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ボッチャと私

大久保善司

私の心情

 昔から「病は気から」と言われています。自分は全くその通りだと信じて、病気に負けない気力の向上を第一主義に実生活やボランティア活動に頑張っているつもりです。
 横浜ラポールにおいて、平成5年6月、障害者スポーツボランティア養成研修会を受けて以来、ボランティア活動を続けています。人生の節目を迎えた平成11年に活動の一つとしてボッチャに出会いました。以来ボッチャに魅せられて、今一番力を入れてお手伝いをしています。

ボッチャの魅力

 「ボッチャって何?」とよく質問されます。まず名前を覚えてもらうために夏目漱石の「坊ちゃん」を例に出し、そこから「ん」を取ってくださいと話し出します。そうすると初対面の方でも打ち解けて話ができるようになります。自分にはスポーツはできないと決めつけている障害をおもちの方が多いと思いますが、何はともあれ百聞は一見にしかずと言って、まずは手に触れて興味を持ってもらうようにしています。
 今日まで何回となく競技会や練習に出させていただいた時に参加者の皆さんが、今日こそ勝つぞと言っている言葉を耳にします。競技者はだれもが自分は勝ちたいという願望と闘争心を持っていますから、一度ボールを手にすれば相手に勝ちたい、もっと上手になりたいと思うようになります。相手のボールが投げたいコース上にある時、そのボールにぶつけてどかし、投げたボールが自分の考えた通りになった時の喜び、投球ごとに一喜一憂し、逆転に次ぐ逆転など勝つことを目的に真剣勝負ができる楽しいスポーツで、自分にもやればできるという喜びが実感として沸いてきます。
 パラリンピックシドニー大会で初めて正式競技として登場したことは、皆様の記憶に残っていると思いますが、重度障害者が競技するあの映像を見て、同じボッチャに携わる身として改めて感動を受けました。数えきれないほどあるスポーツの中で、障害のあるなしに関係なく、対等にできると断言してやみません。このスポーツを通して今までとは違った人との出会える喜びが生まれ、自信が持て、今後の人生に明るい光が見え、かつ社会参加の意欲につながると考えています。

地域支援と活動状況

 横浜ラポールでは、数年前より地域支援事業の一つとしてボッチャを取り入れ、現在市内全区を対象にスポーツ課の職員とボランティアを派遣し、普及とリハビリ等に障害をおもちの方のお役に立てるよう努力をしています。自分なりの考えとして、家庭にひきこもりがちな地元・地域町内会の老人会、障害者等の方たちと一緒に楽しめる場を広げていければと考えております。
 私自身、平成13年度は泉区をはじめ活動センター等でも数か所でお手伝いをさせていただきながら、参加者の皆様と一緒に競技参加や審判をしたりしてコミュニケーションを図り、楽しくやらせていただいております。
 終わりに、これからも長くボッチャを愛し続け皆様のお役に立てればと思っています。

(おおくぼよしじ スポーツボランテイア、心疾患障害者)