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資料3-4

ワーキング・セッションⅣ:情報アクセシビリティ議論の概要

○基本計画該当項目:「6.情報アクセシビリティ」

○コーディネーター:石野委員、門川委員、竹下委員

○参考人:
近藤武夫(東京大学)
新谷友良(全日本難聴者・中途失聴者団体連合会)
寺島彰(浦和大学)

○出席委員
第1回 5月19日:
 石野委員、竹下委員、石川委員長、伊藤委員、大河内委員、河井委員、佐藤委員、松森委員、三浦委員

第2回 6月 1日:
 石野委員、門川委員、竹下委員、石川委員長、伊藤委員、大河内委員、河井委員、佐藤委員、松森委員、三浦委員

■第1回 (5月 19日)

【参考人意見】

○近藤参考人
・ 個別のそれぞれの領域、個別的な問題を挙げる前に、以下のような大枠的なポイントを検討することが重要。
   1.情報アクセシビリティについて考える担当者・対話できる人がそこにいるか。(6-(1)-1)
   2.情報アクセシビリティに関連する標準化(日本工業規格等)に対応しているかだけを聞くのは実効的ではない。事業者や行政機関等がアクセシビリティに関する方針をもっているか、それを評価する体制があるか、責任を持つ人がいるか。(6-(1)-2)
   3.情報アクセシビリティの側面として、装置(デバイス)や内容(コンテンツ)のアクセシビリティに加えて運用がある。この3つを掛け合わせ最終的にアクセシビリティが担保されているか。(6-(3)-2)
・ 第3次基本計画の中で触れられていない、特に強調しておきたいポイントは4点。
1.情報アクセシビリティを担保(あるいは対応)することができる人材の養成
2.影響力の大きい試験での情報保障
3.民間事業者における情報アクセシビリティ
4.緊急時における情報アクセシビリティ
○寺島参考人
・ 障害のある方の意見を反映するような体制になっていない分野がある。
・ 前提として、インクルーシブな社会の視点が欲しい。
・ 情報関連の規格を決める場合には、当事者あるいはその意見を反映できる人を必ず入れることが必要。
・ 意思疎通支援がすなわち生活支援であるという状況もあるので、意思疎通支援あるいはアクセシビリティを広めに考えていただきたい。
・ 障害の特徴に着目した支援が必要。
・ 地域性を考慮した支援。例えば対象者が少ない場合に、アクセシビリティを確保できるのか。実際的な問題がいろいろなところで起こってきている。
・ 民間活力の有効活用。
・ 省庁間の協力が欲しい。特にコミュニケーション機器の開発といった部分では、同じような機器がいろいろなところで開発され、補助金をもらっているということもなきにしもあらず。機器を開発したら、次はそれを利用できるようにどのように制度を構築していくか。どのように使い方を指導するか、利用支援をするか、そういうところの必要性。機械が壊れたときにメンテナンスをどうするか、著作権の処理をどうするかといったこともある。省庁横断的な内容が含まれることが多いので、できれば省庁横断的な組織があって、アクセシビリティや機器の開発に関するコーディネートをしてもらえればありがたいと考えている。(6-(1)-3、6-(3)-2)
○新谷参考人
・ 医療と福祉機器が分断している。情報の受け手、情報にアクセスする人間から考えると、やはりその間の溝を乗り越えた形の手がかりがないと非常に困る。
・ 個人としての医療、福祉機器の利用もあるが、環境としての整備で聞こえの問題が解決する部分が非常に大きい。情報アクセスをこれからもっと進めるためには、環境整備の問題は非常に大きくなると考えている。(6-(1)-3、6-(3)-2)
・ 例えばスマートフォン、タブレットを使ってコミュニケーションする技術が進んでいる。そういうコミュニケーションについての学習をしていかないといけないと考えている。(6-(1)-1、6-(2)-2)
・ 問題になってきているのは、テレビを超えたインターネット動画をどうするのか。いろいろな動画素材の字幕付与が、規格なしになっている。例えば安倍首相の記者会見や、アメリカの議会で演説が政府インターネットテレビで上がっているが、字幕がついていない。技術は既に確立しているので、あとはそれをやるかやらないかという施策ないし事業者の決意にかかわる部分が、非常に大きくなっている。(6-(4))

