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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2004年8月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●外出時のちょっとした工夫●

提案:吉浦美和 イラスト:はんだみちこ

吉浦美和(よしうらみわ)さん

手動車いすを使用して日常生活をおくっています。夫、子どもと3人暮らし。与えられた環境の中と外から、自分が自分らしく機能できるように何か工夫や改善ができないかいつも考えています。ミスタードーナツ障害者リーダー米国留学派遣制度第1期生。


運転時左ひじ用アームレスト

私は、車は手動装置を使っています。オートマチック車で右手でハンドル操作、左手でアクセルブレーキを操作します。運転時には体を安定させることが大切です。運転席にも、クッションや背当てで姿勢が安定するようにしていますが、走行時の姿勢保持のため、左ひじ用のアームレストを、古くなったお風呂マットで作りました。サイドブレーキと自分の体の間に押し込み、左ひじを乗せるだけですが、これで姿勢がかなり安定します。シートベルトの受け口にぶつかって浮き上がらないように切り込みを入れました。全体をガムテープで巻いて仕上げました。


手袋とアームカバー

手動車いすを利用して外を歩くと、手の汚れと袖口及びひじまでの汚れが気になります。私は手袋とアームカバーでそれを防いでいます。

手袋は、普段用と外出用と使い分けています。普段用はホームセンターで3セット420円ぐらいの、内側にゴムの滑り止めがついたドライブ用手袋(軍手)。汚れたら洗濯機に入れる前に石鹸をつけてもみ洗いします。

外出用は、ゴルフ用全天候型(雨でもOK)の両手用セットを使います。汚れ部分を石鹸でつまみ洗いをして、手洗いか単体で洗い、生乾きの時に両手にはめて形を整えてから陰干しにします。これは色がたくさんあるので、赤、黒、緑を持っていて洋服の色に合わせて使っています。

ひじの汚れ防止には、やはりホームセンターで買う1セット300円ぐらいのアームカバーをはめます。色は白、黄、ピンク、緑があります。特に、改まった席での洋服は汚したくないので、往復時にアームカバーをはめて、目的場所でははずします。


スパッツ(防寒)

私は両足の血の循環が悪くて、真夏以外は足が冷えてしまいます。冬は家の中でもブーツを履いた中に貼るカイロを入れたり、寝る前に入浴しないと足が冷え切って寝付けないほどです。また両足首の固定手術をしているので、ヒールのある靴ははけず、ブーツも足首が動かないので足首までファスナーがついているものを探すのが大変でした。去年はブーツがはやっていたのでデザインもたくさんあったのですが、実は脱いだり履いたりも一苦労だったのです。

ある日、登山用品店のセールで店先に陳列してあった、くるぶし、ふくらはぎ、ひざまで覆うスパッツを見つけました。ズボンの上からそして靴の上から取り付けます。内側にファスナー、外側にマジックテープがついています。とても暖かくて、しかも完全防風防水です。値段は5000円ぐらいでした。

スパッツのほかに、実はズボンの下にホームセンターで買った「きゃはん」もつけます。スナップかマジックテープかを選べますが、スパッツほど大きくはなく、ふくらはぎを覆うだけです。きゃはんは車いすに座ったままのお年寄りにもおすすめです。ちょうどホームセンターで買い物中に出会った老人デイサービスハウスの人に、ジーパンのすそをまくって見せたら、とても喜んでくれました。