工夫いろいろエンジョイライフ
弱視【3】
●外出編●
提案:田畑美智子(東京都在住)
イラスト:はんだみちこ
レストランには前もって電話を入れましょう
おしゃれなレストランで食事をする場合など、特に予約をする必要がない時でも、前もって電話を一本入れておくと、とても丁寧にサービスしてもらえる場合が結構あります。
レストラン側でも、視覚障害のあるお客があると認識し、心構えだけでも準備してくれていたりします。
肉や魚を食べやすい大きさに切ることを提案してくれたり、ソースをかけてくれたり。もちろん、その場でも親切にしてくれるでしょうが、先方も商売ですから、忙しい時もあります。前もって連絡をしておけば、段取りが考えられるようですよ。
エレベーターホールまで出迎えてもらった経験をした知り合いもいます。
洋服を買いに行く時はお気に入りの服装で
これは弱視に限ったことではないかもしれませんが、洋服を買いに出かける時は、手持ちのワードローブから、自分に似合った洋服、自分の好きなデザインの洋服を着ていくことを心がけています。
というのも自分で洋服を見つけるのは、特に視覚障害では至難の業です。店員のサポートが必要になりますが、たくさんの洋服の中から、自分に似合い、しかも気に入ってもらえる洋服を探すのって、店員の人でも意外とスムーズにできなかったりします。
ですから、ヒントとなる洋服を身に付けていくのです。自分の好きな洋服に最短距離でたどり着けるように。特に洋服の買い物が億劫な私などは、お店の方にてきぱきと決めていただきたい。後で気に入らず着なくなってしまう洋服を買うのは嫌なので、お気に入りの洋服を身に付けることでこちらの要望をアピールしてしまいましょう。
マイナスの意見が聞ける人間関係を
これは、本当は健常者の方に聞いていただいたほうがいいかもしれませんが…。
視覚障害をもっていると、買い物などで周囲の人たちのサポートを必要とすることがたくさんあります。八百屋さんでも薬屋さんでも、ブティックでもコスメでも。
ですから、顔見知りのお店やサポートしてくれる人を見つける努力をします。その時、一番有難いのは、マイナスの情報をくれる人間関係です。商売だったら、買ってもらおうと一生懸命宣伝しますし、お客さんの耳に心地よいことを言うほうが簡単ですが、たとえば洋服を合わせてみた時、似合わないとかサイズが合わないとか言ってくれる人間関係が、実はとても貴重だと思います。そういう情報は、いつも大切にしたいと思います。