち込むことは法の趣旨に反するものである。竹下委員
795154154の後に追加
(追加文案)「提供する合理的配慮については適宜見直しを行い、より適切なものにするよう努めることが望ましい。」
当事者の状況・状態は変化することもあるため、合理的配慮の変更・調整を促すために記述する必要がある。佐藤委員
●(第6項)(5ページ155行~159行)
805155合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化や情報アクセシビリティの向上等の環境の整備(「V」において後述)を基礎として、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。したがって、各場面における環境の整備の状況により、実施される合理的配慮の内容は異なることとなる。但し、個々の障害者から求められる合理的配慮の提供の実施を判断するに当たっては、環境整備が不十分である場合において、そのことが合理的配慮の提供の実施が過重であるとの判断の要素にされてはならない。現時点では、多くの建物等が障害者に対する基礎となるバリアフリー(環境整備)が整っているとは言えないから、障害当事者から合理的配慮が求められた場合、行政機関や事業者にとって合理的配慮を提供できないことの理由として、それが過重な負担として合理的配慮の不提供の正当理由となってはならないのである。竹下委員
815156介助者、手話通訳者等の人的支援を含む情報アクセシビリティの向上等の環境の整備人的支援の部分の追記石野委員
(2)過重な負担の基本的な考え方(5ページ161行~171行)
825162○事務・事業への影響の程度が極めて重大であり、その事務・事業の目的・内容・機能を損なう結果になること
○人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性などから実現が不可能であるか著しく困難であること
○費用・負担が著しく不均衡であること
○事務・事業規模から実現が不可能であるか著しく困難であること
○財政・財務状況から実現が不可能か著しく困難であることなどと限定していくべきだと思います。
過重な負担となることの理由を障害者に説明することと、過重な負担の判断枠組み自体を厳格にすることとは別の問題で、「過重な」というのは利益衡量をするにおいて、行政機関等、事業者に単なる負担や重い負担ではなく、限度を超えたと言えるほど著しく重い負担になる場合に例外的に合理的配慮義務を免除することを示す文言と理解しなければなりません。したがって、「具体的場面や状況に応じて総合的に判断することが必要である。」というのでは何ら基準にならないだけでなく、アドホックな場当たり的な利益衡量になってしまいます。石川委員長
835162具体的な提案として熟していませんが、問題提起としてコメントします。素案では、合理的配慮の提供を受ける資格を有する者であるか否かの確認方法についてはなんら指針が示されていません。法が対象とする障害者は、障害者基本法第2条第1号に規定する障害者、即ち、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であり、かつ、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない。とのみ書かれています。
今日、障害者の多くは非可視的であり、しかも障害と非障害は概して連続的です。そのため、多くの状況において、合理的配慮を求める人が有資格者でないと判断するのは不可能です。あなたは障害者ではないので求められた配慮は提供できませんとはいえません。また多くの状況において、多くの合理的配慮は障害者であることを証明するなんらかの証明書の提示をいちいち求めてから提供するようなものでもありません。したがって、そのような場合、自己申告を信頼しつつ、建設的な対話を通して配慮の必要性を理解して、合理的配慮を提供するということになると思います。この点については事業者に理解を求めなければならないと考えます。
一方、たとえば学校のように、継続的に質の高い合理的配慮を提供することが求められるところでは、有資格性の判断は必須です。日本の初等中等教育過程では、教育場面での配慮や支援の必要性に関しては、臨床心理士に限らず、特別支援の専門性のある人材(特別支援の教員や専門性のある大学教員)が示唆することが一般的です。教育場面での支援の必要性は、医師に権限を限定するのではなく、特別支援の専門性のある教育分野の人々の判断で行えるようにしていこうというトレンドがあるように思います。高等教育機関における障害学生への合理的配慮の有視覚性判断も過度に医学的診断に依存すべきでないと考える意見が多いと思います。
なお、アメリカでは、発達障害のある人の場合、合理的配慮を決定するために必要な検査を実施し、recommendationを示すのは心理士です。心理士によって作成された必要書類(documentation)を読み、最終的に配慮の内容を決めてそれをアレンジするのが障害学生支援室です。納得できない場合は、法律的な観点から、学内のADAコーディネーターに相談することができます。合理的配慮の決定には、求める配慮と関連するfunctional impairment(主に認知機能検査によって示される)があることが、検査得点によって示される必要があります。たとえば、「読み速度」が遅いということが検査によって示されれば、文章を読む要素を多く含む試験において、時間延長が認められます。つまり、何らかの障害の診断があることが、合理的配慮の内容を決定するものではありません。「読み障害」の診断があることは自動的に読み速度の遅さを含みますので、読むことに関しての配慮が受けられるのはもちろんですが、診断が自閉スペクトラム症であってもADHDであっても、「読み速度」検査の得点が低ければ読むことに関連する配慮が受けられるということです。このように、発達障害系の合理的配慮は、医学的問題というよりは心理教育的アセスメント(心理検査)の問題になっています。
