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資料7

【障害者政策委員会ワーキング・セッションⅡ、Ⅲ、Ⅳ】
~第2回における御質問への回答~

平成27年7月10日
文部科学省

障害者政策委員会ワーキング・セッションⅡ-2で出された御質問に対する回答

(佐藤委員)

1.医療的ケアが必要な児童生徒の保護者の付き添いの実態は。

○障害のある児童生徒の学習や特別活動等に際して、設置者や学校が、保護者による付き添いを求めるケースもあると承知しており、現在、小・中学校における付き添いの実態把握に努めているところである。

障害者政策委員会ワーキングセッションⅢ-2で出された御質問に対する回答

(松森委員)

1.教育と福祉の地域連携に関して、都道府県教育委員会に対して、連携の強化や、厚生労働省関連の事業の活用等について周知しているとあるが、新生児聴覚スクリーニングなど、聴覚障害における早期支援体制の改善状況はどうなっているのか。

○平成18年の学校教育法の改正により、障害のある幼児児童生徒の教育に関し必要な助言又は支援を行う特別支援学校のセンター的機能が明記され、新生児聴覚スクリーニングによって聴覚障害が疑われる幼児からの相談対応を行っている特別支援学校も存在する。障害種別のデータは把握していないが、0~2歳の幼児の保護者から特別支援学校への相談件数は平成23年度の30,389件から平成25年度の32,739件と増加している(文部科学省調べ)。

(松森委員)

2.通常の学級に在籍する聴覚障害のある児童・生徒への指導方法に関する実態調査はあるのか。

○通級による指導を受けている児童・生徒への指導方法については、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所において、各種の調査研究を実施している。(参考:平成23年全国難聴・言語障害学級及び通級指導教室実態調査)

(阿部委員)

3.進路指導の先生が高等部卒業後の職場定着の取り組みに関わっているとのことだが、顔の分かる関係性の信頼感があると思うので、転勤の際の配慮があるのか。

○特別支援学校においては、個人情報にも留意しつつ生徒一人一人の「個別の教育支援計画」等を作成しており、教職員の異動の際には、これからも活用しながら綿密な引き継ぎを行うなど、生徒・保護者との信頼関係も継続させるための取組が行われていると承知している。

(阿部委員)

4.発達障害などで通常の学校で学べなかった方が定時制高校を利用していると聞く。学ぶ機会の多様性は大事であり、通信教育も一つの方法であると考える。定時制・通信制高校に関する実態は把握しているのか。

○平成21年度に文部科学省が実施した調査おける分析・推計によると、高等学校に進学する発達障害等困難のある生徒の割合は、全日制で1.8%、定時制で14.4%、通信制で15.7%と推計されている。

※中学校の通常の学級における発達障害の可能性のある生徒(知的発達に遅れはないものの学習面や行動面で著しい困難を示すとされた生徒)の一部の卒業後の進路状況を文部科学省において分析した結果、出された推計値。

○また、平成26年度学校基本調査によると、特別支援学校中等部を卒業し、高等学校へ進学した生徒数は222人であり、そのうち、定時制への進学は34人(15.3%)、通信制への進学は46人(20.7%)となっている。

(佐藤委員)

5.学校教育法施行令の22条の3に該当する児童・生徒で、普通学級に在籍している人がどのくらいいるのか。

○平成26年5月1日現在、障害のある児童生徒のうち、学校教育法施行令第22条の3に定める程度の障害のある者で、通常の学級に在籍している児童生徒数は、公立小学校で1,607人、公立中学校で761人である。

(松森委員)

6.障害者基本計画(第3次)実施状況には、日本学生支援機構の調査に基づき、より具体的な実態を記載していただきたい。また、文部科学省としては、これらの調査結果をどう評価しているのか、そこからどんな施策に繋げていく予定か。
また、障害学生の平等な授業参加には、専門性のある専任教職員、コーディネーター、相談員、手話通訳等の専門的人材が不可欠なところ、これらの養成については、文部科学省の「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告」の「第1次まとめ」においても、重要な中長期的課題とされているが、状況はどうなっているのか。