【質疑・議論】

○松森委員
・総務省の平成25年度の字幕放送等の実績を見ると、手話放送は前年度と比べるとプラスマイナス0ポイントで増えていない。これについて、課題提起として出したい。(6-(2)-1)
→課題として認識しているところ。視聴覚障害者向け放送普及行政の指針を平成24年度に見直し、手話放送についても目標として追加した。(総務省)
・都道府県知事や小選挙区の政見放送の手話及び字幕放送は実施されていない。(6-(4)-3)
→手話通訳については、手話通訳士の十分な確保ができるかといった懸念が一つ考えられるため、参議院の選挙区においては行われていない。字幕付与については、衆議院の比例代表、参議院の選挙区選挙、都道府県知事選挙において行われていない。
・国会中継の情報アクセシビリティについて、 NHKで放送されている国会中継は、1953年からテレビで放送されている。しかし、そこには字幕も手話もつかない。(6-(2)-1)
→国会審議という内容の重要性ゆえの課題もある。生放送で、かつ、正確性、公平性が求められ、現時点では対応が難しいと聞いている。引き続き取組を要請していきたい。(総務省)

○石川委員長
・ アクセシビリティポリシー、アクセシビリティ方針であるとか、内部に評価体制を構築することであるとか、アクセシビリティの担当部署の設置といったことは、対応要領の中に書き込み得る、あるいは書き込むべきことではないかと考える。
→一義的に対応要領、指針に書けるのかと言われると、何ともお答えのしようがない。もっと業務そのものにかかわる話かと考えている。(内閣府)
・ ウェブアクセシビリティに関して、このガイドラインを現時点で準拠している、あるいは準拠していると標榜されている中央省庁の数や比率、あるいは地方公共団体の数や比率について既に把握されていれば教えていただきたい。
→地方公共団体については、都道府県では 26年4月1日付では68.1%、32団体、市町村では52.6%、961団体が準拠を表明、25年4月1日付では、現在の調査では都道府県で25団体、市町村では821団体である。次に中央省庁の数については、ウェブアクセシビリティ基盤委員会が26年11月現在で調査した数がある。中央省庁では、Webアクセシビリティ方針を策定公開済みが40中13団体、JISへの準拠を表明した団体は7団体である。都道府県や市町村の比率の出典は、総務省が公表している地方自治体情報管理概要からの数値である。総務省の調査票に対してJIS X8341-3に準拠したホームページを作成していると回答した自治体の数をとりまとめたものである。(6月1日ワーキング・セッションⅣ 総務省)
・JIS X8341-3の準拠を公開されているかどうかについてNTT関連会社の調べでは12府省のうち5府省である。47都道府県のうち15都道府県が準拠を表明している。各地方公共団体がどのような方針を立ててどのような試験を行って、何を目指しているのかを含めた詳細なデータの公開はウェブアクセシビリティ基盤委員会でも出しているし、また総務省としても取りまとめていただきたい。(6-(4)-1)
・内閣府の防災担当に対しての提案だが、3月の国連の防災会議が障害者を包摂したインクルーシブな防災会議として国際的に高く評価されている。政府報告においては、是非、入れていただければと提案させていただく。

○大河内委員
・ 今、例えばサイバー犯罪等々の対策におけるセキュリティ強化の問題がアクセシビリティを大きく阻むという現実がある。セキュリティとアクセシビリティを併用していくための取組、考え方についてプランなどがあれば教えていただきたい。(6-(1)-1)
→ウェブアクセシビリティの日本工業規格である JIS X8341-3に基づき実施すべき手順等を示したみんなの公共サイト運用モデルを作成、公開し、国及び地方公共団体のウェブアクセスビリティの支援を行っている。これに限ると、 JIS X8341-3とセキュリティの間に相反することはないと考えられている。個別の分野の事案については分野ごとに事情や対応方法が異なり、各分野の各省庁や団体が適切に対応する必要があると思われる。仮に横断的な対応が必要なら、内閣府や内閣官房において対応を検討いただくことが必要ではないかと考える。(6月1日ワーキング・セッションⅣ 総務省)
・ テレビ放送における音声解説は、映画等も含めてであるが、普及率としては10%以下と認識している。(6-(2)-1)
→普及を図るための取組としては、視聴覚障害者向け放送普及行政の指針に、解説放送についても目標を掲げており、平成 25年度の放送局の再免許の際も字幕放送、解説放送、手話放送の取組を要請している。また、制作費の一部助成を行っている。(総務省)