ちなみに、合理的配慮に関して海外で話題になっていることの一つは、詐病の問題です。検査において、自分の実力以上の成績をあげることは不可能ですが、手を抜けば低い点を出すことは比較的簡単です。 ADHDや読み障害における詐病の問題は、研究もいくつかなされており、それを見破る方法についてのrecommendationも示されています。
石川委員長
845162障害者権利条約は、差別を受けないための合理的配慮を求める権利と行政機関等及び事業者の負担の程度との調和として「均衡を失した又は過度の負担」という基準を示しているのであり、法が定める合理的配慮の提供が「過重」となるか否かは単にそれが行政機関等及び事業者にとって負担となるか否かで判断してはならないのである。したがって、過重な負担であるか否かの判断に当たっては、障害者が合理的配慮を受けられないことによって失う権利・利益の性格やその程度と行政機関等及び事業者に生ずる負担の程度を比較考量したうえで、障害者が失う権利・利益を犠牲にしてもなお、行政機関等及び事業者に負担を負わせることが困難であるといえる場合に限って「過重な負担」と解すべきである。
過重な負担であるか否かを判断する要素としては、一方で障害者が合理的配慮を受けられないことによって失う権利や利益の性格やその程度であり、他方で行政機関等及び事業者の公的性格の有無、事業の公益性の程度、事業に求められる公平性の程度、事業規模に締める負担の割合、事業の本質に及ぼす影響の程度、技術的又は物理的実現可能性等である。
過重であるか否かは、行政機関等及び事業者の一方的な判断によるのではなく、これらの要素を総合的に考慮し、客観的に判断されなければならないのである。 なお、行政機関等及び事業者が過重な負担であると判断した場合には、その理由を当該障害者に対し説明しなければならない。
合理的配慮が過重な負担となるため、行政機関等及び事業者に合理的配慮の提供義務が課せられない場合であっても、当該障害者にとって、障害がない者と同様に人権が保障され、機会の平等が確保され、あるいは対等な待遇が保障されなければならないことに変わりはない。そのことを考慮すれば、権利条約が示す「均衡を失した又は過度の負担」や法が示す「過重な負担」は、障害者が合理的配慮を受けられないことによって失う権利や利益と比較考量してもなお、やむを得ないとされるほどの負担が生ずる場合を意味するものっと解さなければならない。
したがって、合理的配慮が提供されないために、障害者が失う権利や利益を何ら考慮することなく、行政機関等及び事業者の負担の程度のみで「過重な負担」に当たるか否かを判断することは、権利条約や法の趣旨に反することになる。
竹下委員
855過重な負担については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的に判断することが必要である。行政機関等及び事業者は、過重な負担に当たると判断した場合は、障害者にその理由を説明するものとする。その上で、障害者と解決に向けて、代替え案や改善計画も含めて協議していく。できない理由を説明して終わりというふうに捉えられてしまう。一緒に考えていく姿勢が必要となる。玉木委員
865163過重な負担について、障害当事者が得られなくなる利益や負担と、行政・企業側の加重になっているという負担を比較して、総合的に判断すべき大日方委員
875165しなければならない。説明については、その説明責任と義務を相手方が負う必要があると考えるため。石野委員
885164過重な負担に当たると判断した場合は、障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めることとする。さらに過重な負担にならない範囲での合理的配慮措置を講ずるよう努めるものとする。説明する、という一方的な表現では、相互理解ならびに対話を前提とする法の趣旨が損なわれる恐れがあるため。また、できる/できない、やる/やらない、のゼロサムの判断ではなく、「ここまでならできる」、「これくらい対応してもらえるなら納得できる」といった相互理解、歩み寄りが重要であることを強調したい。花井委員
895・北海道における「障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会」において、過重な負担を理由としても相談者が納得できない事案も出ていることから、過重な負担と判断できる代表的な事例・基準について今後わかりやすく示していただきたい。
・地方公共団体が、個別の事案に実施する合理的配慮の実施には、新たな負担が生じることが見込まれることから、適切な財源措置を講じていただきたい。
高橋委員
○(第1号)(5ページ167行)
905167業務遂行に著しい支障が生じるか、提供される機会やサービスの本質が損なわれるかどうか原稿文案では程度が不明確でありもっと厳格に書くべき。部会意見を踏まえて上記修正文が適切だと思います。佐藤委員
○(第2号)(5ページ168行)
915168○実現困難度(人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性、制度の限界)現行制度では十分な配慮が受けられていないため、その部分を補うという意味での標記追加石野委員
925168○実現困難度(人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、_____)"地域性"の意味するところが明確でなく、ここに記載する必要がないと考えます。河井委員
935168123~と同様の修正を求める。加野委員
○(第5号)(5ページ171行)
