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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2004年3月号

みんなのスポーツ

応援誌「それゆけ! GIANTS」ただいま108号

上浩司

小学校1年生の夏に筋ジストロフィー(デュシャンヌ型)と診断されました。小学校は地元の学校で健常児と普通学級で学び、中学入学と同時に東埼玉病院へ入所。隣接の養護学校で中学・高校と卒業しました。10年間入院生活をしていましたが、1993年1月(22歳)退院。在宅生活も11年が過ぎました。1994年3月に気管切開をして24時間人工呼吸器を装着、声も失い寝たきりの生活も10年になろうとしています。現在33歳、支援費制度を利用しながら自立に向けて頑張っています。

在宅生活では、ただ天井を見て過ごすわけにはいかない、毎日が充実した生活を送りたいと思いました。そこで考えたのが大好きな巨人軍を応援するために新聞(応援誌)を発行することでした。シーズン中は試合結果、観戦記、選手の声、オフには自主トレ情報や(ジャイアンツ球場へ取材に行っての生の情報)記録などを載せました。現在108号までをHPで見ることができますが、300部くらいを全国の方々に送付しています。感想や意見が届いた時は、「続けてきてよかったな…」と思います。

応援誌を作るうえで難しいと思うことは、読んでもらえる人に「自分の思いをどう伝えられるか」ということです。しかし、回を重ねるごとに、自分らしく思ったことを素直に書くことで、きっと気持ちは通じるのだと考えるようになりました。そこで気をつけているのは、だれもがGIANTSファンばかりではないということで、他チームの話題も大切、と載せるようにしています。どうしてもGIANTS情報になってしまいますが…。

伝えるということは“感動”をいかに文字で伝えられるか、それが楽しみでもあり苦しみでもあります。

現在声を出すことができませんので、これからの夢として、声が出せたら自分の声で自分が味わった感動を伝えたいと思っています。そして今年の夢は、ヤンキースの松井秀喜選手を応援にニューヨークに行くことです。8月に実現させたいと今計画中です。また近い将来自立して、両親には好きなことをしてもらいたい。そして僕自身が充実した日々を送るためには、心身ともに健康であることだと思います。僕の応援者でもある巨人軍監督・堀内恒夫さんから、「夢は高く、自己の現実を直視しそこから逃げ出さず、最善の努力をすること」と教えていただきました。

いつでも“目標”を持ち、それに向かってただただ一生懸命チャレンジしつづけてきました。これからも夢に向かって思いつづけます。

(かみこうじ 埼玉県在住)

上浩司ホームページ
http://park6.wakwak.com/%7Ek-kouji-g55/index2.htm