音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

長野パラリンピック開催に向けて

「プレ・パラリンピック」の開催

(財)長野パラリンピック冬季競技大会組織委員会

 パラリンピックを1年後に控えた長野で「プレ・パラリンピック」が開催されました。
 2月にクロスカントリーとバイアスロンの大会が、3月にはアイススレッジスピードレースとアイススレッジホッケーの大会が、いずれも来年の本番で使用する会場を主に用いて行われ、延べ12か国から157人の選手・役員が参加して熱戦が繰り広げられました。
 パラリンピックは、世界の一流選手が集う4年に1度の大会です。障害のある選手が参加することから、観客についても障害のある方が多く予想されます。組織委員会では、さまざまな工夫を施し、来年の本番に向けたテストを行いました。
 特に、屋外で行われたクロスカントリーとバイアスロンの会場では、リフト付車両による駐車場から観客席最寄りへの移送、雪上での車いす使用者の通路や観戦場所を確保するための合板の加工・敷設、観戦の途中で体を暖めるための採暖施設の設置、雪上でも容易に移動できる特殊な車いすの使用などを行いました。
 また、屋内で行われたアイススレッジスピードレースとアイススレッジホッケーの会場でも、通常の車いす席に加え、床面を上げてより観戦しやすくした仮設の車いす席を設置しました。
 このほか、JR駅からの送迎、毛布の貸出し、手話通訳者の配置、障害者用トイレの設置などの対応を行いました。
 もちろん屋外の競技会場については、地形、降雪などの自然条件に伴い、屋内会場に比べるとどうしても不便な面があるかもしれませんが、組織委員会では、今回のプレ・パラリンピックの結果を踏まえ、できるだけ多くの障害者の方に観戦していただけるよう準備を進めたいと考えています。
 そして、「長野パラリンピック」までのわずかな創意工夫の積み重ねが、大会の成功をもたらすだけでなく、大会後にも残され、障害者の大会のみならず、すべての冬季競技大会に生かされることにより、障害のある方も常に容易に冬季競技を楽しむことができるようになれば最も望ましいと考えます。
 「長野パラリンピック」は来年3月5日~14日まで行われます。入場券は、全国の主な旅行代理店、JR各駅、チケット販売会社でお求めいただけます。一人でも多くの方に一流選手の競技をご覧いただき、声援を送っていただけるようお願い申しあげます。

バイアスロン

バイアスロンは、クロスカントリースキーと射撃を組み合わせた競技です。7.5kmの距離を走る間にエアーライフルを使って2回の射撃を伏射でそれぞれ5発撃ちます。標的を外した場合には、ペナルティータイムが加算されます。障害によってはシットスキー(チェアスキー)を用いて競技を行います。また、視覚障害者は、電気音響装置を使い音を頼りに射撃を行います。


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1997年6月号(第17巻 通巻191号)60頁・61頁