945171ここで最後に、「過重な負担は状況の変化によってなくなる場合もある。たとえば、建物の建て替え、財務状況の改善などで対応できるようになり、過重な負担ではなくなることもある。」を入れていただきたい原稿の書きぶりでは、一度過重な負担とみなされたら、いつまでそれが有効なのかがわからない。財務状況の改善、建物の建て替えなどで過重な負担ではなくなる場合もあるので、それも明記すべき。佐藤委員
Ⅲ行政機関等が講ずべき障害を有とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項(5ページ173行~6ページ213行)
1 基本的な考え方(5ページ175行~187行)
955176~182行政機関等においては、その事務・事業の公共性に鑑み、障害者差別の解消に率先して取り組む主体として、不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供が法的義務とされており、国の行政機関の長及び独立行政法人等は、当該機関の職員による取組を確実なものとするため、対応要領を定めることとされている。とりわけ、障害者の居住や地域生活を送っていく上での差別的な扱いがなされることのないよう、十分な対応がなされなくてはならない。行政機関等における差別禁止を確実なものとするためには、差別禁止に係る具体的取組と合わせて、相談窓口の明確化、職員の研修・啓発の機会の確保等を徹底することが重要であり、対応要領においてこの旨を明記するものとする。社会的なインクルージョンの実現において、障害者が地域で居住し、地域生活を送っていく上で、とりわけ重要であることを基本的な考え方に盛り込むことが必要である。辻井委員
965182記しなければならない。説明については、その説明責任と義務を相手方が負う必要があると考えるため。石野委員
975183~186123~と同様の修正を求める。加野委員
985176~182行政機関等においては、その事務・事業の公共性に鑑み、障害者差別の解消に率先して取り組む主体として、不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供が法的義務とされており、国の行政機関の長及び独立行政法人等は、当該機関の職員による取組を確実なものとするため、対応要領を定めることとされている。とりわけ、障害者の居住や地域生活を送っていく上での差別的な扱いがなされることのないよう、十分な対応がなされなくてはならない。行政機関等における差別禁止を確実なものとするためには、差別禁止に係る具体的取組と合わせて、相談窓口の明確化、職員の研修・啓発の機会の確保等を徹底することが重要であり、対応要領においてこの旨を明記するものとする。社会的なインクルージョンの実現において、障害者が地域で居住し、地域生活を送っていく上で、とりわけ重要であることを基本的な考え方に盛り込むことが必要である。辻井委員
2 対応要領について(5ページ189行~6ページ207行)
(1) 対応要領の位置付け及び作成手続(6ページ190行~198行)
996191対応要領は、行政機関等が事務又は事業を行うに当たり、職員が遵守すべき服務規律の一環として定められる必要があり、その結果として行政機関等そのものが遵守すべきものであって、国の行政機関であれば、各機関の長が定める訓令等が、また、独立行政法人等については、内部規則の様式に従って定められることが考えられる。対応要領は、行政機関そのものに対する指針であって、その職員にのみ向けられたものではない。そのことは対応指針が事業体に対するものであることと比較しても明らかである。行政の職員が対応要領を守ったとしても、行政機関としての決定ないし実施が不当な差別的取扱いとなったり、合理的配慮の不提供となることがあってはならないのである。対応要領は、そのことが明確になるような表現になっていなければならないのである。竹下委員
3 地方公共団体等における対応要領に関する事項(6ページ209行~213行)
1006213に関し、適時に資料・情報の提供、技術的助言など、所要の支援措置を講じなければならない。支援措置の義務化を明記するため石野委員
1016国は、地方公共団体における対応要領の作成に関し、適時に資料・情報の提供、技術的助言など、所要の支援措置を講ずるものとされており、体制整備の期間が十分確保されるよう、早期にガイドラインを示していただきたい。高橋委員
Ⅳ事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項(6ページ215行~8ページ267行)
1 基本的な考え方(6ページ216行~7ページ231行)
1026217~223事業者については、不当な差別的取扱いの禁止が法的義務とされる一方で、事業における障害者との関係が分野・業種・場面・状況によって様々であり、求められる配慮の内容・程度も多種多様であることから、合理的配慮の 提供については、努力義務とされている。このため、事業者に対しては、各主務大臣が所掌する分野における対応指針を作成し、自発的な取組を求めることとされている。各事業者における取組については、差別禁止に係る具体的取組はもとより、相談窓口の整備、事業者の研修・啓発の機会の確保等も重要であり、対応指針の作成に当たっては、この旨を明記するものとする。
なお、同一(同様の)サービス(事業)が、行政機関等と事業者の双方で行われる場合、提供される合理的配慮の質や量に大きな優劣が生じ、障害者が不利を被らないよう、行政機関等と事業者の違いも考慮しつつ、工夫を講ずるべきである。
例えば、教育の分野で、公立学校、国立大附属学校、私立学校のどこに通うかによって、講ずべき措置の質的量的格差が出てしまい、障害のある子供が不利をえないように。大学等の高等教育機関も同様。
さらに、就学前の場合は、幼稚園(文部科学関係)、保育所(厚生労働省関係)、そして、それらの連携を推進する「認定子ども園」の3種があり、やはり、公立と私立がある。
柘植委員
