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だれもができるアーチェリーの魅力

成川雄一

はじめに

 アーチェリーを始めたのは高校1年生の時でした。平成2年に設立された埼玉県障害者交流センターのアーチェリー教室に参加したのがきっかけです。私の障害は脳性マヒなのではじめは弓を引いてもとても不安定で、力めば力むほどうまくできませんでした。また、緊張すると矢をつがえるにも時間がかかりました。本当にできるかどうかとても不安でしたが、矢を放った時の開放感や的の真ん中に矢が的中したときの達成感が忘れられず、今日まで続けてきました。

だれもが楽しめるスポーツ

 アーチェリーは子どもから高齢者の方までだれもが楽しめるスポーツです。自分の体力に合わせて弓の強さや種類を選択すれば生涯にわたってアーチェリーは続けることができます。埼玉県障害者交流センターのアーチェリー場では、さまざまな年齢の方がアーチェリーを楽しんでいます。
 埼玉県内で行われる試合には、いつも障害のある人が出場しています。また、年齢もさまざまで中学生もいますし、高齢者の方もいます。試合に出ていると一般の選手から「がんばれよ」とか「調子はどう」と声をかけてもらうことも多く、本当にうれしく思います。また、埼玉県はパラリンピック選手だけでなくオリンピック選手や日本トップレベルの選手が多く在籍しています。いろいろな競技レベルの選手が同じ会場で一緒に試合ができることもアーチェリーの魅力の一つです。

アーチェリーを続けてきて良かったことと今後の目標

 アーチェリーを続けてきて楽しかったことは、仲間が多くでき行動範囲が広がったことです。遠征先で食べる珍しい食べ物や地元の人との会話はとても楽しく、日本の各地にアーチェリーを通じてたくさんの仲間ができました。きっと、アーチェリーと出会わなければ、こんなに行動範囲が広がることもなかったと思います。
 今目標にしていることが一つあります。それは日本障害者スポーツ協会の公認障害者スポーツ指導員の資格を取得することです。アーチェリーの愛好者も増えてきて、最近は質問されることも多くなってきましたが、自分の経験を分かりやすく人に伝えることが、難しいことに最近気づいたからです。
 アーチェリーを一度体験してみれば、楽しさを十分感じていただけると思います。アーチェリー場で見かけたら、ぜひ、声をかけてください。

(なるかわゆういち 埼玉県障害者アーチェリー協会)