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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2005年5月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●アクセサリーの留め具、他●

提案:加藤広美 イラスト:はんだみちこ

加藤広美(かとうひろみ)さん

交通事故で頸椎損傷になり、手動車いすを使用して生活をしています。車が好きでどこに行くにも車を使っています。仕事はタスク(トータルアクセスサポートセンター)のインストラクターとして、修学旅行生などを対象に都内のアクセス状況などを紹介しています。埼玉県在住。


アクセサリーの留め具

プレゼントでもらったシルバーのネックレス、自分では留められないので、いつもだれかに留めてもらっていました。でもそれだとめんどうだなぁ、と思っていました。あるとき、包装紙を留める銀色のゴムをみて、「これをネックレスにつけたら、自分でできるんじゃない?」と思い、ちょっとした遊び心で作ってみたら、見た目も違和感がないし、しかも自分でつけはずしができて、思った以上のできあがりでした。

ゴムの長さは、まず、頭が入るかどうかがポイントです。ゴムをつける分、ネックレスは長くなります。胸元のポイントですから、ゴムをつけたことで見えなくなってしまってはせっかくのネックレスが役に立ちません。通常のネックレスより少し下がるくらいの長さに調整します。

私の場合はゴムを10センチくらいの長さにしています。ネックレスの穴の部分にゴムを通して留めます。ゴムの断面は、ほずれないように透明なボンドを塗って処理しています。これからの季節、アクセサリーで胸元のおしゃれを楽しみませんか。


スカートのいろんな工夫

車への乗り移りなどでは、ゆとりのあるフレアスカートやギャザースカートが動きやすいです。車いすに乗りたての頃は、ウエスト周りがゴムのものをはいていましたが、ゴムは突然切れてしまうことがあります。それで最近は、ファスナー付きのものも購入しています。

スカート購入時のポイントは、ファスナーの金具に穴が開いているか、開いている穴にひもが通るかどうかをチェックします。その理由ですが、私は手に力がはいらないので、ファスナーにひもを通して輪にしています。それを指にかけて上げ下げをするからです。最近のスカートやパンツは、ファスナーの金具に穴が開いていないものもあるので、注意します。

ファスナーにつけるひもは、デザイン性を重視したスカートには、スカートの布と同系色の携帯ストラップをつけてみました。ひもも目立たず、気になりません。そのほかの工夫ですが、内側の押さえのところはマジックテープをつけます。ボタンは飾りボタンに。そして内側にはカギホック。そのカギホックには必ず輪にしたひもをつけて、カギホックの留めはずしに指をかけてひっぱります。これで私でもガキホックのつけはずしができます。ひもは、3ミリくらいの包装に使うリボンです。


車いすで洋服が汚れないように

これから暑くなって冷房の効いた部屋では、冷えないようにカーディガンを羽織ることもあります。カーディガンのボタンは、ボタンホルダーでつけることができますが、この前、気に入って買ったカーディガンにはボタンがついていませんでした。購入した当初は、カーディガンの合わせ目を膝に乗せておいていたのですが、知らず知らずのうちに合わせ目がサイドに流れて、車いすの車輪で服が汚れてしまいます。そこで私は胸のところにホックを一つ付けてみました。ホックは通常の大きさのものです。ホックでしたら、カーディガンの左右を指にかけて手首を合わせるようにして留めます。はずすときは、前の合わせ目の上部から手を差し入れて、手を前に押し出すようにしてはずしています。今、ホックは一つですが、やはり裾のあたりが左右に流れてしまい、車いすの車輪に巻き込まれたりするので、今度はもう少し下の位置に二つ目のボタンをつけてみようかなと思っているところです。