1036224あり、対応指針の作成に当たっては、この旨を明記しなければならない。明記を義務化するため石野委員
1046224~229123~と同様の修正を求める。加野委員
2 対応指針(7ページ233行~253行)
(1) 対応指針の位置付け及び作成手続(7ページ234行~243行)
1057240なお、対応指針は、コンプライアンスの一環として事業者の適切な判断に資するために作成されるものであり、盛り込対応要領の位置づけが「職員が遵守すべき服務規律の一環」とされており、対応指針にも同様に重要な位置づけとしておく必要があるため。石野委員
1067241まれる合理的配慮の★具体例★は、事業者が★参考とすべきものであり★、また、それだけに好事例を「具体例」に修正することは、既述のとおり。「参考とすべきものであり」に言い換える理由として、行政機関等や事業者に強いることはないという表現を、障害のある方の側から見た書きぶりにすることと、前向きに積極的に推進してほしいことの2点を挙げたい。三浦委員
1077256事業者における障害者差別解消に向けた取組は、主務大臣の定める対応指針を参考にして、各事業者により自主的に取組が行われることが期待される。しかしながら、事業者による自主的な取組のみによっては、その適切な履行が確保されず、例えば、事業者が法に反した取扱いを繰り返したり、対応指針を正当な理由なく守らないなど自主的な改善を期待することが困難な場合は、主務大臣は、特に必要があると認められるときは、事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができることとされている。
こうした行政措置に至る事案を未然に防止するため、主務大臣は事業者に対して、対応指針に係る十分な情報提供を行うとともに、事業者からの照会・相談に丁寧に対応するなどの取組を積極的に行うものとする。また、主務大臣による行政措置に当たっては、事業者における自主的な取組を尊重する法の趣旨に沿って、まず、報告徴収、助言、指導により改善を促すことを基本とする必要がある。主務大臣が事業者に対して行った助言、指導及び勧告については、取りまとめて、毎年国会に報告するものとする。
なお、主務大臣は、事業者による違法な取扱いや対応指針に反する取扱いがあった場合、個々の障害者などがそのことを相談できる中央及び地方の窓口を予め明らかにしておくことが必要である。
対応指針に反する事態が生じた場合、障害者が主務大臣の行政指導の発動を促すことを求める窓口が明らかにされていることが必要である。竹下委員
1087事業者による差別については、主務大臣は、特に必要があると認められるときは、事業者に対し、助言、指導若しくは勧告することができることとされているが、地方公共団体が設置する相談及び紛争の防止等のための体制と、国の機関がどのように役割分担するのか、相談から始まる対応のスキームについて明確にしていただきたい。(例:障害者虐待防止法における労働局と地方公共団体の連携のイメージが想定される)高橋委員
1098268障害者が主務大臣に行政措置を求める場合は、●●を窓口とする。障害者が具体的に行政措置を求める場合の相談する窓口を明記していただきたい。佐藤委員
Ⅴ その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する重要事項(8ページ269行~10ページ262行)
1 環境の整備(8ページ270行~282行)
1108271Ⅴ-1「環境の整備」の第1段落の最初に追加する。
(追加文案)「障害者差別解消法第5条で「社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、(中略)必要な環境の整備に努めなければならない」とあり、ここで言う「社会的障壁」とは、同法2条にも規定されているとおり「障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」である。合理的配慮を的確に行える環境にしていくには、法制度や慣行における社会的障壁をも除去し、制度面での環境を整備することが、不可欠である。法は、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置・・・」
社会環境において制度や慣行は非常に大きな影響力を持っている。法制度や慣行における障壁の除去は、研修や啓発を言う以前の課題であり、法第5条、第2条とともに、明記する必要がある。佐藤委員
1118271★障害者差別解消法第5条には、「社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、(中略)必要な環境の整備に努めなければならない」とある。合理的配慮を的確に行える環境にしていくには、 法制度や慣行における社会的障壁を除去し、制度面での環境を整備することが、不可欠である。★法は、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置・・・法制度や慣行における障壁の除去は、研修や啓発を言う以前の課題であり、法第5条、第2条とともに、明記する必要がある。
▼法律条文等
障害者差別解消法第5条
大河内委員
1128274の取得・利用、介助者や手話通訳者等の人的支援の施策および、意思表示やコミュニケーション人的支援の部分の追記石野委員
1138281(追加文案)「障害者差別の解消のための取組は、このような環境の整備を 行うための施策と連携しながら進められることが必要であり、ハード面でのバリアフリー化施策、情報アクセシビリティ向上のための施策、いわゆる障害に係る欠格条項を見直し制度的障壁を除去する継続した取組み、職員に対する研修等、環境の整備の施策を着実に進めることが必要である。」事物や観念における障壁については述べているが、制度や慣行における障壁についても、差別解消法第2条、第3次障害者基本計画をふまえて述べる必要がある。
