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編集後記

 先日の企画委員会で2次障害のコーナーを設けたらどうかという意見が出ました。それと同時期に、私は首から肩のあたりに痛みを覚えました。
 私はアテトーゼ型の脳性マヒの障害をもっています。そのため身体全体が緊張しているのですが、その中でも腰と首、肩の緊張が激しく、時には痛みを伴います。その痛みが急にひどくなってきて、右手が肩より上に上がらなくなったり、首が回らなくなってきたりして、とうとう2次障害かと思いました。
 同じ障害をもち激しい緊張と付随運動から頚椎を傷め、2次障害をもつようになった人が、私の周りには何人もいます。電動車いすに乗った人から、「以前はあなたのように歩いていた」と言われたことが何回もあります。
 これまでも2次障害になるかもしれないという思いはありましたが、今回のように痛みと実際、腕が上がらなくなったり首が回らなくなったりすると、「これからどうやって生活しよう」とか、「介助者をうまく使わなくては」などと、真剣に考えました。
 まだ2次障害だと決まっていませんが、そうでなくてもいろいろ方法を考えて、楽しく生活したいものです。でも、この痛みは何とか消えて欲しいと切実に思っています。

(O)


 今月号の特集は、精神障害者施策を取り上げました。これは、今年が精神病者監護法制定100周年、精神衛生法制定50周年にあたるため、今までの総括と21世紀に向けての展望をまとめようということでした。依頼原稿のほかに、精神障害者施策を数字で表わし、他の障害や海外の状況を比較してみました。数字からも改めて精神障害者施策の遅れを実感します。
 「精神障害者にとって20世紀は冬の時代だった」と書かれた方がいました。21世紀が春の時代になるには、今まで歩んできた経緯を反省し、さらなる関係者の働きかけにかかってくると言えます。
 今年も半年を過ぎましたが、先日、本誌編集委員会が開かれ、本年の後半から来年春までの特集の検討を行いました。今後半年の方針は、やはり「21世紀」がキーワードとなります。また、来年1月からは、省庁再編が行われますが、それが障害者施策にどう影響があるかも気になるところです。
 新しい世紀を迎えるにあたり、特別企画をすることになりました。本誌の特色を生かした内容になるよう工夫したいと考えています。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2000年7月号(第20巻 通巻228号)