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最近、反省したこと

廉田俊二

 この前、テレビでおなじみのオスマン・サンコンさんと話をする機会がありました。彼はアフリカのギニア出身で、お茶の間にギニアという国を広めた第一人者だと私は思っています。いつもハイテンションで、お笑い番組では「ガハハッ」と笑っている彼は、実は障害者なのです。高校生の時にサッカーをしていて骨折し、それがもとで歩く時は足を大きく引きずっています。
 サンコンさんの話は、スケールがでっかくてどこまでが本当なのかよく分かりませんが、なにせ家族は大家族で四十五人。視力は六.0。このサンコンさんが「ギニアには障害者差別はない」と言い切るのです。もちろん、ギニアのバスにリフトが付いているわけはないし、建物の入り口には段差があるだろうし、そのことを差別だと言ってしまえば、この話は終わってしまうので、それはちょっと横に置いておきます。
 ギニアには障害を隠したり、恥じたりする考え方が存在しないというのです。古くから日本では、障害者は座敷牢というのが伝統的にあって、いまだに、その一端を受け継いでいる傾向がどことなく漂っています。
 家族に障害者がいることが「家の恥」。しかし、ギニアにはそんな考え方そのものがないのだそうです。
だから、ギニアの障害者は堂々と街にも出かけられる。障害者を特別視しない。そのことを彼は「ギニアには障害者差別はない」と言っているのです。
 ギニアでは、障害者も普通の学校で勉強します。
まさに統合教育です。ひょっとしたら、国自体が貧しくて養護学校をつくる余裕がないのかも、と思ってしまいますが、彼いわく、「だれもが普通学校で教育を受ける権利を保障する法律がある」とのことです。とっても文化的で、日本よりもだんぜん進んでいるじゃないですか。
 私たちに入ってくるアフリカの情報は、飢餓で苦しんでいる貧困生活、戦争している現実、狩りで生活している原住民、といったものがほとんどです。
私自身、その視点からしかアフリカを見ていなかったような気がします。アフリカを低く見て、ばかにしていたのかもしれません。

 (かどたしゅんじ メインストリーム協会)