※第三次障害者
基本計画「欠格条項について、各制度の趣旨も踏まえ、技術の進展、社会情勢の変化等の必要に応じた見直しを検討する」
佐藤委員
1148281障害者差別の解消のための取組は、このような環境の整備を行うための施策と連携しながら進められることが重要でありハード面でのバリアフリー化施策、情報アクセシビリティ向上のための施策、★障害者に係る欠格条項などの制度的障壁の除去、学校・職場等での人的支援制度を含む障害者の参加を保障する制度、 ★職員に対する研修等、環境の整備の施策を着実に進めることが必要である。制度や慣行における障壁の除去、また障壁を除去したのちの参加の保障の ための制度や仕組みが不可欠。
▼法律条文等
第三次障害者基本計画
「欠格条項について、各制度の趣旨も踏まえ、技術の進展、社会情勢の変化等の必要に応じた見直しを検討する」
大河内委員
1158281障害者差別の解消のための取組は、このような環境の整備を行うための施策と連携しながら進められることが必要でありハード面でのバリアフリー化施策、情報アクセシビリティ向上のための施策、欠格条項を見直し制度的障壁を除去する継続した取組み、職員に対する研修等、環境の整備の施策を着実に進めることが必要である。事物や観念における障壁については述べているが、制度や慣行における障壁についても、差別解消法第2条、第3次障害者基本計画をふまえて述べる必要がある。
※第三次障害者基本計画
「欠格条項について、各制度の趣旨も踏まえ、技術の進展、社会情勢の変化等の必要に応じた見直しを検討する」
玉木委員
1168282(追加文案)「制度の障害をなくすことも必要である。たとえば、採用試験の受験資格に「自力通勤出来るもの」、「介護者なしで勤務遂行が可能なもの」、「活字印刷文に対応できるもの」、「口頭による面接に対応できる人」というような規定を除去することも必要である。ここでふれられているのは、事前的改善措置、情報アクセシビリティ、職員研修にとどまっている。これのみならず、制度上の課題にもふれる必要がある。現在多くの自治体では、職員採用試験で上記の追加文案で例示した規定があり、障害者の社会参加を拒んでいる。こういった制度上の問題も例示すべきだと考えます。佐藤委員
1178不特定多数の障がい者を主な対象として行われる事前的改善措置を、個別の場面において合理的配慮を行うための環境の整備として位置づけていることから、関係機関が積極的に取り組めるよう、基金造成等の措置を検討いただきたい。高橋委員
2 相談及び紛争の防止等のための体制の整備(8ページ284行~291行)
1188284~291どのような機関がどんな問題に対応するのか具体的にすべき大日方委員
1198286相談に対応する際には、障害者の性別、年齢、状態等に配慮することが重要である。なお、紛争解決に際しては法第12条に規定される権限に基づき、当該事業者への報告を求め、状況の正確な把握・分析を通し、相互の和解に至るよう努めることとする。実際に紛争解決が必要となった場合の対応が不明確であるため、文言を追加した。同様の趣旨は衆議院附帯決議にも記載されている。同法第26条において、報告義務違反又は虚偽報告に対しての罰則規定もあるため、民間事業者において努力義務である合理的配慮のミニマムの担保としたい。花井委員
1208287法は、新たな機関は設置せず、既存の機関等の活用・充実を図ることとしており、相談及び紛争防止等のための体制整備に当たっては、国及び地方公共団体においては、どのような事案に対し、如何なる機関が担当するのかにつき、相談窓口を明確にするとともに、必要に応じて相談や紛争解決に対応する職員の確保・充実を図るものとする。内閣府においては、相談窓口等に関する情報について収集・整理し、ホームページへの掲載等により情報提供を行うものとする。既存の機関を活用するということであれば、どういった機関がどのような問題について解決するのかを明らかにしておくことが必要である。竹下委員
1218289~290地方公共団体においては、相談窓口を明確にするとともに、必要に応じて相談や紛争解決に対応する当事者を含む専門知識を有する職員の確保当事者による相談や紛争解決についても明記石野委員
1228291情報について収集・整理し、ホームページへの掲載等により情報提供を行わなければならない。また、その情報提供はアクセシビリティについて十分な配慮を行わなければならない。相談窓口への情報アクセシビリティの確保を明記石野委員
1238北海道では、道内14カ所に設置する「障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会」が、相談及び紛争の防止等のための体制の役割を果たすものと考えており、虐待や差別の法整備が進む中、条例の相談窓口を明確にし、住民にわかりやすく気軽に活用できるものにするべきと、関係者からご意見をいただいている。
他県や市町村では、障がい者の差別に対する相談や紛争防止の明確な体制がないところが多い中、基本方針では、新たな機関は設置せず、既存の機関等の活用・充実を図ることとしているが、相談及び紛争の防止等の体制が円滑に機能するには、市町村や都道府県といったどのような範囲でどのような既存の制度を活用して体制を整備しようとしているのか今後例示していただきたい。
また、必要に応じて相談や紛争解決に対応する職員の確保・充実を図るものとするとしているが、地方公共団体においては、厳しい財政状況の中これまで以上に職員を配置することは困難であるため、地方公共団体に係る部分については、「相談窓口を明確にする」にとどめ、「職員の確保・充実を図るものとする」の部分については削除していただきたい。
地方公共団体に対しても職員の増員を求めるものであれば、地方公共団体が体制整備に取り組むための適切な財源を措置していただきたい。
高橋委員
3 啓発活動(8ページ293行~9ページ320行)
