平成12年度障害保健福祉部予算(案)の概要
平成11年12月
大臣官房障害保健福祉部
1 「障害者プラン」の推進
【部所管予算額】 5601億7500万円→6167億7400万円 (対前年比110.1%)
※訪問介護(ホームヘルプサービス)事業等老人保健福祉局からの組み替え分(280億7500万円)を除いた場合対前年比105.1%
(11年度) (12年度)
2545億9300万円→2766億7000万円
(対前年比108.7%)
障害者の地域における自立を支援するため、地域生活援助事業(グループホーム)等障害者の住まいの確保、授産施設等障害者の働く場の確保等平成14年度の目標達成に向けて一層の推進を図る。
1 住まいや働く場ないし活動の場の確保
(1)地域生活援助事業(グループホーム)
ア 知的障害者地域生活援助事業 30億 700万円 → 37億1100万円
イ 精神障害者地域生活援助事業 9億7100万円 → 11億5200万円
(2)福祉ホーム
ア 身体障害者福祉ホーム 7000万円 → 7600万円
イ 精神障害者福祉ホーム 1億5600万円 → 1億7200万円
(3)授産施設
ア 身体障害者通所授産施設 45億3700万円 → 49億 700万円
イ 知的障害者授産施設(通所) 267億4000万円 →294億2600万円
ウ 精神障害者(入所・通所)授産施設 22億1800万円 → 30億8000万円
エ 通所授産施設における障害種別を超えた相互利用の促進(身体障害者、知的障害者、精神障害者)
(4)福祉工場
精神障害者福祉工場 2億9000万円 → 3億2700万円
(5)小規模作業所に対する助成(在宅重度障害者通所援護事業費等)
28億5500万円 → 30億6400万円
2,595か所 → 2,785か所
2 地域における障害児療育システムの構築と総合的な支援体制の整備
(1)障害児通園(デイサービス)事業 24億7800万円 → 28億1300万円
(2)重症心身障害児(者)通園事業 12億5300万円 → 16億3200万円
(3)生活等支援事業
ア 市町村障害者生活支援事業 10億7500万円 → 13億8300万円
イ 障害児(者)地域療育等支援事業 17億8900万円 → 25億9400万円
ウ 精神障害者地域生活支援センター 10億 100万円 → 17億6400万円
3 精神障害者の保健医療福祉施策の充実
(1)精神障害者社会適応訓練事業 7億6300万円 → 8億 200万円
(通院患者リハビリテーション事業)
(2)精神障害者生活訓練施設(援護寮) 31億2300万円 → 41億5700万円
(3)精神科デイ・ケア施設の整備
736か所 → 815か所
4 介護等のサービスの充実
(1)訪問介護(ホームヘルプサービス)事業費 137億1400万円 →177億3000万円
・訪問介護員(ホームヘルパー)の増員
・知的障害者について、本人支援の観点を含めた事業に拡充
・訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修事業の実施
(2)精神障害者訪問介護(ホームヘルプサービス)事業の充実
ア 精神障害者訪問介護(ホームヘルプサービス)試行的事業
8600万円 → 1億1100万円
・実施か所の増 47か所 → 59か所
新イ 精神障害者訪問介護員(ホームヘルパー)研修試行的事業 800万円
(3)短期入所(ショートステイ)事業費 23億8100万円 → 30億7900万円
・日中預かりの導入(障害児・知的障害者)
(4)日帰り介護(デイサービス)事業
ア 身体障害者日帰り介護(デイサービス)事業費 53億4200万円 → 64億7700万円
・事業費補助方式の導入
新・訪問入浴サービスの導入
イ 在宅知的障害者日帰り介護(デイサービス)事業費 8億5400万円 → 10億4600万円
・身体障害者日帰り介護(デイサービス)を利用する場合の利用単価の設定
(5)身体障害者療護施設 430億9000万円 →450億5400万円
ア 身体障害者療護施設通所型における定員の拡大
300人 → 400人
イ 身体障害者療護施設通所型を併設できる施設の拡大
・重度身体障害者更生援護施設
・重度身体障害者授産施設
ウ 身体障害者療護施設における特別介護経費加算
