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編集後記

 今回の特集では、ITを生活の中でどう活用しているか、その現状を紹介しましたが、ITの発展は障害のある人の生活を変えつつあることを改めて感じました。
 知的障害の人たちの間で広がっている携帯電話を使ったメールのやりとり。理由はパソコンよりも手に入りやすくて、操作も難しくないから。「なるほど」と思いました。本誌でもすでに紹介しましたが、聴覚障害のある人たちの生活も携帯電話の文字通信で大きく変わりました。今や聴覚障害のある人たちの間では、パソコンのメールはもちろん、日常的には携帯電話の文字メールを使ったやり取りがとても多くなっています。今後、知的障害の人たちの間でも利用者が急激に増加することでしょう。
 その他、学習障害のある人たちの本人の会発足のきっかけになったり、視覚障害の人の教科書作りも可能にしました。
 だからといって、インターネットなどでいろんな情報が得られる=(イコール)生活が豊かになるというのは正しくはないかもしれません。情報を手に入れても漢字が読めない。内容が難しくて何が書いてあるのか分からないといったことが起こります。こんなときには、「わかりやすくなるソフト」があるといいなと思います。
 また、情報にふりまわされて、トラブルに巻き込まれてしまう人もいます。そのせいか、情報が正しいかどうか慎重になっている人もいます。
 ITは社会参加を進める一つの方法です。ITを有効に使って生活の中に浸透させていくためには、環境整備と支援体制を充実させることが今後の課題ではないでしょうか。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2001年5月号(第21巻 通巻238号)