○竹下委員
・ 放送媒体でどれだけアクセシビリティがよくなってきているかが、一つのテーマになっているかと思うが、緊急時の部分というのはなかなかそこがリンクしてこない。防災対策と放送担当の所管とが連携なり対応をしていただかないと、その点は大きな改善に結びつかない。災害発生時における情報は、間違いなく ICTも含めた通信・放送関係で一番早く伝えられるものだろうと思うし、その何秒が命にもかかわることを考えると、その分野における字幕や音声による支援が、システム上対応できるようにできないのか。(6-(4)-2、 6-(4)-4)

○三浦委員
・重度重複障害と身体障害の方々も常に入れて御検討いただきたい。(6-(3)-1)
→ALSの患者等は、長きにわたって特定の人とのコミュニケーションで気持ちを伝えるという関係性があるということで、コミュニケーション支援という観点から、ヘルパーの方が病院に入ってサポートするということは現状でも実施しており、地域生活支援事業で対応している。(厚生労働省)

○佐藤委員
・電子出版は、視覚障害の方だけではなく、身体障害の方にとっても非常に有効な手段である。例えば上肢に障害があると本がめくれない。その結果、本が読めない方も結構いらっしゃる。電子図書に関する普及に向けた取組はどういうことがされているのか。

○石川委員長
・電子書籍のアクセシビリティガイドラインの成果物が総務省のサイトで公開されているかと思う。(6-(2)-4)
→(6月1日ワーキング・セッションⅣ 資料1教科用特定図書等について 文部科学省)
→ガイドラインは、障害者基本計画 6-(2)-4に報告した調査研究費用を使って策定したもの。タイトルが「音声読み上げによるアクセシビリティに対応した電子書籍政策ガイドライン」、内容は具体的にはアクセシビリティに配慮したもので、音声の読み上げ機能を付記した電子書籍の作り方というもの。今後とも深掘りの展開を目指して取り組んでまいりたい。(6月 1日ワーキング・セッションⅣ 総務省)

○佐藤委員
・ 緊急時における情報提供について、主にお答えいただいたのはウェブのことが多かったかと思う。例えばバスで緊急時があったときに、音声認識を使えば文字に変換して伝えることができるという話があった。例えばコンサートホールとかスポーツを観戦に行ったところや、あるいは乗り物、電車、バスといったもので緊急事態が起きたときに、速やかに伝えられるような政策、取組があるのかを教えていただきたい。(6-(4)-4)
→鉄道、バス、タクシー、船舶、航空関係、緊急時には障害者を含めた利用者に対してアナウンスを実施するほか、口頭により、また声かけにより個別に情報を伝達するという形をとっている。また、駅においては液晶ディスプレーで文字等による情報提供を実施、また、その他の公共交通モードについても筆談具やコミュニケーションボードを使用するなどして情報伝達を行っている。(6月1日ワーキング・セッションⅣ 国土交通省)

○伊藤委員 ・ みずから意思表示ができない、あるいはコミュニケーションをとることができないという病気や意識の障害を持っている方々に対して何かしようということは、従来でき上がったものではなくて、新たな視点から新たな開発をする必要がある。(6-(3)-2)

○新谷参考人
・ (災害時については)繰り返し言ってきて、もう持ち帰って検討というレベルではなかったはず。確かに緊急時の情報というのは、正確さが非常に重要であるが、少々不正確でもタイミングのほうが急がれることがあるということで、総務省で災害関係を考える基本的な視点をどこに置くかということが、方針を決める非常に大きなところではないかと考える。(6-(4)-2、6-(4)-4)