(1)行政機関等における職員に対する研修(8ページ299行~303行)
1248300~301行政機関等においては、障害者を積極的に雇用し、障害をもつ職員との交わりを深め、所属する職員一人ひとりが障害者に対して適切に対応し、職員に対する研修のみならず、行政機関においての障害者の雇用についても記述が必要なため石野委員
(2) 事業者における研修(9ページ305行~308行)
1259306事業者においては、障害者に対して適切に対応し、また、障害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に対応するため、研修等を通じて、法の趣旨の普及を図るとともに、障害に対する理解の促進に努めるものとする。事業者の代表ないし管理的な立場にある者に対する研修のみならず、現場における研修がなされなければ差別の解消は実現されない。障害者虐待防止法1条が個々の労働者を研修義務の対象としているように、個々の職員等を研修の対象とすべきである。竹下委員
1269307~308研修等を通じて、法の趣旨の普及を図るとともに、障害に対する理解の促進に努めるものとする。国は事業者における研修の環境整備の促進に努めなければならない。事業者による研修等を促進するためには、その環境整備が必要でありその旨を明記する必要があるため。石野委員
(3) 地域住民等に対する啓発活動(9ページ310行~320行)
1279311障害に対する理解だけではなく、障害者の人権について追加すべきです。啓発の対象は障害の理解だけでは不十分であり、それに加えて、障害者の人権について、啓発しなければ、その目的は達成できないと思います。石川委員
1289318さらに、家庭や学校を始めとする社会のあらゆる場における機会を活用し、子供の頃から障害に対する知識・理解を深め、障害の有無にかかわらず共に助け合う精神を涵養するため、地域の小中学校と特別支援学校との交流教育や合同学習などを数多く実施し、ともに学ぶことができる教育環境を充実させることが必要である。分離教育自体が障害のない子どもの世界から障害者の存在を見えなくする大きな原因であることに鑑みれば、ともに学ぶ教育の推進によって、子どもの理解を深めていくことが重要であることを明記すべきである。竹下委員
1299319~320インクルーシブ教育のいっそうの推進が必要とうたっていただきたい大日方委員
1309319(追加文案)「さらに、家庭や学校を始めとする社会のあらゆる場における機会を活用し、インクルーシブ教育を推進し、子供の頃から障害に対する知識・理解を深め・・・」権利条約の規定するインクルーシブ教育制度がインクルーシブな社会の基本となると考えます。ぜひ追加していただきたい。佐藤委員
1319320障害の有無にかかわらず共に助け合い、学び合う精神を涵養する。4行目には「国民の障害に対する理解の促進を図る」とあり、障害のある者とない者が相互理解する事は、支え合うだけではなく、それぞれが多くの気づきを得るものであるという観点から必要だと考えます。佐藤委員
1329320子供の頃から障害に対する知識・理解を深め、障害の有無にかかわらず共に助け合い、学び合う精神を涵養する。4行目には「国民の障害に対する理解の促進を図る」とあり、障害のある者とない者が相互理解する事は、支え合うだけではなく、それぞれが多くの気づきを得るものであるという観点から必要だと考えます。玉木委員
1339320(4)障害者やその家族に対するエンパワメント支援
差別の解消をすすめるためには、当然環境に対する働きかけも重要となる。しかし、障害者やその家族にとって、何が不当な取り扱いで、何が合理的配慮なのかを理解していなければ、そもそも意思表明すらできない状況にもある。
そのためにも、学校教育や様々な生活の場面において、障害のある人の本来付与されている権利を伝えていく取り組みもすすめていく必要がある。
差別を解消していくための考え方として、環境整備を進めていくと共に、障害者やその家族に対する啓発や理解の促進もすすめていく必要がある。玉木委員
4 障害者差別解消支援地域協議会(9ページ322行~10ページ342行)
1349322~342この機関がどのような問題に対応できるのか、その権限を明らかにすべき大日方委員
1359324障害者差別の解消を効果的に推進するには、障害者にとって身近な地域において、主体的な取組がなされることが重要である。地域において日常生活、社会生活を営む障害者の活動は広範多岐にわたり、現時点では相談等を行うに当たっては、どの機関がどのような権限を有しているかは必ずしも明らかではない場合もあり、また、相談等を受ける機関においても、相談内容によっては当該機関だけでは対応できない可能性がある。このため、地域における様々な関係機関が、相談事例等に係る情報の共有・協議を通じて、各自の役割に応じた事案解決のための取組や類似事案の発生防止の取組など、地域の実情に応じた差別の解消のための取組を主体的に行うネットワークとして、障害者差別解消支援地域協議会(以下「協議会」という。)を組織することができることとされている。そして、将来的には、相談や紛争解決が可及的速やかにかつ適正に行われるために、どのような事案につき、如何なる機関が相談や紛争解決の役割を担うかを特定し、解決までの手続が明らかにされていくことが必要である。内閣府においては、法施行後における協議会の設置状況等について公表するものとする。どのような機関がどのような問題に対応するのか、その権限などが国民に公表され、周知されていることが望ましい。直ちにそうした体制が取れないとしても、協議会での取組を契機として、カテゴリーごとに適切な相談や紛争解決ができる機関を明確にしていくことが必要である。竹下委員