(筋萎縮性側索硬化症(ALS)加算)
134人 → 221人
エ 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を受け入れる身体障害者療護施設の受入体制の充実
○ 職員の加算
・神経内科医(嘱託) 98か所 → 149か所
・非常勤看護婦 36か所 → 72か所
(6)知的障害者更生施設 1247億4100万円 →1282億8900万円
【施設整備等関係共通】
○ 社会福祉施設及び社会復帰施設の施設整備費等
(社会福祉施設整備費・設備費、保健衛生施設整備費・設備費へ一括計上)
・身体障害者療護施設の居室の改善
(個室化の促進)定員の2割までの加算 → 定員の3割までの加算
5 社会参加の推進
○ 市町村障害者社会参加促進事業 18億5600万円 → 20億5600万円
・メニュー事業
ア 実施か所数 330か所 → 370か所
イ 1か所当たり事業費 1,500万円
2 障害者プラン関係以外の施策
精神保健福祉法改正の趣旨を踏まえ、精神障害者の適正な医療及び保護の確保等を図るとともに、身体障害者福祉審議会等の意見具申の趣旨を踏まえ、障害者の自立と社会参加を推進するための施策の充実を図る。また、労働省における障害者雇用施策との緊密な連携を図り、生活支援から一般雇用まで連続性のある施策を展開する。
〔企画課〕
新○ 知的障害児(者)基礎調査 1億1600万円
○ 障害者ケアマネジメント体制整備推進事業 5億3600万円 → 6億2300万円
47か所 → 59か所
○ 手当等の給付 1063億5700万円 →1109億4900万円
(1)特別児童扶養手当 708億8200万円 → 750億6600万円
・物価スライドの特例
平成11年の消費者物価指数の下落が見込まれるが、
平成12年度の手当額は前年度と同額とする。
1級(月額) 51,550円
2級(月額) 34,330円
(2)特別障害者手当等 354億7500万円 →358億8300万円
・物価スライドの特例
平成11年の消費者物価指数の下落が見込まれるが、
平成12年度の手当額は前年度と同額とする。
特別障害者手当(月額) 26,860円
障害児福祉手当(月額) 14,610円
福祉手当(経過措置分)(月額) 14,610円
・所得制限限度額の引き上げ
本人(2人世帯:年収) 540.0万円 → 550.4万円
○ 厚生科学研究費(厚生科学課に一括計上)
・障害保健福祉総合研究経費 3億8100万円 → 3億8200万円
・感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究経費 5億7700万円 → 5億7800万円
(感覚器障害分)
〔社会参加推進室〕
1 社会参加の推進
新(1)障害者生活訓練・コミュニケーション支援等事業 6億1100万円
地域で自立した生活をするうえで欠かすことのできない生活訓練、コミュニケーション手段の確保及び移動を支援するための事業の実施
(「障害者の明るいくらし」促進事業から移し替え)
ア 1県当たり事業費 1990万円
イ 事業の充実等
(ア)盲導犬育成事業、手話通訳派遣事業の増
新(イ)盲ろう者向け通訳・介助員派遣試行事業の実施
(2)「障害者の明るいくらし」促進事業 18億5700万円 → 13億6400万円
ア 基本事業
・1県当たり事業費 4510万円
イ 全国障害者スポーツ大会開催事業費
ウ 障害保健福祉圏域計画推進事業
(3)中央障害者社会参加推進センター運営事業 2900万円 → 2900万円
(4)身体障害者自立支援事業 3億7800万円 → 3億7900万円
33か所
(5)障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業 1億1500万円 → 1億1500万円
23か所
(6)障害者スポーツの振興 4300万円 → 6400万円
新・日本パラリンピック委員会設置等に伴う体制強化
(7)身体障害者福祉促進事業委託費 6億7200万円 → 6億7800万円
(8)国連・障害者の十年記念施設「障害者国際交流センター(仮称)」の整備
12億9500万円 → 35億1600万円
・3年計画の最終年次