■第2回 (6月1日)

【質疑・議論】

○石川委員長
・ 標準拡大教科書とそれ以外の拡大教科書、ディスレクシア、学習障害、発達障害者に有効と言われているマルチメディア教科書に対する文部科学省としての取組は、はっきりとした温度差があるように感じられる。基本計画は政府が責任を負って、多様なニーズに対応した教科書などの提供を推進するものなので、ボランティアグループがやっていることを側面から支援するとか、文部科学省としては今のところ調査しているというのは不十分ではないかと感じる。(6-(2)-4)

○竹下委員
・「障害の特性に応じた」「民間事業者の協力を得つつ」と 6-(4)-2に指摘されていて、6-(4)-4では、各府省においてはとしており、官民両面で情報提供が緊急時において障害者の特性に応じた支援が十分認識できる形でとなるはず。障害者の特性、端的に言えば、視覚障害者で言えば、テレビやその他の通信網を使った場合の音声化された、あるいは音声アクセスが可能な形での情報提供が現実にされているのか。

○新谷参考人
・新しい技術の活用のことは基本計画をつくるときにも議論があり、もっと踏み込んだ段階に来ていると思うのだが、まだ前の説明のとおり。中央防災会議の避難のあり方研究会の議論と国交省の説明と、情報交換がされておられるのかどうか、疑問を感じた。

○佐藤委員
・ディスプレーでの表示が駅だけのような回答だったので、それは少なすぎると思う。例えばバスなど駅以外の、電車の中もそうだが、競技場や、いろんな施設にいるときもある。そこでの表示について、今後、どういう方針をお持ちなのか。2つ目は、駅のディスプレーに関しても不十分だと思うことがあった。それはダイヤが乱れたときにアナウンスでは「どのくらい遅れています」と言うがディスプレーは全然変わらず、聞こえない人はわからない。せっかくディスプレーがあるのに表示されないのを何回か見た。その辺の方針を徹底しないとディスプレーがあっても生かされていないのではないか。(6-(4)-2、6-(4)-4)
→技術的には進んでいるので、関係するところと検討を進めてまいりたい。(国土交通省)

○松森委員
身体障害者福祉法の基準以下の難聴者は、日常生活に困難を強いられているにも関わらず、手話通訳者や要約筆記者の派遣サービス等、必要なサービスを受けられない。身体障害者手帳を持たない難聴者の状況を把握する実態調査をする必要がある。平成27年度に行われる生活のしづらさに関する調査において、項目の中に難聴者の生活などに関する項目を加えるなどして、難聴者の情報アクセシビリティの施策に対応していただきたい。

○新谷参考人
一日も早く日本も国際的な基準に従った障害認定にしていただきたい。必要な施策はすでにお伝えしているので、今はそれが実現できるのか、実現できないのならどんなスケジュールで改善されていくのか、お答えをいただく段階にきていると思っている。(6-(3)-1)
→どのような形でその要望に応えていけるか、今後総合支援法の議論もしっかり見すえつつ考えていきたい。(厚生労働省)

○寺島参考人
・あまりにも規格が多過ぎて全部対応するのが現実的に難しいところがある。できれば、省庁横断的な規格について検討できる場面が必要なのではないかと思っている。いろいろな規格を障害のある方たちの視点から検討していけるような組織などがあると良い。もし可能であれば政策委員会のこれからの課題にしていただければありがたい。(6-(1)-2)

○新谷参考人
・ 今の地域生活支援事業の意思疎通支援事業の大きな問題は、サービスを利用できる人の範囲の問題。次は、利用目的。3つ目は、複数の区市町村の人が参加するような集まりでの意思疎通支援をどうするのか。それから複数の都道府県から参加する人がいる場合の意思疎通支援をどうするかということが煮詰まっていない。(6-(3)-1)

○門川委員
・ 通訳・介助員を派遣する事業は平成25年から全国の都道府県(指定都市、中核市を含む)において実施することが義務づけられるようになった。この制度は、全国的に見ると矛盾が生じている。例えばある地域では利用できたり、別な地域では利用ができなかったりという地域差がある。軽度の人が利用できたりできなかったりするなどの地域差をなくしていただきたい。また、利用条件として、各省庁の横断的な対応が求められる問題と思う。就労の場、教育の場、他にも日常生活で横断的な対応が必要である。(6-(3)-1)