1369様々な関係機関のネットワークは必要と考えるが、同様の組織が多く存在し、既存のネットワークに役割を付加するなどの取組が考えられる。市町村や圏域、都道府県といったどのような範囲を想定してネットワークづくりを進めようとしているのか今後示していただきたい。その際、地域協議会の運営等に係る必要な経費について、市町村及び都道府県に適切な財源措置を図ることが必要となるので検討いただきたい。高橋委員
(1) 趣旨(9ページ323行~333行)
1379330事案解決のための取組や類似事案の発生防止の取組、障害者の積極的な参画など、地域の地域協議会への障害者の参画を明記すべきであるため。石野委員
1389333(追加文案)「障害者差別解消支援地域協議会の設置を積極的に推進することが望ましい」自治体において障害者差別解消支援地域協議会を積極的に設置してもらえるように入れていただきたい。佐藤委員
(2) 期待される役割(9ページ335行~10ページ342行)
1399339・・・考えられる。また、都道府県の設置する協議会においては、紛争解決等において市町村を補完・支援する役割も求められる。さらに、関係機関において基礎的自治体である市町村が、相談や紛争の防止及び解決に取り組むことは重要であるが、例えば交通の問題など広域的な対応が必要な事案の発生が想定されること、また、小規模な自治体では単独で体制を整備することが困難な場合も想定されることから、都道府県による市町村の補完・支援が求められる。清原委員
1409339ことへの後押し等が考えられる。また、関係機関において紛争★及び紛争★解決に至った事例、合理的好事例、成功例、解決例だけを峻別することなく、直面した具体例を、収集・共有・分析・公開することで、より適切な配慮ができる社会環境に育っていくと考えます。三浦委員
5 差別の解消に係る施策の推進に関する重要事項(10ページ344行~10ページ362行)
(1)情報の収集、整理及び提供について(10ページ345行~351行)
14110347(追加文案)「本法を効果的に運用していくため、内閣府においては、行政機関等の協力を得ながら、個人情報の保護等に配慮しつつ、国内における具体的事例や裁判例等を収集・整理する。その際、障害者施策の適切な企 画、実施、評価及び見直し(PDCA)の観点から、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意し、情報・データの充実を図るとともに、適切な情報・データの収集・評価の在り方等を検討する。」国会答弁、第3次障害者基本計画もふまえて基本方針においても課題として明記する必要がある。
※障害者差別解消法第16条(情報の収集、整備及び提供)
佐藤委員
14210347個人情報の保護等に配慮しつつ、国内における具体的事例や★紛争例、★裁判例等を収集・整理する。紛争例も含めて、直面した具体例を、収集・共有・分析・公開することで、より適切な配慮ができる社会環境に育っていくと考えます。三浦委員
14310347本法を効果的に運用していくため、内閣府においては、行政機関等の協力を得ながら、個人情報の保護等に配慮しつつ、国内における具体的事例や裁判例等を収集・整理する。★その際、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意し、情報・データの充実を図るとともに、適切な情報・データの収集・評価の在り方等を検討する。 ★あわせて、・・・(以下略)第3次障害者基本計画の「推進体制」の5「調査研究及び情報提供」に、「障害者施策を適切に講ずるため、障害者の実態調査等を通じて、障害者の状況や障害者施策等に関する情報・データの収集・分析を行うとともに、調査結果について、本基本計画の推進状況の評価及び評価を踏まえた取組の見直しへの活用に努める。」と書かれているのに続き、「障害者施策の適切な企画、実施、評価及び見直し(PDCA)の観点から、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意し、情報・データの充実を図るとともに、適切な情報・データの収集・評価の在り方等を検討する」とある。こうした観点を基本方針にも盛り込むことが必要だと考えられるため。大河内委員
14410350図るものとする。これらの成果については、★可能な限りの配慮をもって、 ★障害者白書や内閣府ホームページ等を通じて、権利条約批准国として、国には、全ての方に伝わるよう配慮に努めてほしいと考えます。三浦委員
14510346~348本法を効果的に運用していくため、内閣府においては、行政機関等の協力を得ながら、個人情報の保護等に配慮しつつ、国内における具体的事例や裁判例等を収集・整理する。これを蓄積し、不当な差別に係る正当な理由、ならびに合理的配慮に係る過重な負担に相当すると判断される、一定の基準の策定を目指すものとする。「正当な理由」ならびに「過重な負担」を定義する箇所が、どちらも具体的場面に応じた判断に委ねられているため、当事者の恣意的な判断により、本来配慮があるべき状況においても、それがなされないというケースが想定される。
したがって、法の施行後すみやかに実際の事例・判例を蓄積し、当事者にとって目安となる基準の作成が必要と考えられる。これによって、最低限保障されるべき権利を具体化することができる。
花井委員
(2)基本方針、対応要領、対応指針の見直し(10ページ353行~362行)
14610353末尾あたりに
・その際には、障害のある女性の構成比および参画を高める措置をとるあるいは
・また、委員会や協議会等において、障害のある男女が衡平に選出されるよう、考慮する。
各種見直しを行うにあたり、障害者はいうまでもなく、特に障害女性の参画の確保が必要です。障害のある女性の参画を確保することは、複合差別の課題に取り組むうえで不可欠なことであるからです。
▼法律条文等
障害者権利条約 第6条 障害のある女子
障害者権利条約 第34条 障害者の権利に関する委員会
松森委員
