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資料1

第22回障害者政策委員会
~障害者基本計画7-(2)-1について~
(復興庁における取組について)

平成27年6月29日(月)
復興庁

復興庁における取組について

1.東日本大震災からの復興の基本方針

 「東日本大震災からの復興の基本方針」の基本的な考え方では、「子ども・障害者等あらゆる人々が住みやすい共生社会を実現する」とされている。

(参考)東日本大震災からの復興の基本方針(平成 23 年 7 月 29 日東日本大震災復興対策本部決定)
1 基本的考え方
(ⅸ)男女共同参画の観点から、復興のあらゆる場・組織に、女性の参画を促進する。あわせて、子ども・障害者等あらゆる人々が住みやすい共生社会を実現する。

2.被災地における障害者支援事例の収集・公表

 被災自治体や各地で復興に取り組んでいる方々の参考となるよう、まちづくり、仕事づくり、健康づくりなどの復興の各分野に関し、障害者等を支援している事例等を収集。
 復興の過程に多様な視点が加わり、障害者をはじめとするあらゆる人が住みやすい共生社会を実現するため、これらの事例を取りまとめ、情報提供を行っていくとともに、被災地での働きかけ等を実施し、今後も引き続き事例を収集し、公表していく予定。

(参考)男女共同参画の視点からの復興~参考事例集~(第8版) (抄)


1.住みやすいまちづくりに障害者の声を届ける

特定非営利活動法人結人(ゆいっと)

岩手 まちづくり 居場所づくり

取組主体:民間団体

対象者・受益者:被災した身体・知的・精神障害者

実施時期:平成23年12月~

活動地域:宮古市を中心に周辺岩手県沿岸被災地域

キーワード:障害者、交流会、行政への提言

被災した障害者が自由に街に出て、当たり前に地域で暮らしていける社会になるよう、障害者自身が現状を社会に発信し、理解や改善をもとめる活動を行っている。交流会や商店街のお祭りへの参加など、障害者と健常者の交流の機会を作っている。

※写真は、原本PDFを参照のこと。
写真の説明:バリアフリーの進捗調査のため、街に出て低床バスに乗車するなどし、結果を情報発信

取組の背景・経緯

〇 被災した障害者の生活を支援するために、平成23年4月、震災直後から被災した障害者の支援活動を行ってきた岩手県内の団体を中心として、被災地障がい者センターいわてが設立された。岩手県では、冬期に内陸から沿岸への移動が困難となるため、継続して支援を行うための拠点として、平成23年12月に被災地障がい者センターみやこを立ち上げた。平成25年4月にNPO法人格を取得し、NPO法人結人(ゆいっと)としての活動を開始した。

○ 避難所などで生活している障害者の安否確認を行うとともに、福祉機器や生活物資の提供やヘルパーの派遣、移動手段のない障害者の同行介助(通院・買い物)や移送サービス、食事や入浴、着替えなど、障害者の生活支援を行っている。

取組の概要

○ 障害者が安心して暮らせるよう、仮設住宅や商店街、公共交通機関などのバリアフリーの進捗を調べるなど、調査活動や情報提供を行っている。駅のエレベーター、バスの乗降、公共機関のトイレ、商店への出入り、仮設住宅や歩道のスロープ・段差などの調査結果をWebサイトで情報発信し、改善を促している。

○ 障害の有無や年齢などに関わらず、誰にとっても住みやすいまちづくりに向けて、自らの権利や生活改善のための講演会・研修の機会を設けている。当事者による障害者のまちづくり運動や、自立生活をどう行っていくかについて学んでいる。

○ 「障害者が地域で普通に生活できるまちづくり」を目指して、月に1回、住民との交流会「およれんせの会」を開き、障害者が家族と一緒に楽しめる企画を28回開催した(平成26年5月現在)。事務所の面する商店街に出て、車椅子スラローム大会などの車椅子交流会や、商店街のお祭り・復興市に参加してバザーなどを行っている。生活に役立つトイレマップ調査の報告会なども実施している。交流会などへの参加に移動手段がない場合は、送迎を行っている。

※写真は、原本PDFを参照のこと。
写真の説明:宮古市駅前商店街に設けられた事務所。シャッターがカラフルに彩色されている。
※写真は被災地障害者センターみやこのHPから転載

工夫した点・特色

○ 市や社会福祉協議会の復興会議に積極的に参加し、仮設住宅等で暮らす人の困り感を訴え改善を求めている。例えば、市の巡回型移送車両が健常者用で、高齢者・障害者が利用しにくいので、身体の不自由な人の移動手段となる移送車両サービスの提供の提案などを行った。

〇 障害の種類や障害者手帳の有無を条件とせずに支援を行っている。

○ 商店街の中心に事務所を置くことで、障害者が街に出ることや障害者がいること、障害者に手を差しのべることが地域の日常になるよう工夫している。障害者のやる気やできることを地域の人々が理解できるよう、交流の機会を設ける。

○ 宮城県・福島県の被災地障がい者センターと連携を進め、障害者団体のネットワークづくりを推進している。

取組の効果

○ 家庭にいることの多かった障害者が自ら外に出て声をあげる機会が得られるようになった。

○ 身体障害、知的障害、精神障害と障害の種類の違う人々の交流が促進されている。

主体・対象者の感想

〇 作業所の行き帰りに立ち寄っており、障害の種別にかかわりなく悩み事や相談事が話せる憩いの場になっている。(当事者女性)

○ 障害がある人もいることが、当たり前な街になってきた。障害がある人と共に街を作っていきたいと思う。(事務所のある商店街の会長)

〇 商店街に事務所をもち障害がある人を日常的に見かけるように、商店街のお祭りなどに参加して、交流がもてるように心がけ、当事者が震災後のまちづくりに声をあげていきやすい環境をつくっている。(事務局長)

助成金など支援・協働にかかわる情報

○ 東北関東大震災障害者救援本部全国自立生活センター協議会(寄付金)

〇 認定NPO法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議(寄付金)

〇 NPO法人ゆめ風基金(寄付金)

〇 日本自立生活センター(寄付金)

○ タケダいのちとくらし再生プログラム(武田薬品工業株式会社と日本NPOセンター協働事業)

連絡・問い合わせ先
被災地障がい者センターみやこ(特定非営利活動法人結人)
岩手県宮古市末広町6-8 TEL:0193-77-3636 FAX:0193-77-3643
HP:http://20110311iwate.blog27.fc2.com