◯障害者基本計画(第3次)実施状況に、より具体的な実態を記載いただきたいとの御要望については、今後の作業の際にしっかり対応させていただきたい。

◯日本学生支援機構の調査では、例えば、障害学生支援の担当部署・機関を設置する大学の数は平成24年度から平成25年度にかけて、671大学から705大学へと増加。また、コーディネーターや支援技術を持つ教職員等の専任スタッフがいる大学の数は、74大学から91大学に、さらに障害学生支援に関わる教職員への研修等を実施している大学は499大学から527大学にそれぞれ増加。

◯文部科学省としては、これらの数字が増加していることについて、各大学の努力の結果と評価しているところ、引き続き各大学等の更なる取組の充実を促してまいりたい。

(松森委員)

「第1次まとめ」では、国は、地域における拠点校を整備し、その取組を重点的に支援していくとしているが、当該地域の拠点校の整備の現状はどうなっているのか。

◯「第1次まとめ」に記載された拠点校の整備については、当該まとめが出された平成24年度に、「障がい学生修学支援拠点形成事業」として、財政当局に予算要求を行ったところ、残念ながら最終的に予算措置されなかったもの。

◯他方、当該まとめで拠点校に求められた機能は、各大学等の支援事例の集約・蓄積とそれらの大学等への還元である。これについては、平成26年度に日本学生支援機構が「大学等における障害のある学生への支援・配慮事例」として取りまとめて公表している。また、以前から実施している同機構の「障害学生修学支援ネットワーク事業」において、大学等からの障害学生支援に関する相談を受け付けているところ。このような取組を通じて、拠点校の整備により期待される効果が実現されるよう努めているところ。

◯今後、文部科学省としては、日本学生支援機構とも連携して、各大学等の取組を一層進めるために必要な施策について、検討してまいりたい。

障害者政策委員会ワーキング・セッションⅣ-2で出された御質問に対する回答

(佐藤委員)

1.マラケシュ条約への対応に係る著作権法の改正に関する今後の見通しについて。

平成25年6月に、視覚障害者等による発行された著作物へのアクセスを促進することを目的とした「盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約(仮称)」(以下「マラケシュ条約」という。)が採択された。

マラケシュ条約への対応については、昨年度より文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会において検討がなされているところ。昨年度は、障害者団体及び権利者団体から意見を聴取し、制度整備の在り方について所要の検討を行った。

昨年度の小委員会においては、障害者団体からは、マラケシュ条約の締結に必要な手当(※1)の他、視覚障害・聴覚障害等に係る多岐にわたる要望(※2)が寄せられた一方、権利者団体からは、マラケシュ条約の締結に必要な手当については前向きな反応があったものの、その他の要望事項については、反対若しくは慎重な立場が示された。

また、障害者団体からは、マラケシュ条約の締結のために必要な最低限度の法改正だけを先行するのではなく、障害者の情報アクセスの充実の観点から、その他の要望事項についても併せて所要の措置を講じてほしいとの意向が示された。

これらのことを踏まえ、昨年度の小委員会において、まずは関係者間で意見調整を行った上で改めて小委員会で審議を行うこととされたことから、現在、意見集約に向けて関係方面と調整を行っているところ。意見集約ののち、小委員会において検討を行い、必要な措置を講ずる。

1)著作権法(以下「法」という。)第37条第3項の対象となる障害者の範囲について、視覚による表現の認識に障害のある者に加え、肢体不自由のため読書が困難な者等をその対象とすること等。

2)

  • 法第37条第3項で複製等を行える主体の拡大(現行法上、長官の個別指定を経ないと主体になり得ないものの一部について、個別指定を経ずに主体となるようにすること。)
  • 法第37条第3項で権利制限の対象となる支分権の拡大(現行法上、複製権等に限られている支分権の範囲を、一部の放送等にまで拡大すること。)
  • 法第37条の2で権利制限の対象となる支分権の拡大(現行法上、複製権等に限られている支分権の範囲を、一部の放送等にまで拡大すること。)
  • 災害時に対応した権利制限規定の導入