○伊藤委員
・等級や手帳の有無でサービスの必要性を分けるというのは、あってはいけないこと。(6-(3)-1)

○近藤参考人
・ 教育分野においては情報アクセシビリティという概念は、ほとんど知られていない。特に通常の学校の中で知られていない。例えば、発達障害が疑われる児童・生徒が平成24年の文部科学省の統計では、通常の学級で6.5%存在する。インクルーシブにするために、情報アクセシビリティへの対応、情報保障が必要だが、そのような必要性があるという認識が通常学級ではもたれていない。特別な教育的な指導を行っているという声はあるが、アクセシビリティを保証する、情報保障を行うことと特別な教育的指導を行うことは異なっている。学校、教育委員会側が教科書や教材のアクセシビリティを保障しなければならないという認識はほとんどない。自分の職責と考えている担当者を置いているケースも少ない。教科用特定図書を考えられたこと、制度的に存在することはすばらしいが、活用方法がわからない現状がある。(6-(2)-4)
・ (知能検査とは別に)読み書きの困難についてのアセスメントを行わなければならないが、これは一般的には行われていない。本人にはニーズがあっても、自分の頭が悪いことが問題だと思っていて、言うことが難しい状況がある。他国の統計と、日本の統計を比較しても明らかである。解決に向けた取組として3つ。1つ目は教育的なアセスメントを行い、情報保障ニーズを正しく把握すること。2つ目に、教科書と副教材、試験問題、解答用紙や教師の口答指示などのアクセシビリティを保障すること。通常のカリキュラムの指導内でそのような方法、教材を用いていくことを原則にすること。このような一連の情報保障の流れが教育の中でも必要である。これらが文部科学省の教育施策でつくられていくことが不可欠であると思っている。(6-(2)-4)
・ 現場で様々な素材にアクセス可能となるように、学校等が処理していかなくてはならない現状がある。そのためにはデータを入手するための枠組が不可欠だと考える。学校やボランティア団体がすべてつくるのではなく、著作権を保障する形でデータを入手する枠組があれば。そのニーズに対応する窓口が必要である。(6-(2)-4)

○大河内委員
・ 一般の電子書籍が利用できる準備が整ってきていると思う。しかし、その利用はまだ促進されていない。私自身も入手したいと思っても入手できない実情がある。

○近藤参考人
・ ユーザーサイドの視点から見ると、どの書籍がアクセシブルで、どの書籍がそうでないか、ほぼわかり得ない状況になっている。アクセシビリティについてどのような配慮がおこなわれているかは、購入してみないとわからないのが現状である。(6-(2)-4)

○石川委員長
・ 紙の本を視覚障害者が購入したが、このままでは読めないのでデータを提供してくださいというのは合理的配慮要求のわかりやすい例だと思うが、現状は努力義務なので出版社は拒んでも違法にはならない。これに対して、対応指針を示すような立場にある府省は存在しているのかどうか。出版という業界に対して監督することはそもそもなじむ話か、実際にそういうことがあるか。
・ 今後、情報通信系の規格を策定していくときにはアクセシビリティについての観点を抜きにして作っていくことは権利条約に批准した我が国にはもはやできないはず。この点について十分な理解・徹底を図っていく必要がある。(6-(1)-2)

○新谷参考人
・ 基本計画の5の生活環境と6の情報アクセシビリティが別のワーキング・セッションで議論されているのが非常に残念。障害者、特に聴覚障害でも中等度の障害者、おそらく弱視の方も同じような問題を持っているが、環境の整備で改善できる部分が随分ある。(5-(2))

○松森委員
・女性の相談窓口に関する情報アクセシビリティも課題として検討する必要がある。女性の相談窓口に、聴覚言語障害がある人が来ることも想定し、電話だけではなく FAXやメールで連絡できるようにすること。また面談のときには手話や筆談等、障害者の希望に添うことも必要である。(6-(4)-1)