14710354技術開発を始めとする経済社会情勢の変化は、特に、合理的配慮の提供について、その内容、程度、負担等に大きな変化をもたらし得るものであり、法の施行後においては、こうした動向や障害者差別に関する具体的事例、合理的配慮の好事例の集積等を踏まえるとともに、国際的な動向も勘案しつつ、法の見直しとあわせて3年ごとに、基本方針、対応要領及び対応指針を見直し、適時、充実を図るものとする。見直しの期間については、法の見直しとともに、3年に1回の見直しが明記されるべきである。竹下委員
14810354~362技術開発を始めとする経済社会情勢の変化は、特に、合理的配慮の提供について、その内容、程度、負担等に大きな変化をもたらし得るものであるが、一歩ずつ解決して行くためにも、基本的な考え方や負担のありようについても検討し続けることが重要になる。そのためにも、法の施行後においては、こうした動向や障害者差別に関する具体的事例、合理的配慮の好事例の集積等を踏まえるとともに、国際的な動向も勘案しつつ、必要に応じて、基本方針、対応要領及び対応指針を見直し、適時、充実を図るものとする。基本方針の見直しに当たっては、あらかじめ、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、障害者政策委員会の意見を聴くものとする。対応要領、対応指針の見直しに当たっても、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。負担もあるが、解決を見いだしていくための指標を示す必要がある。玉木委員
14910362必要な措置を講ずるものとする。その期間は障害者差別禁止法施行3年後の見直しに準じ、3年間を目安とする。基本方針、対応要領、対応指針についても、差別解消法と同様に定期的な見直しが必要であるため、追記。石野委員
15010362(追加文案)「対応要領、対応指針の見直しに当たっても、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。また、委員会や協議会等において、障害者のある女性の構成比および参画を高める措置をとる。」委員会や協議会等において、障害者はいうまでもなく、特に障害女性の参画の確保が課題である。障害のある女性の参画を確保することは、複合差別の課題に取り組むうえで不可欠なことである。佐藤委員
15110362基本方針の見直しに当たっては、あらかじめ、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、障害者政策委員会の意見を聴くものとする。対応要領、対応指針の見直しに当たっても、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。★また、委員会や協議会等において、障害のある女性の構成比および参画を高める措置をとる。★委員会や協議会等において、障害者はいうまでもなく、特に障害女性の参画の確保が課題である。障害のある女性の参画を確保することは、複合差別の課題に取り組むうえで不可欠なことである。権利条約第34条にも「障害のある人の権利に関する委員会」に関する規定にジェンダーの釣合いがとれた代表にすることという記述があり、この点からもこうした書き込みが必要だと考えられる。大河内委員
15210363(3)障害者政策委員会は、障害者施策のモニタリング機関として対応要領・対応指針の内容を含む差別の解消に係わる施策全般に関して、モニタリング機能を発揮することとする差別解消法の成果が上がるかどうかは、実際の対応要領・対応指針の内容とその運用によると思います。
法文上は、「基本方針に即して」対応要領(第9条、第10条)、対応指針(第11条)を定めることとなっていますが、基本方針に即しているかどうかの判断は対応要領、対応指針の作成主体に任されています。
そこで差別解消法の確実な成果を担保するため、障害者政策委員会が障害者施策のモニタリング機関として,モニタリング機能を発揮することを明記すべきであると考えます。
上野委員
15310363(3)欠格条項の改善
各種の国家資格の取得、公務員採用等において障害者に不利が生じないよう、試験の実施等において必要な配慮を提供するとともに、いわゆる欠格条項について、各制度の趣旨も踏まえ、技術の進展、社会情勢の変化等の必要に応じた見直しを検討する。
知的・発達障害分野においては、特に成年後見制度の後見類型となったことで公務員等を失職してしまう問題が深刻であるが、それ以外にも自力通勤の条件付けなど、運用上の欠格条項と考えられる扱いが解消されていないため、少なくとも障害者基本計画に記載されている程度の表現は盛り込むべき。田中委員
15410363(追加文案)「基本方針は差別解消法の見直しに連動しておおむね3年に1回見直すものとする。」基本方針の見直しの時期も明記すべきと考えます。差別解消法が概ね3年に一度の改正なので、それに連動して見直す旨を書いていただきたい。佐藤委員
15510法律を見直す際には基本方針もみなおすと明記する必要があると考えます。法律自体は施行後3年をめどに必要な見直しをするといっているためです石川委員長
その他(場所が特定できないもの)
156障害のある女性や子どもの複合差別について、ぜひどこかで表現していただきたい大日方委員
157「基本方針」は国民全ての向けたメッセージなので、皆に伝わるよう、わかりやすく書き換えることが必要だと考えます。行政機関等の対応要領や、事業者に向けた対応指針を意識した内容にする必要があっても、差別を受ける方、配慮を欠いた環境・言動などで権利や利益が失われる方の心情を考えた書きぶりに、書き換えることが必要です。三浦委員
158素案中の該当句は、全て、「具体例」に置き換え。好事例、成功例、解決例だけを峻別することなく、直面した具体例を、収集・共有・分析・公開することで、より適切な配慮ができる社会環境に育っていくと考えます。三浦委員