(9)補装具の給付(身体障害者・身体障害児) 146億5700万円 → 157億4400万円
2 労働省との連携施策 2500万円
新○ 情報機器の活用による重度障害者の社会参加・就労支援連携試行的事業の実施(市町村障害者社会参加推進事業の活用)
〔国立施設管理室〕
○ 国立更生援護施設の整備・運営の充実 101億4800万円 → 102億300万円
〔障害福祉課〕
1 在宅福祉施策等の充実
(1)日常生活用具給付等事業 - 万円 → 24億7900万円
新・住宅改修費の助成 (老人保健福祉局から組み替え)
(2)身体障害者訪問診査 1億1500万円 → 1億2100万円
・訪問診査の対象人員の増
(ア)医師、看護婦による訪問
18,350人 → 19,570人
(イ)PT等による訪問
3,670人 → 3,920人
(3)知的障害者生活支援事業等 2億8400万円 → 3億9500万円
ア 知的障害者生活支援事業(生活支援ワーカー)
63か所 → 103か所
イ 知的障害者福祉ホーム
87か所 → 87か所
2 施設福祉の充実 1364億8300万円 →1366億1800万円
新(1)授産活動活性化特別対策事業
(2)福祉職俸給表への対応、一般生活費等の改善
3 労働省との連携施策
新(1)情報機器の活用による重度障害者の社会参加・就労支援連携 1300万円
試行的事業の実施(身体障害者日帰り介護(デイサービス)事業の活用)
(2)知的障害者の生活支援と就業支援を総合的に行う 2100万円 → 3200万円
「障害者就業・生活支援センター(仮称)」設置に向けた試行的事業
(知的障害者生活支援事業の再掲)
〔精神保健福祉課〕
1 地域精神保健福祉施策の充実
新(1)精神保健福祉担当職員等特別研修事業 6400万円
*平成14年度から在宅福祉サービスに関する事務を行う
市町村職員等に対する研修の実施
(2)精神保健福祉センター特定相談等事業 1億 900万円 → 1億1300万円
54か所 → 56か所
(3)精神障害者社会復帰促進センター事業 3000万円 → 3100万円
(4)精神障害者手帳交付事業 800万円 → 900万円
2 精神障害者社会復帰施設の充実 68億5600万円 → 96億600万円
○ 運営費の補助基準額の引き上げ
・職員配置の増(指導員、事務員等)
・福祉職俸給表への対応、民間施設給与改善費等
3 長期在院患者の療養体制整備事業 2300万円 → 7100万円
・療養体制を確保するための医療・福祉的ケア施設
5か所 → 10か所
4 より良い精神医療の確保
(1)精神医療費の公費負担 401億2800万円 →428億6600万円
(2)精神科救急医療システム整備事業 4億7300万円 → 12億400万円
ア 実施か所数の増 35か所 → 47か所
新イ 移送事業の創設
(3)精神障害者身体合併症治療体制整備試行的事業 1700万円 → 1700万円
4か所
新(4)精神障害者通院医療対策費 400万円
*在宅精神障害者数の増加等に鑑み、今後の通院医療及び
通院公費負担制度のあり方を再検討
5 老人性痴呆疾患センター運営費 3億1100万円 → 3億2500万円
134か所 → 137か所
6 更生医療・育成医療の給付 75億5200万円 → 75億6600万円
7 労働省との連携施策 300万円 → 1900万円
精神障害者の生活支援と就業支援を総合的に行う「障害者就業・生活支援センター(仮称)」設置に向けた試行的事業
(精神障害者地域生活支援センター運営費の再掲)
3 平成12年度税制改正(障害者関係)
○ 精神障害者地域生活支援センターの法定化に伴う税制上の所要の措置
(固定資産税、都市計画税、不動産所得税、特別土地保有税)
精神障害者地域生活支援センターに係る非課税措置を創設
[参考1]障害者プランの推進
整備目標設定事項 | 11年度予算 11年度補正後 | 12年度予算 | 14年度整備量 |
---|---|---|---|
グループホーム (知的障害者) (精神障害者) 福祉ホーム (身体障害者) (精神障害者) 計 |
10,365人分 10,365人分 6,724人分 6,724人分 3,641人分 3,641人分 2,472人分 2,792人分 812人分 852人分 1,660人分 1,940人分 12,837人分 13,157人分 |
