霞ヶ関ＢＯＸ

各省庁における
平成１３年度障害者施策予算について

内閣府政策統括官（総合企画調整担当）障害者施策担当

　平成１３年度の障害者施策関係予算は、障害者施策推進本部を構成する府省庁のうち１０府省庁において、総額で１兆２，５３２億円を計上している（その他に財政投融資やメニュー事業として行われている施策がある）。
　総額を見ると一般歳出の約２．６％の規模となり、これは平成１２年度の関係当初予算１兆２，２８７億円に対し２９５億円（２．０％）の増となっている。
　その内容を全体的に見れば、保健福祉施策の着実な推進や道路、駅、建物等生活環境面でのバリアフリー関係施策の充実が伺える。

【参考】

　一般会計　　　　８２兆６，５２４億円
　対前年度増減額　　２兆３，３４７億円
　伸率　　　　　　　　　　　２．７％減

　一般歳出　　　　４８兆６，５８９億円
　対前年度増減額　　　　５，６７５億円
　伸率　　　　　　　　　　　１．２％増

　各省庁ごとの予算の概要は以下のとおりである（〔　〕内は１２年度当初予算額である）。

●内閣府

　２１４百万円〔２２０百万円〕

　障害者施策推進のための啓発広報経費や、ボランティア活動促進のための経費等を計上している。

（主な事業）

　・「障害者の日・記念の集い」の開催
　・障害者週間における記念行事の開催
　・心の輪を広げる障害者理解促進事業（体験作文等の募集）
　・ＮＰＯ法の施行に伴う体制整備、ＮＰＯの活動を促進するための環境整備
　・障害者への消費者情報提供（テレビ番組に手話挿入）　等

●警察庁

　５０４百万円〔５７３百万円〕

　障害者の気持ちに配慮した警察活動の推進を図るための経費等を計上している。

（主な事業）

　・手話ができる職員を養成するための講習会の実施
　・障害者対策を推進するための対応マニュアルの作成
　・視覚障害者等の道路横断の安全を図るための交通安全施設（信号機）の整備　等

●総務省

　１１３，５０３百万円〔１２３，２７９百万円〕

　情報バリアフリー化に向けた研究開発の推進や、字幕放送の推進、選挙における身体障害者対策のための経費等を計上している。

（新規事業）

　・身体障害者向け通信・放送役務の提供、開発等の推進
　・災害弱者施設の防災対策強化のための検討

（主な事業）

　・傷病恩給の支給
　・目の不自由な方のための郵便商品・サービス案内冊子の調製
　・簡保加入者福祉施設、普通郵便局舎のバリアフリーの充実
　・参議院通常選挙における身体障害者対策　等

（財政投融資）

　・情報通信利用機会均等整備
　・視聴覚障害者向け放送番組制作施設整備事業　等

（地方財政措置）

　・共生のまち推進事業

●法務省

　３８百万円〔３７百万円〕

　障害者に対する差別解消のための啓発活動経費などを計上している。

（主な事業）

　・障害者に対する差別解消のための啓発活動
　・成年後見登録に伴う事務　等

●外務省

　８百万円〔８百万円〕

　国連障害者基金へ資金を拠出し、国際貢献を果たしている。

●文部科学省

　１８２，２１４百万円〔１８０，５３５百万円〕

　障害のある子どもの理解認識の推進、適正就学の充実、特別支援教育に関する調査研究、教育内容の改善・研修等に取り組むこととしている。

（新規事業）

　・特別支援教育推進事業
　・特別支援教育の在り方に関する調査研究
　・就業支援に関する調査研究
　・障害のある児童生徒の交流活動事業

（主な事業）

　・適正就学の充実
　・特殊教育就学奨励費負担
　・特殊教育設備整備費補助
　・公立特殊教育施設整備費負担　等

●厚生労働省

　６７９，５２０百万円〔６６９，４０４百万円〕

　障害者プランを中心とした障害者の総合的な保健福祉サービスの着実な推進のため、地域における自立支援・社会参加施策及び障害者介護施策等に要する経費や障害者の雇用の促進及び安定のための積極的な施策の推進をはかる経費等を計上している。

（主な新規事業）

　・小規模通所授産施設の活動支援（３障害相互利用）
　・高次脳機能障害支援モデル事業の実施
　・施設外授産の活用による就職促進モデル事業
　・視聴覚障害者情報提供施設における情報化に対応した機能強化
　・バリアフリーのまちづくり活動事業
　・異種施設間の相互利用等の促進を図るための施設整備の環境改善整備
　・思春期児童の心の健康づくり対策の充実
　・ＰＴＳＤ対策の充実
　・「障害者雇用機会創出事業」（仮称）の創設
　・障害者のキャリアの向上等に関する研究の実施
　・グループ就労を活用した精神障害者の雇用促進モデル事業の実施　等

（主な事業）

　・地域における自立支援
　　　地域生活援助事業（グループホーム）　等
　・社会参加施策の推進
　　　市町村障害者社会参加促進事業　等
　・在宅福祉施策の推進
　　　訪問介護員（ホームヘルプサービス）事業　等
　・障害者の雇用の促進及び安定のための積極的な施策の推進
　・障害者に対する実践的かつ効果的な職業リハビリテーションの充実
　・雇用と福祉との連携による総合的な障害者対策の推進
　・多様な教育訓練機会の確保・提供　等

●農林水産省

　２０９百万円〔２２９百万円〕

　高齢者・障害者に配慮した生活環境の整備などを図ることとしている。

（主な事業）

　・高齢者・障害者に配慮した生活環境の整備
　・高齢者・障害者の食生活の健全化及び自立環境の改善
　・農林漁業労働災害の未然防止対策　等

●経済産業省

　３，０３１百万円〔３，４１３百万円〕

　医療及び福祉機器技術の研究開発等の促進を図ることとしている。

（主な事業）

　・福祉機器等開発動向調査
　・医療及び福祉機器技術の研究開発
　・知的基盤整備（福祉用具評価）
　・高齢化・福祉社会に対応する標準基盤の整備

（財政投融資）

　・福祉関連機器普及促進

●国土交通省

　２７３，９９０百万円〔２５０，９７５百万円〕

　交通施設バリアフリー化の推進や、幅の広い歩道等の整備等による歩行空間のバリアフリー化等の経費を計上している。

（主な新規事業）

　・交通バリアフリーボランティア活動支援
　・小型船舶操縦士免許の取得支援のためのガイドラインの策定　等

（主な事業）

　・交通バリアフリーの推進
　・障害者にやさしいまちづくりの推進
　・障害者にやさしい住まいづくりの推進　等

（財政投融資）

　・ＪＲ及び民鉄の駅改良工事
　・旅客船ターミナル、空港ターミナルビルの整備
　・リフト付バス等の整備
　・人にやさしい建築物整備事業　等

平成１３年度障害者施策関係予算の概要

（単位：千円）

（注）「※」印は、メニュー事業等であり、障害者施策関係の額を特定化できないため、金額を計上していない。