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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年7月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●らくらくポットの給水法、他●

提案:坂本美紀子 イラスト:はんだみちこ

坂本美紀子(さかもとみきこ)さん

生後7か月の時、ポリオに罹る。脊髄側湾症、両上下肢と全身のバランスが良く(?)、後遺症が残る。自分の足となる車の運転が大好きなさそり座のB型。神戸ポリオネットワーク会員。


らくらくポットの給水法

私は左肩関節が15ミリ、右肩関節が2~3ミリ脱臼しているため、物を持ち上げたり、持ち続けるということがかなりしんどいことになります。日常生活は手作業ばかりなので、なるべく手に負担をかけないようにといろいろと工夫しています。といっても、食べること大好きな私は、1日何回もお茶タイムをします。あっと気がつけば、ポットが空!そんな時の給水法を紹介します。

ここで500mlのペットボトルの登場です。あらかじめペットボトルに水を入れておき、ポットの近くに置いておきます。お湯がなくなったら、ポットのふたを開けてそこにペットボトルの口をはさみこんでポットのふたで押さえます。そうすると手を離してもペットボトルは落ちません。斜めに挟み込んでいるため一気に水が流れることなく、まるでイルカの赤ちゃんにミルクを飲ませているような感じです。これは500mlのペットボトルが最適で、1.5リットルや2リットルではうまくいきません。


力要らずの簡単調理―スライサーで料理上手

お料理はとても楽しいのに、すべて手作業で大変。まな板は重いし、食材は硬いし、包丁をずっと持っていると手が疲れるし…と、愚痴がでますが、私は道具の使い分けで難なく乗り越えています。キャベツの千切り、タマネギのスライス、キュウリの輪切り、にんじんの千切り、みなさんはどうしてますか?

私はスライサーを使っています。流しに大きめのざるを置き、流しのふちに左手を置いてスライサーをかけます。あっという間に野菜の芸術作品のできあがり、包丁で切るのとは比べものにならないくらいきれいです。食感も大満足。後片付けも楽で少しの力で大丈夫です。ネギやお肉、干物を切るときははさみを使います。


力要らずの簡単調理―煮物は冷凍食品で

道具を使い分けても食材を使い分けないと、私の力ではどうしようもない物もあります。煮物は大好きでよく作るのですが、カボチャを切るのは大変。自分で切ろうものなら全体重をかけて死ぬ思いで切るようです。

そこで冷凍食品が大活躍します。今は冷凍食品も種類が豊富で、冷凍技術も上がって旬の食材を使った調理方法で野菜物もたくさん出回っています。カボチャの煮物が大好物の私は、だしを作り、その中に冷凍のカボチャを入れて煮るだけ。冷凍食品はとても便利な私の味方です。