(+2,088人分) 12,453人分 (+1,356人分) 8,080人分 (+732人分) 4,373人分 (+550人分) 3,342人分 (+160人分) 1,012人分 (+390人分) 2,330人分 (+2,638人分) 15,795人分 |
15,860人分 10,800人分 5,060人分 4,200人分 1,200人分 3,000人分 20,060人分 |
授産施設 (身体障害者(通所)) (知的障害者(通所)) (精神障害者(入所・通所)) 精神障害者福祉工場 計 |
57,351人分 58,407人分 7,833人分 8,098人分 44,238人分 44,379人分 5,280人分 5,930人分 810人分 990人分 58,161人分 59,397人分 |
(+3,213人分) 61,620人分 (+1,063人分) 9,161人分 (+1,060人分) 45,439人分 (+1,090人分) 7,020人分 (+300人分) 1,290人分 (+3,513人分) 62,910人分 |
65,800人分 10,000人分 46,800人分 9,000人分 1,770人分 67,570人分 |
障害児通園(デイサービス)事業 重症心身障害児(者)通園事業 計 |
502か所 502か所 121か所 123か所 623か所 625か所 |
(+50か所) 552か所 (+38か所) 161か所 (+88か所) 713か所 |
1,002か所 236か所 1,238か所 |
精神障害者社会適応訓練事業 | 4,546人分 4,546人分 | (+240人分) 4,786人分 | 5,280人分 |
精神障害者生活訓練施設(援護寮) | 4,020人分 4,060人分 | (+620人分) 4,680人分 | 6,000人分 |
市町村障害者生活支援事業 障害児(者)地域療育等支援事業 精神障害者地域生活支援センター |
160か所 160か所 320か所 320か所 145か所 145か所 |
(+40か所) 200か所 (+100か所) 420か所 (+50か所) 195か所 |
690か所 690か所 650か所 |
訪問介護(ホームヘルパー) | 32,800人 32,800人 | (+4,400人) 37,200人 | 45,300人 |
短期入所(ショートステイ) | 3,155人分 3,270人分 | (+547人分) 3,817人分 | 4,650人分 |
日帰り介護(デイサービス) | 817か所 823か所 | (+28か所) 851か所 | 1,010か所 |
身体障害者療護施設 知的障害者更生施設 |
22,086人分 22,086人分 92,258人分 92,258人分 |
(+1,300人分) 23,386人分 (+1,351人分) 93,609人分 |
25,000人分 95,600人分 |
【参考2】介護保険法施行に伴う障害者施策の対応について
介護保険法案採決の際の附帯決議を踏まえ、介護保険サービスと遜色のないものとなるよう施策の充実を図るとともに、障害者施策から介護保険への円滑な移行を図る。
1.居宅介護等事業
(1)訪問介護(ホームヘルプサービス)事業
全身性障害者、視覚障害者及び聴覚障害者等については、社会生活の継続性を確保する観点から、介護保険に移行しても、サービスの低下をきたさないよう、必要量を確保する。
(2)訪問介護員養成研修事業
障害児・者に対する訪問介護員(ホームヘルパー)の人材確保を図るため、養成研修事業を実施する。
2.短期入所(ショートステイ)事業
身体障害者が介護保険の指定を受けた短期入所(ショートステイ)施設を利用できるよう、利用単価の設定を行う。
3.日帰り介護(デイサービス)事業
(1)身体障害者が介護保険の指定を受けた日帰り介護(デイサービス)施設を利用できるよう、利用単価の設定を行う。
(2)介護保険と同様、訪問入浴サービスを導入する。
4.日常生活用具給付等事業
介護保険と同様、住宅改修費の助成を行う。
〔参考〕
○介護保険法の円滑な実施のための特別対策
・障害者ホームヘルプサービス利用者に対する支援措置
低所得世帯で、障害者施策によるホームヘルプサービスを利用していた者等について、介護保険の利用者負担を3%に軽減する。